黒き死神が笑う日

神通百力

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ヒューマンクッキング

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「こんにちは! ヒューマンクッキングの時間がやってきました!」
 私はカメラに向かって頭を下げた。カメラはキッチンの手前に設置している。
 この『ヒューマンクッキング』は有料会員しか閲覧できないネット配信番組だ。材料が一般的とは言い難く、ネット限定で配信しているのだ。一部の人たちには好評だ。
「本日の料理は『なっちゃん風脳味噌炒め』です」
 私はキッチンに置いている脳味噌を手に取った。見えやすいようにカメラに向ける。なっちゃんとは私の愛称だ。
「この脳味噌はいとこのみっちゃんのです。快く提供してくれました。ありがとね、みっちゃん」
 私は床に寝そべっているみっちゃんにペコリと頭を下げる。みっちゃんは優しくて良い子だ。みっちゃんがいとこで本当に良かった。ちなみにみっちゃんの脳味噌なのに何でなっちゃん風かというと私が作るからだ。
「まずは脳味噌を潰していきます」
 脳味噌をボールに入れて、へらで押しつぶすように混ぜていく。脳味噌から血が溢れ出した。
「血の味を楽しんでいただきたいので、決して捨てたりしないでくださいね。血の味が全体に行き渡るように混ぜてください」
 血の味が全体にまんべんなく行き渡るように底から混ぜる。脳味噌が血で染まっていく。
「ここでみんなが大好きであろう肉を使いたいと思います」
 私は包丁を握りしめ、しゃがんだ。みっちゃんの手を持ち上げ、肉を削いでいく。ある程度分厚く切るように心掛けた。右腕は骨を残すのみとなった。
「肉だけを入れていきます。中火で7分ほど焼いてください。脳味噌は後から入れます」
 肉をフライパンに並べて中火にする。
 私の日常生活を話し、7分経過するのを待った。
「7分経ったので、脳味噌を入れていきます」
 脳味噌をフライパンに入れて肉と一緒にかき混ぜていく。肉を血に浸して味を染みらせる。
「脳味噌にこんがりと焼き色がついたら完成です」
 私はフライパンをゆっくり動かし、皿にのせる。『なっちゃん風脳味噌炒め』の完成だ。
「次回もお楽しみにね!」
 私はカメラの電源を切った。
 後片付けをし、みっちゃんの側でしゃがんだ。
「みっちゃんの残りの体も私が食べてあげるから、余すところなくね。だから安心してね」
 私はみっちゃんにキスをした後、体に包丁を入れた。
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