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204. ブレンダとの生活
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今回の二日間は自分の家の庭で、ワープの到着位置を空中にする練習をたくさんした。
わたしの背より高いところだと、姿も見られないしだいぶ安全になる。
ホントに到着したときに姿が見えないのか、マークを呼んで確認もした。
背の高い魔獣もいるからブレンダに 一番楽で安全な高さを バンブの木を使って 二つ教えてもらい、印をつけて何度も繰り返し練習する。
疲れると、癒されにマークの宿屋に行ってテオと遊んだり、トムさんの料理を食べてみんなで味の感想を言い合ったりして、楽しい 二日間だった。
家ではやっぱり、二階のリビングにテントを 二つ出して生活することにした。
はじめブレンダは自分は下の部屋でと言っていたけど、二人きりだし 二階のリビングに 一緒のほうが何かと安全で便利だ。
「ここも、モナルダの家のように 二つテントを張って合理的に暮らそうよ」
「パールが結婚するまでは、そうするかい?」
「うん、それがいいよ」
ブレンダも王妃様からもらったテントが気に入っている。
テントは完全にプライベートが守られるから……
楽なんだよね。
今回の 二日間、テオに会いに行くとおどろくことにずっと絵描きさんが宿屋にいて、気がつくとどこかでいつも、みんなの絵の下書きを書いていた。
すごいな……
どんな風に仕上がるのか、ホント楽しみ!
ブレンダには、わたしの好きなモノをいっぱい教えた。
苦手なモノは教えてないけど、なぜか知っているようだった……なぜだ?
それから、ブレンダの騎士の服を頼みにゴタの町にも行った。
ドワーフの 三代の家族が経営しているお店。
お爺さんにお父さんに息子さん。
お婆さんにお母さんに若いお嫁さん。
六人で服を作っているようだ。
お爺さんが、わたしの冒険用の服を ジッと 見ている。
ちょっと何か言われるのかと ドキドキ したけど。
ブレンダが話しだすと、そっちに集中してくれて助かった……
「できるだけ黒い革を使って作ってほしいんだよ」
「ブレンダ、黒だけだとかえって目立つから護衛しにくいぞ」
「ああ、それはダメだね。あまり騎士が目立っては、動きにくくなるよ」
店の人たちと相談して、一般的な茶色と、できるだけ黒い色の丈夫な革とアクセントに緑色のクロコイリエの革を使って作ってもらうことになった。
緑は、わたしの目の色に近い色を選ぶそうだ。
なんだか、ちょっと照れ臭い。
でもせっかくわたしの専属騎士なので、ブレンダが不便と感じているところとわたしがデザインした、腰とお尻の部分を隠した短い腰巻き風のモノを追加した。
両サイドが少し重なって開きやすく、前と後ろで分かれている腰巻きを追加して、女性の騎士服を作ってもらう。
そして、だんだんとブレンダが着やすいように騎士服を変化させていき、最終的にはもっと良い革で作ることに決まった。
わたしは、黒竜の革がいいと思っているんだけどね!
ブレンダは、わたしが変えたデザインをみて。
「よくこんなことを思いつくもんだよ」
笑って受け入れてくれた。
それに合わせてわたしの冒険の服も、腰巻きを黒にブレンダの出来上りと 一緒に変えることにする。
どんなブレンダの騎士服が仕上がってくるのか、楽しみ。
それができたら、しばらくブレンダに着てもらってまた改良して、頼むつもりだ。
替えも必要だし。
カッコイイ騎士服をブレンダに来てもらいたいからね。
改良は大切!
今日からはライのところ。
行く前にブレンダがわたしに聞いてきた。
「パール、気が乗らないことはイヤだと断ってもいいんだよ? あそこの家は堅苦しくないかい?」
「大丈夫だよ! ありがとうね! めんどくさいこともあるけど、わたし勉強が嫌いじゃないし、知識や経験が増えることは基本好きなんだよ」
「そうかい、なら大丈夫なんだね」
「うん。 ライたちは、わたしがあの家に飽きないように、いろんな講師を呼んで勉強させてくれるんだ。 平民のわたしでは、ぜったい知ることのできなかったわからない知識も多いしね。 感謝してる…… まぁ それに伴う少しの不便は、しょうがないと割り切っているからブレンダ、心配しなくていいよ」
「そう でも…… 念のため、サインをいくつか決めておくかい?」
「そうだね! 口で言えないときもあるからね」
ブレンダと相談して、いろいろ決めていく。
ブレンダはずっと騎士なだけあって、経験豊富だから話が早い。
わたしのつたない説明も、すぐに理解してくれる。
ホント頼もしい護衛だと思う。
「パール、おかえり! みんなにブレンダを紹介できたのかい?」
「ただいま、ライ。 みんなにちゃんと紹介できたよ。 すごくよろこんでくれたんだ」
「パール、おかえり! よかったな! まあ、みんなの気持ちも分かるよなっ!」
「ただいま、ガント。 どう分かるのかちょっと気になるけど、みんな安心してくれたみたい」
「ふ、ふ、おかえりなさい、パール。 みんなが安心してくれたのは、うれしいことですね」
「ただいま、ソード。 そうなんだ! マークが特に ホッと したみたいで」
「これからは、どうするんだ? 何か決めているのか?」
しばらくブレンダの騎士服ができるまで、ゆっくりして、それから冒険に行くか?
