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八章 逃避行と商人の街
四十三話
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婦人は鋭く、だけど静かに僕の目を覗き込んできた。
「え、なぜにそうお思いで? 」
「舐めてもらっては困るわよ。私はこの町のことならなんでも知ってるの。あなたが探してる機械がこの町に運ばれてきたことも、それを求めてホルンメランの人間が何人かやってきてることも。」
この婦人、最初から全て見抜いたうえで僕を屋敷に招き入れたのか。
婦人はまたコーヒーをすすった。
「だけどまあ、私があなたをどうこうしたりはしないわ。そんな動機ないもの。」
「あなたは、何者です? 」
恐る恐る聞いてみた。
「あら、私のことを知らないのかしら。」
そんなこと言われたって、僕は婦人のことを全く知らなかった。
「わたし、名をマリー・フラン・ソングラインというの。これでも一応はこの国の侯爵よ。」
侯爵? ワイド伯よりも高位の貴族じゃないか。とんでもない人に話しかけてしまったものだ。
「はあ、ソングライン侯爵ですか。でも侯爵家がどうしてニフラインに? 」
「ここは自治都市よ。勘違いされがちだけど、ニフラインには支配されていないの。そして私はこの都市の商人たちのまとめ役兼監査役。だから安心してちょうだい。あなたをニフラインに引き渡したりはしないから。」
いまいち信用できないが、嘘はついていないようだ。
「ホルンメランと本国がニフラインに侵攻を開始したっていう話は、わたくしも聞き及んでいるのだけれどね。けれどあなた、軍人じゃないでしょ? 」
「え、どうしてわかるんです? 」
軍服はもちろん着てはいないが、それだけで軍人でないことなんてわからないはずだ。
「そんなにヒョロヒョロな軍人見たことないもの。」
ああ、悲しいが納得してしまう。
ただ、ソングライン侯爵は貴族であることを差し引いても、ただならぬ気配を漂わせていた。
ソングライン候は金髪ストレートを座った腿のあたりまで垂らしていた。紅い瞳が大きく二つ並んでいるから、人形が目の前に座っているようだった。
「貴女は、何者? 」
思わず尋ねてしまった。
「だから言ったでしょ。商人街に住み着いている変わり者の貴族よ。」
「いや、そうではなく……。」
彼女は困った表情をしていたが、そのあとで納得したらしい顔をした。
「あらら、あなたも結構鋭いのね。」
ソングライン候は不気味な笑みを浮かべた。彼女は目を瞑ると、何かを唱えた。
「おわ! 」
目を疑った。
ソングライン候の背中に一対の翼が生えたのだ。悪魔のような翼だ。
「なんだなんだ! 」
「驚かないでちょうだい。あなただって魔族を見たことがないわけじゃないでしょ? 」
「魔族? いや、たしかに人でないならそうとしか……。」
「ウフフ、混乱してるわね。可愛いわ。」
よく見れば、彼女の頭には水牛のような角も生えていた。
僕の様子を見て、ソングライン候はご機嫌だった。
「種明かししてあげましょう。私、この見た目通りの悪魔なの。でも勘違いしないでね。何も悪いことはしてないわ。」
見た目は本当にどストレートな悪魔なのだが。
侯爵は身の上話を始めた。
「私の家はね。代々悪魔だけど、貴族だったの。元々は人間のフリをして爵位を賜ったのだけれど、途中でバレちゃったみたいなのよ。」
「え! それでも大丈夫だったんですか? 」
「ええ。さっきも言ったように、私も一族も悪いことは何もしてないわ。」
「あれ? 経歴詐称もなかなかの罪じゃないです? 」
「まあそのせいでこんな辺境の町に飛ばされたのよ。」
「それだけでよく許してもらえましたね。」
「そこはご先祖さまの人徳でどうにかなったらしいわ。」
悪魔の人徳とは一体?
