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18話・悪魔王ゼロノスのいる東京駅へ
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池袋エリアはポイズンエンドの毒ガスにより、人間も悪魔も存在出来ないエリアになった。ルーンメイズのドクターが調整する青い毒ガスは、渋谷エリアにも進んでいてルーンメイズ達もゼロノスとの決戦に進むしかない状況だ。
池袋方面の空がおかしな色になったら、ルーンメイズ全軍は東京駅に向けて進軍してくれと美空リーダーには伝えてある。閉鎖された悪魔東京から現実世界へ侵攻を始める「ゼロノスデイ」が訪れる前に、悪魔王ゼロノスとの決着をつけなければならない。
そして、ケチャップドクターが池袋まで乗って来たバイクを渋谷方面に向かって飛ばしている俺は、後ろで俺に捕まりながらもこめかみに銃口を突きつけている舞花と話していた。
「……そろそろ銃口を下ろせよ舞花。走行してる振動で引き金が引かれる可能性がある」
「それはそれでスリリングでいいじゃない? 嫌なら性器の方に向けとくけど?」
「……こめかみでいい」
相変わらず、舞花は俺がルーンメイズを壊滅させるような行動をすると考えているようだ。このポイズンエンドの非情な作戦で、ルーンメイズ本隊も戦争に突入しなくてはならなくなった以上、俺の暴走を危険視してるようだ。まともな感情があるなら、悪魔も人間も巻き込んでの毒ガス作戦というのを否定するのは当然だが。
(それでいい。俺を信じていない心が舞花の良さだ。どれだけ一緒にいても、俺と舞花は交わらない。それが俺の進む道の救いになる……)
暗い夜道を、俺が山手線内部からゼロノスに吹き飛ばされた辺りを目指して走っている。あの場所から、俺はゼロノスのいる東京駅へ魔列車となる山手線で向かおうとしていた。これからの事を風で茶色いセミロングの髪をなびかせる舞花はもう一度聞いてくる。
「本当に山手線内部への侵入は可能で、そこから東京駅のゼロノスへ攻め込む。渋谷のルーンメイズも行動開始し、ここから人間と悪魔の全面戦争になるのね?」
「そうだ。こっからが最高に楽しい悪魔東京の始まりだ。何度も言うように山手線内部には入れる。俺がゼロノスに殺されそうになった時に破った窓ガラスがあるからな。魔レンズでも確認したが、あの山手線には悪魔は乗っていない。あれはこの悪魔東京を維持する為の存在だろう。あの山手線が永遠に回り続ける事によって、悪魔はこの閉鎖された山手線内部の悪魔東京へ出現した」
「……成る程。そして、ゼロノスデイで山手線殺しの呪縛から解放された悪魔東京は、現実世界全てに広がるのね……でも、それはさせない。私の正義で悪を砕き割る」
そう言う舞花の顔を、サイドミラーで軽く見たが暗くてよくわからない。けど、とても強い意志のある顔で気力が充実してるだろうというのがわかるセリフだ。だからこそ、銃の引き金を引いたんだろう――?
