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9話・ハロウィンパーティーの幕開け
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渋谷エリアのボス・ハロウィンから俺に向けての招待状が届いた。3日後に渋谷のスクランブル交差点でハロウィンパーティーをするとの招待状だ。
無論、俺だけで無く渋谷区役所を拠点とする元警察官が多くいる自警集団・ルーンメイズの面々も参戦する。渋谷エリアを完全に人間達のテリトリーにするのは、この悪魔がはびこる悪魔東京を生きる上で最重要課題だからだ。
現在、悪魔王ゼロノスは東京駅にある本拠地で現世に侵攻する為に魔力を高める儀式をしている。それは、ゼロノスから得た左目の魔レンズがノイズがかった映像を見せて時折教えてくれる。おそらく、悪魔東京の中央にあるデビルスターツリーに人間と悪魔の魂が混じり合って昇華したエネルギーを利用して、現世への扉を開くのだろう。その膨大な魔力を要する儀式をしてる間に、俺も東京駅に侵攻しないとならない。
そんな事を一人で考えていると、同室の舞花を起こした。年頃の男女が同じ室内で寝るのはどうなのか? と舞花の兄のリーダーにも伝えたが特に問題は無いだろうと言われた。
俺は悪魔の力を持っているだけで普通の人間なんだがな。
まぁ一つ言える事は、悪魔を殺した事のある人間は悪魔を殺す事が性欲を上回るという事。だから俺と舞花は同室にいられる。けど、このままこの無防備な下着姿の女と何も無いとは言い切れ無い。
(好きという感情があった星野はゼロノスに殺された。だから舞花に対して星野の代わりを求める時が来るのか、それとも星野以上に好きになるのか……)
寝起きの悪い舞花は、悪魔妖精のミミに身体のあちこちを刺されつつ起きた。案の定、白い下着のままの舞花にミミは潰される。
「あー、イラつくわねこのチビ悪魔。何でセーラー服着てるかわからないし。いつも私を攻撃するし。星矢の相棒じゃなきゃ殺してるわ」
「まぁ、半分殺してるけどな。とりあえずシャツとスカートは乾いている。早く着替えろよ」
「女の肌なんて興味ないでしょうに」
やはり、舞花は自分が襲われないと確信してるようだ。死んだ星野とは違うタイプだが、何か他人の内面を刺激する魅力は同じだと思う。すると、目の前には全裸の舞花がいた。
「……服を着ろと言ったのに何故脱ぐ?」
「え? あれ!? きゃあ!?」
急いで舞花は胸と股間を隠した。
すると、潰されたミミは紫の髪を整えつつ嘲笑う。
「バカな女。ベロベロベー!」
どうやら、ミミは下着の布を攻撃していたようだ。それで起き上がってから布がタイミング良く切れた。それで全裸の刑をやられたんだな。流石に始めて全裸を他人に見られた舞花は動揺している。
「す、すまん!」
「いや、素晴らしいものを見れたよ。筋肉マンと思いきや、以外に女らしいんだな」
「き、貴様!」
確かに舞花の裸は美しかった。けど、勃起するでの時間がかかったのは確かだ。確認するまでも無く、性欲よりも悪魔殺しの快感の方が強いと思った。悪魔と戦う人間がこうならば、殺伐とした世界で当たり前となるはずのレイプなどの事件はかなり減るだろう。でも、魔法を信じられる人間がまだまだ存在しないのは確かだ。
(望めば自分が夢に描いた自分に変われる世界でも、変わろうとしない連中ばかりだ。人の可能性を捨ててるとしか思えないな……)
すると、着替えた舞花は必死に話題を変えようとした。
「おい星矢。何故、時計を外している? その時計は常につけてるんだ。防水加工もしてあるし、電話機能もあるんだからな」
「これはスマートウォッチなのか? そもそも俺はスマートウオッチは使った事が無い。電話機能があるなら言っておけ」
「それはドクターからの贈り物でもあるの。ドクターはそのスマートウォッチでデータ収集もするようだわ」
「そうか。ま、ドクターにはいつか世話になるかも知れないから利用されてやるさ。それより、通話出来るならネットも出来るんじゃないのか?」
