黒き死神が笑う日

神通百力

文字の大きさ
上 下
84 / 211

脳触り

しおりを挟む
 私は階段を下りて地下室に向かった。
 地下室の扉を開け、スイッチを押して電気をつけた。
 壁に設置した棚には脳味噌が入った瓶が並んでいる。脳味噌は腐らないように、ホルマリン漬けにしてある。
 私は中央の台に向かった。台の上には二十代半ばの女性が寝ていた。暴れないように体を固定している。
 女性の頭にメスを入れていく。両親が病院を経営しているため、簡単にメスやホルマリンが手に入る。もちろん両親には内緒で勝手に病院から拝借してきた。
 頭を開き、脳味噌を取り出す。シワが多く入っていた。
 私は体が火照るのを感じつつ、脳味噌をペロリと舐めた。ツルツルした部分とザラリとした部分の割合がちょうど良く、最高の脳触りだった。ツルツルが多すぎるのは良くないが、なさすぎるのもダメだ。やはりツルツルとザラザラが半々でないといけない。その点この脳味噌は半々の割合だ。
 最高の脳触りに出会えたことが嬉しく、私は脳味噌に頬ずりをした。この瞬間がたまらない。なんて心地いい脳触りだ。
 私は涎を垂らし、脳味噌全体に染み込ませた。これでこの脳味噌は私のものになった。だって私の涎が染み込んでるだから。
 脳味噌を瓶に入れてホルマリン漬けにした瞬間、思わず笑みが溢れた。

 ――また私のコレクションが増えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...