ともかく、この侯爵は僕に敵意があるわけではないようだ。
「あなたの護衛さんも呼んだ方がいいかしらね。」
「呼ぶって言ったって、どうするんですか? 」
「簡単よ。まあ見てなさい。」
侯爵はまた目を瞑って何やら念じ始めた。
しだいに侯爵の周りに魔法陣が現れた。魔法陣はどんどん大きくなっていくと、発散してしまった。
「あれ、何も起きませんけど。」
「あなたには何もしていないもの。」
また彼女はカップに口をつけた。
そのあとは、ソングライン候はまた何事もなかったように、雑談を始めてしまった。
「あなたもコーヒー飲んだら? 冷めちゃうわよ。」
促されたので、コーヒーに口をつけた。
貴族の出すコーヒーはやはりいい豆を使っているらしく、美味しい。
「しばらくかかるだろうから、くつろぎなさい。」
「ニフラインにいちゃ、くつろぐなんて……。」
「言ったじゃない。ここはニフラインの中にあるけれど、ニフラインではない。ワイドくんだって、ここには手を出せないわ。」
実質、目の前にいるソングライン候がこの町の首長ということか。
不意に、鐘が鳴った。
「あら、わりかし早かったじゃない。お迎えよ。」
来客のインターホン代わりの鐘か。規模がいちいち大きいな。
しばらく待つと、この部屋がノックされた。
「いいわよ。」
と、侯爵が返事すると、扉が開かれた。
扉を開けたのは、屋敷の使用人。ただ、後ろには人がいた。
「こんなところにおったのか、君は。」
メイデン少将だった。彼は息を切らしている。
「全く! 軽率だぞ! 」
彼をみて、侯爵は笑っていた。
「まあまあ、軍人さん。怒らないであげて。」
「な! 私が軍人だと分かるのですか? 」
「もちろん知っているわよ、チャロッサ・メイデン少将。」
「へ、へえ……。」
自分が知られていたので、メイデン少将は嬉しそうだ。どうして知られているのか、気にはならないのかよ。
「あと二人ももうすぐ到着するはずよ。」
侯爵の言葉通り、ライアンくんと兵士くんも、ほどなくして屋敷に到着した。
元いた四人が集合できたのは良かったが、状況はややこしい。
「それで、結局はどういうことなんですか? 」
「この人がこの町のボスってところかな。」
「かなり大雑把だけれど、今はそんなところで構わないわ。」
侯爵は再び三人に向かって自己紹介をした。
「魔族の貴族とは……噂には聞いておりましたが。」
「まさかこの町にいらっしゃったとは。」
コーヒーもあと三杯が運ばれてきて、三人の前に並べられた。
「こんなにゆっくりしていて大丈夫なんですかね? 」
「大丈夫よ、マーベルくん。ニフラインの軍なんて、ここには来ないから。」
「え、どうして僕の名前を? 」
「私に隠し事なんてできないわ。あなたたちが誰で、どこから来たのかも全て知ってるわ。」
さっきもメイデン少将の名前を知っていたな。
ライアンくんは呆然としていた。
「そんなに不思議? 私は悪魔よ。そのくらいのことはできるわ。」
ハナから僕たちのことを把握したうえで、町に入れたのか。
「こんなゆっくりしていてはマズい。早く軍に戻らなければ! 」
コーヒーをすすっていたメイデン少将は突然我に帰った。
「大丈夫よ。ホルンメランの軍は問題なく進軍を続けているわ。」
「どうしてそんなことが分かるのです! 」
「あなたたちのことだって知れたもの。ホルンメラン分団の動向なんて容易く分かるわよ。」
さっきから常軌を逸している人だ。
遥か遠く離れた場所のことを見聞きすることができるなど、信じられない。
「不思議そうな顔をしているわね。」
「そりゃまあ。」
「ただの魔法よ。貴方たち人間には馴染みがないでしょうがね。」
またまた魔法だよ。この世界で不思議なことは全部魔法で片付くんじゃないだろうか?
