36 / 211
おかしな二人
しおりを挟む
男「お、俺、帰ったら結婚するんだからね!」
女「…………」
男「え、無言? 何か言えよ。無言の圧力ってつらいんだぜ!」
女「お、おぉぅ、だ、誰やねん! 今、死亡フラグ立てたんわ。ツンデレで」
男「お・れ」
女「このままやとほんまに死亡フラグ成立してまうで!」
男「ホワイ?」
女「なぜって聞かれてもなぁ……雪山に迷ってなんとか小屋を見つけたものの、このまま雪がやまないと、凍死か餓死かってところやで」
男「そうだよな。そうだ! 雪を食べるってのはどう? 雪山だし大量にある。底はつかないはず」
女「あほか! 雪山で雪を食べたら凍え死ぬっちゅうねん!」
男「それもそうだよな。ちょうどいいことにマッチを持ってるから、これで溶かせば」
女「水確保ぉぉっっ! って、どっちにしろそんなもんでは、いつまでもお腹は満たされへんわ!」
男「あ、氷砂糖ならあるぜ。氷ってつくくらいだから、溶かせば水になるん……」
女「ならへんわっ! ってどんだけ水にこだわるねん。水はもうええっちゅうねん」
男「インスタントラーメンがある……あ、でもお湯がねえな」
女「それじゃ、意味ねえ!」
男「だよな。それより夜になってなんか寒くなってきたな」
女「マッチがあるんやから、燃やすものがあればええんやけど……この小屋にそんなものないしなぁ」
男「とりあえず二人でくっついてると少しはましだよな?」
女「そうやな」
男「…………」
女「…………」
男「照れるなよ」
女「べ、べつに照れてないわっ!」
男「…………」
女「…………」
男「…………」
女「って、おいっ、寝たらアカン!! ちょ、起きて」
男「んあぁ、危ない、寝てる間にあの世逝きなんてシャレにならねぇな」
女「ほんまに、寝たらアカンで。とはいえ退屈やなぁ」
男「あ、娯楽に大量の本を持ってきてるんだけど」
女「ナイスや! それ読んで朝まで過ごそう」
☆☆
男「今日で遭難して三日目だな」
女「雪やまへんなぁ。一体いつまで降るんやろう? そうや。ちょっと天気予報に電話してみるわ。えっと携帯電話は確かポケットに……あったあった」
男「どうだった?」
女「まだしばらく吹雪くみたいやわ」
男「そっか……俺、万が一のために遺書書いとくわ」
女「そうやな。私もそうするわ」
男「偉書……あ、いきなり漢字ミスったぁぁあ」
女「アホやなぁ、消しゴムはないけど食パンやったらあるわ。確かパンは消しゴムの代わりになるはず」
男「おおぅ、サンキューな!」
女「ええってええって。それにしてもお腹すいたなぁ」
男「そうだなぁ」
女「私ら餓死するんやろか、それとも凍死やろか? 意表をついて熊の食料に?! ないかw」
☆☆
「隊長、男女二人組の死体見つけました!」
「どうやら見たところ餓死のようだな。あちこち凍傷の痕もある。かわいそうにな。しかし、おかしな死体だよな。食料もあるしマッチもある。そして携帯電話まである。こいつらどうして餓死なんかしたんだ?」
女「…………」
男「え、無言? 何か言えよ。無言の圧力ってつらいんだぜ!」
女「お、おぉぅ、だ、誰やねん! 今、死亡フラグ立てたんわ。ツンデレで」
男「お・れ」
女「このままやとほんまに死亡フラグ成立してまうで!」
男「ホワイ?」
女「なぜって聞かれてもなぁ……雪山に迷ってなんとか小屋を見つけたものの、このまま雪がやまないと、凍死か餓死かってところやで」
男「そうだよな。そうだ! 雪を食べるってのはどう? 雪山だし大量にある。底はつかないはず」
女「あほか! 雪山で雪を食べたら凍え死ぬっちゅうねん!」
男「それもそうだよな。ちょうどいいことにマッチを持ってるから、これで溶かせば」
女「水確保ぉぉっっ! って、どっちにしろそんなもんでは、いつまでもお腹は満たされへんわ!」
男「あ、氷砂糖ならあるぜ。氷ってつくくらいだから、溶かせば水になるん……」
女「ならへんわっ! ってどんだけ水にこだわるねん。水はもうええっちゅうねん」
男「インスタントラーメンがある……あ、でもお湯がねえな」
女「それじゃ、意味ねえ!」
男「だよな。それより夜になってなんか寒くなってきたな」
女「マッチがあるんやから、燃やすものがあればええんやけど……この小屋にそんなものないしなぁ」
男「とりあえず二人でくっついてると少しはましだよな?」
女「そうやな」
男「…………」
女「…………」
男「照れるなよ」
女「べ、べつに照れてないわっ!」
男「…………」
女「…………」
男「…………」
女「って、おいっ、寝たらアカン!! ちょ、起きて」
男「んあぁ、危ない、寝てる間にあの世逝きなんてシャレにならねぇな」
女「ほんまに、寝たらアカンで。とはいえ退屈やなぁ」
男「あ、娯楽に大量の本を持ってきてるんだけど」
女「ナイスや! それ読んで朝まで過ごそう」
☆☆
男「今日で遭難して三日目だな」
女「雪やまへんなぁ。一体いつまで降るんやろう? そうや。ちょっと天気予報に電話してみるわ。えっと携帯電話は確かポケットに……あったあった」
男「どうだった?」
女「まだしばらく吹雪くみたいやわ」
男「そっか……俺、万が一のために遺書書いとくわ」
女「そうやな。私もそうするわ」
男「偉書……あ、いきなり漢字ミスったぁぁあ」
女「アホやなぁ、消しゴムはないけど食パンやったらあるわ。確かパンは消しゴムの代わりになるはず」
男「おおぅ、サンキューな!」
女「ええってええって。それにしてもお腹すいたなぁ」
男「そうだなぁ」
女「私ら餓死するんやろか、それとも凍死やろか? 意表をついて熊の食料に?! ないかw」
☆☆
「隊長、男女二人組の死体見つけました!」
「どうやら見たところ餓死のようだな。あちこち凍傷の痕もある。かわいそうにな。しかし、おかしな死体だよな。食料もあるしマッチもある。そして携帯電話まである。こいつらどうして餓死なんかしたんだ?」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/entertainment.png?id=2f3902aa70cec36217dc)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/entertainment.png?id=2f3902aa70cec36217dc)
相談室の心音さん
阪上克利
大衆娯楽
流産というつらい経験をした主人公の心音が職場に復帰した後に異動になったのは新しい部署の『相談室』だった。
『自分がこんな状態なのに人の相談なんてのっている場合じゃない』と悩むも、相談者の相談にのっているうちに少しずつ心が癒されていくのを感じる……。
このお話は大きな悲しみを乗り越えて前に進もうとする主人公、心音の再生の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる