【完結】ラスボスヤンデレ悪役令息(仮)に転生。皆に執着溺愛され過ぎて世界滅亡エンドの危機です

日月ゆの

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最後の18歳

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 神様として不適切にもほどがある愛の言葉を貰った途端、暗闇に呑まれ。
 気が付くと、例の聖堂にちゃんと戻っていました。
 いつもみたいに何日も気を失っていた訳でもなくね。

 床へ転がる短剣を懐にしまいながら、ふわふわ幸せボケした僕は、クロと過ごした時間は夢だったのかな、とちょっぴり不安になった。
 変化がなさ過ぎだし、好きな人と初めて両想いになったことが嬉しすぎてね。

 でも、ウィンドウを見たらさ。

『ラズお嫁入りまであと35日♡』

 謎極まったカウントダウン始まってたよ。
 しかも、ピンクのハートが飛ぶ交うエフェクト付きだ。

 ちょくちょくダサいんだよね。クロってさ。

 目をぱちくりしたあと、ふつふつ込み上げて来るおかしさに、大声上げて笑ってしまった。

「あはははっ! ……待っててね、クロ」

 つつっと指先でウィンドウを撫でると、ウィンドウがピンク色に染まる。

 またまた笑いが洩れ、広い聖堂に僕の笑い声がしばらく反響した。


 ◇◇◇◇

 謎カウントダウンの日付が減っていくけど、神殿内でゆるゆるとした日常を送っている。
 公爵邸には、頑なに帰してもらえないからさ。

 では、需要が全く無い僕の1日を紹介します。
 神殿内では『聖女様』と神官さまに崇められ、物理的にも精神的にも距離を置かれているから暇なの。

 朝食は、おじさま夫婦の仲睦まじいイチャイチャを浴びながら食べる。
 食後の紅茶に入れる砂糖を減らしてしまうくらい、甘ーい二人なんだ。
 お膝の上に乗せた筋肉ムキムキの奥さまへおじさまがあーんしている姿を見ながら食卓を囲むのが、毎朝のルーティーンです。

 その後は、お仕事の時間。
 聖女様として神殿や王宮の治癒院へ慰問に行ったり、聖女様専用聖堂でお祈りをする。

 お昼ご飯は、お仕事が忙しいおじさまに代わるようにイヴやレオ、アッシュの誰かが訪問してくるので、わいわい騒がしく食べる。

 食後は夕方まで自由時間だ。

 イヴが来たときは僕のお部屋のベッド上で聖力トレーニングをします。

 ケンカ別れみたいになった僕達だけど、「僕はイヴのお兄ちゃんでいたいから、腹筋を鍛えます! ぷよぷよのお腹だけど、僕は弟じゃないんだよ!」とちゃんと気持を伝えた。「……頑張って。僕も頑張るから」彼は優しく言ってくれて仲直りできたんだ。

 レオやアッシュにこのトレーニングを見られたら、絶対にエリアスを側に付かせろ、とすっごい恐いお顔で注意されました。

 レオだけのときは図書室へ行ったり、アッシュの時は、毎回エリアスと謎に剣の打ち合いを始め出すのを観戦する。
「師匠」とアッシュがエリアスを間違えて呼んだときもあります。

 3人揃えば、お茶会を部屋で開催し、ずーっとお喋りして過ごす。

 余生みたいに穏やかな時間がいつの間にか過ぎていき、夕食の時間。

 夕食は、多忙なお父様と絶対にともにする。お父様は無表情かつ無言で食べ続けるから、静かにゆっくり食事を味わいます。

 以上、至って普通の日常だ。

 皆が僕をひとりにしないように、普通に過ごそうと努めてくれている。
 神託の日までの残りの日々を、僕に意識させないように。

 彼等の気遣い一つ一つに心が温まり、愛しさが募っていく。

「ラズ様。そろそろお時間です」
「…………うん」
「今の時間は、西側回廊の警備が手薄ですので逃走経路として最適です。ではラズ様……行きましょう!」
「いかないよっ! 毎日、毎日寝る前に誘わないでよっ!」