だが、その魔法はズルくないか? 遠くのことまで全て知ることができるのは。
「『千里眼』と『地獄耳』の魔法よ。まあ大体シャラパナ全域のことならなんでも知れるわ。」
「それじゃあ戦況ももちろん? 」
「ええ。ホルンメランは問題なく進んでるみたいよ。シャラトーゼ本団は……うーん。思わしくないみたいね。どうにか前には進んでるみたいだけど。」
あらら、本団はやっぱり厳しいみたいだ。
とにかくホルンメラン分団の状況はいい感じのようで、一安心。
「しかし、だからといって長居をするわけにもいきませんな。戦列を離れてしまっているのは事実なので。本題に入っていただきたい。」
「そうだったわね。じゃあ例のものを。」
ソングライン候は手を叩いた。
また扉がノックされた。侯爵の合図で扉が開くと、今度はメイドが四人がかりで荷台を引いていた。
「おお、本当に! 」
荷台には、僕たちの配合マシンが載っていた。
「え、なぜにそうお思いで? 」
「舐めてもらっては困るわよ。私はこの町のことならなんでも知ってるの。あなたが探してる機械がこの町に運ばれてきたことも、それを求めてホルンメランの人間が何人かやってきてることも。」
この婦人、最初から全て見抜いたうえで僕を屋敷に招き入れたのか。
婦人はまたコーヒーをすすった。
「だけどまあ、私があなたをどうこうしたりはしないわ。そんな動機ないもの。」
「あなたは、何者です? 」
恐る恐る聞いてみた。
「あら、私のことを知らないのかしら。」
そんなこと言われたって、僕は婦人のことを全く知らなかった。
「わたし、名をマリー・フラン・ソングラインというの。これでも一応はこの国の侯爵よ。」
侯爵? ワイド伯よりも高位の貴族じゃないか。とんでもない人に話しかけてしまったものだ。
「はあ、ソングライン侯爵ですか。でも侯爵家がどうしてニフラインに? 」
「ここは自治都市よ。勘違いされがちだけど、ニフラインには支配されていないの。そして私はこの都市の商人たちのまとめ役兼監査役。だから安心してちょうだい。あなたをニフラインに引き渡したりはしないから。」
いまいち信用できないが、嘘はついていないようだ。
「ホルンメランと本国がニフラインに侵攻を開始したっていう話は、わたくしも聞き及んでいるのだけれどね。けれどあなた、軍人じゃないでしょ? 」
「え、どうしてわかるんです? 」
軍服はもちろん着てはいないが、それだけで軍人でないことなんてわからないはずだ。
「そんなにヒョロヒョロな軍人見たことないもの。」
ああ、悲しいが納得してしまう。
ただ、ソングライン侯爵は貴族であることを差し引いても、ただならぬ気配を漂わせていた。
ソングライン候は金髪ストレートを座った腿のあたりまで垂らしていた。紅い瞳が大きく二つ並んでいるから、人形が目の前に座っているようだった。
「貴女は、何者? 」
思わず尋ねてしまった。
「だから言ったでしょ。商人街に住み着いている変わり者の貴族よ。」
「いや、そうではなく……。」
彼女は困った表情をしていたが、そのあとで納得したらしい顔をした。
「あらら、あなたも結構鋭いのね。」
ソングライン候は不気味な笑みを浮かべた。彼女は目を瞑ると、何かを唱えた。
「おわ! 」
目を疑った。
ソングライン候の背中に一対の翼が生えたのだ。悪魔のような翼だ。
「なんだなんだ! 」
「驚かないでちょうだい。あなただって魔族を見たことがないわけじゃないでしょ? 」
「魔族? いや、たしかに人でないならそうとしか……。」
「ウフフ、混乱してるわね。可愛いわ。」
よく見れば、彼女の頭には水牛のような角も生えていた。
僕の様子を見て、ソングライン候はご機嫌だった。
「種明かししてあげましょう。私、この見た目通りの悪魔なの。でも勘違いしないでね。何も悪いことはしてないわ。」
見た目は本当にどストレートな悪魔なのだが。
侯爵は身の上話を始めた。
「私の家はね。代々悪魔だけど、貴族だったの。元々は人間のフリをして爵位を賜ったのだけれど、途中でバレちゃったみたいなのよ。」
「え! それでも大丈夫だったんですか? 」
「ええ。さっきも言ったように、私も一族も悪いことは何もしてないわ。」
「あれ? 経歴詐称もなかなかの罪じゃないです? 」
「まあそのせいでこんな辺境の町に飛ばされたのよ。」
「それだけでよく許してもらえましたね。」
「そこはご先祖さまの人徳でどうにかなったらしいわ。」
悪魔の人徳とは一体?
