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五章 ドリーム・リゾートです!
四十一話 試合開始です!
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出囃子が始まった。
「一回戦第四試合。東の方角、『バグ・バンデット』の入場です!」
そうアナウンスで読み上げられると、目の前の扉が重々しくも開いた。
「さあ、行こう。」
階段を五段登れば、暗がりに中の明かりがさしていた。
その光の中に出ていけば、そこは前にも見たコロシアムだ。しかし、外から見るのと、中から見るのとでは全く違っていた。
「これは、圧倒されちゃいそうです。」
「ボクサーの入場もこんな感覚なんでしょうかね?」
「うおお、ちょっとテンション上がってきちゃいました。」
コロシアムに入ると、どっと歓声が湧いた。ギャラリーたちだ。スポーツ観戦と同じということだろう。
俺たちが円形のコロシアムに足を踏み入れると、中と外とを繋いでいた細い橋は取り外された。円形の試合場の周りには深い深い溝が掘られてあり、そこを見下ろしてみても、底は到底見えなかった。
「なんだか、檻の中みたいですね。」
ちょっと嫌な感じだが、注目を浴びていること自体は悪くない。
俺たちの入場が終わると、次は相手パーティーの入場が始まった。
「続いて、西の方角より『ウィークリーラーメンず』の入場です!」
アナウンスとともに、対面にある扉が開いた。そこからは人影が四人現れた。
予想していたことではあるが、相手パーティーは四人構成だった。俺たちよりも数が多い。
見たところ、戦士が二人に魔法使いが二人。戦士も魔法使いも男が一人と女が一人だ。盗賊三人の俺たちが言うのもなんだが、バラエティには乏しいパーティーだった。
彼らもまたコロシアムの中へと入ってきた。また一際大きく歓声が上がる。モニター越しで見ているのとでは迫力が違う。とんでもない熱気だ。
試合の準備は整った。
「では! 両パーティーとも、中央まで出てくれ!」
言われた通りに、俺たちは中央で横並びになった。相手パーティーもまた同じく前に出てきている。
相手もまた緊張しているようだった。
「よ、よろしくお願いします。」
「こちらこそ。」
一応試合だからだろうか、挨拶もしっかりとする。
「それではさっそく、試合を始める!」
俺たちはまた引き離されて、両パーティーともまた試合場の端まで戻った。
アナウンスは俺たちが端まで行ったことを確認した。
「よし! それでは、試合開始!」
ゴングが鳴らされた。
試合開始早々、敵のパーティーは前後に分かれて陣形を作った。相手も一応はチームワークを大切にして戦うつもりらしい。
前方にいる戦士二人を、後方にいる魔法使いたちが補助するようである。
「しゃらくさいですね!」
「ちょ! おい!」
こちらはミヤビがさっそく陣形を無視して突っ込んだ。
さっきまで他のパーティーを馬鹿にしていたのが恥ずかしくなるくらいの蛮勇だ。
「それ!」
ミヤビは近くの男剣士に殴りかかった。
が、そう上手くはいかなかった。
「『フレイムボール』!」
後ろの魔法使いは魔法でミヤビを牽制した。杖から飛び出した火の玉はミヤビに襲いかかった。
「のわっと!」
ミヤビは直前で止まって躱した。
彼女はまた戻ってきた。
「くそ! モンスターよりも断然戦いづらいですよ!」
「後ろに下がってろ!」
まとめて薙ぎ払ってやろうと、俺は大剣を大きく振りかぶりながら前に出た。
「『フロスト』!」
今度はもう一方の魔法使いが呪文を唱えてきた。
「くっ!」
避けきれずに、振りかぶっていた大剣を下ろして盾にした。
「ガッガッガッ!」
盾に氷が当たっている。
くそ! 思ったよりちゃんとしてるぞ、このパーティー。なかなか攻められない。
「ロータスさん! 『隠密』で身を隠しますか?」
「いや、そんな暇は無さそうだよ。」
目の前では、戦士二人がジリジリと前進してきていた。『隠密』を発動できるような時間は確保できない。
こちらもチームワークを駆使して戦わなければ分が悪くなってしまう。まずは三人そろって……って!
