10 / 45
三章 金塊マネーを狙います!
十話 はじめてのイベント参加です!
しおりを挟む
昼頃になってミヤビはログインしてきた。彼女はすでにフレンド登録しているので、ログインすると俺のところにも通知が来る。さらにパーティーを組むと、お互いの場所までが分かるようになるのだ。
俺はさっそく町中の広場までミヤビを迎えに行った。人がちらほら増えてはきていたが、簡単に彼女は見つかった。杖持った盗賊なんて彼女しかいない。
「こんにちは! ロータスさん。」
彼女のレベルは17になっていた。俺も先ほどまでレベル上げに専念していたから、16までは上がっていた。お互い、この辺ではもう苦戦しないほどだ。
俺はその間に、新しいスキルポイントを獲得していた。使い道にはまた悩んでしまう。
考えた末に、もう大剣しか使えなくなってしまったのだから、大剣も極めてやろうと思い、『大剣』に振り分けた。
『大剣装備時の攻撃力が20上がりました。』
とのこと。
攻撃力が上がったのは単純に嬉しい。すでに俺のステータスは盗賊のものではなかった。
何はともあれ、ミヤビがログアウト中に俺はちょっと強くなっていた。パーティーで俺の方だけ弱くなってしまうのは気まずいし、嫌だし。
ミヤビはテンションが上がっていた。
「見ました? 今日の正午に出てた通知。」
「見てないな。何があったの? 」
俺は朝からずっとゲーム内にいたので、通知は見ていなかった。
「今日の夜からゲリラミッションが開催されるみたいなんですよ! 金鉱山のミッション。」
「金鉱山? 何するのさ。」
ミヤビは俺をイベント情報のページが示された掲示板のところまで連れて行った。イベント告知によると、隣のエリアとの境界あたりにある金鉱山が開かれるらしい。
イベント内容は、その金鉱山の中にある金を獲得しようというもの。
「これ、参加しましょうよ! 」
彼女がテンション上がるのも無理はない。俺たちがパーティーを組んでからはじめてのイベントだ。
ちなみに俺はこのゲームを始めてから二日目だからそもそもイベント自体がはじめてなのだ。俺も実は楽しみになってきている。
「私、ようやくイベントに参加できるようになったから嬉しいんです。」
ああ、そうか。イベントにはパーティー単位でしか参加できないもんな。
18時前になると、広場の前に人が集まった。ここがイベントの集合場所になっている。今いる全員イベントに参加するのだろう。
俺とミヤビももちろん広場に来ている。
「でも金鉱山は町の外にあるんだろ? なんでここで集合するんだ? 」
「それはじき分かりますよ。ほら、もうすぐ18時になりますよ。」
時計の針が18時を指した。すると、広場の前に謎の渦が現れた。青い渦はどんどん広がってきた。
渦の上に立っていた人たちはどんどんその中へと吸い込まれていった。
「え、なにこれ? 」
「転送ですよ。この中に入れば金鉱山に送られるんです。」
渦はやがて俺たちの足元まで近づいてきた。そのまま俺の体は下へと吸い込まれた。
「うわ! なんだこれ! 」
「ヤバいですね! すごい力。」
俺たちは頭のてっぺんまで渦の中に沈んだ。
目を開くと、そこは山の中だった。
「あれ、すごいな! 一瞬だったぞ。」
「私も初めてでしたから、びっくりしちゃいました。」
他のプレイヤーたちもみんなこちらに運ばれていた。
「イベント開始」のテロップが金鉱山の入り口の上に表示された。それと同時に、それまで入り口を塞いでいた木の板がずれ落ちた。
「行きますよ! ロータスさん。」
「う、うん。」
入り口になだれ込んでいくプレイヤーたちに続いて、俺たちも金山に入った。
中は、坑道にしては幅が広かった。プレイヤーたちは一斉に通ることができている。
俺たちも走りこんだが、すぐに別れ道にでた。
「これ、どっちに行きます? 」
「どっちも同じだろう? 」
「いえ、イベントのお知らせ見てなかったんですか? ハズレがあるんですよ。」
「ハズレって? 」
「敵がいるんですよ。それも結構な強さの。」
ほほう。やっぱりリスクなしのウマい話などないのだ。
「じゃあ右にいってみよう! 」
「分かりました! 」
……ハズレだった……。めちゃくちゃ魔物いるし。同じ道を選んだプレイヤーはたくさんいたが、みんなその魔物たちに襲われている。
