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四章 W5・砂漠エリアです!
十四話 次のエリアに出発です!
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巨大金塊をミヤビが回収してしまうと、もう用はないということで、先にあった出口から金鉱山を出た。
出口には先に脱落したプレイヤーたちが集まっていた。
「あらら、ここみんな脱落しちゃってたんですね。」
「普通はゴーレムと遭遇したらやられちゃうからね。」
最後の分岐点で出会ったパーティーもいた。
「あれ、あなたたち! クリアしたんですか? 」
彼らは大いに驚いていた。
僕とミヤビは気違いとでも思われてたんだろうな。
「ええ、ボスを倒してきました。」
「信じられないな……。戦って勝てるようなものでもないだろうに。」
確かにゴールデンフィストは強かった。まだ大剣を持っていた腕がビリビリしている。
僕たちはまたまた転移の渦の中に吸い込まれて広場へと戻った。まず行くところはもちろん決まっている。
「換金しに行きましょう! 」
換金は、特別指定のモンスターの討伐報告と同じ場所でしてくれる。
「あの、これお願いします。」
金塊は大小25に及び、精算にもそれなりの時間がかかってしまった。
係の人の手は忙しなく動き続けて、天秤も騒々しくこき使われている。
しばらくすると、計算が終わったらしく、係の人が俺たちのところに戻ってきた。
「合計81,500ゴールドになります。」
「「ええ!! 」」
何かの間違いかと思って、手渡された精算書をみたが、やはり81,500ゴールドの文字。
詳細を見てみると、ただの金塊が1,000ゴールド。ゴールデンゴーレムがドロップした金塊が3,500ゴールド。ゴールデンフィストがドロップした巨大金塊が、5,000ゴールドだった。
「予想以上になったね。」
「ええ。本来じゃ不可能なルートでしたから、このくらいの報酬が出たのでしょうね。」
俺たちはずっしりと重い81,500ゴールドを受け取ってそこを後にした。
贅沢な悩みが出来てしまった。最初のエリアにしてはとんでもない大金を手に入れてしまった俺たちだったが、だからといって使い道がないのだ。
「武器も防具も現時点で最高のものを装備してるからね。」
「もう何も買うものがないんですよね。」
道具も特に何かが要るわけではなく、完全に宝の持ち腐れという状態。
二人が同時に考えた同じアイデアを、ミヤビが先に口にした。
「ここにはもうはっきり言って用がないので、次のエリアに行っちゃいましょう! 」
「そうだね、俺もそう思っていたところだよ。」
次のエリアには、より強い敵が現れるし、よりいい武器と防具を買うこともできる。一般的なRPGと同じような感じだ。
しかし、次のエリアに行くためには、それぞれ条件が設定されていたはずだ。どこかしらにそう書かれてあったと思う。
「それで、次に行くには何したらいいの? 」
「ええと待ってくださいね……ああ、問題ないです。」
「あれ、そうなの? 」
「最初のエリアから次のエリアに行くための条件は、『特別指定モンスター一体の討伐』らしいです。私たちはもう達成しているので、もう次に行けます。」
拍子抜け感が否めない。また一仕事だと思っていたのに、あっさりしている。
「そんな簡単でいいの? 」
「いやいや、普通はパーティーみんなで力を合わせて、苦労しながら倒すんですよ。」
どうやら俺たちは随分と簡単に条件を達成してしまったらしい。これはなかなかに順調なのでは?
ともあれ次にすぐ進めるのはありがたい話だ。
「もう出るかい? 」
「ええ。もうやり残したことはありませんし。」
俺たちはギルドを出た。
町中にはプレイヤーが増えていたけれど、俺たちは人混みをかき分けて町の外に出た。
次のエリアはこの町から東の方角。山の関所を抜けた先だという。
「次のエリアのモンスターと会うのが割と楽しみですね。」
「たしかに。俺も結構ワクワクしてるよ。」
東の山までは3キロほど歩いた。その間も一定数の敵モンスターと遭遇したが、もはや敵ではない。
すでに俺たちのレベルは共に23。ゴールデンフィストの経験値が俺の方にも入ったのは大きかった。
なので、ここら辺のモンスターと戦っても最早勝負にならない。『隠密』を使うまでもなく、簡単に一掃できてしまう。
そんなわけで、関所までは難なく進むことができた。関所には受付があった。
特に用がないと思い、俺たちは目の前を素通りしようとした。
「「痛っ!! 」」
目の前に突然見えない壁が現れて、二人して鼻っ面を打ってしまった。
「そこの人! ここ通るの初めてでしょう? こっちで手続きしてください。」
受付は、どうやら俺たちみたいなやつのためにあったようだ。
受付に行くと、そこの男性から説明があった。
「ここでは次のエリアに行くための条件を達成してるかどうかを調べさせてもらいます。メニュー欄にある『特別指定討伐実績』を開いてください。」
説明通りにメニューを開くと、確かに『特別指定討伐実績』というのがあった。開くと一番上にこの前討伐した「メイジスケルトン」の名前が、一体という数字とともに記録されていた。
受付の男性はそれらを確認すると、すぐに手続きを完了させてくれた。
