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夢か現実か
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私は顔が焼け焦げた男に首を絞められている。その様子を私は空から傍観者のごとく、眺めていた。
男は『死にたくない』と何度も繰り返しながら、力を込めて私の首を絞め続けている。顔から皮膚が剥がれ落ち、雨のように私に降り注いでいる。
私は体を動かすことができず、男に首を絞められて苦しそうにしている私を見つめることしかできなかった。けれど、私はあまり焦っていなかった。頭の片隅でこれが夢だと理解していたからだ。
なのに徐々に呼吸が苦しくなってきた。これは夢のはずなのに。
ふと意識が遠のいて、目を開けると、顔が焼け焦げた男が私の首を絞めていた。
混乱しながらも辺りを見回すと、火の海に囲まれていた。泣いている男の顔を見て私は思い出した。
男は母の再婚相手の息子で私の義弟だということを。義弟はホモで私から彼氏を奪ったことを。
そして私が家に火をつけて義弟を殺そうとし、返り討ちに遭ったことを――。
男は『死にたくない』と何度も繰り返しながら、力を込めて私の首を絞め続けている。顔から皮膚が剥がれ落ち、雨のように私に降り注いでいる。
私は体を動かすことができず、男に首を絞められて苦しそうにしている私を見つめることしかできなかった。けれど、私はあまり焦っていなかった。頭の片隅でこれが夢だと理解していたからだ。
なのに徐々に呼吸が苦しくなってきた。これは夢のはずなのに。
ふと意識が遠のいて、目を開けると、顔が焼け焦げた男が私の首を絞めていた。
混乱しながらも辺りを見回すと、火の海に囲まれていた。泣いている男の顔を見て私は思い出した。
男は母の再婚相手の息子で私の義弟だということを。義弟はホモで私から彼氏を奪ったことを。
そして私が家に火をつけて義弟を殺そうとし、返り討ちに遭ったことを――。
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