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133. モナルダの家
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宿屋に泊まっている 一週間のうち 四日間は、図書館でスキルコピー を使いまくる。
魔力が上がったおかげなのか、一分間触れているだけでよかったのが、十秒触れているだけでよくなっていた。
まず図書館の中に入るには、三種類のコースから選ぶ必要がある。
よく利用されているコースは、銀貨 一枚を支払うとカードがもらえ、一年間好きなだけ利用できるものだった。
学生にこれが多いと、受付の人が教えてくれる。
たまにしか来ない人は、そのつど受付で簡単な身分証明カードを作成し、銅貨 一枚を支払って 一日だけの入館だ。
あとひとつは図書館で、一生使えるコインを 金貨 一枚で作るコース。
迷わず、この金貨 一枚払って 一生図書館が使えるコースを選択したら、受付の人におどろかれる。
もう サッと 金貨 一枚支払い、コインをもらう。
魔力を少しコインに流すと、登録完了。
魔法袋と同じだな……
無くさないように注意される。
再発行はなく、また作り直しになるそうだ。
このコインは、持っているだけでチェックなしで入館できるけど、カードの人は受付横からチェックを受けて入らないと警報が鳴ると教えてもらう。
それから、コインを返しにきたら 大銀貨 一枚もらえるようで、覚えておくようにいわれる。
このコイン 実は、貴重なモノ?
朝 六時の開館から夕方 六時の閉館までは、認識されにくくなる帽子と変幻のマントを、中に入ってから こっそりつけて、スキルコピー を使いまくる。
そのあと宿屋で夕食を食べに帰って、夜 八時頃から夜中の 十二時頃まで、またすごく頑張った。
閉館後図書館の中に入ることは、一生使えるコインのコースにしたので、そんなに気がとがめないですんだ。
アリオさんが作ってくれた 百メートルまで移転できるリングを使って、あらかじめ決めておいたところに外から移転する。
あとは遠見グラスを使うから、暗くても平気だ。
それでもこれは、本が多すぎた。
到底 一週間では無理だと、四日目チェリー に忠告される。
珍しい……
自分で気づいてほしかったと チクリと告げられた。
昼食もそこそこにして、夢中で頑張っていたから周りが見えていなかったなぁ~
反省。
でも、図書館の本…… 知識は欲しい。
長生きになったのだかから、焦らずこれから数年かけて、スキルコピー をすることにした。
なのであとの 三日間は、気分を変えてゴタの街をぶらっと歩いて食べ物を買いまくる。
港では、エビビにポタテにイイカ……
網に入れて大きな葉の袋で包んでもらい、すぐ適当な人のいないところで、カバンに入れるフリをしてスペシャルな指輪に入れていく。
ナッツなどもできるだけ、子どもが売っているお店で買って サッと 収納する。
途中、道に布を広げて袋を売っているおばあさんと子どもを見つけた。
丁寧に縫ってあったので、いろんな大きさの袋を怪しまれない程度に買い込んでいく。
そんな人たちが数組いたので、抜けがないようにチェリー に確認してもらいながら買うと、だいぶ袋が確保できた。
これで人に物があげやすくなる。
海辺にでて散歩をして……
買い食いも、いっぱいした。
残りの 三日、ホントに楽しくあっという間に過ぎていく。
明日からは、モナルダの家でしばらくお世話になる。
ゴタの図書館での 四日間。
薬草と錬金術に関係があるコーナー から、スキルコピー していったので、教えてもらいやすくなったと思う。
そのかわり、樹海やラメール王国の歴史などがまだぜんぜんコピー できていない。
あとから知ったが、ここの図書館には本が 三十万冊以上はあるそうだ……
夜の 四時間を週に 一回、スキルコピー しに図書館に通ったら……
まあ、二年はかからないだろうから、気長に制覇するつもりだ……
時間は、たっぷりあるからね!
子どもが数人で荷車を引いてオレンジを売っていた。
声をかけてきたので、ひとつ味見させてもらう。
小ぶりだけど思っていたよりもおいしい。
モナルダたちのお土産に決める。
買っておいた大きな袋をだして、入るだけ買うというと頑張って詰め込みだした。
なんとか 百個売りたいみたいなので、追加で 一枚袋をだして 百個入るように手伝うフリをして数個スペシャルな指輪に入れて袋に入りやすくする。
銀貨 四枚だといわれ、もう素直に支払う。
わたしより小さな女の子が、うれしそうに目を キラキラさせて 銀貨を見つめていた……
♢♢♢
モナルダの家にいくとすぐに、元メリッサの部屋だった、これからわたしの部屋になる 二階へ案内してくれる。
外の階段からも、中からもいけるそうだ。
部屋にはトイレと お風呂があった!