「これでオーケーです! これからも冒険をお楽しみください。」
彼は笑顔で俺たちを送り出してくれた。
俺たちは、関所の奥の門から次のエリアへと足を踏み入れた。
出口には先に脱落したプレイヤーたちが集まっていた。
「あらら、ここみんな脱落しちゃってたんですね。」
「普通はゴーレムと遭遇したらやられちゃうからね。」
最後の分岐点で出会ったパーティーもいた。
「あれ、あなたたち! クリアしたんですか? 」
彼らは大いに驚いていた。
僕とミヤビは気違いとでも思われてたんだろうな。
「ええ、ボスを倒してきました。」
「信じられないな……。戦って勝てるようなものでもないだろうに。」
確かにゴールデンフィストは強かった。まだ大剣を持っていた腕がビリビリしている。
僕たちはまたまた転移の渦の中に吸い込まれて広場へと戻った。まず行くところはもちろん決まっている。
「換金しに行きましょう! 」
換金は、特別指定のモンスターの討伐報告と同じ場所でしてくれる。
「あの、これお願いします。」
金塊は大小25に及び、精算にもそれなりの時間がかかってしまった。
係の人の手は忙しなく動き続けて、天秤も騒々しくこき使われている。
しばらくすると、計算が終わったらしく、係の人が俺たちのところに戻ってきた。
「合計81,500ゴールドになります。」
「「ええ!! 」」
何かの間違いかと思って、手渡された精算書をみたが、やはり81,500ゴールドの文字。
詳細を見てみると、ただの金塊が1,000ゴールド。ゴールデンゴーレムがドロップした金塊が3,500ゴールド。ゴールデンフィストがドロップした巨大金塊が、5,000ゴールドだった。
「予想以上になったね。」
「ええ。本来じゃ不可能なルートでしたから、このくらいの報酬が出たのでしょうね。」
俺たちはずっしりと重い81,500ゴールドを受け取ってそこを後にした。
贅沢な悩みが出来てしまった。最初のエリアにしてはとんでもない大金を手に入れてしまった俺たちだったが、だからといって使い道がないのだ。
「武器も防具も現時点で最高のものを装備してるからね。」
「もう何も買うものがないんですよね。」
道具も特に何かが要るわけではなく、完全に宝の持ち腐れという状態。
二人が同時に考えた同じアイデアを、ミヤビが先に口にした。
「ここにはもうはっきり言って用がないので、次のエリアに行っちゃいましょう! 」
「そうだね、俺もそう思っていたところだよ。」
次のエリアには、より強い敵が現れるし、よりいい武器と防具を買うこともできる。一般的なRPGと同じような感じだ。
しかし、次のエリアに行くためには、それぞれ条件が設定されていたはずだ。どこかしらにそう書かれてあったと思う。
「それで、次に行くには何したらいいの? 」
「ええと待ってくださいね……ああ、問題ないです。」
「あれ、そうなの? 」
「最初のエリアから次のエリアに行くための条件は、『特別指定モンスター一体の討伐』らしいです。私たちはもう達成しているので、もう次に行けます。」
拍子抜け感が否めない。また一仕事だと思っていたのに、あっさりしている。
「そんな簡単でいいの? 」
「いやいや、普通はパーティーみんなで力を合わせて、苦労しながら倒すんですよ。」
どうやら俺たちは随分と簡単に条件を達成してしまったらしい。これはなかなかに順調なのでは?
ともあれ次にすぐ進めるのはありがたい話だ。
「もう出るかい? 」
「ええ。もうやり残したことはありませんし。」
俺たちはギルドを出た。
町中にはプレイヤーが増えていたけれど、俺たちは人混みをかき分けて町の外に出た。
次のエリアはこの町から東の方角。山の関所を抜けた先だという。
「次のエリアのモンスターと会うのが割と楽しみですね。」
「たしかに。俺も結構ワクワクしてるよ。」
東の山までは3キロほど歩いた。その間も一定数の敵モンスターと遭遇したが、もはや敵ではない。
すでに俺たちのレベルは共に23。ゴールデンフィストの経験値が俺の方にも入ったのは大きかった。
なので、ここら辺のモンスターと戦っても最早勝負にならない。『隠密』を使うまでもなく、簡単に一掃できてしまう。
そんなわけで、関所までは難なく進むことができた。関所には受付があった。
特に用がないと思い、俺たちは目の前を素通りしようとした。
「「痛っ!! 」」
目の前に突然見えない壁が現れて、二人して鼻っ面を打ってしまった。
「そこの人! ここ通るの初めてでしょう? こっちで手続きしてください。」
受付は、どうやら俺たちみたいなやつのためにあったようだ。
受付に行くと、そこの男性から説明があった。
「ここでは次のエリアに行くための条件を達成してるかどうかを調べさせてもらいます。メニュー欄にある『特別指定討伐実績』を開いてください。」
説明通りにメニューを開くと、確かに『特別指定討伐実績』というのがあった。開くと一番上にこの前討伐した「メイジスケルトン」の名前が、一体という数字とともに記録されていた。
受付の男性はそれらを確認すると、すぐに手続きを完了させてくれた。
「これでオーケーです! これからも冒険をお楽しみください。」
彼は笑顔で俺たちを送り出してくれた。
俺たちは、関所の奥の門から次のエリアへと足を踏み入れた。
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