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五章 ドリーム・リゾートです!
四十二話 一回戦突破です!
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正直立っているだけだと思っていた新人のトルクが初っ端でやりやがった。俺たちにとっても相手にとってもまさに青天の霹靂。
「おい! どうなってるんだ!」
「分からないわ! サマールがやられちゃったよ!」
相手のパーティーは完全に混乱してしまっていた。
「よし! 今がチャンスだぞ!」
俺たちはその隙を見逃さずに攻勢に出た。
「トルクくんの作ったきっかけを無駄にしちゃいけませんもんね。」
「「『隠密』!」」
相手が混乱しているうちに俺たちは身を隠すことができた。
まず最初に狙うのは当然相手の残った魔法使いだ。こいつのせいで俺たちは攻めあぐねてしまう。そいつさえ倒すことができれば、あとは一気に崩れてしまうだろう。
「もらいましたよ!」
ミヤビはもうすでにたどり着いていた。
彼女は若干低めの姿勢で、踏ん張った。
「せーーい!」
さっきまで後ろの方からちびちび攻撃されていたことにフラストレーションがたまっていたのか、渾身の一振りだ。
「バッコーーーン!!」
身を隠しているミヤビの攻撃が避けられるはずもなく、攻撃は相手の女魔法使いの顔面にクリティカルヒット!
流石にちょっとかわいそうだ。何より痛そう。ゲームだから実際には多少衝撃を感じる程度で済むのだろうが、やはり殴られるショックというのはある。
かく言う俺も、特別指定のモンスターたちに攻撃された時は、実際以上の痛みを感じた。
気づかない間に殴られていたというのがせめてもの救いか。女魔法使いは、倒れたか倒れていないかなどはもうすでに問題外だった。場外まで吹き飛ばされてしまったのだ。
「我ながらキレイなホームランですね。」
「誰もホームランボールを欲しがらないみたいだけど?」
飛ばされた相手プレイヤーは途中の溝も越えていき、観客席に突っ込んでしまった。すごい音がして、近くの観客は逃げてしまっている。
俺もやらなければ! 目の前には残された物理タイプの相手プレイヤー2人。俺の姿は当然見えていない。
「さあ、さっきはできなかったけども、今度こそは!」
さきほどまで攻撃を阻まれていたフラストレーションは、俺にもあった。今、姿を隠している俺はさっきと違って思いっきり振りかぶることができる。
「よっしゃ! くらえ! 『グラウンドクラッシュ』!」
地面を全力で叩くと、衝撃波が走った。
だが、やはりこの武器だ。
「ちょっと! どうしてここでそれ使っちゃうんですか!」
「仕方ないだろ。攻撃するたびに出ちゃうんだから。」
例に漏れず、巨大な竜巻が渦巻いた。
ミヤビもトルクも焦っていた。が、二人残った相手プレイヤーほどではなかった。
「おいおい! なんなんだよ! 聞いてないぞ!」
「こんなもんどうやって防げばいいんだよ!」
相手はもはやなすすべがない様子。
どんなに緻密にチームワークを組み上げても、たった一撃で容易く流れは変えられてしまう。今だって、トルクのワンパンチでものの見事に形勢が逆転してしまった。やっぱり、チームワークなんていらないかな。
竜巻は瞬く間に相手の二人を飲み込んでしまった。それを見てギャラリーたちも騒然としている。
「あのプレイヤーは何したんだ!」
「どんな魔法を使っている。」
そんなもの俺にだってわからないよ。他のプレイヤーがこの「デザートストーム」という大剣を使ってみても、こんなふうにはならないらしい。やっぱりこれもバグの影響なのだろうか?
そのうち、今度は相手のみならずミヤビとトルクの二人までを巻き込んでしまった。
「ちょっと、ちょっと!」
「ヤバイですよ、ロータスさん!」
二人も一緒になって竜巻に飲み込まれてしまった。
「なんとかしてくださいよ!」
「そんなこと言ったって、一回出したらもうどうすることもできないよ。」
「そんなーー!」
竜巻は弾けてしまった。
中の四人は吹き飛ばされて、違う方向に散らばってしまった。ただ同じなのは、みんな場外に行ってしまったということだった。
「ミヤビ選手、ジロウ選手、アララム選手、トルク選手、場外で脱落だー!」
試合場の上に立っているのは、俺だけになってしまった。そこで、ゴングは鳴った。
「『ウィークリーラーメンず』のパーティーメンバーが全滅してしまったため、『バグ・バンデット』の勝利だ!」
「ウワアァァァァァァァァァ!!!!」
どっと上がる歓声を、俺だけがあび浴びているのは、悪い気分じゃなかった。観客席で尻もちをついているミヤビは怖い顔をしているけど。
俺は勝利の宣告をうけると、再び架けられた橋から試合場の外へと出た。
「いいぞ! 派手だったぜ!」
「二回戦もぶちかましてくれよ!」
さっきまで唖然としていた観客たちだけど、さすがに飲み込みが早い。もうすでに俺の得体の知れない大剣を受け入れている。
控室までたどり着くと、一足早くミヤビとトルクが帰っていた。ミヤビはやっぱり怒っている。トルクはそれを気まずそうに見ている。
「ああ、あの……。」
「言い訳は聞きませんからね!」
何を言ってもダメなやつだ。せっかく持ち直したと思ったのに、ミヤビがまた不機嫌になってしまった。
「おい! どうなってるんだ!」
「分からないわ! サマールがやられちゃったよ!」
相手のパーティーは完全に混乱してしまっていた。
「よし! 今がチャンスだぞ!」
俺たちはその隙を見逃さずに攻勢に出た。
「トルクくんの作ったきっかけを無駄にしちゃいけませんもんね。」
「「『隠密』!」」
相手が混乱しているうちに俺たちは身を隠すことができた。
まず最初に狙うのは当然相手の残った魔法使いだ。こいつのせいで俺たちは攻めあぐねてしまう。そいつさえ倒すことができれば、あとは一気に崩れてしまうだろう。
「もらいましたよ!」
ミヤビはもうすでにたどり着いていた。
彼女は若干低めの姿勢で、踏ん張った。
「せーーい!」
さっきまで後ろの方からちびちび攻撃されていたことにフラストレーションがたまっていたのか、渾身の一振りだ。
「バッコーーーン!!」
身を隠しているミヤビの攻撃が避けられるはずもなく、攻撃は相手の女魔法使いの顔面にクリティカルヒット!