 いざ、寝るぞっ! とお風呂に入り終りベッドに腰掛けた僕はつい声を荒げた。 

「……今日を逃すと……もう明日はラズ様のお誕生日ですよ?」

 執事服に不釣り合いな鉤爪が付いたロープを肩にかけるエリアスは、やたら重そうな音をさせながら足元へ抱えた袋をおろした。

 緩んだズタ袋の袋口から中身が見える。

 塊のハムやらパン、缶詰など大量の食料がパンパンに詰まっていた。

「食料確保は完璧ですよ。ラズ様を飢えさすつもりは全くございません」

 視線の先に気付いたエリアスは、にこっと爽やかな笑みを浮かべる。
 変装のためか眼鏡を外しているから、笑顔がさらに胡散臭く感じた。

「いや……うん。ベッドの下のやつも」
「そちらはラズ様でも持てるように少なめにしておりますので、……やはり私が必要では?」
「そういう意味じゃないよ……」

 会話ってこんなに難しいものだったかなぁ。
 まったく僕の想いがエリアスに伝わらない。
 エリアスにこそ僕のこの想いを知って欲しかったのに。

 途方に暮れた僕は、あてもなくランプの灯が揺らめく室内を見渡す。
 机の上には、宝箱のキャンディー缶と懐中時計、1人ずつ宛てた手紙の束。
 明日のために準備したものが、月の光にやわく輝いていた。
 雲一つない闇夜に浮かぶ2つの月の片方はドドメ色に染まり切り、僕にはもう、一つの月しか姿が見えない。

「……ステラ聖女様も賛成されています。あなたがまた犠牲になる必要も無く、生き続けるべき……と」

 泣き出しそうな切実な声。
 その声が答えだった。
 僕は今までずっと、たくさんの優しい想いに生かされていた。

 振り返り、エリアスを真っ直ぐ見据えた。

「うん。だからこそ、僕は今度こそ皆を、この世界を救いたいんだ。おじさまやエリアスを今度は死なせたくないからさ」

 小さく僕の名を呼ぶエリアスの声は虚ろに震えている。

 息を吸い込む。
 悲しくも優しい事実を確かめる最後の機会だから、声に力を込める。

「記憶……あるよね。エリアスとおじさまの二人とも」

 思わず目を背けたくなるほどの悲しげな表情。無表情が崩れ、驚き、後悔や複雑な感情がだだ漏れている。
 しかし、僕は目を逸らしてはいけない。
 彼をこれだけ苦しめたのは僕だ。

「……やっぱり。思い出されたんですか」

 エリアスは足元の袋へ躓きながら、覚束ない足取りで近付く。
 無表情かつ冷静沈着ないつもの従者はそこにはいない。

 今さら気づくなんてね。
 君とおじさまだけだったんだ。
 転生前の記憶が無い僕に対して、前回とは全く違う態度や行動をしていたのは。

 エルなんて出会う時期すら違っていた。
 身の回りのことすら自分でできない小さな頃から、エルはすでに僕の専属従者になっていたんだ。
 やり直し前なら10歳になり、レオとの顔合わせ直前に僕の専属従者になるはずだったのにね。

 今回君と出会うきっかけの出来事は、公爵邸の門前で僕の顔を見た途端あんな小さな君が、わんわん泣き出したからだったね。やっっと理由がわかったよ。

「っ今まで……ありがとう」
「ちがうっ! 俺、たちがあなたをあそこまで追い詰めたんだっ! 最後の最期に自分の事しか考えず欲望をあなたへ向けたから……」

 いつも笑顔で感情ダダ漏れ従者の前の人生の『エル』だ。
 ベッド脇に立つ彼に見下される。
 淡い光を浴びたその顔は、今にも泣き出しそうに歪む。

「違うよ。僕こそが……幼稚で、自分勝手に歪んでしまっただけ。エルはあんな僕を覚えていたのに、今も側にいてくれてありっがとうっ?!」

 言い終わる前に、体を軽くとんと押され、後ろに倒れ込むことに。くるりと反転した視界には、天井を背にしたエルがいた。
 目をぱちくりしている僕に、そのままエルは覆いかぶさった。