「その件なんだけど、区役所地下にネットが使える簡易無線LANを設置したの。小型の無線LANをドクターが強化して電波送信させてるから、渋谷区ぐらいなら音声通話が可能だよ。でもネットは相変わらずドクターのいる区役所地下じゃないと無理なのが辛いから、星矢を倒す」
「――っ! ミミに全裸にされたストレスを俺にぶつけるなよ? 乳揉むぞ?」
「き、貴様!」
ストレスの溜まる舞花とバトルをしてから食事にした。その後、外の偵察をしに行ったが渋谷周辺の悪魔は消えていた。
どうやらハロウィンパーティーの日まで、悪魔の連中は外に出ないようだった。定かでは無いが、代々木第一体育館の中にハロウィンのアジトがあるという情報だ。確認して無かったが、代々木第一体育館も悪魔東京に存在してたのかと思った。
向こうは明日のハロウィンパーティーまで何もしないなら、わざわざ確定してないアジトに行く必要は無い。俺もルートメイズも、ハロウィンパーティーまで悪魔が襲撃して来る警戒だけして眠りについた。
※
そして、翌日になると悪魔東京内をバイクで調査している一部隊が帰還していた。ルーンメイズのバイク部隊は、元白バイ警察官もいるがただのバイク好きも多くいた。この悪魔東京内をバイクで移動出来るとは言え、かなり危険な任務であるのは間違い無い。
そこには、昔の知り合いの顔も数人いた。
知り合いでも、俺の邪魔をするならいずれ殺す必要もあるとも思った。
「夜野。俺だよ。宮田だ」
その中でも宮田という男はかつての友人だ。金持ちのボンボンで、中学生時代の俺とは仲が良かった。バイクが好きで、無免許なのに何故か捕まらない男だった。
ある時、流行りのドラッグに手を出してから俺にも勧めて来たので病院送りにしてやった男だ。ファッションとドラッグは別物というのもわからないアホと思ったからだ。ドラッグでは本当の破滅が起こる未来は見えないからな。
相変わらず宮田は無駄に明るく、過去に病気送りにした事を忘れているように話して来る。
「まさか悪魔東京で再開するとはな夜野。お前は悪魔の力を手にしてスゲーな!」
「俺の力は特別かも知れないが、人間も覚悟次第で魔法は使えるぞ? でもお前はドラッグの方が好きか?」
「そうだな。この世界ならドラッグやり放題だけど、手に入らないからな。物が無きゃ売るのも不可能だ。つか、いきなりキツイ事言うな夜野は」
「この世界で遠慮しても仕方ないだろ。そんなにドラッグが好きなら、悪魔でも原料にしたらどうだ?」
「悪魔をドラッグの原料? ヤバイ事思い付くな夜野! 流石にそれはドラッグにはならないだろ」
そんな話を宮田としていた。相変わらず宮田はドラッグが好きなようで、どこか幻を見ていたい感じがした。だから俺はチャンスがあれば最高の幻を見せてやろうと思った。
「どうだ夜野。お前もバイク運転出来るんだからルーンメイズ入れよ。この世界なら免許いらないし、バイクで幻を見るのも乙だぜ?」
「俺はルーンメイズには入らない。俺は俺で戦う。あくまで協力なら出来るぜ。ゼロノスに関する全ては塵にしてやるのが目的だからな」
もう一度、ルーンメイズの連中に聞こえるように宣言した。俺は俺で悪魔東京を戦う。誰かの為じゃ無く、自分自身の為に。誰かと協力しても共感はされない道を行く。
全てを利用して世界を革命するんだからな。
そうして、ハロウィンが予告したハロウィンパーティーの日が訪れた。
※
渋谷のスクランブル交差点は、いつの間にか悪魔の群れが跋扈していた。街はハロウィン仕様に彩られ、無駄に施設を悪魔達は破壊している。街を壊しながらも、どこからか聴こえて来る渋谷ボス・ハロウィンの横笛の音色で楽しんでいた。ルーンメイズの面々は、俺と共にスクランブル交差点の前で悪魔達と対峙している。
「自分達のパーティーを自分達で壊してどうする。これから死ぬ自分達へのレクイエムか?」
わざとデカイ声でどこかにいるハロウィンに言ってやる。すると、ふざけたマッドピエロの悪魔が横笛を吹きつつ三回建てのビルの屋上に現れた。
