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8話・夜野星矢の現実世界との会談
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現在の目標は渋谷エリアのボス・ハロウィンを倒す事だ。ハロウィンからは数日後にハロウィンパーティーをすると言われたから、おそらく遠くない日に攻撃を仕掛けられるだろう。その前にこちらも対処しないとならない。
ルーンメイズの情報によると、山手線殺しが起こった後の悪魔東京内部での山手線沿線各駅には、悪魔のボスが存在するようだ。なので、この渋谷から悪魔王ゼロノスのいる東京を目指すとなるとかなりの数のボスと戦う必要がある。戦うのはいいが、今後の食事などの面を考えると長期戦に備えて自家栽培をする必要があるんじゃないか? と思った。
「腹は減っては戦は出来ないからな。まさか、悪魔を食うわけにはいかないし……」
「何ブツブツ言ってるの? 早く食べなさいよ」
翌日の朝、俺はルーンメイズの幹部達と食事をしていた。メニューはレトルトや冷凍食品だが、味は美味かった。
食事が必要無いミミも何故かたくわんに噛り付いていた。どうやら漬物が好みのようだ。変な悪魔だな。
でも、この食事には一つ問題がある。牛乳が無い事だ。俺は食事には牛乳が必須な男なんだ。
「冷蔵庫に牛乳はないのか?」
「牛乳は無いよ。兄貴、他の冷蔵庫にも無いよね?」
「あぁ、牛乳は無かったぞ。お茶やコーヒー。コーラとかはあるが牛乳は無い。そんなに好きなのか?」
美空兄妹や、他の幹部も不審げな目で見てくる。その意味が俺にはわからない。
「食事には牛乳だ。映画にはポップコーン。これはテンプレだぜ?」
『お前のな』
「……」
どうやらコイツ等はわかってないようだ。
悪魔がはびこる悪魔東京を当たり前とする俺の感性はわからないんだろう。可哀想な奴等だ。隣の栗色のセミロングヘアの舞花は俺のポップコーンが好きが面白いようだ。
「映画にポップコーンって……古くない?」
「わかってないな舞花は。ポップコーンは弾けた奴だ。つまり、可能性がある。その可能性を食べるからこそ、俺の可能性は上がったわけだ。そして、悪魔がはびこるこの悪魔東京がある」
『意味がわからない』
「……」
またもや、全員で反対するとはな。
まぁ、共感はいらないさ。いらない。
そうして微妙な会話があった朝食が終わり、各自は担当する持ち場に着いた。俺はリーダーの美空と妹の舞花と共に、ゼロノスのいる東京までどう攻めるか確認する。
「山手線各駅にボスがいるなら、一駅ずつ潰していたら時間が無い。長期戦になればなるほど人間は不利だろう? 補給も無く、電気や水道だっていつまで保つか……それにゼロノスはデビルスターツリーを使って現世へ侵攻しようとしている。なら、デビルスターツリーの近くに拠点を張った方がいいんじゃないか?」
すると、リーダーの美空は首を振った。
「デビルスターツリーへは結界があって入れないようだ。バイク部隊に確認してもらったから間違い無い。それに、あの近くには悪魔すら存在しない。いや、出来ないんだ。異様な魔力が立ち込めていて生命力を吸収される感覚……との情報もある。だから、ゼロノス自体が動かない限りはデビルスターツリーへ行くのは無駄だ」
「そうか。となると、やはりゼロノスのいる東京を目指す必要があるのか。それがわかれば、それを目指すだけだ」
今は山手線内部中央にそびえ立つデビルスターツリーを考えなくていいなら楽だ。ゼロノスが動く時、デビルスターツリーに悪魔東京解放魔力が溜まったという事。それまではデビルスターツリーエリアは無視していい。すると、美空はある事を教えてくれるようだ。