「いかなる状況に陥ろうがあなた悪いことはありえないっ!
 それに、忘れられるはず無い!
 誰も知らない場所の色も、甘い肌、声の熱! 今もラズ様の全てが俺を慰めていますっ!
 いや! たとえ何も覚えていなくても、ラズ様の側にいます!」

 生温かい雫が頬へゆっくりと落ちてくる。
 ぽた、ぽた、エルの瞳から涙が溢れて止まらない。
 月明かりを吸い込んだ琥珀色は、揺らめきながら金色に濡れていく。

「今度こそっ! 今度こそっ!! 誓ったんだっ! 何を捨ててでも、あなたに疎まれても! あの朝を繰り返さないと! また俺だけ置いていかれるくらいなら……」

 伸びた手の平が首をそっと掴んだ。
 手袋越しにでもわかるくらい震え、冷たい。

「……お願いします。置いて行かないで」

 懇願するように、回った手にじわりと力がこもる。

 ちがう。違う。
 わざわざ確かめたのは、こんな風に悲しませたかった訳じゃない。
 ここまで彼を駆り立てる、忘れきれない傷となったあの日のやり直しがしたかったんだ。

 手を伸ばし首の手に重ねると、ふっと手の力が緩む。

「エル。一緒に寝ようよ」
「は? え? あの! ありがとうございます!」

 バッと体を起こすエリアスは、なぜか僕の手を力強く握り直す。
 興奮したように、器用に片手でタイを首元の外し、ジャケットを勢いよく脱ぎ捨てる。

「今度こそ満足いただけるように頑張りますっ!」

 素早い行動に呆気にとられている間、彼はベストも脱ぎ、シャツのボタンをぷちぷち手早く外していく。
 筋張った腹筋が現れたところで、不可解な行動の意味がわかった。

「待てっ! そっちじゃない! 脱ぐな!!」
「は?」

 口で性急に手袋を外していた彼が、手袋をぽろっと落とした。

「朝まで一緒に、お互い服を着た健全な添い寝をしてよ。お願い」
「…………」
「君だけをベッドに置いていかないから。今度はともに朝起きよう」

 大きく見開く瞳は、揺れに揺れ、ゆっくり伏せた。
 追いかけた視線の先は、未だに強く繋がれた手。

 僕だって誓ったんだ。
 ありがたくも差し出された手を離しはしない、と。
 もう二度と君を1人、朝に置いて行かない。

 間違いだったんだ。
 巻き込むことを恐れ、手を離した後の君の悲しみを理解出来ていなかった。
 置いて行ってしまった君に、自責にまみれた傷を負わせてしまうくらい自分勝手だったね。
 あの夜をやり直すことで君の負った傷を少しでも癒やせたら。いや、今まで側にいてくれた優しい想いに感謝を示せるだろうか。