「おい舞花! 何で銃を撃った!? ギリギリ回避したというか、当たらなかっただけだぞ!?」
「あっ……いや、ちょっと何かおまたが……」
「おまた?」
突然の発砲に驚いた俺だったが、舞花は舞花でおまたに驚いているようだ。すると、紫の髪のセーラー服を着た妖精が舞花のパンツの中から現れた。
「確かに、この女のおまたは割れてるよ星矢?」
「知らん。つか、俺に近寄るなよ? 今のミミは舞花の匂いがついてるからな。舞花のマ――」
「言うな!」
と、後ろの舞花に羽交い締めにされた。どうやらミミが舞花のパンツの中に侵入してたようだ。舞花の身体の中に入るぐらいだから、舞花の事も殺したいぐらい気になる存在のようだな。喧嘩するほど仲がいいとも……言うし。
バイクで道を駆ける中でのトラブルあったが、今は山手線に飛び乗ってから東京駅に奇襲をかけるのが最大の目標だ。ルーンメイズは品川方面からゼロノス聖協会と激突しつつ東京駅を目指してもらい、俺はその隙を突いて一気にゼロノスのいる東京駅に突撃する。そのポイントを魔法で身体をリフレッシュしたミミは紫の髪を手櫛でとかす。
「あのポイントは魔レンズから生まれた美少女悪魔のミミちゃんのゼロポイント。あのポイントからなら、山手線内部へ飛び乗るのは簡単なのよ。何故なら、私と悪魔王の痕跡の残る二つのゼロポイントだからね!」
「ふーん。ゼロポイントね。まぁ、よくわからないけど、とりあえずゼロポイントからなら山手線に飛び乗れる可能性が高くなるのね。成功するなら何でもいいわ」
「アハハッ! 頭まで筋肉の女にはミミちゃんの説明でもわからないかな? 死んでしま――」
「お前が死ね」
ミミは舞花に掴まれて、バイクの車輪に投げられて悲鳴を上げていた。それはいいとして、感情が嵐の前の静けさのような感覚に陥っている俺は目の前の夜空がやけに眩しく映っていた。その綺麗な星の夜空を見上げた。
「星野……」
ふと、山手線殺しでゼロノスに挑み、死亡した星野の事を思い出した。あのまま生きていれば、星野にも魔法が使える存在になれていたはずだ。それも、かなり強い魔法を使える存在に。そんな過去の事を思い出していると、俺の呟きを聞いていた舞花が話す。
「ほしの? 何がほしのなの?」
「……星が綺麗な夜空ってだけだ。山手線の線路が見えて来た。あそこについたらバイクを下りて、魔列車になる山手線を待ち構えるぞ」
「わかったわよ。でも、ルーンメイズ本隊も本当に東京駅へ向かってるのね? 電波状況が悪いからお兄ちゃんに通信が出来ないから心配」
「それは俺も言ったし、池袋に来る前のドクターにも伝えておいたから、ルーンメイズ本隊は移動を開始してるだろ。夜空でもあの青い毒ガスは異様な光景だからな。そして、俺はこのまま山手線から東京駅へ向かう。舞花は別に俺について来なくてもいいんだぜ?」
「行くわよ。私はアンタを監視する任務もある。悪魔神罰が人間にとっての脅威になるなら、私が真っ先にアンタを殺さないとならないから行くわ」
「そうか。なら頼もしいな」
舞花にも最終確認を取り、山手線内部への侵入作戦を開始した。
ゼロノスに山手線内部から吹き飛ばされたポイントである、悪魔妖精ミミが生まれたゼロポイント付近には悪魔の死体が多数あった。それに、人間の死体も転がっている。互いに殺しあっていたのか? と思う光景だが、どうにもおかしな面がある。死体は全て何かで貫かれたような傷が無数にあった。悪魔にも人間にもだ。
「この死体達の傷口は全て同じ。つまり、犯人は悪魔も人間も否定してる存在なのか? わからんな……」
「そうねぇ。よくわからない。ミミはわかる?」
「ミミは今は役に立たない。死体で興奮してるからな」
その死体を見て舞花と色々考えたが、強い存在が人間と悪魔の両方を殺したというのは確かだ。山手線がこの場所まで到着するのはまだ時間がかかりそうだから、周囲を警戒しながら考えた。
(……ミミがあれだけ興奮してるという事は、よほど強い存在がこの事件の犯人。山手線に飛び乗る前に出会ったら作戦に影響が出るかもな……?)
