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君の髪
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君ってさ、いつもフードをかぶっているよね。
季節関係なしにずっと被り続けているね。
フードがもごもごと動くから気になって仕方ないんだよね。
唸り声もあげるから余計に気になるんだよね。
僕は顔が動かなすぎるって? 顔が適当だし、いつも同じ表情だって? そう言われても困るんだけどね。なにせ、僕はそれ以外の表情ができないんだからね。
何を考えているのかもわからないって? 確かに察しずらい表情ではあるかもね。でも、そんな僕に告白してきたのは君なんだよ?
君と付きあえるのは僕だけだって? 僕以外の者とは会話も成り立たないだって?
確かにそうかもしれないね。僕なら君と真正面から向き合えるからね。
次のデートの時にはフードはかぶらないでほしいな。なぜかというと君の髪を覚えていないからだよ。
フード姿の君ばかり見ているからね。
フードを被っていなければ、君の髪がどんなだったかすぐにわかるからね。
どうして怒っているんだい? 愛しているのかだって? もちろん僕は君のことを本気で愛しているよ。
髪を覚えていないのにって?
だから、君の髪を思い出すために、次のデートはフードなしでお願いしたいんだよ。
今からもう一度デートをしようだって? 別に構わないけど。
フードは脱いでくれるのかい?
脱ぐから早くデートしようだって? せっかちだな。
それじゃ、フードを脱いでくれるかい?
ああ、そんな髪をしていたね。
すっかり忘れていたよ。
やっぱり君はそっちの方が似合っているね。
ねぇ、僕の愛しいメデューサさん。
――えぇ、私の愛する案山子さん。
季節関係なしにずっと被り続けているね。
フードがもごもごと動くから気になって仕方ないんだよね。
唸り声もあげるから余計に気になるんだよね。
僕は顔が動かなすぎるって? 顔が適当だし、いつも同じ表情だって? そう言われても困るんだけどね。なにせ、僕はそれ以外の表情ができないんだからね。
何を考えているのかもわからないって? 確かに察しずらい表情ではあるかもね。でも、そんな僕に告白してきたのは君なんだよ?
君と付きあえるのは僕だけだって? 僕以外の者とは会話も成り立たないだって?
確かにそうかもしれないね。僕なら君と真正面から向き合えるからね。
次のデートの時にはフードはかぶらないでほしいな。なぜかというと君の髪を覚えていないからだよ。
フード姿の君ばかり見ているからね。
フードを被っていなければ、君の髪がどんなだったかすぐにわかるからね。
どうして怒っているんだい? 愛しているのかだって? もちろん僕は君のことを本気で愛しているよ。
髪を覚えていないのにって?
だから、君の髪を思い出すために、次のデートはフードなしでお願いしたいんだよ。
今からもう一度デートをしようだって? 別に構わないけど。
フードは脱いでくれるのかい?
脱ぐから早くデートしようだって? せっかちだな。
それじゃ、フードを脱いでくれるかい?
ああ、そんな髪をしていたね。
すっかり忘れていたよ。
やっぱり君はそっちの方が似合っているね。
ねぇ、僕の愛しいメデューサさん。
――えぇ、私の愛する案山子さん。
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