ラメールでは、裕福な家にいけば普通にあるという。
えーっ! ピアンタは、なんだったんだ?
先に伝えていた通り、部屋にはベッドと長めのソファが端のほうに置いてあるだけで、他にはなにもない。
一応ここでもそのまま休めるように、ベッドと壁にソファだけは置いておいたと教えてくれる。
お礼を伝えて、他の場所も見せてもらう。
屋上は 二階部分の部屋を出たところにある階段を、上がるとすぐにいけるそうだ。
「広い! ずっと向こうまで屋上の 一部が繋がっている…… モナルダこれは、すごいねー」
「ああ。 ここら 一帯は、わたしたちの建物だからね。 あの表通りのブティック『オレガノ』は、息子のコリウスの家。 メリッサの父親が住んでいるはずだけど、仕事で留守がちでね。 メリッサが 一人で寂しいからここに部屋ができたのさ。いまでは、息子がひとりで寂しいといっているよ。 だからこの部屋がなくなってちょうどいい。 メリッサが帰って来たとき父親の家のほうにいくことになるからね。 ブティック『オレガノ』はグレコマの弟で 次男と 三男。 古本屋と この先、鍛冶屋の娘たちがメリッサが独立するとき自分たちもと、三人で店をはじめたんだよ」
屋上がこの路地を中心に、横に 三辺 繋がっている。
残りの 一辺はすべて庭で、薬草や野菜を作っているようだった。
温室もここから 二つ見える。
夫のグレコマがモナルダのために作ったといっていた。
今日の夕飯は紹介を兼ねたガーデンパーティー だそうだ。
みんな仕事を持っているので 一ヶ所。
モナルダのところに集まってよく夕食を食べるから、そんなに気にせず 気楽にと説明される。
モナルダの家族たちに会うのは、緊張するけど楽しみだな……
お土産のオレンジをまずは 五十個、渡しておいた。
たくさんありがとうとお礼をいわれ、少しジャムも作ろうかといっていた。
まだあるというと、少し考えて……
「パールが持っていたほうが良さそうだ。 欲しかったらまた、たのむよ」
あっ、時間が停止するマジックバックを持っているのがバレているのかな……
モナルダなら、まあいいか?
夕食はドワーフ族の人たちらしく、大らかで……
ホントに楽しい 愉快なひとときだった。
魔力が上がったおかげなのか、一分間触れているだけでよかったのが、十秒触れているだけでよくなっていた。
まず図書館の中に入るには、三種類のコースから選ぶ必要がある。
よく利用されているコースは、銀貨 一枚を支払うとカードがもらえ、一年間好きなだけ利用できるものだった。
学生にこれが多いと、受付の人が教えてくれる。
たまにしか来ない人は、そのつど受付で簡単な身分証明カードを作成し、銅貨 一枚を支払って 一日だけの入館だ。
あとひとつは図書館で、一生使えるコインを 金貨 一枚で作るコース。
迷わず、この金貨 一枚払って 一生図書館が使えるコースを選択したら、受付の人におどろかれる。
もう サッと 金貨 一枚支払い、コインをもらう。
魔力を少しコインに流すと、登録完了。
魔法袋と同じだな……
無くさないように注意される。
再発行はなく、また作り直しになるそうだ。
このコインは、持っているだけでチェックなしで入館できるけど、カードの人は受付横からチェックを受けて入らないと警報が鳴ると教えてもらう。
それから、コインを返しにきたら 大銀貨 一枚もらえるようで、覚えておくようにいわれる。
このコイン 実は、貴重なモノ?