メルの洞窟なら、この騎士服でもそんなに違和感はないから先に潜ってしまうか?
どうしようかな?
「ライ、まだはっきり決めてないんだよ?」
「そうか……」
「今日はこっちにきたところだからゆっくりして、明日は日帰りでメルの洞窟へでも行こうかな?」
「パール、また洞窟に入るのですか? 明日アビエス商会のタンネがパールに会いに来る予定だったんですけど、どうします?」
「えっ? ソード、そうなの? それは会わないとダメだよね! じゃあ、やっぱり明日はタンネさんに会うことにするよ」
「パール! 好きなモノを買っていいんだよ?」
「ありがとう、ライ。 でも、あんまりほしいモノがないんだよね?」
「パール、テオのおもちゃなんてどうだ?」
「ガント、いいアイデアだけど……」
「ふ、ふ、ふっ ガント。 パールとトムはね、シーナにテオのモノを買うことを禁止されているんだよ。 二人が買い出すと、子ども部屋がモノで溢れすぎるとシーナが警戒してね、この前 二人に告げたのさ!」
「ああーーっ!? まあなんだ、あきらめろパール」
「フーッ…… 残念だよ……」
「はっ、はっはっ! じゃあ、おれがお祝いで渡すことにして、パールがテオのおもちゃを選ぶか?」
「えっ?! ライ、いいの!!」
なんてことだっ!!
そんな楽しい抜け道が、あったのかー?!
「ライっ!! ホントにわたしが、選んでいいの?」
「ああ、いいぞ。 そんなによろこんでくれるとは…… 複雑だな……」
「ブフォっ!」
んっ なに?
あぁ、これでテオにおもちゃを買えるっ!
「ライ ありがとう!!」
なんて いい人なんだ!?
ライ 最高だよっ!!
わたしの背より高いところだと、姿も見られないしだいぶ安全になる。
ホントに到着したときに姿が見えないのか、マークを呼んで確認もした。
背の高い魔獣もいるからブレンダに 一番楽で安全な高さを バンブの木を使って 二つ教えてもらい、印をつけて何度も繰り返し練習する。
疲れると、癒されにマークの宿屋に行ってテオと遊んだり、トムさんの料理を食べてみんなで味の感想を言い合ったりして、楽しい 二日間だった。
家ではやっぱり、二階のリビングにテントを 二つ出して生活することにした。
はじめブレンダは自分は下の部屋でと言っていたけど、二人きりだし 二階のリビングに 一緒のほうが何かと安全で便利だ。
「ここも、モナルダの家のように 二つテントを張って合理的に暮らそうよ」
「パールが結婚するまでは、そうするかい?」
「うん、それがいいよ」
ブレンダも王妃様からもらったテントが気に入っている。
テントは完全にプライベートが守られるから……
楽なんだよね。
今回の 二日間、テオに会いに行くとおどろくことにずっと絵描きさんが宿屋にいて、気がつくとどこかでいつも、みんなの絵の下書きを書いていた。
すごいな……
どんな風に仕上がるのか、ホント楽しみ!
ブレンダには、わたしの好きなモノをいっぱい教えた。
苦手なモノは教えてないけど、なぜか知っているようだった……なぜだ?
それから、ブレンダの騎士の服を頼みにゴタの町にも行った。
ドワーフの 三代の家族が経営しているお店。
お爺さんにお父さんに息子さん。
お婆さんにお母さんに若いお嫁さん。
六人で服を作っているようだ。
お爺さんが、わたしの冒険用の服を ジッと 見ている。
ちょっと何か言われるのかと ドキドキ したけど。
ブレンダが話しだすと、そっちに集中してくれて助かった……
「できるだけ黒い革を使って作ってほしいんだよ」
「ブレンダ、黒だけだとかえって目立つから護衛しにくいぞ」
「ああ、それはダメだね。あまり騎士が目立っては、動きにくくなるよ」
店の人たちと相談して、一般的な茶色と、できるだけ黒い色の丈夫な革とアクセントに緑色のクロコイリエの革を使って作ってもらうことになった。
緑は、わたしの目の色に近い色を選ぶそうだ。
なんだか、ちょっと照れ臭い。
でもせっかくわたしの専属騎士なので、ブレンダが不便と感じているところとわたしがデザインした、腰とお尻の部分を隠した短い腰巻き風のモノを追加した。
両サイドが少し重なって開きやすく、前と後ろで分かれている腰巻きを追加して、女性の騎士服を作ってもらう。
そして、だんだんとブレンダが着やすいように騎士服を変化させていき、最終的にはもっと良い革で作ることに決まった。
わたしは、黒竜の革がいいと思っているんだけどね!
