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まず 騎士の礼をとり剣から始める。
上下左右に飛び跳ねながら 色んな角度から剣を振るう。
体幹がしっかりとしているので どの体制から剣を振るってもブレることは無い。
もう少しで決めれる…という所で上手く交わされる。
もう少し、もう少し、と言いながら それは全部ルークヴァインが操っているように思える。
アリスが急に瞬間移動で後ろに回り込んだ。
剣を振り下ろす???
そこにルークヴァインは居ない。
反対に後ろから 首筋を手で撫でられて、咄嗟に「ヒャァッ」と叫んで横に飛び退る。
アリスティアは撫でられた首筋を手で庇いながら、顔を真っ赤にして動揺している。
「な・な・な・何を」
「いやぁー ちょっと退屈だったものでね。」
悪びれもなく、ニッコリと笑いながらルークヴァインは言う。
アリスティアは剣を構え直してみたけれど、役に立たないと考えたのだろう潔く捨てた。
防御壁を自分の周りに張り巡らせ 風魔法で攻撃してみる。
ルークヴァインは、普通に立っているだけで手も動かしていないのに 体に当たる前にフワッと魔法が消えた。
火の魔法、水の魔法、ついでに衝撃弾まで打ってみた。
やっぱり、何もしてないのにフワッと消える。
『あぁー! ヤバい
そう言えば、結局アリスに言ってなかった。
ルークヴァイン様に魔法は効かないって。』
シルバーが焦っていると
「アリスは、お兄様に魔法が効かないって知らなかったみたいね。
プチパニック起こしてるわ。
うふふふふ」
エメラインが呑気に笑っている。
「なんで…なんで…なんで消えちゃうの?」
プチパニックを起こしているアリスティアの耳に、フッと息が吹きかけられる。
「キャァーーーー!」
瞬間移動して逃げる。
すると今度は、うなじを撫でられる。
逃げる。
頬を撫でられる。
逃げる。
背中を………
段々触る場所が怪しくなってきた。
兄としてそれは許せません。
と思っていたら、何も考えられ無くなったアリスティアが最大級の衝撃波を放った。
「「「 あっ!! ヤバい 」」」
ルークヴァインの反応が一瞬遅れた。
衝撃波は彼とは全然違う方向へ放たれ、王宮の北の塔に当たってしまった。
ガラガラと崩れ落ちる建物!
王宮では、「何処からの攻撃だ」「いや神の天罰か」と大騒ぎになっていた。
幸い北の塔は、現在使われていなかったので 怪我人などは出なかった。
「しまった、遊びすぎた!
まさかあんなのぶっ放すなんて」
「そうですよ!!
流石にあれは、兄としても抗議します。
アリスはそっち方面には全く初心なんですからね。」
「あらあら うふふ
お兄様もシルバー様もお話しがズレてましてよ。
今はそんなお話よりも、父王様への言い訳を考えた方が宜しいのではなくて?」
「「それもそうだな。」」
「いや… 俺も怒られるんですか?」
「当たり前だろ。
これをセッティングしたのはシルバーだろ」
『何だろう…… なんで三人ともこんなに落ち着いて喋ってるんだろう。
どうしよう! お城壊しちゃった。
あぁぁぁぁーーー
なんか 色々 もうダメだ。』
アリスティアの頭の中は許容範囲いっぱいで、考えるのを止めて意識も飛ばしてしまった
次に目が覚めた時には、全て片付いた後だった。
ルークヴァイン様とお兄様は、国王様にコッテリ叱られたそうです。
罰として二人で壊れた塔を元通りにしたみたい。魔法でね。
私はと言えば、「調子に乗り過ぎだ!」と お父様に叱られた。
後 お母様には、「世間知らず過ぎるので 従者を付けるから世の中を見て回って来なさい。」
と言われました。
「もしかして、冒険の旅に出て良いの?」
と喜んでしまい、こってりとお説教を頂いた。
上下左右に飛び跳ねながら 色んな角度から剣を振るう。
体幹がしっかりとしているので どの体制から剣を振るってもブレることは無い。
もう少しで決めれる…という所で上手く交わされる。
もう少し、もう少し、と言いながら それは全部ルークヴァインが操っているように思える。
アリスが急に瞬間移動で後ろに回り込んだ。
剣を振り下ろす???
