12 / 45
三章 金塊マネーを狙います!
十二話 敗北ルートも力業で突破です!
しおりを挟む
早くも三番目の分岐点に到着した。また右左に道が分かれている。
「これって全部で何回あるの? 」
「5回です。なんで、これ含めてあと3回選べます。」
「全部ゴーレム引く確率は八分の一か。」
「欲張りですね、ロータスさん。ツイてないくせに。」
「ゔっ、それは……。」
結局、ミヤビが右を選んだ。
……正解だ。ゴーレムがうじゃうじゃいた。全部で七匹か。さっきより多い分、収穫にも期待が持てる。
俺たちは『隠密』を使ってはぶん殴るのを七回繰り返した。ゴールデンゴーレムたちはいとも簡単に倒れていく。
「慣れてきましたね。」
「まあそうだね。それにしてもやっぱり君がクリティカル以外出さないのは凄いな。」
出会ってからこれまで、ミヤビの攻撃はことごとくクリティカルの判定だ。
「逆にそれ以外がでないんですよね。一回クリティカルじゃなくしてみようと試して見たんですけど、ダメでした。」
単純に攻撃力が三倍になるようなものなのだから、喜ばしい限りだとは思うが。
巨大金塊をポーチにしまうと、また次の分岐路へと向かう。
「これにも飽きてきちゃったね。」
「本来ならドキドキしながら選ぶんですけどね。」
今回も道を選んだのはミヤビ。今度は左を選んだ。
連続正解! またもやゴールデンゴーレムがひしめいていた。
「やりましたよ、大漁ですね! 」
「ここまで引きが強いと恐ろしいよ。」
「ロータスさんが外しすぎなんですよ。」
今度のゴーレムは合計で九匹。9回も同じことを繰り返すのは骨が折れるが、それに見合いすぎるほどの報酬が待っている。
また俺たちは『隠密』を使用した。
「それ! 」
「おらっ! 」
息はどんどん合うようになっていく。
「私たち、なかなか相性いいと思いませんか? 」
「まあはぐれ者同士だしね。」
「それは言わないお約束ですよ。」
ゴーレムの数は増えたというのに、前よりもはやく片付いてしまった。
巨大金塊の数は、これで二十一個。一個あたりの値段がいくらなのかはよく知らないが、かなりの価値があるのだろう。今からもうすでに換金のことを考えてワクワクしてしまっている。
次で最後の分岐路だ。
「最後までしっかりゴーレムを引きますよ! 」
ミヤビは意気込んでいた。
最後の分岐点にたどり着いたのは、俺たちだけではなかった。もう一つパーティーがいたのである。彼らは正規のクリアルート、つまりはこれまでの四回全てでゴーレムのいない方を引き当てるというルートで来ている。
これが本来のクリアルートなのだが、これはこれでかなりの低確率だ。
「おや、僕たち以外に残存パーティーがいたのか。」
「あれ、でもさっきまで私たちだけじゃなかったかしら。」
向こうのパーティーは俺たちのことを見て不思議がり、コソコソ話していた。
「彼らには俺たちが幽霊にでも見えてるのかな? 」
「アハハ、たしかに。私たち、ありえないルートから来ましたからね。」
もう一方のグループは他にも面白い話をしていた。
「このイベントは、情報さえ知っていれば楽勝なのにな。」
「ええ、ほんとに。全ての分岐点で左を選べばいいだけの話なのに。他の人たちはよく調べてなかったのかしらね。」
イベントにはどうやら裏技があったようだ。
「なるほど、情報を知ってさえいれば楽勝のようですね。これ。」
「最初から右を選んだ俺はまさにマヌケだったのか。それにしても、どうしてそんな情報が手に入ったのだろうか。」
もしかしたら情報が事前に漏洩でもしていたのか。それならば、その情報を得て使ったこいつらは違反じゃないのか?