「そろそろいいだろう。トップシークレットを教えてやるぞ夜野」
「トップシークレット?」
「そう、星矢の知らないトップシークレット」
美空兄妹は何やらニヤニヤしていた。
いつか物資も尽きるのに、何故ニヤニヤしてられるんだと思った。すると、渋谷区役所の地下に案内された。その地下へは厳重な扉が有り、リーダーである美空圭司しかキーを持っていない。この場所を知るのも、幹部の一部だけのようだ。
「ここは……」
そこは広いオフィスルームだった。
パソコン設備が10台あり、後はデスクやイスがあるだけの殺風景な空間だ。特にトップシークレットという物は無さそうだ。怪しげな物は無いし、パソコンもネットには繋がらないだろう。しかし、俺はここで驚愕の事実を知る。
「この渋谷区役所の地下にあるパソコンは現実と繋がっているんだ。我々ルーンメイズは現実世界との繋がりを持っているのさ」
「現実との繋がり……」
ルーンメイズはここで行き来出来ないはずの現実世界との交渉もしていた。現実世界の人間とはネットを介して会話可能で、必要な物資は何とネットからダウンロード出来るようだ。サイズや容量が大きい物はダウンロード出来ず、パソコンのモニター画面が限度らしい。
しかも、連続してのダウンロードは不可能であり、一時間に一つの物資が限度のようだ。つまり、水や食料。そして拳銃や弾などに限定される事になる。
今は水や食料は悪魔東京でも確保出来ている現状だ。だから、悪魔を倒す武器のダウンロードが行われている。
「この設備があれば悪魔との長期戦も可能だな。銃が大量に手に入るのは悪魔との戦いが有利になる。リーダーもよくここを見つけたな」
「いや、見つけたのはドクターだよ。ルーンメイズのドクター。警察病院の医師のね」
「ドクター?」
「……呼んだ?」
すると、デスクの下からお化けのような女が這い出て来た。長い黒髪で前が見えていない、白衣を来た女だった。そのドクターは扉を開けるように、視界を塞ぐ長い髪をかき分けた。
「どうもドクターです。本名は内緒。私の事はドクターとお呼び。君が噂の悪魔退治に強い悪魔神罰ね。後でデータヨロシク」
「はぁ……」
口元に血かケチャップがついていて、やけに死にそうなドクターにデータを渡すのは嫌だが、この女も利用しなくてはいけないからデータぐらいは許す事にした。特に本名とかは知りたく無いから聞かない事にした。悪魔妖精のミミは、ドクターの隠し持っていたケチャップの匂いに反応し、ケチャップの奪い合いを繰り広げていた。
(このドクターはケチャップ好きなのはいいが、パワーが無いな。妖精サイズのミミにパワー負けしてる……な!?)
すると、俺の顔にケチャップがドバッとかかった。
無意味に笑われながら、ドクターとミミが俺の顔を舐めようとしたから回避する。舞花からもらったハンカチで顔を拭いて仕切り直した。
とにかく、このリアルエリアと呼ばれる渋谷区役所の地下はドクターと呼ばれる病人のような女が管理している。ルーンメイズメンバーの怪我や風邪などの薬などはこのドクターが外に出て診察してるようだ。
ルーンメイズの連中の幹部は、全員が銃を所持していて悪魔を殺した経験もある。その中で怪我もあるからドクターは必須だな。すると、腕時計で時間を見ている舞花は言う。
「あと十分ちょっとで定時連絡の時間だわ。この機会に星矢も政府の人間と話した方がいいわよ。ねぇ兄貴?」
「そうだな。夜野は外の日本政府に知られる必要がある。悪魔の力を持つ悪魔神罰として、悪魔退治の切り札なんだからな」
「俺が悪魔退治に有効な戦力であるのはわかる。忘れちゃいけないのは、俺はルーンメイズではない。俺は俺個人の為に戦う。日本政府の指図は受けない」
「それでいい。舞花、夜野にも時計を渡してやれ」
「そうだね」
そうして、俺は舞花から腕時計を貰った。もうスマホの充電は無いし、時計になる物は無かったから丁度いい。そうして、現実世界との定時連絡の時間になった。
パソコン画面の向こうは日の丸が描かれた旗が有り、いきなり日本国首相が現れた。ま、当然だなと思う俺は日本政府の裏にはアメリカなどの国が悪魔東京の状況を知りたい様子が予想出来た。日本国首相の挨拶が有り、俺も自己紹介する。
「俺が悪魔神罰の夜野星矢だ」
首相の話によると、現世に悪魔が侵攻して来ないように、俺達に何とかして悪魔王ゼロノスを倒して欲しいようだ。その為の協力は惜しまないと政府の連中は言う。それはダウンロード出来るモニターサイズの銃火器の事を言ってるんだろう。一応、俺も彼等を安心させてやる。
「悪魔の力を得ている俺が必ず悪魔王ゼロノスを倒す。そしたら、そっちの世界を救えるだろう。現世へのゼロノスの侵攻は無い」
「そう言ってくれると助かる。我々日本国だけでなく、世界からも悪魔東京の支援の輪は広がっている。安心して悪魔退治をしてくれたまえ」
その言葉に俺は微笑んだ。
そして、今度は美空リーダーと首相が話す。
(やはり現実世界はゴミばかりだな……)
と、今までの会話で改めて思う。首相の言う世界の支援の輪は現実世界に悪魔が現れたら困るからだ。安心して悪魔退治をしてくれたまえという言葉も気に入らない。
安全地帯で空気を吸って、クソのような討論しか出来ないゴミ達より、悪魔の方がマシとも思う。
今はここで悪魔を殺す快感はあると言ったら、この首相はどう答えるのかも気にはなる。自分の命のやり取りをしている快感が楽しいと言ったら、現実世界の連中はどう思うのか? けど、今は言わない。
まずは悪魔王ゼロノスを倒す事が先決だ。
そして、首相と今後の活動展開や必要物資の件を美空リーダーとの話も終わったようだ。最後に首相は俺を呼んだ。
「夜野星矢君。君が悪魔退治のエースとしてゼロノスを倒した後に、望みはあるか?」
「ゼロノスを倒して世界を救ったらの望みは、新生日本の首相となる」
間髪入れずに答えた。
お金が欲しいとか地位が欲しいとかを言われると思っていたようだ。まさか、新生日本の首相との返答は想像して無かったようだな。そう、新生と付く限りは今の日本政府は解体される事になる。
「世界の救世主だから問題無いよな?」
「……検討しよう。それでは引き続き悪魔東京での悪魔退治を頼むよ。山手線殺しと名付けた都内の影響は、現実世界でも大問題になっているが、我々日本政府も世界各国も悪魔東京での君達の活躍に期待している」
「期待するのは構わない。だがまだ、渋谷のボスとの決戦前だ。山手線全駅にボスがいる以上、時間はかなりかかるだろう。その時まで答えを出しておけばいい」
かなり生意気な少年という印象を与えただろうが、俺としてはどうでもいい。コッチの世界は殺し、殺されるの戦争状態だ。少しは悪魔東京の雰囲気を教えてやらないとならない。
この件で俺は日本や世界各国から悪魔東京での悪魔神罰して認知された。その後、渋谷区内でルーンメイズと共に悪魔退治を活発化させて、ルーンメイズの連中も魔法が使える人間が出て来る予感が出てきた。この日本政府首相との会談も、今後に活かせるとはずだ。
そんな事を思っていると、舞花はコンソメポテチを食べて指を舐めていた。これは共感は出来ない行動だ。
「おい、舞花。それは汚いからやめろ。共感されないぞ?」
「別に星矢に共感されたくないし。それに、星矢が共感とか言うのは変よ。誰にも共感されないのが夜野星矢でしょ?」
「そうだな。俺は共感不要の革命者だ。だがあえて言おう。指舐めは汚いぞ――!」
「細かいのよアンタは」
