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217. ライのツガイ?
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ライが決め手に欠けている感じだから、みんも半信半疑だったようだ。
「パール。 ですからみんなパールには黙っていたのですよ……」
「じゃあ、みんながこんなによくしてくれていたのは、わたしがライのツガイかもしれないから……なの?」
「パール! 違う、そうじゃないぞ! もともとおれはパールを知っていただろ? そんなつもりはない! ソードだってそうだぞ! パールは、みんなを当たり人にしてくれて、友達だろ?」
「そうですよ、パール! みんなそんなつもりじゃないですよ」
「パール! もしかしてわたしまで、ライのツガイだから護衛していると思っているんじゃないだろうね?」
「ちょっと待って、少し落ち着きたい……」
「そうですね、お茶にしましょう! リンゴのパイをみんなでいただきましょう」
いつものリンゴのパイと良い香りのお茶が運ばれてきた。
お茶を 一口飲んで、パイを食べる。
うん、おいしい……
なんだか知らないけど、いつの間にかリンゴのパイを食べると落ち着くようになってきたよ……
ちょっと怖いな……
フーーッ
もし、ライがアリオさんと同じことになっているのなら……
ホントにセルバ王国に行けるのは、今しかない。
「ハァ ライのツガイだと言われても正直分からないよ…… わたしはまだ 十歳だよ? ライはいま何歳なの?」
「おれは、いま 二百歳だ!」
「そうでしょ? そんな年上の人にツガイだって言われてもライからも何も感じないし、わたしもわかんないよ……」
「そうだね、ライからは別に特別なモノをそう感じないよ、あって執着ぐらいかね? パールの言う通りさ」
「ですが、ブレンダ。 もしホントにパールがライのツガイだったらどうするのですか?」
「どうもしないよ。 そのときは、そこから考えたらいいだろう? そんな、きっと や もし、ごときでみんなはパールを縛りつけるのかい? まだ 十歳だよ!」
ブレンダの言葉でみんな グッと 言葉が詰まったようだ……
「パール。 たぶんパールはおれのツガイだと思う。 父上から聞いていたツガイに対する気持ちとはちょっと違うようだが、一番気になる子ではあるんだ」
ほっほーっ
「だから、どこにも行かないでくれ……」
「それは 無理! そんなあいまいなことでわたしを縛り付けないで! いくら王太子でも、気になる子ぐらいで、自分の屋敷に縛り付けるなんて……それって結局ピアンタの王様と 一緒じゃない。 せっかく自由を求めて逃げて来たのに……」
「ピアンタの王様と 一緒…… 縛り付ける……」
「ライ。 パールは、まだ 十歳なんです。ツガイだとはっきり言えないのに、この屋敷に縛り付けるようなことはできません。 もしホントにライのツガイが現れたとしたら、パールはどうなるのですか?」
うっ!!
さすがソード、正論だよ!
「フゥー 結論から言うと、パールはしばらくセルバ王国に行く方がいいね。 ライは、そのあいだに王太子の勉強をもう少し城に帰って頑張りな。 そのほうが、もしホントにパールがツガイだとわかったときに、ついて回れるようになるよ」
「そうです。 ライ。 ブレンダの言う通りです。 まだ王太子の勉強が少し残っていますよ。 王様について数年 一緒に働いてご教示いただく研修を自由がなくなるからと後回しにしていましたね」
「なら、ちょうどいいだろう? パールは数年セルバ王国に冒険に行く。 そのあいだにライは王様に数年付いていろいろ次期王様の勉強をする! 次に会ったときにはまあ、はっきりしているだろう…… それまで、城で頑張ればそのあとは、また自由なんだろ?」
「そうです ガントの言う通り。 そのあとはまた王太子として、ときがくるまでは自由なはず…… もしパールがホントにツガイならそれからは、イヤがっても 一緒に冒険についていって、もっとパールに気に入ってもらわないといけませんからね」
「そうだよ ライ。 いくらライがツガイだといっても、パールがライのことを嫌ったらこれはどうしようもないことだからね」
「そうだぞ! ライよく考えたらおまえパールには誠意や愛情を示すしか方法がないぞ!」
「ふっ! そうかもしれないね。 寿命もパールのほうが長い、お金も持っている。 ライと 一緒になってもパールにとっては自由が奪われるだけで得がないからね」
「うわっ! ホントだな ライがんばれよ!」
なんだか知らないけど、話がまとまってきた。
またソードが提案してくれる。
「ではしばらくパールとは会えなくなりそうですね。 明日から料理をたくさん作ってもらいましょう。 そのあいだパールは、もう少しマナーのおさらいです。 セルバ王国にいって恥をかいてはいけませんからね。 ブレンダも数日別行動で、セルバ王国のことを学んでもらいます」