「レディースアンドジェントルマン! みんな大好き渋谷のスーパーボス・ハロウィンだよ! ゲッチュ☆」
そのハロウィンの登場に俺もルートメイズも、悪魔達も反応しない。微妙な空気がスクランブル交差点付近に流れた。それをどうにかしたいのか、悪魔達は建物の上にいるハロウィンの方へと後退した。
それを見たルーンメイズはスクランブル交差点へと前進する。リーダーの美空はここが開戦だと一気に突撃の号令を出した。
「進めルーンメイズ! ここで渋谷を人間の手にするんだ!」
『オォーーーッ!!!』
地鳴りのようなルーンメイズの面々の声が上がり、ハロウィンパーティーは幕を開ける。ニタァ……とビルの上で嗤うハロウィンの薄気味悪い顔が、少し遠く感じる。
『――!?』
ルーンメイズ全軍は武器を持ち駆け出すと、足元のスクランブル交差点が陥没した。それにより、何も出来ないまま負傷する人間が増えた。そこから逃げつつも、ルーンメイズ達は今の俺の思惑とは反対を行くように攻めた――。
「これはハロウィンの罠だ! 今は無闇に攻めるな! 美空リーダー! 一度後退させろ! ……? マズイ――」
『ぐああああーーーっ!!!』
地面の陥没から逃れ、悪魔軍に襲いかかると同時に周囲の建物が崩壊してしまう。頭上から降り注ぐ建物の残骸で多くのルーンメイズ達が死亡した。俺や舞花、美空リーダーは怪我をしていないがルーンメイズはハロウィンパーティー開始直後から大打撃を受けている。
大いにハロウィンの作戦がハマり、無邪気に大喜びしている。俺の肩にいるミミもあはぁ……とヨダレを垂らして喜んでいた。
(マッドピエロでも渋谷エリアのボスだな。ここまで計算してるとなると、悪魔の知識も人間並かもな。やはりハロウィンは俺が悪魔神罰するしかない)
この死は無駄にならない。この死は全てデビルスターツリーへと還元され、昇華される。悪魔王ゼロノスが悪魔東京の結界を超え、現実世界に侵攻するエネルギーになる。全ては俺の望む世界の為に……。
「さぁ、悪魔神罰の始まりだ」
最悪の開戦の中、俺とルーンメイズは渋谷エリア争奪戦であるハロウィンパーティーに挑む。
無論、俺だけで無く渋谷区役所を拠点とする元警察官が多くいる自警集団・ルーンメイズの面々も参戦する。渋谷エリアを完全に人間達のテリトリーにするのは、この悪魔がはびこる悪魔東京を生きる上で最重要課題だからだ。
現在、悪魔王ゼロノスは東京駅にある本拠地で現世に侵攻する為に魔力を高める儀式をしている。それは、ゼロノスから得た左目の魔レンズがノイズがかった映像を見せて時折教えてくれる。おそらく、悪魔東京の中央にあるデビルスターツリーに人間と悪魔の魂が混じり合って昇華したエネルギーを利用して、現世への扉を開くのだろう。その膨大な魔力を要する儀式をしてる間に、俺も東京駅に侵攻しないとならない。
そんな事を一人で考えていると、同室の舞花を起こした。年頃の男女が同じ室内で寝るのはどうなのか? と舞花の兄のリーダーにも伝えたが特に問題は無いだろうと言われた。
俺は悪魔の力を持っているだけで普通の人間なんだがな。
まぁ一つ言える事は、悪魔を殺した事のある人間は悪魔を殺す事が性欲を上回るという事。だから俺と舞花は同室にいられる。けど、このままこの無防備な下着姿の女と何も無いとは言い切れ無い。
(好きという感情があった星野はゼロノスに殺された。だから舞花に対して星野の代わりを求める時が来るのか、それとも星野以上に好きになるのか……)
寝起きの悪い舞花は、悪魔妖精のミミに身体のあちこちを刺されつつ起きた。案の定、白い下着のままの舞花にミミは潰される。
「あー、イラつくわねこのチビ悪魔。何でセーラー服着てるかわからないし。いつも私を攻撃するし。星矢の相棒じゃなきゃ殺してるわ」
「まぁ、半分殺してるけどな。とりあえずシャツとスカートは乾いている。早く着替えろよ」
「女の肌なんて興味ないでしょうに」