そこにルークヴァインは居ない。
反対に後ろから 首筋を手で撫でられて、咄嗟に「ヒャァッ」と叫んで横に飛び退る。
アリスティアは撫でられた首筋を手で庇いながら、顔を真っ赤にして動揺している。
「な・な・な・何を」
「いやぁー ちょっと退屈だったものでね。」
悪びれもなく、ニッコリと笑いながらルークヴァインは言う。
アリスティアは剣を構え直してみたけれど、役に立たないと考えたのだろう潔く捨てた。
防御壁を自分の周りに張り巡らせ 風魔法で攻撃してみる。
ルークヴァインは、普通に立っているだけで手も動かしていないのに 体に当たる前にフワッと魔法が消えた。
火の魔法、水の魔法、ついでに衝撃弾まで打ってみた。
やっぱり、何もしてないのにフワッと消える。
『あぁー! ヤバい
そう言えば、結局アリスに言ってなかった。
ルークヴァイン様に魔法は効かないって。』
シルバーが焦っていると
「アリスは、お兄様に魔法が効かないって知らなかったみたいね。
プチパニック起こしてるわ。
うふふふふ」
エメラインが呑気に笑っている。
「なんで…なんで…なんで消えちゃうの?」
プチパニックを起こしているアリスティアの耳に、フッと息が吹きかけられる。
「キャァーーーー!」
瞬間移動して逃げる。
すると今度は、うなじを撫でられる。
逃げる。
頬を撫でられる。
逃げる。
背中を………
段々触る場所が怪しくなってきた。
兄としてそれは許せません。
と思っていたら、何も考えられ無くなったアリスティアが最大級の衝撃波を放った。
「「「 あっ!! ヤバい 」」」
ルークヴァインの反応が一瞬遅れた。
衝撃波は彼とは全然違う方向へ放たれ、王宮の北の塔に当たってしまった。
ガラガラと崩れ落ちる建物!
王宮では、「何処からの攻撃だ」「いや神の天罰か」と大騒ぎになっていた。
幸い北の塔は、現在使われていなかったので 怪我人などは出なかった。
「しまった、遊びすぎた!
まさかあんなのぶっ放すなんて」
「そうですよ!!
流石にあれは、兄としても抗議します。
アリスはそっち方面には全く初心なんですからね。」
「あらあら うふふ
お兄様もシルバー様もお話しがズレてましてよ。
今はそんなお話よりも、父王様への言い訳を考えた方が宜しいのではなくて?」
「「それもそうだな。」」
「いや… 俺も怒られるんですか?」
「当たり前だろ。
これをセッティングしたのはシルバーだろ」
『何だろう…… なんで三人ともこんなに落ち着いて喋ってるんだろう。
どうしよう! お城壊しちゃった。
あぁぁぁぁーーー
なんか 色々 もうダメだ。』
アリスティアの頭の中は許容範囲いっぱいで、考えるのを止めて意識も飛ばしてしまった
次に目が覚めた時には、全て片付いた後だった。
ルークヴァイン様とお兄様は、国王様にコッテリ叱られたそうです。
罰として二人で壊れた塔を元通りにしたみたい。魔法でね。
私はと言えば、「調子に乗り過ぎだ!」と お父様に叱られた。
後 お母様には、「世間知らず過ぎるので 従者を付けるから世の中を見て回って来なさい。」
と言われました。
「もしかして、冒険の旅に出て良いの?」
と喜んでしまい、こってりとお説教を頂いた。
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