ミヤビが遠慮することなくズカズカとそのパーティーに近づいていった。
「あの、今聞こえちゃったんですけど。全部左に行けばいいっていう話はどこで? 」
突然話しかけられて、他パーティーの人たちは戸惑っていたが、答えてくれた。
「ああ、それですね。図書館で見たんですよ。やっぱり大事なのは情報ですからね。よく調べておかないと。」
疑ってしまって申し訳ないな。全然正当な方法だった。
町の図書館は、景観の一部とばかり思っていたが、そういう機能があるとは。まったく知らなかった。
「そんなわけですから、僕たちはここも左に行こうと思います。右にはここのボスが待ち構えているようですから。知った以上はあなた方もそうするでしょう? 」
彼らは左に行こうと進み始めた。
ミヤビはこちらに戻ってくると、俺に一言。
「よかったですねロータスさん。正解が分かりましたよ。そういうわけで、右行きましょうか。」
ミヤビの一言に、他パーティーの人たちは全員こちらへ振り向いた。
「ちょっと! 話聞いてたんですか? 左が正解だと言ったでしょう。」
「あいにく、私たちにとっては右が正解なんですよ。」
ミヤビがそれだけ言い残してさっさと右の道に進んでいってしまったので俺もそれについて行った。
道の先はこれまで以上に開けていた。広い場所の中央奥、ボスは分かりやすく待ち構えていた。
見た目は巨大なゴールデンゴーレム。ただし、拳が異常に発達している。頭上に現れた種族名は、「ゴールデンフィスト」。確かに名前負けしない立派な拳だ。
「これって全部で何回あるの? 」
「5回です。なんで、これ含めてあと3回選べます。」
「全部ゴーレム引く確率は八分の一か。」
「欲張りですね、ロータスさん。ツイてないくせに。」
「ゔっ、それは……。」
結局、ミヤビが右を選んだ。
……正解だ。ゴーレムがうじゃうじゃいた。全部で七匹か。さっきより多い分、収穫にも期待が持てる。
俺たちは『隠密』を使ってはぶん殴るのを七回繰り返した。ゴールデンゴーレムたちはいとも簡単に倒れていく。
「慣れてきましたね。」
「まあそうだね。それにしてもやっぱり君がクリティカル以外出さないのは凄いな。」
出会ってからこれまで、ミヤビの攻撃はことごとくクリティカルの判定だ。
「逆にそれ以外がでないんですよね。一回クリティカルじゃなくしてみようと試して見たんですけど、ダメでした。」
単純に攻撃力が三倍になるようなものなのだから、喜ばしい限りだとは思うが。
巨大金塊をポーチにしまうと、また次の分岐路へと向かう。
「これにも飽きてきちゃったね。」
「本来ならドキドキしながら選ぶんですけどね。」
今回も道を選んだのはミヤビ。今度は左を選んだ。
連続正解! またもやゴールデンゴーレムがひしめいていた。
「やりましたよ、大漁ですね! 」
「ここまで引きが強いと恐ろしいよ。」
「ロータスさんが外しすぎなんですよ。」
今度のゴーレムは合計で九匹。9回も同じことを繰り返すのは骨が折れるが、それに見合いすぎるほどの報酬が待っている。
また俺たちは『隠密』を使用した。
「それ! 」
「おらっ! 」
息はどんどん合うようになっていく。
「私たち、なかなか相性いいと思いませんか? 」
「まあはぐれ者同士だしね。」
「それは言わないお約束ですよ。」
ゴーレムの数は増えたというのに、前よりもはやく片付いてしまった。
巨大金塊の数は、これで二十一個。一個あたりの値段がいくらなのかはよく知らないが、かなりの価値があるのだろう。今からもうすでに換金のことを考えてワクワクしてしまっている。
次で最後の分岐路だ。
「最後までしっかりゴーレムを引きますよ! 」
ミヤビは意気込んでいた。
最後の分岐点にたどり着いたのは、俺たちだけではなかった。もう一つパーティーがいたのである。彼らは正規のクリアルート、つまりはこれまでの四回全てでゴーレムのいない方を引き当てるというルートで来ている。
これが本来のクリアルートなのだが、これはこれでかなりの低確率だ。
「おや、僕たち以外に残存パーティーがいたのか。」
「あれ、でもさっきまで私たちだけじゃなかったかしら。」
向こうのパーティーは俺たちのことを見て不思議がり、コソコソ話していた。
「彼らには俺たちが幽霊にでも見えてるのかな? 」
「アハハ、たしかに。私たち、ありえないルートから来ましたからね。」
もう一方のグループは他にも面白い話をしていた。
「このイベントは、情報さえ知っていれば楽勝なのにな。」
「ええ、ほんとに。全ての分岐点で左を選べばいいだけの話なのに。他の人たちはよく調べてなかったのかしらね。」
イベントにはどうやら裏技があったようだ。
「なるほど、情報を知ってさえいれば楽勝のようですね。これ。」
「最初から右を選んだ俺はまさにマヌケだったのか。それにしても、どうしてそんな情報が手に入ったのだろうか。」
もしかしたら情報が事前に漏洩でもしていたのか。それならば、その情報を得て使ったこいつらは違反じゃないのか?