やはり、舞花は自分が襲われないと確信してるようだ。死んだ星野とは違うタイプだが、何か他人の内面を刺激する魅力は同じだと思う。すると、目の前には全裸の舞花がいた。
「……服を着ろと言ったのに何故脱ぐ?」
「え? あれ!? きゃあ!?」
急いで舞花は胸と股間を隠した。
すると、潰されたミミは紫の髪を整えつつ嘲笑う。
「バカな女。ベロベロベー!」
どうやら、ミミは下着の布を攻撃していたようだ。それで起き上がってから布がタイミング良く切れた。それで全裸の刑をやられたんだな。流石に始めて全裸を他人に見られた舞花は動揺している。
「す、すまん!」
「いや、素晴らしいものを見れたよ。筋肉マンと思いきや、以外に女らしいんだな」
「き、貴様!」
確かに舞花の裸は美しかった。けど、勃起するでの時間がかかったのは確かだ。確認するまでも無く、性欲よりも悪魔殺しの快感の方が強いと思った。悪魔と戦う人間がこうならば、殺伐とした世界で当たり前となるはずのレイプなどの事件はかなり減るだろう。でも、魔法を信じられる人間がまだまだ存在しないのは確かだ。
(望めば自分が夢に描いた自分に変われる世界でも、変わろうとしない連中ばかりだ。人の可能性を捨ててるとしか思えないな……)
すると、着替えた舞花は必死に話題を変えようとした。
「おい星矢。何故、時計を外している? その時計は常につけてるんだ。防水加工もしてあるし、電話機能もあるんだからな」
「これはスマートウォッチなのか? そもそも俺はスマートウオッチは使った事が無い。電話機能があるなら言っておけ」
「それはドクターからの贈り物でもあるの。ドクターはそのスマートウォッチでデータ収集もするようだわ」
「そうか。ま、ドクターにはいつか世話になるかも知れないから利用されてやるさ。それより、通話出来るならネットも出来るんじゃないのか?」
「その件なんだけど、区役所地下にネットが使える簡易無線LANを設置したの。小型の無線LANをドクターが強化して電波送信させてるから、渋谷区ぐらいなら音声通話が可能だよ。でもネットは相変わらずドクターのいる区役所地下じゃないと無理なのが辛いから、星矢を倒す」
「――っ! ミミに全裸にされたストレスを俺にぶつけるなよ? 乳揉むぞ?」
「き、貴様!」
ストレスの溜まる舞花とバトルをしてから食事にした。その後、外の偵察をしに行ったが渋谷周辺の悪魔は消えていた。
どうやらハロウィンパーティーの日まで、悪魔の連中は外に出ないようだった。定かでは無いが、代々木第一体育館の中にハロウィンのアジトがあるという情報だ。確認して無かったが、代々木第一体育館も悪魔東京に存在してたのかと思った。
向こうは明日のハロウィンパーティーまで何もしないなら、わざわざ確定してないアジトに行く必要は無い。俺もルートメイズも、ハロウィンパーティーまで悪魔が襲撃して来る警戒だけして眠りについた。
※
そして、翌日になると悪魔東京内をバイクで調査している一部隊が帰還していた。ルーンメイズのバイク部隊は、元白バイ警察官もいるがただのバイク好きも多くいた。この悪魔東京内をバイクで移動出来るとは言え、かなり危険な任務であるのは間違い無い。
そこには、昔の知り合いの顔も数人いた。
知り合いでも、俺の邪魔をするならいずれ殺す必要もあるとも思った。
「夜野。俺だよ。宮田だ」
その中でも宮田という男はかつての友人だ。金持ちのボンボンで、中学生時代の俺とは仲が良かった。バイクが好きで、無免許なのに何故か捕まらない男だった。
ある時、流行りのドラッグに手を出してから俺にも勧めて来たので病院送りにしてやった男だ。ファッションとドラッグは別物というのもわからないアホと思ったからだ。ドラッグでは本当の破滅が起こる未来は見えないからな。
相変わらず宮田は無駄に明るく、過去に病気送りにした事を忘れているように話して来る。
「まさか悪魔東京で再開するとはな夜野。お前は悪魔の力を手にしてスゲーな!」
「俺の力は特別かも知れないが、人間も覚悟次第で魔法は使えるぞ? でもお前はドラッグの方が好きか?」
