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五章 ドリーム・リゾートです!
四十四話 大会終幕です!
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次は準決勝だ。もうすでに次のエリアへの進出は決まっているし、もう安心してもいいのだが、ミヤビは相変わらず気合が入っている。
「次もしっかりと勝ちましょう! あと二回勝てば優勝ですよ!」
ケータリングの肉まんを相当気に入ったらしく、また三個を抱えている。
「どんだけ食べるんだよ、お前。」
「いやあ、美味しくって食べちゃいますよ。」
「もう肉まんのところ空になりそうですよ。」
最初運ばれてきた時にはたくさんあったはずの肉まんがなくなってきている。全てミヤビが平らげてしまったのだ。
そんなに食べて、動けなくなってしまわないかと心配になるが、ミヤビは準決勝でも絶好調だった。
「行きますよ!」
「ちょっと待てよ! 」
準決勝では誰よりも先に突っ込んで一番前にいた相手プレイヤーを攻撃、一撃で吹っ飛ばしてしまった。
今までのチームプレイを全否定するような作戦だ。
「あー! もういい! 各々頑張ってくれ!」
「ロータスさんまで連携を放棄しないでくださいよ!」
しかし実際問題チームプレイを意識せずとも力押しすることは可能だった。武器の力で吹き飛ばせない相手はこの大会にはいないようだった。
ミヤビが大暴れしている間に、俺が攻撃する準備が整う。
「よっしゃ! ミヤビ、もういいぞ!」
彼女の耳に届くか心配だったが、聞こえたらしくミヤビは横にそれた。
「はぁぁぁぁ!」
剣を真上に引っこ抜くように切り上げると、前方一直線の大地が弾け飛んだ。そこからたちまち竜巻が巻き上がり、あとは前と同じく相手が吹き飛んで終わりだ。
準決勝も、完封して勝つことができた。
「四回も同じ勝ち方だとちょっとつまらなくなってきますね。」
「勝てばいいんじゃないのかよ。注文が多いな。」
ミヤビは難癖つけてきたが、観客たちはやっぱり湧き上がっている。
仕方ない。この戦い方ばかりする俺たちが悪いわけじゃない。これが何回も通用してしまうこのアリーナの環境が悪いのだ。
さてさて、あとは決勝戦を残すのみだ。
「決勝の相手って?」
「今やってるのの勝った方ですよ。」
モニターでは、今行われている準決勝第二試合が流れていた。
「おお! ちょっとちょっと! あのパーティー!」
「あんなだったか?」
一方のパーティーは他のパーティーと同様に、大したことなかった。だが問題はもう一方のパーティーだった。
さっき見ていたときには平凡なパーティーだったはずだ。それなのに今はどうだ。
「前方の戦士と後方の魔法使い三人の息がピッタリ合っていますよ!」
かなり特殊な戦い方をしている。前方の戦士は直接攻撃をしない。後ろの魔法使いが放った魔法を剣で纏ってそれを斬撃にのせて放つという攻撃方法だ。
これが見事にハマっている。後ろに三人控えているので、攻撃は止む様子を見せない。瞬く間に相手は全滅してしまった。
なるほど、これは少し考えて戦わなければならないかもしれないな。
十分ほどのインターバルが置かれてから、いよいよ決勝戦が始まる。俺たちはすでに試合上の袖に待機していた。
「次に勝てば、優勝ですよ。みんな最後まで気を抜かずに頑張りましょう!」
「そうだね、ここまできたからには優勝したいね。」
「僕も役に立てるように頑張りますよ!」
幕が開いた。
さて、呼び出されて試合場に出ると歓声が大きく上がった。もはや最初から期待されているらしい。
「今回も期待してるぜ!」
「またやっちゃってよー!」
歓声が鳴り止まないうちに、今度は相手が呼び出されて現れた。今回は相手もそれなりだ。