すると、俺の魔レンズに一つの反応があった。死んだと思っていた死体の一つが息を吹き返したんだ。しかも、人間ではなく悪魔が目覚めていた。その犬のような悪魔は瀕死のまま語りかけて来た。
「アクマキラーだ……あの灰色の髪の人間。悪魔を食う男。ゼロノス聖協会最強だが自由。あの男は危険だぞ……」
「そのアクマキラーだか知らんが、そいつがこの死体の山を築いたのか? しかも悪魔を食う? 本当か?」
「もうすぐ死ぬ悪魔が嘘をついても仕方ないだろう。奴は悪魔を食うと……この身体も強くなる気がしたんですと言ってたから、おそらくお前達人間も奴なら食うだろう」
「そうか。なら殺すだけだ。それに、俺は山手線で東京駅に向かう。ここには長居はしない」
「ならいい……奴は必ず殺せ。そして俺も……」
「アクマキラーは知らんが、情報に感謝して殺してやる」
ゼロノス聖協会最強らしいアクマキラーという男の情報を得てから、瀕死の悪魔を踏み殺した。すると、舞花が何かに反応していた。
「来たわよ星矢。私達の希望が」
「山手線か……!」
そう、東京駅へ奇襲をかける希望である山手線が走って来たんだ。タイミングよく山手線に飛び乗り、一気に東京駅へ向かってやる。俺と舞花はミミに誘導されながら、山手線に飛び乗る瞬間を線路付近で待つ。ミミはヒラヒラと飛びながら目前に迫る山手線を凝視している。
「二人共いいわね? ミミちゃんの合図に合わせるのよ?」
『わかった』
そして、山手線殺しにより止まる事も無く加速して来る山手線に飛び乗る瞬間が訪れた。
「――今よ! 飛び乗れ!」
『おう!』
二人は俺が窓ガラスを割った山手線内部に飛び乗った!
けど、何故かその窓から侵入が出来ず走行する山手線にへばりつく形になったんだ。
「どうなってるの星矢!? 窓は割れてるのに見えない壁があって入れないじゃない?」
「魔力の壁だな。中から外に出れても、外から中に入るには難しいようだな――何て冷静な事を言ってられるか!」
どうやら、このままでは二人共山手線から振り落とされて大ダメージだ。この体勢では魔力を使うのにも一苦労だし、面倒な事になったぜ。相変わらずミミは死が感じられてハァハァ言ってやがるのがウザイ。
「落ちるなよ舞花。中に入りさえすれば、まずは俺達のための――」
「話してる暇なんて無いわ! ちょーりゃー!!!」
全身の魔力を拳に集めた舞花の右ストレートで山手線の魔力の一部を破壊した。舞花の怪力に助けられて、俺は山手線内部に入る事に成功したんだ。こうして、悪魔王ゼロノスのいる東京駅へ向かう事に成功した。
池袋方面の空がおかしな色になったら、ルーンメイズ全軍は東京駅に向けて進軍してくれと美空リーダーには伝えてある。閉鎖された悪魔東京から現実世界へ侵攻を始める「ゼロノスデイ」が訪れる前に、悪魔王ゼロノスとの決着をつけなければならない。
そして、ケチャップドクターが池袋まで乗って来たバイクを渋谷方面に向かって飛ばしている俺は、後ろで俺に捕まりながらもこめかみに銃口を突きつけている舞花と話していた。
「……そろそろ銃口を下ろせよ舞花。走行してる振動で引き金が引かれる可能性がある」
「それはそれでスリリングでいいじゃない? 嫌なら性器の方に向けとくけど?」
「……こめかみでいい」
相変わらず、舞花は俺がルーンメイズを壊滅させるような行動をすると考えているようだ。このポイズンエンドの非情な作戦で、ルーンメイズ本隊も戦争に突入しなくてはならなくなった以上、俺の暴走を危険視してるようだ。まともな感情があるなら、悪魔も人間も巻き込んでの毒ガス作戦というのを否定するのは当然だが。
(それでいい。俺を信じていない心が舞花の良さだ。どれだけ一緒にいても、俺と舞花は交わらない。それが俺の進む道の救いになる……)
暗い夜道を、俺が山手線内部からゼロノスに吹き飛ばされた辺りを目指して走っている。あの場所から、俺はゼロノスのいる東京駅へ魔列車となる山手線で向かおうとしていた。これからの事を風で茶色いセミロングの髪をなびかせる舞花はもう一度聞いてくる。
「本当に山手線内部への侵入は可能で、そこから東京駅のゼロノスへ攻め込む。渋谷のルーンメイズも行動開始し、ここから人間と悪魔の全面戦争になるのね?」
「そうだ。こっからが最高に楽しい悪魔東京の始まりだ。何度も言うように山手線内部には入れる。俺がゼロノスに殺されそうになった時に破った窓ガラスがあるからな。魔レンズでも確認したが、あの山手線には悪魔は乗っていない。あれはこの悪魔東京を維持する為の存在だろう。あの山手線が永遠に回り続ける事によって、悪魔はこの閉鎖された山手線内部の悪魔東京へ出現した」
「……成る程。そして、ゼロノスデイで山手線殺しの呪縛から解放された悪魔東京は、現実世界全てに広がるのね……でも、それはさせない。私の正義で悪を砕き割る」
そう言う舞花の顔を、サイドミラーで軽く見たが暗くてよくわからない。けど、とても強い意志のある顔で気力が充実してるだろうというのがわかるセリフだ。だからこそ、銃の引き金を引いたんだろう――?