無理矢理、舞花は俺の口にコンソメポテチを突っ込んだ。またドクターとミミはケチャップ争いをし出したから、俺は地下からそそくさと退散する。
そうして、渋谷エリアボス・ハロウィンから人間抹殺パーティーであるハロウィンパーティーの招待状が届いた。
ルーンメイズの情報によると、山手線殺しが起こった後の悪魔東京内部での山手線沿線各駅には、悪魔のボスが存在するようだ。なので、この渋谷から悪魔王ゼロノスのいる東京を目指すとなるとかなりの数のボスと戦う必要がある。戦うのはいいが、今後の食事などの面を考えると長期戦に備えて自家栽培をする必要があるんじゃないか? と思った。
「腹は減っては戦は出来ないからな。まさか、悪魔を食うわけにはいかないし……」
「何ブツブツ言ってるの? 早く食べなさいよ」
翌日の朝、俺はルーンメイズの幹部達と食事をしていた。メニューはレトルトや冷凍食品だが、味は美味かった。
食事が必要無いミミも何故かたくわんに噛り付いていた。どうやら漬物が好みのようだ。変な悪魔だな。
でも、この食事には一つ問題がある。牛乳が無い事だ。俺は食事には牛乳が必須な男なんだ。
「冷蔵庫に牛乳はないのか?」
「牛乳は無いよ。兄貴、他の冷蔵庫にも無いよね?」
「あぁ、牛乳は無かったぞ。お茶やコーヒー。コーラとかはあるが牛乳は無い。そんなに好きなのか?」
美空兄妹や、他の幹部も不審げな目で見てくる。その意味が俺にはわからない。
「食事には牛乳だ。映画にはポップコーン。これはテンプレだぜ?」
『お前のな』
「……」
どうやらコイツ等はわかってないようだ。
悪魔がはびこる悪魔東京を当たり前とする俺の感性はわからないんだろう。可哀想な奴等だ。隣の栗色のセミロングヘアの舞花は俺のポップコーンが好きが面白いようだ。
「映画にポップコーンって……古くない?」
「わかってないな舞花は。ポップコーンは弾けた奴だ。つまり、可能性がある。その可能性を食べるからこそ、俺の可能性は上がったわけだ。そして、悪魔がはびこるこの悪魔東京がある」
『意味がわからない』
「……」
またもや、全員で反対するとはな。
まぁ、共感はいらないさ。いらない。
そうして微妙な会話があった朝食が終わり、各自は担当する持ち場に着いた。俺はリーダーの美空と妹の舞花と共に、ゼロノスのいる東京までどう攻めるか確認する。
「山手線各駅にボスがいるなら、一駅ずつ潰していたら時間が無い。長期戦になればなるほど人間は不利だろう? 補給も無く、電気や水道だっていつまで保つか……それにゼロノスはデビルスターツリーを使って現世へ侵攻しようとしている。なら、デビルスターツリーの近くに拠点を張った方がいいんじゃないか?」
すると、リーダーの美空は首を振った。
「デビルスターツリーへは結界があって入れないようだ。バイク部隊に確認してもらったから間違い無い。それに、あの近くには悪魔すら存在しない。いや、出来ないんだ。異様な魔力が立ち込めていて生命力を吸収される感覚……との情報もある。だから、ゼロノス自体が動かない限りはデビルスターツリーへ行くのは無駄だ」
「そうか。となると、やはりゼロノスのいる東京を目指す必要があるのか。それがわかれば、それを目指すだけだ」
今は山手線内部中央にそびえ立つデビルスターツリーを考えなくていいなら楽だ。ゼロノスが動く時、デビルスターツリーに悪魔東京解放魔力が溜まったという事。それまではデビルスターツリーエリアは無視していい。すると、美空はある事を教えてくれるようだ。
「そろそろいいだろう。トップシークレットを教えてやるぞ夜野」
「トップシークレット?」
「そう、星矢の知らないトップシークレット」
美空兄妹は何やらニヤニヤしていた。
いつか物資も尽きるのに、何故ニヤニヤしてられるんだと思った。すると、渋谷区役所の地下に案内された。その地下へは厳重な扉が有り、リーダーである美空圭司しかキーを持っていない。この場所を知るのも、幹部の一部だけのようだ。
