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実力測定
13話 その4
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外とに出ていきシュオナが実力試験をした時の場所に新兵達は連れてこられた。
「さて、新兵諸君。楽しい昼食は先程終わった。これから測定へと戻る。次にやることは対人戦闘だ。同じ新兵同士で戦い合ってもらう。…シュオナは見学だ」
その言葉を聞いた時ショックのあまり固まった。
周りは意味深く頷いている。
「ケンに…ケン隊長!!それはあんまりです!僕も参加したいです!!」
やはりか…とでも言いそうな顔とため息をつく。
「最悪の夜を作り出した男の子供であり弟子でありその技術を受け継いだ後継者のお前がここにいる奴らに負けるはずがないだろ…。新兵にいるのがおかしいくらいなんだからよ」
「そんなことありません!僕は兵士としても己の実力にしてもまだまだ未熟だ!だから参加させてください!!僕は今よりも強くなりたい!!例えケン隊長が言ったように負けなくても、相手から何かを学ぶことは出来る!それに、『対人戦闘の経験はどんなことでも意味が無いことはない。必ず役に立つことがある』と師匠も言っていた!どんな小さな戦闘経験でもあった方がいいではありませんか!」
「ふふふ。ケン、ここまで言われては参加させてあげたらいいのではないですか?私達が相手をしてあげればいいのですから」
ケンの肩を軽く掴みハヨクが説得してくれた。
「…分かった。俺たちとだぞ?いいな?」
「ケン隊長とハヨク副隊長が相手なんて願ってもないことだ!」
興奮気味に目をギラギラさせて喜ぶ。
「ただ、俺たちが戦うにしては時間がかかる。だから最後になる。それでもいいな?」
「全然構わない!戦えるのなら!」
「シュオナは戦うことが好きなのかい?もしかして、戦闘狂?」
ハヨクが何らや物騒なことを言う。
「失礼な!師匠じゃないから!!僕は殺し合いを楽しむような狂ったやつじゃない!殺し合いに似た(寸止めの)実戦形式が好きなだけ。その方が実力もつくからな」
それを聞いて周りはため息を付き呆れ果てた。
「それを戦闘狂と言うんですよ…。
親が親なら子も子ってことですね」
「納得いかない」
シュオナは師匠が戦闘狂と認識しているが故に狂った人は全員が師匠のような人だと思っており、自分はそうではないと思っていたが周りから見れば十分な戦闘狂だった。
「話はそこまでとして新兵諸君は好きな奴と組んで一組ずつ俺の前に並んでくれ」
少し待つと全員が二人一組となった。誰とも組んでないという人はいなかった。
「では、対人戦闘の練習を行う!一組目準備をしろ!!」
そうして始まった対人戦闘訓練。互いに何ができて何ができないか。どんな癖で何が得意でどこが弱点となるか。全く知らない。
シュオナは、それぞれ戦っている組を観察する。自分ならどう動くかどうやって誘導して自分のペースに巻き込むか。そんな風に真面目に考えている。
そんな様子をケンとハヨクは見ていた。
「すごい集中力だな」
「そうですね。自分の世界に入ってます。こういう類は分析するのが得意な人が多いので厄介なんですが…まさかシュオナもそういう類も得意みたいですね。筆記試験の結果もそうですがやはり頭がいいようですね。戦闘もでき、相手の力量を測る分析力も備わっている。まさにこの国に必要な逸材ですね」
「敵には回したくないタイプだな」
「ふふふ、そうですね。大丈夫ですよ。シュオナは敵になったりしませんよ」
「そうだな」
次々と終わっていく。
そしてシュオナの番が次になる。
シュオナはワクワクしながら訓練場へと小走りして入る。
「さて、新兵諸君。楽しい昼食は先程終わった。これから測定へと戻る。次にやることは対人戦闘だ。同じ新兵同士で戦い合ってもらう。…シュオナは見学だ」
その言葉を聞いた時ショックのあまり固まった。
周りは意味深く頷いている。
「ケンに…ケン隊長!!それはあんまりです!僕も参加したいです!!」
やはりか…とでも言いそうな顔とため息をつく。
「最悪の夜を作り出した男の子供であり弟子でありその技術を受け継いだ後継者のお前がここにいる奴らに負けるはずがないだろ…。新兵にいるのがおかしいくらいなんだからよ」
「そんなことありません!僕は兵士としても己の実力にしてもまだまだ未熟だ!だから参加させてください!!僕は今よりも強くなりたい!!例えケン隊長が言ったように負けなくても、相手から何かを学ぶことは出来る!それに、『対人戦闘の経験はどんなことでも意味が無いことはない。必ず役に立つことがある』と師匠も言っていた!どんな小さな戦闘経験でもあった方がいいではありませんか!」
「ふふふ。ケン、ここまで言われては参加させてあげたらいいのではないですか?私達が相手をしてあげればいいのですから」
ケンの肩を軽く掴みハヨクが説得してくれた。
「…分かった。俺たちとだぞ?いいな?」
「ケン隊長とハヨク副隊長が相手なんて願ってもないことだ!」
興奮気味に目をギラギラさせて喜ぶ。
「ただ、俺たちが戦うにしては時間がかかる。だから最後になる。それでもいいな?」
「全然構わない!戦えるのなら!」
「シュオナは戦うことが好きなのかい?もしかして、戦闘狂?」
ハヨクが何らや物騒なことを言う。
「失礼な!師匠じゃないから!!僕は殺し合いを楽しむような狂ったやつじゃない!殺し合いに似た(寸止めの)実戦形式が好きなだけ。その方が実力もつくからな」
それを聞いて周りはため息を付き呆れ果てた。
「それを戦闘狂と言うんですよ…。
親が親なら子も子ってことですね」
「納得いかない」
シュオナは師匠が戦闘狂と認識しているが故に狂った人は全員が師匠のような人だと思っており、自分はそうではないと思っていたが周りから見れば十分な戦闘狂だった。
「話はそこまでとして新兵諸君は好きな奴と組んで一組ずつ俺の前に並んでくれ」
少し待つと全員が二人一組となった。誰とも組んでないという人はいなかった。
「では、対人戦闘の練習を行う!一組目準備をしろ!!」
そうして始まった対人戦闘訓練。互いに何ができて何ができないか。どんな癖で何が得意でどこが弱点となるか。全く知らない。
シュオナは、それぞれ戦っている組を観察する。自分ならどう動くかどうやって誘導して自分のペースに巻き込むか。そんな風に真面目に考えている。
そんな様子をケンとハヨクは見ていた。
「すごい集中力だな」
「そうですね。自分の世界に入ってます。こういう類は分析するのが得意な人が多いので厄介なんですが…まさかシュオナもそういう類も得意みたいですね。筆記試験の結果もそうですがやはり頭がいいようですね。戦闘もでき、相手の力量を測る分析力も備わっている。まさにこの国に必要な逸材ですね」
「敵には回したくないタイプだな」
「ふふふ、そうですね。大丈夫ですよ。シュオナは敵になったりしませんよ」
「そうだな」
次々と終わっていく。
そしてシュオナの番が次になる。
シュオナはワクワクしながら訓練場へと小走りして入る。
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