「おい舞花! 何で銃を撃った!? ギリギリ回避したというか、当たらなかっただけだぞ!?」
「あっ……いや、ちょっと何かおまたが……」
「おまた?」
突然の発砲に驚いた俺だったが、舞花は舞花でおまたに驚いているようだ。すると、紫の髪のセーラー服を着た妖精が舞花のパンツの中から現れた。
「確かに、この女のおまたは割れてるよ星矢?」
「知らん。つか、俺に近寄るなよ? 今のミミは舞花の匂いがついてるからな。舞花のマ――」
「言うな!」
と、後ろの舞花に羽交い締めにされた。どうやらミミが舞花のパンツの中に侵入してたようだ。舞花の身体の中に入るぐらいだから、舞花の事も殺したいぐらい気になる存在のようだな。喧嘩するほど仲がいいとも……言うし。
バイクで道を駆ける中でのトラブルあったが、今は山手線に飛び乗ってから東京駅に奇襲をかけるのが最大の目標だ。ルーンメイズは品川方面からゼロノス聖協会と激突しつつ東京駅を目指してもらい、俺はその隙を突いて一気にゼロノスのいる東京駅に突撃する。そのポイントを魔法で身体をリフレッシュしたミミは紫の髪を手櫛でとかす。
「あのポイントは魔レンズから生まれた美少女悪魔のミミちゃんのゼロポイント。あのポイントからなら、山手線内部へ飛び乗るのは簡単なのよ。何故なら、私と悪魔王の痕跡の残る二つのゼロポイントだからね!」
「ふーん。ゼロポイントね。まぁ、よくわからないけど、とりあえずゼロポイントからなら山手線に飛び乗れる可能性が高くなるのね。成功するなら何でもいいわ」
「アハハッ! 頭まで筋肉の女にはミミちゃんの説明でもわからないかな? 死んでしま――」
「お前が死ね」
ミミは舞花に掴まれて、バイクの車輪に投げられて悲鳴を上げていた。それはいいとして、感情が嵐の前の静けさのような感覚に陥っている俺は目の前の夜空がやけに眩しく映っていた。その綺麗な星の夜空を見上げた。
「星野……」
ふと、山手線殺しでゼロノスに挑み、死亡した星野の事を思い出した。あのまま生きていれば、星野にも魔法が使える存在になれていたはずだ。それも、かなり強い魔法を使える存在に。そんな過去の事を思い出していると、俺の呟きを聞いていた舞花が話す。
「ほしの? 何がほしのなの?」
「……星が綺麗な夜空ってだけだ。山手線の線路が見えて来た。あそこについたらバイクを下りて、魔列車になる山手線を待ち構えるぞ」
「わかったわよ。でも、ルーンメイズ本隊も本当に東京駅へ向かってるのね? 電波状況が悪いからお兄ちゃんに通信が出来ないから心配」
「それは俺も言ったし、池袋に来る前のドクターにも伝えておいたから、ルーンメイズ本隊は移動を開始してるだろ。夜空でもあの青い毒ガスは異様な光景だからな。そして、俺はこのまま山手線から東京駅へ向かう。舞花は別に俺について来なくてもいいんだぜ?」
「行くわよ。私はアンタを監視する任務もある。悪魔神罰が人間にとっての脅威になるなら、私が真っ先にアンタを殺さないとならないから行くわ」
「そうか。なら頼もしいな」
舞花にも最終確認を取り、山手線内部への侵入作戦を開始した。
ゼロノスに山手線内部から吹き飛ばされたポイントである、悪魔妖精ミミが生まれたゼロポイント付近には悪魔の死体が多数あった。それに、人間の死体も転がっている。互いに殺しあっていたのか? と思う光景だが、どうにもおかしな面がある。死体は全て何かで貫かれたような傷が無数にあった。悪魔にも人間にもだ。