「ここは……」
そこは広いオフィスルームだった。
パソコン設備が10台あり、後はデスクやイスがあるだけの殺風景な空間だ。特にトップシークレットという物は無さそうだ。怪しげな物は無いし、パソコンもネットには繋がらないだろう。しかし、俺はここで驚愕の事実を知る。
「この渋谷区役所の地下にあるパソコンは現実と繋がっているんだ。我々ルーンメイズは現実世界との繋がりを持っているのさ」
「現実との繋がり……」
ルーンメイズはここで行き来出来ないはずの現実世界との交渉もしていた。現実世界の人間とはネットを介して会話可能で、必要な物資は何とネットからダウンロード出来るようだ。サイズや容量が大きい物はダウンロード出来ず、パソコンのモニター画面が限度らしい。
しかも、連続してのダウンロードは不可能であり、一時間に一つの物資が限度のようだ。つまり、水や食料。そして拳銃や弾などに限定される事になる。
今は水や食料は悪魔東京でも確保出来ている現状だ。だから、悪魔を倒す武器のダウンロードが行われている。
「この設備があれば悪魔との長期戦も可能だな。銃が大量に手に入るのは悪魔との戦いが有利になる。リーダーもよくここを見つけたな」
「いや、見つけたのはドクターだよ。ルーンメイズのドクター。警察病院の医師のね」
「ドクター?」
「……呼んだ?」
すると、デスクの下からお化けのような女が這い出て来た。長い黒髪で前が見えていない、白衣を来た女だった。そのドクターは扉を開けるように、視界を塞ぐ長い髪をかき分けた。
「どうもドクターです。本名は内緒。私の事はドクターとお呼び。君が噂の悪魔退治に強い悪魔神罰ね。後でデータヨロシク」
「はぁ……」
口元に血かケチャップがついていて、やけに死にそうなドクターにデータを渡すのは嫌だが、この女も利用しなくてはいけないからデータぐらいは許す事にした。特に本名とかは知りたく無いから聞かない事にした。悪魔妖精のミミは、ドクターの隠し持っていたケチャップの匂いに反応し、ケチャップの奪い合いを繰り広げていた。
(このドクターはケチャップ好きなのはいいが、パワーが無いな。妖精サイズのミミにパワー負けしてる……な!?)
すると、俺の顔にケチャップがドバッとかかった。
無意味に笑われながら、ドクターとミミが俺の顔を舐めようとしたから回避する。舞花からもらったハンカチで顔を拭いて仕切り直した。
とにかく、このリアルエリアと呼ばれる渋谷区役所の地下はドクターと呼ばれる病人のような女が管理している。ルーンメイズメンバーの怪我や風邪などの薬などはこのドクターが外に出て診察してるようだ。
ルーンメイズの連中の幹部は、全員が銃を所持していて悪魔を殺した経験もある。その中で怪我もあるからドクターは必須だな。すると、腕時計で時間を見ている舞花は言う。
「あと十分ちょっとで定時連絡の時間だわ。この機会に星矢も政府の人間と話した方がいいわよ。ねぇ兄貴?」
「そうだな。夜野は外の日本政府に知られる必要がある。悪魔の力を持つ悪魔神罰として、悪魔退治の切り札なんだからな」
「俺が悪魔退治に有効な戦力であるのはわかる。忘れちゃいけないのは、俺はルーンメイズではない。俺は俺個人の為に戦う。日本政府の指図は受けない」
「それでいい。舞花、夜野にも時計を渡してやれ」
「そうだね」
そうして、俺は舞花から腕時計を貰った。もうスマホの充電は無いし、時計になる物は無かったから丁度いい。そうして、現実世界との定時連絡の時間になった。
パソコン画面の向こうは日の丸が描かれた旗が有り、いきなり日本国首相が現れた。ま、当然だなと思う俺は日本政府の裏にはアメリカなどの国が悪魔東京の状況を知りたい様子が予想出来た。日本国首相の挨拶が有り、俺も自己紹介する。