幸い俺たちは魔物たちに気づかれる前に『隠密』を使用して隠れることができた。
「早速外しちゃいましたね、ロータスさん。」
「いや、ほんとごめん。」
「謝ることないです。どうしようもないことですから。」
でも割と窮地だ。
魔物の数は五匹。「ゴールデンゴーレム」と表示されていた。金塊にそのまま命が宿ったような見た目の魔物だ。
プレイヤーたちは皆なす術もなくやられている。彼らの装備が初期装備で、レベルも高くないとはいえ、こんなやられ方をしているのだ。ゴールデンゴーレムはかなり強いのだろう。
「どうしますか、ここから。」
「どうって、引き返すしかないだろう。」
「そうですね。」
俺たちは引きかえそうと後ろを向いた。
が、すでに手遅れ。後ろの元きた道はすでに塞がれてしまっていた!
俺はさっそく町中の広場までミヤビを迎えに行った。人がちらほら増えてはきていたが、簡単に彼女は見つかった。杖持った盗賊なんて彼女しかいない。
「こんにちは! ロータスさん。」
彼女のレベルは17になっていた。俺も先ほどまでレベル上げに専念していたから、16までは上がっていた。お互い、この辺ではもう苦戦しないほどだ。
俺はその間に、新しいスキルポイントを獲得していた。使い道にはまた悩んでしまう。
考えた末に、もう大剣しか使えなくなってしまったのだから、大剣も極めてやろうと思い、『大剣』に振り分けた。
『大剣装備時の攻撃力が20上がりました。』
とのこと。
攻撃力が上がったのは単純に嬉しい。すでに俺のステータスは盗賊のものではなかった。
何はともあれ、ミヤビがログアウト中に俺はちょっと強くなっていた。パーティーで俺の方だけ弱くなってしまうのは気まずいし、嫌だし。
ミヤビはテンションが上がっていた。
「見ました? 今日の正午に出てた通知。」
「見てないな。何があったの? 」
俺は朝からずっとゲーム内にいたので、通知は見ていなかった。
「今日の夜からゲリラミッションが開催されるみたいなんですよ! 金鉱山のミッション。」
「金鉱山? 何するのさ。」
ミヤビは俺をイベント情報のページが示された掲示板のところまで連れて行った。イベント告知によると、隣のエリアとの境界あたりにある金鉱山が開かれるらしい。
イベント内容は、その金鉱山の中にある金を獲得しようというもの。
「これ、参加しましょうよ! 」
彼女がテンション上がるのも無理はない。俺たちがパーティーを組んでからはじめてのイベントだ。
ちなみに俺はこのゲームを始めてから二日目だからそもそもイベント自体がはじめてなのだ。俺も実は楽しみになってきている。
「私、ようやくイベントに参加できるようになったから嬉しいんです。」
ああ、そうか。イベントにはパーティー単位でしか参加できないもんな。
18時前になると、広場の前に人が集まった。ここがイベントの集合場所になっている。今いる全員イベントに参加するのだろう。
俺とミヤビももちろん広場に来ている。
「でも金鉱山は町の外にあるんだろ? なんでここで集合するんだ? 」
「それはじき分かりますよ。ほら、もうすぐ18時になりますよ。」
時計の針が18時を指した。すると、広場の前に謎の渦が現れた。青い渦はどんどん広がってきた。
渦の上に立っていた人たちはどんどんその中へと吸い込まれていった。
「え、なにこれ? 」
「転送ですよ。この中に入れば金鉱山に送られるんです。」
渦はやがて俺たちの足元まで近づいてきた。そのまま俺の体は下へと吸い込まれた。
「うわ! なんだこれ! 」
「ヤバいですね! すごい力。」
俺たちは頭のてっぺんまで渦の中に沈んだ。
目を開くと、そこは山の中だった。
「あれ、すごいな! 一瞬だったぞ。」
「私も初めてでしたから、びっくりしちゃいました。」
他のプレイヤーたちもみんなこちらに運ばれていた。
「イベント開始」のテロップが金鉱山の入り口の上に表示された。それと同時に、それまで入り口を塞いでいた木の板がずれ落ちた。
「行きますよ! ロータスさん。」
「う、うん。」
入り口になだれ込んでいくプレイヤーたちに続いて、俺たちも金山に入った。
中は、坑道にしては幅が広かった。プレイヤーたちは一斉に通ることができている。
俺たちも走りこんだが、すぐに別れ道にでた。
「これ、どっちに行きます? 」