「この死体達の傷口は全て同じ。つまり、犯人は悪魔も人間も否定してる存在なのか? わからんな……」
「そうねぇ。よくわからない。ミミはわかる?」
「ミミは今は役に立たない。死体で興奮してるからな」
その死体を見て舞花と色々考えたが、強い存在が人間と悪魔の両方を殺したというのは確かだ。山手線がこの場所まで到着するのはまだ時間がかかりそうだから、周囲を警戒しながら考えた。
(……ミミがあれだけ興奮してるという事は、よほど強い存在がこの事件の犯人。山手線に飛び乗る前に出会ったら作戦に影響が出るかもな……?)
すると、俺の魔レンズに一つの反応があった。死んだと思っていた死体の一つが息を吹き返したんだ。しかも、人間ではなく悪魔が目覚めていた。その犬のような悪魔は瀕死のまま語りかけて来た。
「アクマキラーだ……あの灰色の髪の人間。悪魔を食う男。ゼロノス聖協会最強だが自由。あの男は危険だぞ……」
「そのアクマキラーだか知らんが、そいつがこの死体の山を築いたのか? しかも悪魔を食う? 本当か?」
「もうすぐ死ぬ悪魔が嘘をついても仕方ないだろう。奴は悪魔を食うと……この身体も強くなる気がしたんですと言ってたから、おそらくお前達人間も奴なら食うだろう」
「そうか。なら殺すだけだ。それに、俺は山手線で東京駅に向かう。ここには長居はしない」
「ならいい……奴は必ず殺せ。そして俺も……」
「アクマキラーは知らんが、情報に感謝して殺してやる」
ゼロノス聖協会最強らしいアクマキラーという男の情報を得てから、瀕死の悪魔を踏み殺した。すると、舞花が何かに反応していた。
「来たわよ星矢。私達の希望が」
「山手線か……!」
そう、東京駅へ奇襲をかける希望である山手線が走って来たんだ。タイミングよく山手線に飛び乗り、一気に東京駅へ向かってやる。俺と舞花はミミに誘導されながら、山手線に飛び乗る瞬間を線路付近で待つ。ミミはヒラヒラと飛びながら目前に迫る山手線を凝視している。
「二人共いいわね? ミミちゃんの合図に合わせるのよ?」
『わかった』
そして、山手線殺しにより止まる事も無く加速して来る山手線に飛び乗る瞬間が訪れた。
「――今よ! 飛び乗れ!」
『おう!』
二人は俺が窓ガラスを割った山手線内部に飛び乗った!
けど、何故かその窓から侵入が出来ず走行する山手線にへばりつく形になったんだ。
「どうなってるの星矢!? 窓は割れてるのに見えない壁があって入れないじゃない?」
「魔力の壁だな。中から外に出れても、外から中に入るには難しいようだな――何て冷静な事を言ってられるか!」
どうやら、このままでは二人共山手線から振り落とされて大ダメージだ。この体勢では魔力を使うのにも一苦労だし、面倒な事になったぜ。相変わらずミミは死が感じられてハァハァ言ってやがるのがウザイ。
「落ちるなよ舞花。中に入りさえすれば、まずは俺達のための――」
「話してる暇なんて無いわ! ちょーりゃー!!!」
全身の魔力を拳に集めた舞花の右ストレートで山手線の魔力の一部を破壊した。舞花の怪力に助けられて、俺は山手線内部に入る事に成功したんだ。こうして、悪魔王ゼロノスのいる東京駅へ向かう事に成功した。
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