新しい戦い方自体もそうだが、それを準決勝まで隠したままできたこと自体が只者じゃない。
いつもの囃子のあとでゴングが鳴らされた。
「速い!」
相手は開始早々さっきと同じ前後の陣形を作った。
「来ますよ!」
モニターで見たのと同じような魔法攻撃が始まった。
「うおっと! これヤバイな!」
雷なり氷なり炎なりが次々と襲いかかってくる。
大剣に身を隠してようやく防ぐことができる。ほぼ試合場全てに攻撃が届くから避けるのはほぼ不可能だろう。
「ほらほらどうしたどうした! 隠れてるだけじゃ戦えないぞ。」
くそ、相手の剣士が調子に乗り始めた。
相手の魔法の勢いはどんどん増している。悔しいが、このままでは相手の言う通り、攻撃することができない。
「『隠密』を使ってもどのみち試合場全部攻撃されるから意味がない!」
くそ、相打ち覚悟で攻撃するか? いや、流石に魔法を浴びながら大剣を振り抜く自信がない。
大剣で防ぎ切れるのも限界があるだろう。このままジリ貧になってしまうのか……。
「ロータスさん! 僕に考えがあります!」
後ろからトルクがそう言った。
「そのまま防いでいてください。」
「待て! どこも攻撃をかわせないんだぞ?」
「いや、一つだけありますよ!」
後ろを振り返ると、トルクはとんでもないことをしていた。
「ドン!」
「わあああい!」
と、飛んでいったのはミヤビ。トルクのやつ、ミヤビをハンマーで飛ばしたのだ。
なるほど、たしかに空中には魔法がない。
「喰らえ!」
ミヤビが杖を振るうと、そこから猛毒が撒き散らされた。
空から降ってくる毒を避けられるはずもなく
「ぐわああ!」
「いや!」
相手は全員毒を浴びた。
このまま待っていても倒れてくれるだろうが、そんなちまちましたことはしない。相手が怯んだおかげで俺が攻撃する隙が生まれた。
「これで終わりだ!」
全力で振るった大剣は、今日一の竜巻を巻き起こし、全てを吹き飛ばしてしまった。
全員がリングアウトしてしまった。
「あ……。」
そう、全員が。またミヤビも一緒に吹き飛ばしてしまった。
「次もしっかりと勝ちましょう! あと二回勝てば優勝ですよ!」
ケータリングの肉まんを相当気に入ったらしく、また三個を抱えている。
「どんだけ食べるんだよ、お前。」
「いやあ、美味しくって食べちゃいますよ。」
「もう肉まんのところ空になりそうですよ。」
最初運ばれてきた時にはたくさんあったはずの肉まんがなくなってきている。全てミヤビが平らげてしまったのだ。
そんなに食べて、動けなくなってしまわないかと心配になるが、ミヤビは準決勝でも絶好調だった。
「行きますよ!」
「ちょっと待てよ! 」
準決勝では誰よりも先に突っ込んで一番前にいた相手プレイヤーを攻撃、一撃で吹っ飛ばしてしまった。
今までのチームプレイを全否定するような作戦だ。
「あー! もういい! 各々頑張ってくれ!」
「ロータスさんまで連携を放棄しないでくださいよ!」
しかし実際問題チームプレイを意識せずとも力押しすることは可能だった。武器の力で吹き飛ばせない相手はこの大会にはいないようだった。
ミヤビが大暴れしている間に、俺が攻撃する準備が整う。
「よっしゃ! ミヤビ、もういいぞ!」
彼女の耳に届くか心配だったが、聞こえたらしくミヤビは横にそれた。
「はぁぁぁぁ!」
剣を真上に引っこ抜くように切り上げると、前方一直線の大地が弾け飛んだ。そこからたちまち竜巻が巻き上がり、あとは前と同じく相手が吹き飛んで終わりだ。
準決勝も、完封して勝つことができた。
「四回も同じ勝ち方だとちょっとつまらなくなってきますね。」
「勝てばいいんじゃないのかよ。注文が多いな。」
ミヤビは難癖つけてきたが、観客たちはやっぱり湧き上がっている。
仕方ない。この戦い方ばかりする俺たちが悪いわけじゃない。これが何回も通用してしまうこのアリーナの環境が悪いのだ。
