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捕縛
43話 嫌がらせ3
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日が落ちて夜になり、辺りは月明かりだけが明るく照らす。
シュオナは気分よく立ち上がりワクワクしたような顔をしながら自身に幻をかける。勿論声も似るように音の能力で声を完全に変える。
「よし、試しに会ってみるか!」
自分で手や足を見ても分からないので他人に見てもらう必要がある為この男をよく知るターゲット達に接触しに向かう。
「お、おい。人影があるぞ」
「護衛か?」
聴覚強化をしなくてもはっきりと聞こえる声。忘れがちだが僕は地獄耳なのでそこそこ離れていても聞こえてしまうのだ。
「何故助けてくれなかった…?」
シュオナはそう言いながらゆっくりと近く。自分では普通に話しているのだが、相手は違うようで顔を真っ青にしながらガタガタと震える。
「な、なんだその姿は?!」
どうやらちゃんと男のゾンビに見えているようだ。虫付きだが。
「お前達が見捨てたせいでこうなったんだ。だからせめて朽ちる………」
ターゲット達はセリフを全部言い終える前に逃げ出してしまいシュオナは立ち尽くした。
「…せめて全部セリフ言わせろよ。どんだけビビってるんだよ」
シュオナは走り去るターゲット達を追いかけ回す。鍛えていないターゲット達の身体能力は低いため途中から別方向へ逃げるやつを追いかけては、撒いたと思い込んでいる奴の背後に気配を消して無言で立った驚かしたり、落とし穴を作ってハメまくったりして遊んだ。
勿論護衛達もターゲット達を追いかけている最中に見かけたら少しだけ追いかけ回した。
いや、護衛達も人それぞれ面白い反応するからさ…!護衛の筋肉ムキムキ大男の1人が「きゃぁああ!お化けぇ~!!」って言いながら女の子が走る時の様な逃げ方をするものだから、なんとも言えない面白さがあってやめれなくなってしまった。護衛達の大半がリタイアして気絶している。中にはシュオナが作ったドラゴンに追いかけ回された挙句に美味しくいただかれた人もかなりいる。
ターゲット達のうち12人は既に限界を超えてピクピクと痙攣しながら道のど真ん中で気を失っていたので既に最初に捕らえた男同様に服を奪って逆さまに吊るして同じ言葉を紙で書いて貼り付ける。シュオナはある程度楽しんだ後空を見上げる。
「あ、もう朝日が近いな。隠れて解除しないと」
夜空が少し明るくなっていることに気がつき追いかけ回すのはこれで辞めて建物の影に隠れて幻を解く。これでどれほど残ったのかと思い捕まえたターゲット達を数える。
「ふむふむ、あと残りのターゲットは8人だな。結構粘るな…今夜には全員気絶すると思ったんだがな」
ここからはなんの嫌がらせをしようか迷う。
「よし、悪臭スライムを作るか。あとの8人のうち半数が獣人だから嗅覚強化を結界に付与すれば丁度いいだろう。そういえば護衛達のこと忘れてたな…。殺して問題ないだろうけど、一応予備としてできる限り捕まえとくか」
シュオナは建物の影から幻悪臭スライムを作り出す。大きさはランダムで適当に作ったせいで大きさが成人男性ほどある巨大スライム数匹ができあがってしまったが気にしないようにして鼻をつまみながら街に放つ。
「本当に凄く臭かった…。生ゴミを数年放置した後の匂いか、危険薬品で例えるならアンモニアとかの臭いだな…。
鼻が曲がりそうな悪臭だな…、僕には嗅覚強化は解こう。臭すぎて無理だ」
シュオナは異空間から綺麗な布を取り出し顔半分を覆う。臭いはもう無いはずだがどうしても悪臭スライムを見ると思い出してしまうので少しでも紛らわそうと見かけだけでも防御する。
屋根に登り、ターゲット達と護衛達はどうなっているか様子を伺うことにした。
シュオナは気分よく立ち上がりワクワクしたような顔をしながら自身に幻をかける。勿論声も似るように音の能力で声を完全に変える。
「よし、試しに会ってみるか!」
自分で手や足を見ても分からないので他人に見てもらう必要がある為この男をよく知るターゲット達に接触しに向かう。
「お、おい。人影があるぞ」
「護衛か?」
聴覚強化をしなくてもはっきりと聞こえる声。忘れがちだが僕は地獄耳なのでそこそこ離れていても聞こえてしまうのだ。
「何故助けてくれなかった…?」
シュオナはそう言いながらゆっくりと近く。自分では普通に話しているのだが、相手は違うようで顔を真っ青にしながらガタガタと震える。
「な、なんだその姿は?!」
どうやらちゃんと男のゾンビに見えているようだ。虫付きだが。
「お前達が見捨てたせいでこうなったんだ。だからせめて朽ちる………」
ターゲット達はセリフを全部言い終える前に逃げ出してしまいシュオナは立ち尽くした。
「…せめて全部セリフ言わせろよ。どんだけビビってるんだよ」
シュオナは走り去るターゲット達を追いかけ回す。鍛えていないターゲット達の身体能力は低いため途中から別方向へ逃げるやつを追いかけては、撒いたと思い込んでいる奴の背後に気配を消して無言で立った驚かしたり、落とし穴を作ってハメまくったりして遊んだ。
勿論護衛達もターゲット達を追いかけている最中に見かけたら少しだけ追いかけ回した。
いや、護衛達も人それぞれ面白い反応するからさ…!護衛の筋肉ムキムキ大男の1人が「きゃぁああ!お化けぇ~!!」って言いながら女の子が走る時の様な逃げ方をするものだから、なんとも言えない面白さがあってやめれなくなってしまった。護衛達の大半がリタイアして気絶している。中にはシュオナが作ったドラゴンに追いかけ回された挙句に美味しくいただかれた人もかなりいる。
ターゲット達のうち12人は既に限界を超えてピクピクと痙攣しながら道のど真ん中で気を失っていたので既に最初に捕らえた男同様に服を奪って逆さまに吊るして同じ言葉を紙で書いて貼り付ける。シュオナはある程度楽しんだ後空を見上げる。
「あ、もう朝日が近いな。隠れて解除しないと」
夜空が少し明るくなっていることに気がつき追いかけ回すのはこれで辞めて建物の影に隠れて幻を解く。これでどれほど残ったのかと思い捕まえたターゲット達を数える。
「ふむふむ、あと残りのターゲットは8人だな。結構粘るな…今夜には全員気絶すると思ったんだがな」
ここからはなんの嫌がらせをしようか迷う。
「よし、悪臭スライムを作るか。あとの8人のうち半数が獣人だから嗅覚強化を結界に付与すれば丁度いいだろう。そういえば護衛達のこと忘れてたな…。殺して問題ないだろうけど、一応予備としてできる限り捕まえとくか」
シュオナは建物の影から幻悪臭スライムを作り出す。大きさはランダムで適当に作ったせいで大きさが成人男性ほどある巨大スライム数匹ができあがってしまったが気にしないようにして鼻をつまみながら街に放つ。
「本当に凄く臭かった…。生ゴミを数年放置した後の匂いか、危険薬品で例えるならアンモニアとかの臭いだな…。
鼻が曲がりそうな悪臭だな…、僕には嗅覚強化は解こう。臭すぎて無理だ」
シュオナは異空間から綺麗な布を取り出し顔半分を覆う。臭いはもう無いはずだがどうしても悪臭スライムを見ると思い出してしまうので少しでも紛らわそうと見かけだけでも防御する。
屋根に登り、ターゲット達と護衛達はどうなっているか様子を伺うことにした。
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お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
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