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45.家族となった喜び
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侯爵邸の重厚な扉が静かに開き、エドワードはまっすぐに書斎へと向かった。
そこには、祖父である侯爵エドガーと祖母イレーネが揃っており、窓辺に差し込む光の中、静かに書類に目を通していた。
エドワードが姿を現すと、イレーネがすぐに微笑みを浮かべ、エドガーもゆっくりと顔を上げた。
「……エドワード。よく戻ってきてくれたな。」
「ご無沙汰しております、お祖父様。お祖母様。」
丁寧に頭を下げたエドワードに、エドガーは机の上の手紙を手に取った。
「お前にも、手紙は届いたのだろう?」
「……はい。」
エドワードは小さく頷いたあと、少しの間言葉を探すように視線を落とした。
「……やっと、この時が来たんだなって思いました。僕にとっては、二人が並んでいる姿は、もうずっと当たり前の光景だったから。僕の中で、ずっと“家族”として二人が並んでいた気がしていて……だから。」
イレーネがそっと微笑み、エドワードの肩に手を添えた。
「あなたがそう思ってくれていること、それがどれほど二人の支えになるか……ありがとう、エドワード。」
エドガーも深く頷きながら言った。
「お前は、もう立派にこの家の一員として成長している。これからの道を歩むには、しっかりと絆を結び直すことも大切だ。お前が二人を受け入れてくれるなら、それは我らにとっても、何よりの喜びだ。」
エドワードは、胸に手を当てて、そっと穏やかな笑みを浮かべた。
「僕は……あの二人が一緒に幸せになることを願っています。それだけです。」
そして、ゆっくりと書斎を後にし、母とレオンが待つ部屋へ向かった。
ルシアとレオンは、侯爵邸の東のサロンで並んで腰掛け、お茶をしながら執務の合間の休憩を取っていた。
午後の柔らかな陽光がレース越しに差し込み、二人の間には穏やかな空気が流れていた。
「今日の報告書、意外と早くまとまったわね」
「君の手際があってこそだよ、ルシア」
そう言ってレオンが微笑むと、ルシアも静かに笑みを返した。
政務の隙間に交わす何気ない言葉が、いつしか心を温める大切なひとときとなっていた。
その時、扉の向こうから軽やかな足音が近づき
「母上、叔父上……少しいいですか?」
明るく響いたのは、エドワードの声だった。
その声に、ルシアとレオンは同時に顔を上げた。
扉が開かれると、そこには少し背が伸び、すっかり少年の面影から青年へと近づいたエドワードが立っていた。
「エドワード……!」
ルシアは嬉しそうに立ち上がり、彼に駆け寄った。
「おかえりなさい、よく戻ってきてくれたわね。」
「ただいま、母上。」
エドワードは、少しだけ照れたように微笑みながら、ルシアの手を取った。
その手を包むように優しく握るレオンの姿も、そこにあった。
「手紙を読ませてもらいました。」
ルシアとレオンは、少しだけ表情を引き締めた。
それは彼にとって、簡単に受け入れられる話ではないかもしれない。
だが――
「僕、嬉しかった。」
エドワードはそう言って、二人をまっすぐ見つめた。
「母上はずっと一人で頑張ってきた。レオン叔父上は……そのすべてを知って、支えてくれていた。そのふたりが、ようやく同じ道を歩いてくれるなら、僕は……心から嬉しいんだ。」
「エドワード……」
ルシアは思わず胸元に手を当て、目を潤ませた。
レオンはゆっくりと立ち上がり、真剣なまなざしでエドワードに向き合う。
「ありがとう、エドワード。君にそう言ってもらえることが……俺にとって、何よりも大きな支えだ。」
「ふたりのこと、ずっと見てきたから。僕にとって、母上も、叔父上も……“家族”という言葉のすべてなんだ。」
そしてエドワードは、小さく深呼吸をして、微笑んだ。
「これからも、ずっと三人で、家族でいようね。」
その言葉に、ルシアとレオンはそっと顔を見合わせた。
ふたりの想いが、息子によって温かく包まれた気がした。
「ええ。もちろんよ。」
「ああ、約束しよう。」
光の差す部屋の中で、三人は自然と手を重ね合った。