「おい! トルクはどこ行ったんだよ!」
「あれ? いなくなっちゃってますよ。」
どこを見回してみても、トルクの姿が見えないのだ。
「どういうことでしょう、『隠密』を使っているんでしょうか?」
「いや、それだったら仲間の俺たちには見えているはずだよ。」
と!そのときだ。
「『サマーソルトスタンプ』!」
「ドカーン!」
「「ええ!!」」
突如トルクが現れたのは、試合場の真反対。相手パーティーの後方だった。
凄まじい衝撃とともに空中から現れたトルクは後ろに控えていた敵の魔法使いの男の方を攻撃。頭にハンマーを直撃させてしまった。
スタンするのかと思った相手の魔法使いだったが、職業ゆえの脆さとHPの少なさが災いして、一撃で倒れてしまった。
突然のことで、味方である俺たちでさえも呆気に取られてしまった。どうやら、『隠密』を使ってはいたようだが、それ以前に彼は空中にいたようだ。
そして一気に強襲。早くも相手のうちの一人を倒してしまった。突然の撃破は、ギャラリーたちの度肝を抜いたよう。アリーナを囲った観客のプレイヤーたちから、どよめきにも似た歓声が上がった。
「一回戦第四試合。東の方角、『バグ・バンデット』の入場です!」
そうアナウンスで読み上げられると、目の前の扉が重々しくも開いた。
「さあ、行こう。」
階段を五段登れば、暗がりに中の明かりがさしていた。
その光の中に出ていけば、そこは前にも見たコロシアムだ。しかし、外から見るのと、中から見るのとでは全く違っていた。
「これは、圧倒されちゃいそうです。」
「ボクサーの入場もこんな感覚なんでしょうかね?」
「うおお、ちょっとテンション上がってきちゃいました。」
コロシアムに入ると、どっと歓声が湧いた。ギャラリーたちだ。スポーツ観戦と同じということだろう。
俺たちが円形のコロシアムに足を踏み入れると、中と外とを繋いでいた細い橋は取り外された。円形の試合場の周りには深い深い溝が掘られてあり、そこを見下ろしてみても、底は到底見えなかった。
「なんだか、檻の中みたいですね。」
ちょっと嫌な感じだが、注目を浴びていること自体は悪くない。
俺たちの入場が終わると、次は相手パーティーの入場が始まった。
「続いて、西の方角より『ウィークリーラーメンず』の入場です!」
アナウンスとともに、対面にある扉が開いた。そこからは人影が四人現れた。
予想していたことではあるが、相手パーティーは四人構成だった。俺たちよりも数が多い。
見たところ、戦士が二人に魔法使いが二人。戦士も魔法使いも男が一人と女が一人だ。盗賊三人の俺たちが言うのもなんだが、バラエティには乏しいパーティーだった。
彼らもまたコロシアムの中へと入ってきた。また一際大きく歓声が上がる。モニター越しで見ているのとでは迫力が違う。とんでもない熱気だ。
試合の準備は整った。
「では! 両パーティーとも、中央まで出てくれ!」
言われた通りに、俺たちは中央で横並びになった。相手パーティーもまた同じく前に出てきている。
相手もまた緊張しているようだった。
「よ、よろしくお願いします。」
「こちらこそ。」
一応試合だからだろうか、挨拶もしっかりとする。
「それではさっそく、試合を始める!」
俺たちはまた引き離されて、両パーティーともまた試合場の端まで戻った。
アナウンスは俺たちが端まで行ったことを確認した。
「よし! それでは、試合開始!」
ゴングが鳴らされた。
試合開始早々、敵のパーティーは前後に分かれて陣形を作った。相手も一応はチームワークを大切にして戦うつもりらしい。
前方にいる戦士二人を、後方にいる魔法使いたちが補助するようである。
「しゃらくさいですね!」
「ちょ! おい!」
こちらはミヤビがさっそく陣形を無視して突っ込んだ。
さっきまで他のパーティーを馬鹿にしていたのが恥ずかしくなるくらいの蛮勇だ。
「それ!」
ミヤビは近くの男剣士に殴りかかった。
が、そう上手くはいかなかった。
「『フレイムボール』!」
後ろの魔法使いは魔法でミヤビを牽制した。杖から飛び出した火の玉はミヤビに襲いかかった。
「のわっと!」
ミヤビは直前で止まって躱した。
彼女はまた戻ってきた。
「くそ! モンスターよりも断然戦いづらいですよ!」
「後ろに下がってろ!」
まとめて薙ぎ払ってやろうと、俺は大剣を大きく振りかぶりながら前に出た。
「『フロスト』!」
今度はもう一方の魔法使いが呪文を唱えてきた。
「くっ!」
避けきれずに、振りかぶっていた大剣を下ろして盾にした。
「ガッガッガッ!」
盾に氷が当たっている。
くそ! 思ったよりちゃんとしてるぞ、このパーティー。なかなか攻められない。
「ロータスさん! 『隠密』で身を隠しますか?」
「いや、そんな暇は無さそうだよ。」
目の前では、戦士二人がジリジリと前進してきていた。『隠密』を発動できるような時間は確保できない。
こちらもチームワークを駆使して戦わなければ分が悪くなってしまう。まずは三人そろって……って!
「おい! トルクはどこ行ったんだよ!」
「あれ? いなくなっちゃってますよ。」
どこを見回してみても、トルクの姿が見えないのだ。
「どういうことでしょう、『隠密』を使っているんでしょうか?」
「いや、それだったら仲間の俺たちには見えているはずだよ。」
と!そのときだ。
「『サマーソルトスタンプ』!」
「ドカーン!」
「「ええ!!」」
突如トルクが現れたのは、試合場の真反対。相手パーティーの後方だった。
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突然のことで、味方である俺たちでさえも呆気に取られてしまった。どうやら、『隠密』を使ってはいたようだが、それ以前に彼は空中にいたようだ。
そして一気に強襲。早くも相手のうちの一人を倒してしまった。突然の撃破は、ギャラリーたちの度肝を抜いたよう。アリーナを囲った観客のプレイヤーたちから、どよめきにも似た歓声が上がった。
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