「数日って、どれくらい……ブレンダがいないの?」
「そうですね。 ブレンダどうです、どれくらい必要だと思いますか?」
「五日はほしいね」
「じゃあ倍の 十日で、ゆっくり学んで! わたしはそのあいだ、ここかマークのところにいるから大丈夫だよ」
ブレンダにはゆったり学んでもらうことにする。
あとは、明日からしばらく遠くに行けないからモナルダのところにいって、この概要を伝えて当分規則正しくは来れなくなると報告する。
「やっとかい。 あの王太子、いつパールに知らせるのかと思って待ちくたびれたよ!」
「そうなんだ……」
「しばらく、セルバ王国に行っているのはいいことだよ。 いくらツガイでもある程度の距離があくと、分からなくなるそうだからね。 いまなら、まだ王太子もはっきりツガイだと伝えていないんだろ? パールにとっては、離れているほうがいいね」
「フン フン」
「でも王太子にはナイショで、ときどき戻っておいでよ?」
「うん、そのつもりでいるよ。 そう帰っては来れないけどね」
「ああ、元気にしていてくれたらそれでいいよ。 ホントにブレンダがいてくれるから安心になったね」
「おまかせください」
エヘッ!
なんとか、モナルダにも話しはついた。
あとは、マークたち。
お店が終わった夜に、話しにいく。
マークが、肩を落としている。
シーナは、そのほうがいいと言ってくれた。
トムとマークには、ぜったい会いに来いと念を押される。
さて、どうやって必ず会うか?
「もう単純に月初めに、夜 帰ってらっしゃい」
「えっ、一日ってこと?」
「そうね。 一日から 五日のあいだで 一度は会いましょう。 このぐらいの時間にこのパールの部屋で、これでどう?」
「そうだね、できるだけ 一日にくるようにするね」
トムに魔牛をもう 一頭いるか聞くと、出しておいてというので、この前よりも少し大きな魔牛を 一頭出しておいた。
今回はオレフたちも 一緒に魔牛を捌くそうだ。
まだ 十日はライの家にいるから、また来ると伝えておく。
よし!
これで マークたちにも伝えた。
もう 完璧だっ!!
「パール。 ですからみんなパールには黙っていたのですよ……」
「じゃあ、みんながこんなによくしてくれていたのは、わたしがライのツガイかもしれないから……なの?」
「パール! 違う、そうじゃないぞ! もともとおれはパールを知っていただろ? そんなつもりはない! ソードだってそうだぞ! パールは、みんなを当たり人にしてくれて、友達だろ?」
「そうですよ、パール! みんなそんなつもりじゃないですよ」
「パール! もしかしてわたしまで、ライのツガイだから護衛していると思っているんじゃないだろうね?」
「ちょっと待って、少し落ち着きたい……」
「そうですね、お茶にしましょう! リンゴのパイをみんなでいただきましょう」
いつものリンゴのパイと良い香りのお茶が運ばれてきた。
お茶を 一口飲んで、パイを食べる。
うん、おいしい……
なんだか知らないけど、いつの間にかリンゴのパイを食べると落ち着くようになってきたよ……
ちょっと怖いな……
フーーッ
もし、ライがアリオさんと同じことになっているのなら……
ホントにセルバ王国に行けるのは、今しかない。
「ハァ ライのツガイだと言われても正直分からないよ…… わたしはまだ 十歳だよ? ライはいま何歳なの?」
「おれは、いま 二百歳だ!」
「そうでしょ? そんな年上の人にツガイだって言われてもライからも何も感じないし、わたしもわかんないよ……」
「そうだね、ライからは別に特別なモノをそう感じないよ、あって執着ぐらいかね? パールの言う通りさ」
「ですが、ブレンダ。 もしホントにパールがライのツガイだったらどうするのですか?」
「どうもしないよ。 そのときは、そこから考えたらいいだろう? そんな、きっと や もし、ごときでみんなはパールを縛りつけるのかい? まだ 十歳だよ!」
ブレンダの言葉でみんな グッと 言葉が詰まったようだ……
「パール。 たぶんパールはおれのツガイだと思う。 父上から聞いていたツガイに対する気持ちとはちょっと違うようだが、一番気になる子ではあるんだ」
ほっほーっ
「だから、どこにも行かないでくれ……」
「それは 無理! そんなあいまいなことでわたしを縛り付けないで! いくら王太子でも、気になる子ぐらいで、自分の屋敷に縛り付けるなんて……それって結局ピアンタの王様と 一緒じゃない。 せっかく自由を求めて逃げて来たのに……」
「ピアンタの王様と 一緒…… 縛り付ける……」
「ライ。 パールは、まだ 十歳なんです。ツガイだとはっきり言えないのに、この屋敷に縛り付けるようなことはできません。 もしホントにライのツガイが現れたとしたら、パールはどうなるのですか?」
うっ!!