ブレンダは、わたしが変えたデザインをみて。
「よくこんなことを思いつくもんだよ」
笑って受け入れてくれた。
それに合わせてわたしの冒険の服も、腰巻きを黒にブレンダの出来上りと 一緒に変えることにする。
どんなブレンダの騎士服が仕上がってくるのか、楽しみ。
それができたら、しばらくブレンダに着てもらってまた改良して、頼むつもりだ。
替えも必要だし。
カッコイイ騎士服をブレンダに来てもらいたいからね。
改良は大切!
今日からはライのところ。
行く前にブレンダがわたしに聞いてきた。
「パール、気が乗らないことはイヤだと断ってもいいんだよ? あそこの家は堅苦しくないかい?」
「大丈夫だよ! ありがとうね! めんどくさいこともあるけど、わたし勉強が嫌いじゃないし、知識や経験が増えることは基本好きなんだよ」
「そうかい、なら大丈夫なんだね」
「うん。 ライたちは、わたしがあの家に飽きないように、いろんな講師を呼んで勉強させてくれるんだ。 平民のわたしでは、ぜったい知ることのできなかったわからない知識も多いしね。 感謝してる…… まぁ それに伴う少しの不便は、しょうがないと割り切っているからブレンダ、心配しなくていいよ」
「そう でも…… 念のため、サインをいくつか決めておくかい?」
「そうだね! 口で言えないときもあるからね」
ブレンダと相談して、いろいろ決めていく。
ブレンダはずっと騎士なだけあって、経験豊富だから話が早い。
わたしのつたない説明も、すぐに理解してくれる。
ホント頼もしい護衛だと思う。
「パール、おかえり! みんなにブレンダを紹介できたのかい?」
「ただいま、ライ。 みんなにちゃんと紹介できたよ。 すごくよろこんでくれたんだ」
「パール、おかえり! よかったな! まあ、みんなの気持ちも分かるよなっ!」
「ただいま、ガント。 どう分かるのかちょっと気になるけど、みんな安心してくれたみたい」
「ふ、ふ、おかえりなさい、パール。 みんなが安心してくれたのは、うれしいことですね」
「ただいま、ソード。 そうなんだ! マークが特に ホッと したみたいで」
「これからは、どうするんだ? 何か決めているのか?」
しばらくブレンダの騎士服ができるまで、ゆっくりして、それから冒険に行くか?
メルの洞窟なら、この騎士服でもそんなに違和感はないから先に潜ってしまうか?
どうしようかな?
「ライ、まだはっきり決めてないんだよ?」
「そうか……」
「今日はこっちにきたところだからゆっくりして、明日は日帰りでメルの洞窟へでも行こうかな?」
「パール、また洞窟に入るのですか? 明日アビエス商会のタンネがパールに会いに来る予定だったんですけど、どうします?」
「えっ? ソード、そうなの? それは会わないとダメだよね! じゃあ、やっぱり明日はタンネさんに会うことにするよ」
「パール! 好きなモノを買っていいんだよ?」
「ありがとう、ライ。 でも、あんまりほしいモノがないんだよね?」
「パール、テオのおもちゃなんてどうだ?」
「ガント、いいアイデアだけど……」
「ふ、ふ、ふっ ガント。 パールとトムはね、シーナにテオのモノを買うことを禁止されているんだよ。 二人が買い出すと、子ども部屋がモノで溢れすぎるとシーナが警戒してね、この前 二人に告げたのさ!」
「ああーーっ!? まあなんだ、あきらめろパール」
「フーッ…… 残念だよ……」
「はっ、はっはっ! じゃあ、おれがお祝いで渡すことにして、パールがテオのおもちゃを選ぶか?」
「えっ?! ライ、いいの!!」
なんてことだっ!!
そんな楽しい抜け道が、あったのかー?!
「ライっ!! ホントにわたしが、選んでいいの?」
「ああ、いいぞ。 そんなによろこんでくれるとは…… 複雑だな……」
「ブフォっ!」
んっ なに?
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