「そうだな。この世界ならドラッグやり放題だけど、手に入らないからな。物が無きゃ売るのも不可能だ。つか、いきなりキツイ事言うな夜野は」
「この世界で遠慮しても仕方ないだろ。そんなにドラッグが好きなら、悪魔でも原料にしたらどうだ?」
「悪魔をドラッグの原料? ヤバイ事思い付くな夜野! 流石にそれはドラッグにはならないだろ」
そんな話を宮田としていた。相変わらず宮田はドラッグが好きなようで、どこか幻を見ていたい感じがした。だから俺はチャンスがあれば最高の幻を見せてやろうと思った。
「どうだ夜野。お前もバイク運転出来るんだからルーンメイズ入れよ。この世界なら免許いらないし、バイクで幻を見るのも乙だぜ?」
「俺はルーンメイズには入らない。俺は俺で戦う。あくまで協力なら出来るぜ。ゼロノスに関する全ては塵にしてやるのが目的だからな」
もう一度、ルーンメイズの連中に聞こえるように宣言した。俺は俺で悪魔東京を戦う。誰かの為じゃ無く、自分自身の為に。誰かと協力しても共感はされない道を行く。
全てを利用して世界を革命するんだからな。
そうして、ハロウィンが予告したハロウィンパーティーの日が訪れた。
※
渋谷のスクランブル交差点は、いつの間にか悪魔の群れが跋扈していた。街はハロウィン仕様に彩られ、無駄に施設を悪魔達は破壊している。街を壊しながらも、どこからか聴こえて来る渋谷ボス・ハロウィンの横笛の音色で楽しんでいた。ルーンメイズの面々は、俺と共にスクランブル交差点の前で悪魔達と対峙している。
「自分達のパーティーを自分達で壊してどうする。これから死ぬ自分達へのレクイエムか?」
わざとデカイ声でどこかにいるハロウィンに言ってやる。すると、ふざけたマッドピエロの悪魔が横笛を吹きつつ三回建てのビルの屋上に現れた。
「レディースアンドジェントルマン! みんな大好き渋谷のスーパーボス・ハロウィンだよ! ゲッチュ☆」
そのハロウィンの登場に俺もルートメイズも、悪魔達も反応しない。微妙な空気がスクランブル交差点付近に流れた。それをどうにかしたいのか、悪魔達は建物の上にいるハロウィンの方へと後退した。
それを見たルーンメイズはスクランブル交差点へと前進する。リーダーの美空はここが開戦だと一気に突撃の号令を出した。
「進めルーンメイズ! ここで渋谷を人間の手にするんだ!」
『オォーーーッ!!!』
地鳴りのようなルーンメイズの面々の声が上がり、ハロウィンパーティーは幕を開ける。ニタァ……とビルの上で嗤うハロウィンの薄気味悪い顔が、少し遠く感じる。
『――!?』
ルーンメイズ全軍は武器を持ち駆け出すと、足元のスクランブル交差点が陥没した。それにより、何も出来ないまま負傷する人間が増えた。そこから逃げつつも、ルーンメイズ達は今の俺の思惑とは反対を行くように攻めた――。
「これはハロウィンの罠だ! 今は無闇に攻めるな! 美空リーダー! 一度後退させろ! ……? マズイ――」
『ぐああああーーーっ!!!』
地面の陥没から逃れ、悪魔軍に襲いかかると同時に周囲の建物が崩壊してしまう。頭上から降り注ぐ建物の残骸で多くのルーンメイズ達が死亡した。俺や舞花、美空リーダーは怪我をしていないがルーンメイズはハロウィンパーティー開始直後から大打撃を受けている。
大いにハロウィンの作戦がハマり、無邪気に大喜びしている。俺の肩にいるミミもあはぁ……とヨダレを垂らして喜んでいた。
(マッドピエロでも渋谷エリアのボスだな。ここまで計算してるとなると、悪魔の知識も人間並かもな。やはりハロウィンは俺が悪魔神罰するしかない)
この死は無駄にならない。この死は全てデビルスターツリーへと還元され、昇華される。悪魔王ゼロノスが悪魔東京の結界を超え、現実世界に侵攻するエネルギーになる。全ては俺の望む世界の為に……。
「さぁ、悪魔神罰の始まりだ」
最悪の開戦の中、俺とルーンメイズは渋谷エリア争奪戦であるハロウィンパーティーに挑む。
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