ミヤビが遠慮することなくズカズカとそのパーティーに近づいていった。
「あの、今聞こえちゃったんですけど。全部左に行けばいいっていう話はどこで? 」
突然話しかけられて、他パーティーの人たちは戸惑っていたが、答えてくれた。
「ああ、それですね。図書館で見たんですよ。やっぱり大事なのは情報ですからね。よく調べておかないと。」
疑ってしまって申し訳ないな。全然正当な方法だった。
町の図書館は、景観の一部とばかり思っていたが、そういう機能があるとは。まったく知らなかった。
「そんなわけですから、僕たちはここも左に行こうと思います。右にはここのボスが待ち構えているようですから。知った以上はあなた方もそうするでしょう? 」
彼らは左に行こうと進み始めた。
ミヤビはこちらに戻ってくると、俺に一言。
「よかったですねロータスさん。正解が分かりましたよ。そういうわけで、右行きましょうか。」
ミヤビの一言に、他パーティーの人たちは全員こちらへ振り向いた。
「ちょっと! 話聞いてたんですか? 左が正解だと言ったでしょう。」
「あいにく、私たちにとっては右が正解なんですよ。」
ミヤビがそれだけ言い残してさっさと右の道に進んでいってしまったので俺もそれについて行った。
道の先はこれまで以上に開けていた。広い場所の中央奥、ボスは分かりやすく待ち構えていた。
見た目は巨大なゴールデンゴーレム。ただし、拳が異常に発達している。頭上に現れた種族名は、「ゴールデンフィスト」。確かに名前負けしない立派な拳だ。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
Reboot ~AIに管理を任せたVRMMOが反旗を翻したので運営と力を合わせて攻略します~
霧氷こあ
SF
フルダイブMMORPGのクローズドβテストに参加した三人が、システム統括のAI『アイリス』によって閉じ込められた。
それを助けるためログインしたクロノスだったが、アイリスの妨害によりレベル1に……!?
見兼ねたシステム設計者で運営である『イヴ』がハイエルフの姿を借りて仮想空間に入り込む。だがそこはすでに、AIが統治する恐ろしくも残酷な世界だった。
「ここは現実であって、現実ではないの」
自我を持ち始めた混沌とした世界、乖離していく紅の世界。相反する二つを結ぶ少年と少女を描いたSFファンタジー。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【なろう430万pv!】船が沈没して大海原に取り残されたオッサンと女子高生の漂流サバイバル&スローライフ
海凪ととかる
SF
離島に向かうフェリーでたまたま一緒になった一人旅のオッサン、岳人《がくと》と帰省途中の女子高生、美岬《みさき》。 二人は船を降りればそれっきりになるはずだった。しかし、運命はそれを許さなかった。
衝突事故により沈没するフェリー。乗員乗客が救命ボートで船から逃げ出す中、衝突の衝撃で海に転落した美岬と、そんな美岬を助けようと海に飛び込んでいた岳人は救命ボートに気づいてもらえず、サメの徘徊する大海原に取り残されてしまう。
絶体絶命のピンチ! しかし岳人はアウトドア業界ではサバイバルマスターの通り名で有名なサバイバルの専門家だった。
ありあわせの材料で筏を作り、漂流物で筏を補強し、雨水を集め、太陽熱で真水を蒸留し、プランクトンでビタミンを補給し、捕まえた魚を保存食に加工し……なんとか生き延びようと創意工夫する岳人と美岬。
大海原の筏というある意味密室空間で共に過ごし、語り合い、力を合わせて極限状態に立ち向かううちに二人の間に特別な感情が芽生え始め……。
はたして二人は絶体絶命のピンチを生き延びて社会復帰することができるのか?
小説家になろうSF(パニック)部門にて400万pv達成、日間/週間/月間1位、四半期2位、年間/累計3位の実績あり。
カクヨムのSF部門においても高評価いただき80万pv達成、最高週間2位、月間3位の実績あり。

恋人が実は 前世の息子/母親の生まれ変わり だった?!
琴葉悠
恋愛
好きになった相手が、実は前世の息子/母親の生まれ変わりだった?!
そんな事に気づいた二人のちょっと短めのお話です。
人外×人外的な力を持つ人のお話
https://ncode.syosetu.com/n5584gr/ のifのお話です。(書いたのは私です)
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。

Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる