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ガトリング鬼と溶岩魔女の行く末

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 全身にガトリング砲を搭載した一匹の鬼――ガトリング鬼の目の前には溶岩魔女が座っていた。場所はガトリング山の麓にある小屋だった。ガトリング山には多くのガトリング鬼たちが暮らしている。無限にガトリング砲を生みだすことができ、『生きた兵器』と呼ばれるほどの戦力を秘めた山だった。
「ここに来ていることは誰にもバレてないよな?」
 ガトリング鬼は不安気な表情を浮かべていた。
「誰にもバレてないと思うよ」
 溶岩魔女はガトリング鬼を安心させるかのように笑顔で言った。溶岩魔女は全身が溶岩で出来た魔女であり、ガトリング鬼とは敵対する一族だった。そんな状況の中、ガトリング鬼と溶岩魔女は恋に落ちた。もちろんバレたら、裏切り者として処刑される。
「……ねえ、ガトリング鬼君、セックスしようよ」
「……そうだな」
 ガトリング鬼はトラ柄のパンツを脱ぐと、ガトリング砲を取り出した。中心に割れ目が入った小さな溶岩にガトリング砲を挿入する。ガトリング砲は溶岩に包まれ、じりじりと焼け焦げる音がした。何度も突くうちに、ガトリング砲が熱を帯びて膨らみ、貫通力のない弾丸を発射した。弾丸は溶岩で溶けて混ざり合った。
 ガトリング鬼は小さな溶岩からガトリング砲を抜いた。ガトリング砲は力なく垂れ下がっていた。溶岩魔女は微笑むと、ガトリング砲を咥え込み、口を激しく動かした。
「あぁ……気持ちいい」
 ガトリング鬼が呟いた時、小屋の外から足音が聞こえた。すぐに顔を見合わせると、外の様子を伺った。
「な、なんてことだ」
「そ、そんな」
 数多の溶岩魔女がガトリング山に向かってきていた。ガトリング鬼に戦争を仕掛けるつもりのようだった。小屋の中にいたら、戦争に巻き込まれる可能性が高い。隙を見つけてここから逃げ出さねばならない。
 溶岩魔女たちは麓で足を止めると、口から溶岩を放出した。溶岩は混ざり合って巨大な波と化し、ガトリング山に襲い掛かった。
 すると辺りに轟音が鳴り響き、斜面から数千以上のガトリング砲が出現した。まるで帰れと言わんばかりの勢いで無数の弾丸が溶岩に撃ち込まれる。いとも簡単に溶岩を打ち破り、溶岩魔女の体を撃ち抜いた。ものの数分で半数以上が絶命した。
 ガトリング鬼は隙を待っている暇はないと判断し、溶岩魔女の手を取って小屋から出ようとした。その瞬間、小屋に弾丸が撃ち込まれ、数匹のガトリング鬼が入ってきた。
「敵と一緒にいるとは……裏切者め。始末してやろう」
 そう言うや否や数匹のガトリング鬼はガトリング砲を放ってきた。すかさずガトリング鬼もガトリング砲を放った。しかし、一匹が放った弾丸を撃ち落とすのが精一杯で、全身を撃ち抜かれてガトリング鬼は絶命した。
「いやぁああああ!」
 泣き叫ぶ溶岩魔女の腕を強引に掴むと、ガトリング鬼たちは外に出た。辺りには溶岩魔女たちの亡骸が転がり、わずかしか残っていなかった。残りの溶岩魔女は戦意喪失し、あまりの恐怖に溶岩を漏らしている者もいた。
「ガトリング山の攻撃から生き残ったお前たちには敬意を表し、殺さないでやろう。ただし、たっぷりと可愛がらせてもらうがね」
 ガトリング鬼はそう言うと、掴んでいた腕を放し、泣き叫ぶ溶岩魔女にガトリング砲を強引に挿入した。それが合図となったかのように、他のガトリング鬼たちもトラ柄のパンツを脱ぎ、嫌がる溶岩魔女たちの小さな溶岩にガトリング砲をぶち込んだ。
『いやぁあああああ!』
 溶岩魔女たちの悲鳴がガトリング山全体に響いた。
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