黒き死神が笑う日

神通百力

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人間おろし

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 私は洗面器にお湯を入れて赤ちゃんの体を丁寧に洗っていた。この赤ちゃんは妹が置いていった子だ。妹はかなりの男好きで逆ナンしては寝ていたから、誰の子か分からず、父親は不明である。
 まだまだ男と遊びたいという理由で妹は私に自分の子供を押し付けてきた。赤ちゃんの名前は聞かなかった。育てる気はまったくなかったからだ。とはいえ、妹のおかげでかねてからの夢を叶えるチャンスが訪れたことには感謝している。
 洗面器から赤ちゃんを持ち上げ、体が汚れていないかを確認した。肉眼では完全に汚れが取れているかは分からなかったが、大丈夫だろうと判断した。
 あらかじめ準備していたおろし金に赤ちゃんを逆さまにして置いた。知人に頼み込み、急いで作ってもらった特別製のおろし金だった。報酬は私の体で払った。知人は理由を聞いてこなかったけど、快く引き受けてくれた。
 私は深呼吸すると、赤ちゃんをおろし金で擦り始めた。赤ちゃんの頭部が徐々に削られ、受け皿に大根おろしならぬ人間おろしがたまっていく。擦るたびに赤ちゃんは体を痙攣させていたが、やがて動かなくなった。
 赤ちゃんの体積が小さくなるにつれ、受け皿にはどんどん人間おろしがたまっていった。
 そして赤ちゃんを擦り終えて人間おろしが出来上がった。早速、魚を焼いて人間おろしを載せた。緊張しながらも、人間おろしを載せた魚を食べた。思っていた以上に人間おろしは美味かった。個人的には大根おろしよりも美味しいし、魚との相性は良いように思う。
 あっという間に人間おろしも魚も食べ終えた。もっと人間おろしを食べたくてたまらない気持ちになった。ふとあることを思いついて私は妹に電話をかけた。
『もしもし?』
「あのさ、一緒に昼ご飯食べない? あんたの好きな中華料理にするからさ」
『本当に? 今から行くねお姉ちゃん』
 妹は嬉しそうに声を弾ませた。

 ――人間おろしにされるとも知らずに。
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