さてさて、あとは決勝戦を残すのみだ。
「決勝の相手って?」
「今やってるのの勝った方ですよ。」
モニターでは、今行われている準決勝第二試合が流れていた。
「おお! ちょっとちょっと! あのパーティー!」
「あんなだったか?」
一方のパーティーは他のパーティーと同様に、大したことなかった。だが問題はもう一方のパーティーだった。
さっき見ていたときには平凡なパーティーだったはずだ。それなのに今はどうだ。
「前方の戦士と後方の魔法使い三人の息がピッタリ合っていますよ!」
かなり特殊な戦い方をしている。前方の戦士は直接攻撃をしない。後ろの魔法使いが放った魔法を剣で纏ってそれを斬撃にのせて放つという攻撃方法だ。
これが見事にハマっている。後ろに三人控えているので、攻撃は止む様子を見せない。瞬く間に相手は全滅してしまった。
なるほど、これは少し考えて戦わなければならないかもしれないな。
十分ほどのインターバルが置かれてから、いよいよ決勝戦が始まる。俺たちはすでに試合上の袖に待機していた。
「次に勝てば、優勝ですよ。みんな最後まで気を抜かずに頑張りましょう!」
「そうだね、ここまできたからには優勝したいね。」
「僕も役に立てるように頑張りますよ!」
幕が開いた。
さて、呼び出されて試合場に出ると歓声が大きく上がった。もはや最初から期待されているらしい。
「今回も期待してるぜ!」
「またやっちゃってよー!」
歓声が鳴り止まないうちに、今度は相手が呼び出されて現れた。今回は相手もそれなりだ。
新しい戦い方自体もそうだが、それを準決勝まで隠したままできたこと自体が只者じゃない。
いつもの囃子のあとでゴングが鳴らされた。
「速い!」
相手は開始早々さっきと同じ前後の陣形を作った。
「来ますよ!」
モニターで見たのと同じような魔法攻撃が始まった。
「うおっと! これヤバイな!」
雷なり氷なり炎なりが次々と襲いかかってくる。
大剣に身を隠してようやく防ぐことができる。ほぼ試合場全てに攻撃が届くから避けるのはほぼ不可能だろう。
「ほらほらどうしたどうした! 隠れてるだけじゃ戦えないぞ。」
くそ、相手の剣士が調子に乗り始めた。
相手の魔法の勢いはどんどん増している。悔しいが、このままでは相手の言う通り、攻撃することができない。
「『隠密』を使ってもどのみち試合場全部攻撃されるから意味がない!」
くそ、相打ち覚悟で攻撃するか? いや、流石に魔法を浴びながら大剣を振り抜く自信がない。
大剣で防ぎ切れるのも限界があるだろう。このままジリ貧になってしまうのか……。
「ロータスさん! 僕に考えがあります!」
後ろからトルクがそう言った。
「そのまま防いでいてください。」
「待て! どこも攻撃をかわせないんだぞ?」
「いや、一つだけありますよ!」
後ろを振り返ると、トルクはとんでもないことをしていた。
「ドン!」
「わあああい!」
と、飛んでいったのはミヤビ。トルクのやつ、ミヤビをハンマーで飛ばしたのだ。
なるほど、たしかに空中には魔法がない。
「喰らえ!」
ミヤビが杖を振るうと、そこから猛毒が撒き散らされた。
空から降ってくる毒を避けられるはずもなく
「ぐわああ!」
「いや!」
相手は全員毒を浴びた。
このまま待っていても倒れてくれるだろうが、そんなちまちましたことはしない。相手が怯んだおかげで俺が攻撃する隙が生まれた。
「これで終わりだ!」
全力で振るった大剣は、今日一の竜巻を巻き起こし、全てを吹き飛ばしてしまった。
全員がリングアウトしてしまった。
「あ……。」
そう、全員が。またミヤビも一緒に吹き飛ばしてしまった。
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