「どっちも同じだろう? 」
「いえ、イベントのお知らせ見てなかったんですか? ハズレがあるんですよ。」
「ハズレって? 」
「敵がいるんですよ。それも結構な強さの。」
ほほう。やっぱりリスクなしのウマい話などないのだ。
「じゃあ右にいってみよう! 」
「分かりました! 」
……ハズレだった……。めちゃくちゃ魔物いるし。同じ道を選んだプレイヤーはたくさんいたが、みんなその魔物たちに襲われている。
幸い俺たちは魔物たちに気づかれる前に『隠密』を使用して隠れることができた。
「早速外しちゃいましたね、ロータスさん。」
「いや、ほんとごめん。」
「謝ることないです。どうしようもないことですから。」
でも割と窮地だ。
魔物の数は五匹。「ゴールデンゴーレム」と表示されていた。金塊にそのまま命が宿ったような見た目の魔物だ。
プレイヤーたちは皆なす術もなくやられている。彼らの装備が初期装備で、レベルも高くないとはいえ、こんなやられ方をしているのだ。ゴールデンゴーレムはかなり強いのだろう。
「どうしますか、ここから。」
「どうって、引き返すしかないだろう。」
「そうですね。」
俺たちは引きかえそうと後ろを向いた。
が、すでに手遅れ。後ろの元きた道はすでに塞がれてしまっていた!
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説

Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜
FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio
通称、【GKM】
これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。
世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。
その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。
この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。
その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
【14万PV感謝!!】異世界で配合屋始めたら思いのほか需要がありました! 〜魔物の配合が世界を変える〜
中島菘
ファンタジー
電車で刺された男・タイセイは気づけば魔物が人間と共に堂々と道の真ん中を闊歩するような異世界にいた。身分も何もかもない状態になってしまい、途方に暮れる彼だったが、偶然取り組み始めた配合による小魚の新種の作成を始めた。
配合というアイデアは、画期的なアイデアで、ある日彼が転生した大都市ホルンメランの美少女首長がそれに目をつけ、タイセイを呼び出す。
彼女との出会いをきっかけとして、タイセイの異世界生活は大きく動き出しはじめた!
やがてタイセイの数奇な運命は異世界全体を巻き込んでいく……

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。

沢山寝たい少女のVRMMORPG〜武器と防具は枕とパジャマ?!〜
雪雪ノ雪
ファンタジー
世界初のフルダイブ型のVRゲーム『Second World Online』通称SWO。
剣と魔法の世界で冒険をするVRMMORPGだ。
このゲームの1番の特徴は『ゲーム内での3時間は現実世界の1時間である』というもの。
これを知った少女、明日香 睡月(あすか すいげつ)は
「このゲームをやれば沢山寝れる!!」
と言いこのゲームを始める。
ゲームを始めてすぐ、ある問題点に気づく。
「お金がないと、宿に泊まれない!!ベットで寝れない!!....敷布団でもいいけど」
何とかお金を稼ぐ方法を考えた明日香がとった行動は
「そうだ!!寝ながら戦えばお金も経験値も入って一石三鳥!!」
武器は枕で防具はパジャマ!!少女のVRMMORPGの旅が今始まる!!
..........寝ながら。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる