助けて!

神通百力

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助けて!

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 私は足がもつれそうになりながらも、必死で走った。チラリと後ろを振り返ると、日本刀を持った男が不気味な笑みを浮かべながら、追いかけてきていた。
 
 あの男はきっと巷で噂の殺人鬼に違いない。このままでは殺される。逃げなきゃ! 逃げなきゃ! 逃げなきゃ! 逃げなきゃ! 逃げなきゃ!
 
 後ろから子供たちの悲鳴が聞こえた。ああ、あの殺人鬼は私を追いかけながら、遊び半分で人を殺しているんだ。

 あの殺人鬼が私はとても怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。あまりの恐怖に失禁しそうになる。

 誰でもいい。私を助けて! 助けて! 助けて! 助けて! 助けて! 助けて! 助けてよ! 殺人鬼の魔の手から救って!

 このままじゃ、いつか体力が尽きて私は殺される! 殺人鬼に殺されちゃう! 殺されちゃう! 殺されちゃう! 殺されちゃう! 殺されちゃう!
 
 殺人鬼の足音がどんどん速くなっていく。私は追いつかれまいと懸命に足を動かした。

 夢であってほしいと心底願った。けれど、体を包み込む恐怖は夢なんかじゃなく、紛れもない現実のように思えてならなかった。

 疲労で足を動かすのが辛くなってきた。こんなところで死ぬなんてイヤだ! イヤだ! イヤだ! イヤだ! イヤだ!

 私のそんな思いとは裏腹に足が止まってしまった。その瞬間、胸に痛みを感じた。胸を日本刀が貫いていた。
 後ろを振り返ると、殺人鬼が下卑た笑みを浮かべていた。

 私は死ぬの? まだ死にたくない! 死にたくない! 死にたくない! 死にたくない! 死にたくないよ!

 私は助けを求めて手を伸ばし――意識が闇に沈んだ。
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