不老不死の勇者


日常的に魔法が使われているこの世界。

魔力は人の価値そのものであった。

しかし、ごく稀に魔力が極端に少ない人間がいる。

その中でも虐げられる事がない人材、それが「スキル」待ち。

魔力が人の価値ならばスキル持ちはこの世界の宝。

どういう因果かスキル持ちは、それと引き換えに魔力が人より少ないのが常であるが、その魔力が少なければ少ない人間ほど、より強力なスキルを持っていた。

主人公のゼンタは魔法が全く使えなかった。というのも彼の魔力は0。

さぞ、強力なスキルを所有しているのかと思いきや生まれてこの方、ゼンタはスキルすら発動した事がなかったのだ。

しかしある日、自分のスキルは不老不死だという事に気づく。

それをきっかけに、とうに諦めていた幼い頃からの夢である「勇者」になる為、ゼンタは勇者試験に挑む。

険しい道のりだと言うのはわかっていたが、不老不死のおかげで命と引き換えの禁忌呪文は撃ち放題、呪いの装備はつけ放題、餓死寸前の生命力を食う精霊にまで気にいられ、ゼンタは自分が勇者になると言う無謀な夢に、希望を抱く。


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