 彼からの深い優しさに対して謝るのは、憐れみを含ませてしまう気がして、傲慢過ぎる。

 もう間違いたくない。
 ひたむきに向けられた愛には心から喜び、感謝を返す。
 神様が転生させてまで教えてくれた、真っ直ぐ愛を返すってこう言うことだと思うから。

「今まで全てを隠し、側にいてくれてありがとう。そんな君とともに18歳の誕生日の朝を迎えたい。もう一度、あの夜のやり直しをさせてよ」

 エルの手を「ね?」とぎゅうっと握り返した。

「……ありがとうございます」

 エルは手を持ち上げ、指先に唇をそっと押し当てる。

「だから! そういうのじゃ」
「わかっていますよ。でも不安なんです! このまま朝まで手を握り続けても良いですか?」

 返事をする前に、手袋を外し指をぎゅっと絡ませた。差し込まれた指先はかすかに震えている。

「……いいよ」
「ありがとうございます! ラズ様!」

 濡れるまつ毛を瞬かせ、月光さえも弾くような眩しい笑顔。
 久しぶりに見る晴れ晴れした笑顔につられ笑みが溢れた。

 二人で肩を並べて健全に寝ても、余裕のベッド。
 隣に寝る彼は、ずっーと横顔を眺めてくる。さらに体ごと向けて。
 眼差しの圧が凄過ぎて寝られる気がしない。
 自ら添い寝をねだった手前、苦情を言うのもはばかられる。
 エルがこんなになってしまったのは、前世で置き去りにしたせいだ。仕方がないのでもう諦めることにした。

 ぼんやり天井を見つめながら、切り出す時を悩んでいた願いを口にする決意を固めた。
 体をよじりコロリと向きを変え、突き刺さる眼差しを見つめ返す。
 真正面から。

「……エル。必ず生きて。命令」

 小さく息を呑み、繋いだ手に小さく力が入る。

「それは……」
「明日、魔物討伐ピクニックに行く皆と僕を全員必ず無事に家へ連れ帰って。エルなら出来るでしょ?」

 明日必ず世界を救う。
 けれど、死ぬつもりも無いし、あのままクロをひとりぼっちにさせたくも無い。

 その為には最も信頼のおけるエルの力が必要なんだ。
 人生2回もずっと一緒にいた僕の専属従者。
 僕の為に、全てを隠し切ろうする重すぎる忠誠心が必要不可欠だ。彼ならどんなことがあろうとやり遂げてくれる。

「家に着いたら、机の上に準備したものを皆へ渡してくれればいい。それだけで僕の想いが絶対伝わるからさ」

 静かに全てを聞き終わったエルは繋いだ手を胸元に当てる。
 一秒たりとも逸らさない瞳は真剣だ。

「……なにをなさるのかはお聞きしません。私は『ラズ・クレイドル』様の望みを必ず叶え、あなたの大切なものを絶対にお護りいたします」

 頼もしい専属従者の答えに満足し、自然と笑みが広がる。

「ありがとう」
「当然です。私のすべてはラズ様のためだけにありますから」

 自信満々に言う声はとても穏やかだ。
 僕を殺そうとする悲痛な脆さなんて、かけらも感じない。
 その姿に心から安堵し、まぶたを閉じる。

「おやすみ。エル。また明日」
「はい。……おやすみなさい」

 しばらく頑張って目を閉じていたけれど、眠気がなかなか来ずに時間だけが過ぎる。
 たまらず体をもぞもぞ動かすと、エルが背中をトントン優しく叩く。

「……ふふっ。子供のころみたい。懐かしいねコレ」
「ラズ様はトントンしてくれないとお昼寝しないってよく泣いてましたよね。あ、もちろん夜もですよ」
「……ソウデスカ」
「大変可愛らしかったですよ」

 くす、と笑いまじりの温かな声に、懐かしさが胸にじんわり広がる。
 子供の頃のぽかぽか幸せな想い出には、前世も今世もエルが側にいた。
 自称ストーカーのクロよりも、僕のことを一番知っているかもしれないな。

「ラズ様のことならなんでも知っていますよ」

 僕が考えたことはエルにはお見通しみたいだ。
 その後も小さい頃のいたずらを蒸し返し、エルは楽しそうに話す。
 まだまだ色々2人で話したいこともあったのに、ほんわか優しい時間にまぶたがとろとろ重くなる。

「……エルには……ずっーとお世話になっ……てるね。……ありが……とう」
「……いえ、何にも代えがたい幸せな時間でした。こちらこそありがとうございます」
「ぼく……もね。しあわ……せだったよ」

 溶け込みそうな意識をなんとか保ち、もつれる舌を動かす。

「……っ……おやすみなさい。愛しい私のラズ様」

 やっぱりエルは忠誠心重すぎだ。ふわふわする意識で感じながら、微睡みにこてりと落ちた。
 
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