流石にちょっとかわいそうだ。何より痛そう。ゲームだから実際には多少衝撃を感じる程度で済むのだろうが、やはり殴られるショックというのはある。
かく言う俺も、特別指定のモンスターたちに攻撃された時は、実際以上の痛みを感じた。
気づかない間に殴られていたというのがせめてもの救いか。女魔法使いは、倒れたか倒れていないかなどはもうすでに問題外だった。場外まで吹き飛ばされてしまったのだ。
「我ながらキレイなホームランですね。」
「誰もホームランボールを欲しがらないみたいだけど?」
飛ばされた相手プレイヤーは途中の溝も越えていき、観客席に突っ込んでしまった。すごい音がして、近くの観客は逃げてしまっている。
俺もやらなければ! 目の前には残された物理タイプの相手プレイヤー2人。俺の姿は当然見えていない。
「さあ、さっきはできなかったけども、今度こそは!」
さきほどまで攻撃を阻まれていたフラストレーションは、俺にもあった。今、姿を隠している俺はさっきと違って思いっきり振りかぶることができる。
「よっしゃ! くらえ! 『グラウンドクラッシュ』!」
地面を全力で叩くと、衝撃波が走った。
だが、やはりこの武器だ。
「ちょっと! どうしてここでそれ使っちゃうんですか!」
「仕方ないだろ。攻撃するたびに出ちゃうんだから。」
例に漏れず、巨大な竜巻が渦巻いた。
ミヤビもトルクも焦っていた。が、二人残った相手プレイヤーほどではなかった。
「おいおい! なんなんだよ! 聞いてないぞ!」
「こんなもんどうやって防げばいいんだよ!」
相手はもはやなすすべがない様子。
どんなに緻密にチームワークを組み上げても、たった一撃で容易く流れは変えられてしまう。今だって、トルクのワンパンチでものの見事に形勢が逆転してしまった。やっぱり、チームワークなんていらないかな。
竜巻は瞬く間に相手の二人を飲み込んでしまった。それを見てギャラリーたちも騒然としている。
「あのプレイヤーは何したんだ!」
「どんな魔法を使っている。」
そんなもの俺にだってわからないよ。他のプレイヤーがこの「デザートストーム」という大剣を使ってみても、こんなふうにはならないらしい。やっぱりこれもバグの影響なのだろうか?
そのうち、今度は相手のみならずミヤビとトルクの二人までを巻き込んでしまった。
「ちょっと、ちょっと!」
「ヤバイですよ、ロータスさん!」
二人も一緒になって竜巻に飲み込まれてしまった。
「なんとかしてくださいよ!」
「そんなこと言ったって、一回出したらもうどうすることもできないよ。」
「そんなーー!」
竜巻は弾けてしまった。
中の四人は吹き飛ばされて、違う方向に散らばってしまった。ただ同じなのは、みんな場外に行ってしまったということだった。
「ミヤビ選手、ジロウ選手、アララム選手、トルク選手、場外で脱落だー!」
試合場の上に立っているのは、俺だけになってしまった。そこで、ゴングは鳴った。
「『ウィークリーラーメンず』のパーティーメンバーが全滅してしまったため、『バグ・バンデット』の勝利だ!」
「ウワアァァァァァァァァァ!!!!」
どっと上がる歓声を、俺だけがあび浴びているのは、悪い気分じゃなかった。観客席で尻もちをついているミヤビは怖い顔をしているけど。
俺は勝利の宣告をうけると、再び架けられた橋から試合場の外へと出た。
「いいぞ! 派手だったぜ!」
「二回戦もぶちかましてくれよ!」
さっきまで唖然としていた観客たちだけど、さすがに飲み込みが早い。もうすでに俺の得体の知れない大剣を受け入れている。
控室までたどり着くと、一足早くミヤビとトルクが帰っていた。ミヤビはやっぱり怒っている。トルクはそれを気まずそうに見ている。
「ああ、あの……。」
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何を言ってもダメなやつだ。せっかく持ち直したと思ったのに、ミヤビがまた不機嫌になってしまった。
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