「俺が悪魔神罰の夜野星矢だ」
首相の話によると、現世に悪魔が侵攻して来ないように、俺達に何とかして悪魔王ゼロノスを倒して欲しいようだ。その為の協力は惜しまないと政府の連中は言う。それはダウンロード出来るモニターサイズの銃火器の事を言ってるんだろう。一応、俺も彼等を安心させてやる。
「悪魔の力を得ている俺が必ず悪魔王ゼロノスを倒す。そしたら、そっちの世界を救えるだろう。現世へのゼロノスの侵攻は無い」
「そう言ってくれると助かる。我々日本国だけでなく、世界からも悪魔東京の支援の輪は広がっている。安心して悪魔退治をしてくれたまえ」
その言葉に俺は微笑んだ。
そして、今度は美空リーダーと首相が話す。
(やはり現実世界はゴミばかりだな……)
と、今までの会話で改めて思う。首相の言う世界の支援の輪は現実世界に悪魔が現れたら困るからだ。安心して悪魔退治をしてくれたまえという言葉も気に入らない。
安全地帯で空気を吸って、クソのような討論しか出来ないゴミ達より、悪魔の方がマシとも思う。
今はここで悪魔を殺す快感はあると言ったら、この首相はどう答えるのかも気にはなる。自分の命のやり取りをしている快感が楽しいと言ったら、現実世界の連中はどう思うのか? けど、今は言わない。
まずは悪魔王ゼロノスを倒す事が先決だ。
そして、首相と今後の活動展開や必要物資の件を美空リーダーとの話も終わったようだ。最後に首相は俺を呼んだ。
「夜野星矢君。君が悪魔退治のエースとしてゼロノスを倒した後に、望みはあるか?」
「ゼロノスを倒して世界を救ったらの望みは、新生日本の首相となる」
間髪入れずに答えた。
お金が欲しいとか地位が欲しいとかを言われると思っていたようだ。まさか、新生日本の首相との返答は想像して無かったようだな。そう、新生と付く限りは今の日本政府は解体される事になる。
「世界の救世主だから問題無いよな?」
「……検討しよう。それでは引き続き悪魔東京での悪魔退治を頼むよ。山手線殺しと名付けた都内の影響は、現実世界でも大問題になっているが、我々日本政府も世界各国も悪魔東京での君達の活躍に期待している」
「期待するのは構わない。だがまだ、渋谷のボスとの決戦前だ。山手線全駅にボスがいる以上、時間はかなりかかるだろう。その時まで答えを出しておけばいい」
かなり生意気な少年という印象を与えただろうが、俺としてはどうでもいい。コッチの世界は殺し、殺されるの戦争状態だ。少しは悪魔東京の雰囲気を教えてやらないとならない。
この件で俺は日本や世界各国から悪魔東京での悪魔神罰して認知された。その後、渋谷区内でルーンメイズと共に悪魔退治を活発化させて、ルーンメイズの連中も魔法が使える人間が出て来る予感が出てきた。この日本政府首相との会談も、今後に活かせるとはずだ。
そんな事を思っていると、舞花はコンソメポテチを食べて指を舐めていた。これは共感は出来ない行動だ。
「おい、舞花。それは汚いからやめろ。共感されないぞ?」
「別に星矢に共感されたくないし。それに、星矢が共感とか言うのは変よ。誰にも共感されないのが夜野星矢でしょ?」
「そうだな。俺は共感不要の革命者だ。だがあえて言おう。指舐めは汚いぞ――!」
「細かいのよアンタは」
無理矢理、舞花は俺の口にコンソメポテチを突っ込んだ。またドクターとミミはケチャップ争いをし出したから、俺は地下からそそくさと退散する。
そうして、渋谷エリアボス・ハロウィンから人間抹殺パーティーであるハロウィンパーティーの招待状が届いた。
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