母と息子と、そして支え合う者として――
それぞれの過去を越えた先に、新たな絆と未来が確かに芽生え始めていた。
そこには、祖父である侯爵エドガーと祖母イレーネが揃っており、窓辺に差し込む光の中、静かに書類に目を通していた。
エドワードが姿を現すと、イレーネがすぐに微笑みを浮かべ、エドガーもゆっくりと顔を上げた。
「……エドワード。よく戻ってきてくれたな。」
「ご無沙汰しております、お祖父様。お祖母様。」
丁寧に頭を下げたエドワードに、エドガーは机の上の手紙を手に取った。
「お前にも、手紙は届いたのだろう?」
「……はい。」
エドワードは小さく頷いたあと、少しの間言葉を探すように視線を落とした。
「……やっと、この時が来たんだなって思いました。僕にとっては、二人が並んでいる姿は、もうずっと当たり前の光景だったから。僕の中で、ずっと“家族”として二人が並んでいた気がしていて……だから。」
イレーネがそっと微笑み、エドワードの肩に手を添えた。
「あなたがそう思ってくれていること、それがどれほど二人の支えになるか……ありがとう、エドワード。」
エドガーも深く頷きながら言った。
「お前は、もう立派にこの家の一員として成長している。これからの道を歩むには、しっかりと絆を結び直すことも大切だ。お前が二人を受け入れてくれるなら、それは我らにとっても、何よりの喜びだ。」
エドワードは、胸に手を当てて、そっと穏やかな笑みを浮かべた。
「僕は……あの二人が一緒に幸せになることを願っています。それだけです。」
そして、ゆっくりと書斎を後にし、母とレオンが待つ部屋へ向かった。
ルシアとレオンは、侯爵邸の東のサロンで並んで腰掛け、お茶をしながら執務の合間の休憩を取っていた。
午後の柔らかな陽光がレース越しに差し込み、二人の間には穏やかな空気が流れていた。
「今日の報告書、意外と早くまとまったわね」
「君の手際があってこそだよ、ルシア」
そう言ってレオンが微笑むと、ルシアも静かに笑みを返した。
政務の隙間に交わす何気ない言葉が、いつしか心を温める大切なひとときとなっていた。
その時、扉の向こうから軽やかな足音が近づき
「母上、叔父上……少しいいですか?」
明るく響いたのは、エドワードの声だった。
その声に、ルシアとレオンは同時に顔を上げた。
扉が開かれると、そこには少し背が伸び、すっかり少年の面影から青年へと近づいたエドワードが立っていた。
「エドワード……!」
ルシアは嬉しそうに立ち上がり、彼に駆け寄った。
「おかえりなさい、よく戻ってきてくれたわね。」
「ただいま、母上。」
エドワードは、少しだけ照れたように微笑みながら、ルシアの手を取った。
その手を包むように優しく握るレオンの姿も、そこにあった。
「手紙を読ませてもらいました。」
ルシアとレオンは、少しだけ表情を引き締めた。
それは彼にとって、簡単に受け入れられる話ではないかもしれない。
だが――
「僕、嬉しかった。」
エドワードはそう言って、二人をまっすぐ見つめた。
「母上はずっと一人で頑張ってきた。レオン叔父上は……そのすべてを知って、支えてくれていた。そのふたりが、ようやく同じ道を歩いてくれるなら、僕は……心から嬉しいんだ。」
「エドワード……」
ルシアは思わず胸元に手を当て、目を潤ませた。
レオンはゆっくりと立ち上がり、真剣なまなざしでエドワードに向き合う。
「ありがとう、エドワード。君にそう言ってもらえることが……俺にとって、何よりも大きな支えだ。」
「ふたりのこと、ずっと見てきたから。僕にとって、母上も、叔父上も……“家族”という言葉のすべてなんだ。」
そしてエドワードは、小さく深呼吸をして、微笑んだ。
「これからも、ずっと三人で、家族でいようね。」
その言葉に、ルシアとレオンはそっと顔を見合わせた。
ふたりの想いが、息子によって温かく包まれた気がした。
「ええ。もちろんよ。」
「ああ、約束しよう。」
光の差す部屋の中で、三人は自然と手を重ね合った。
母と息子と、そして支え合う者として――
それぞれの過去を越えた先に、新たな絆と未来が確かに芽生え始めていた。
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