さすがソード、正論だよ!
「フゥー 結論から言うと、パールはしばらくセルバ王国に行く方がいいね。 ライは、そのあいだに王太子の勉強をもう少し城に帰って頑張りな。 そのほうが、もしホントにパールがツガイだとわかったときに、ついて回れるようになるよ」
「そうです。 ライ。 ブレンダの言う通りです。 まだ王太子の勉強が少し残っていますよ。 王様について数年 一緒に働いてご教示いただく研修を自由がなくなるからと後回しにしていましたね」
「なら、ちょうどいいだろう? パールは数年セルバ王国に冒険に行く。 そのあいだにライは王様に数年付いていろいろ次期王様の勉強をする! 次に会ったときにはまあ、はっきりしているだろう…… それまで、城で頑張ればそのあとは、また自由なんだろ?」
「そうです ガントの言う通り。 そのあとはまた王太子として、ときがくるまでは自由なはず…… もしパールがホントにツガイならそれからは、イヤがっても 一緒に冒険についていって、もっとパールに気に入ってもらわないといけませんからね」
「そうだよ ライ。 いくらライがツガイだといっても、パールがライのことを嫌ったらこれはどうしようもないことだからね」
「そうだぞ! ライよく考えたらおまえパールには誠意や愛情を示すしか方法がないぞ!」
「ふっ! そうかもしれないね。 寿命もパールのほうが長い、お金も持っている。 ライと 一緒になってもパールにとっては自由が奪われるだけで得がないからね」
「うわっ! ホントだな ライがんばれよ!」
なんだか知らないけど、話がまとまってきた。
またソードが提案してくれる。
「ではしばらくパールとは会えなくなりそうですね。 明日から料理をたくさん作ってもらいましょう。 そのあいだパールは、もう少しマナーのおさらいです。 セルバ王国にいって恥をかいてはいけませんからね。 ブレンダも数日別行動で、セルバ王国のことを学んでもらいます」
「数日って、どれくらい……ブレンダがいないの?」
「そうですね。 ブレンダどうです、どれくらい必要だと思いますか?」
「五日はほしいね」
「じゃあ倍の 十日で、ゆっくり学んで! わたしはそのあいだ、ここかマークのところにいるから大丈夫だよ」
ブレンダにはゆったり学んでもらうことにする。
あとは、明日からしばらく遠くに行けないからモナルダのところにいって、この概要を伝えて当分規則正しくは来れなくなると報告する。
「やっとかい。 あの王太子、いつパールに知らせるのかと思って待ちくたびれたよ!」
「そうなんだ……」
「しばらく、セルバ王国に行っているのはいいことだよ。 いくらツガイでもある程度の距離があくと、分からなくなるそうだからね。 いまなら、まだ王太子もはっきりツガイだと伝えていないんだろ? パールにとっては、離れているほうがいいね」
「フン フン」
「でも王太子にはナイショで、ときどき戻っておいでよ?」
「うん、そのつもりでいるよ。 そう帰っては来れないけどね」
「ああ、元気にしていてくれたらそれでいいよ。 ホントにブレンダがいてくれるから安心になったね」
「おまかせください」
エヘッ!
なんとか、モナルダにも話しはついた。
あとは、マークたち。
お店が終わった夜に、話しにいく。
マークが、肩を落としている。
シーナは、そのほうがいいと言ってくれた。
トムとマークには、ぜったい会いに来いと念を押される。
さて、どうやって必ず会うか?
「もう単純に月初めに、夜 帰ってらっしゃい」
「えっ、一日ってこと?」
「そうね。 一日から 五日のあいだで 一度は会いましょう。 このぐらいの時間にこのパールの部屋で、これでどう?」
「そうだね、できるだけ 一日にくるようにするね」
トムに魔牛をもう 一頭いるか聞くと、出しておいてというので、この前よりも少し大きな魔牛を 一頭出しておいた。
今回はオレフたちも 一緒に魔牛を捌くそうだ。
まだ 十日はライの家にいるから、また来ると伝えておく。
よし!
これで マークたちにも伝えた。
もう 完璧だっ!!
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