ともかく、この侯爵は僕に敵意があるわけではないようだ。
「あなたの護衛さんも呼んだ方がいいかしらね。」
「呼ぶって言ったって、どうするんですか? 」
「簡単よ。まあ見てなさい。」
侯爵はまた目を瞑って何やら念じ始めた。
しだいに侯爵の周りに魔法陣が現れた。魔法陣はどんどん大きくなっていくと、発散してしまった。
「あれ、何も起きませんけど。」
「あなたには何もしていないもの。」
また彼女はカップに口をつけた。
そのあとは、ソングライン候はまた何事もなかったように、雑談を始めてしまった。
「あなたもコーヒー飲んだら? 冷めちゃうわよ。」
促されたので、コーヒーに口をつけた。
貴族の出すコーヒーはやはりいい豆を使っているらしく、美味しい。
「しばらくかかるだろうから、くつろぎなさい。」
「ニフラインにいちゃ、くつろぐなんて……。」
「言ったじゃない。ここはニフラインの中にあるけれど、ニフラインではない。ワイドくんだって、ここには手を出せないわ。」
実質、目の前にいるソングライン候がこの町の首長ということか。
不意に、鐘が鳴った。
「あら、わりかし早かったじゃない。お迎えよ。」
来客のインターホン代わりの鐘か。規模がいちいち大きいな。
しばらく待つと、この部屋がノックされた。
「いいわよ。」
と、侯爵が返事すると、扉が開かれた。
扉を開けたのは、屋敷の使用人。ただ、後ろには人がいた。
「こんなところにおったのか、君は。」
メイデン少将だった。彼は息を切らしている。
「全く! 軽率だぞ! 」
彼をみて、侯爵は笑っていた。
「まあまあ、軍人さん。怒らないであげて。」
「な! 私が軍人だと分かるのですか? 」
「もちろん知っているわよ、チャロッサ・メイデン少将。」
「へ、へえ……。」
自分が知られていたので、メイデン少将は嬉しそうだ。どうして知られているのか、気にはならないのかよ。
「あと二人ももうすぐ到着するはずよ。」
侯爵の言葉通り、ライアンくんと兵士くんも、ほどなくして屋敷に到着した。
元いた四人が集合できたのは良かったが、状況はややこしい。
「それで、結局はどういうことなんですか? 」
「この人がこの町のボスってところかな。」
「かなり大雑把だけれど、今はそんなところで構わないわ。」
侯爵は再び三人に向かって自己紹介をした。
「魔族の貴族とは……噂には聞いておりましたが。」
「まさかこの町にいらっしゃったとは。」
コーヒーもあと三杯が運ばれてきて、三人の前に並べられた。
「こんなにゆっくりしていて大丈夫なんですかね? 」
「大丈夫よ、マーベルくん。ニフラインの軍なんて、ここには来ないから。」
「え、どうして僕の名前を? 」
「私に隠し事なんてできないわ。あなたたちが誰で、どこから来たのかも全て知ってるわ。」
さっきもメイデン少将の名前を知っていたな。
ライアンくんは呆然としていた。
「そんなに不思議? 私は悪魔よ。そのくらいのことはできるわ。」
ハナから僕たちのことを把握したうえで、町に入れたのか。
「こんなゆっくりしていてはマズい。早く軍に戻らなければ! 」
コーヒーをすすっていたメイデン少将は突然我に帰った。
「大丈夫よ。ホルンメランの軍は問題なく進軍を続けているわ。」
「どうしてそんなことが分かるのです! 」
「あなたたちのことだって知れたもの。ホルンメラン分団の動向なんて容易く分かるわよ。」
さっきから常軌を逸している人だ。
遥か遠く離れた場所のことを見聞きすることができるなど、信じられない。
「不思議そうな顔をしているわね。」
「そりゃまあ。」
「ただの魔法よ。貴方たち人間には馴染みがないでしょうがね。」
またまた魔法だよ。この世界で不思議なことは全部魔法で片付くんじゃないだろうか?
だが、その魔法はズルくないか? 遠くのことまで全て知ることができるのは。
「『千里眼』と『地獄耳』の魔法よ。まあ大体シャラパナ全域のことならなんでも知れるわ。」
「それじゃあ戦況ももちろん? 」
「ええ。ホルンメランは問題なく進んでるみたいよ。シャラトーゼ本団は……うーん。思わしくないみたいね。どうにか前には進んでるみたいだけど。」
あらら、本団はやっぱり厳しいみたいだ。
とにかくホルンメラン分団の状況はいい感じのようで、一安心。
「しかし、だからといって長居をするわけにもいきませんな。戦列を離れてしまっているのは事実なので。本題に入っていただきたい。」
「そうだったわね。じゃあ例のものを。」
ソングライン候は手を叩いた。
また扉がノックされた。侯爵の合図で扉が開くと、今度はメイドが四人がかりで荷台を引いていた。
「おお、本当に! 」
荷台には、僕たちの配合マシンが載っていた。
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