朝 六時の開館から夕方 六時の閉館までは、認識されにくくなる帽子と変幻のマントを、中に入ってから こっそりつけて、スキルコピー を使いまくる。
そのあと宿屋で夕食を食べに帰って、夜 八時頃から夜中の 十二時頃まで、またすごく頑張った。
閉館後図書館の中に入ることは、一生使えるコインのコースにしたので、そんなに気がとがめないですんだ。
アリオさんが作ってくれた 百メートルまで移転できるリングを使って、あらかじめ決めておいたところに外から移転する。
あとは遠見グラスを使うから、暗くても平気だ。
それでもこれは、本が多すぎた。
到底 一週間では無理だと、四日目チェリー に忠告される。
珍しい……
自分で気づいてほしかったと チクリと告げられた。
昼食もそこそこにして、夢中で頑張っていたから周りが見えていなかったなぁ~
反省。
でも、図書館の本…… 知識は欲しい。
長生きになったのだかから、焦らずこれから数年かけて、スキルコピー をすることにした。
なのであとの 三日間は、気分を変えてゴタの街をぶらっと歩いて食べ物を買いまくる。
港では、エビビにポタテにイイカ……
網に入れて大きな葉の袋で包んでもらい、すぐ適当な人のいないところで、カバンに入れるフリをしてスペシャルな指輪に入れていく。
ナッツなどもできるだけ、子どもが売っているお店で買って サッと 収納する。
途中、道に布を広げて袋を売っているおばあさんと子どもを見つけた。
丁寧に縫ってあったので、いろんな大きさの袋を怪しまれない程度に買い込んでいく。
そんな人たちが数組いたので、抜けがないようにチェリー に確認してもらいながら買うと、だいぶ袋が確保できた。
これで人に物があげやすくなる。
海辺にでて散歩をして……
買い食いも、いっぱいした。
残りの 三日、ホントに楽しくあっという間に過ぎていく。
明日からは、モナルダの家でしばらくお世話になる。
ゴタの図書館での 四日間。
薬草と錬金術に関係があるコーナー から、スキルコピー していったので、教えてもらいやすくなったと思う。
そのかわり、樹海やラメール王国の歴史などがまだぜんぜんコピー できていない。
あとから知ったが、ここの図書館には本が 三十万冊以上はあるそうだ……
夜の 四時間を週に 一回、スキルコピー しに図書館に通ったら……
まあ、二年はかからないだろうから、気長に制覇するつもりだ……
時間は、たっぷりあるからね!
子どもが数人で荷車を引いてオレンジを売っていた。
声をかけてきたので、ひとつ味見させてもらう。
小ぶりだけど思っていたよりもおいしい。
モナルダたちのお土産に決める。
買っておいた大きな袋をだして、入るだけ買うというと頑張って詰め込みだした。
なんとか 百個売りたいみたいなので、追加で 一枚袋をだして 百個入るように手伝うフリをして数個スペシャルな指輪に入れて袋に入りやすくする。
銀貨 四枚だといわれ、もう素直に支払う。
わたしより小さな女の子が、うれしそうに目を キラキラさせて 銀貨を見つめていた……
♢♢♢
モナルダの家にいくとすぐに、元メリッサの部屋だった、これからわたしの部屋になる 二階へ案内してくれる。
外の階段からも、中からもいけるそうだ。
部屋にはトイレと お風呂があった!
ラメールでは、裕福な家にいけば普通にあるという。
えーっ! ピアンタは、なんだったんだ?
先に伝えていた通り、部屋にはベッドと長めのソファが端のほうに置いてあるだけで、他にはなにもない。
一応ここでもそのまま休めるように、ベッドと壁にソファだけは置いておいたと教えてくれる。
お礼を伝えて、他の場所も見せてもらう。
屋上は 二階部分の部屋を出たところにある階段を、上がるとすぐにいけるそうだ。
「広い! ずっと向こうまで屋上の 一部が繋がっている…… モナルダこれは、すごいねー」
「ああ。 ここら 一帯は、わたしたちの建物だからね。 あの表通りのブティック『オレガノ』は、息子のコリウスの家。 メリッサの父親が住んでいるはずだけど、仕事で留守がちでね。 メリッサが 一人で寂しいからここに部屋ができたのさ。いまでは、息子がひとりで寂しいといっているよ。 だからこの部屋がなくなってちょうどいい。 メリッサが帰って来たとき父親の家のほうにいくことになるからね。 ブティック『オレガノ』はグレコマの弟で 次男と 三男。 古本屋と この先、鍛冶屋の娘たちがメリッサが独立するとき自分たちもと、三人で店をはじめたんだよ」
屋上がこの路地を中心に、横に 三辺 繋がっている。
残りの 一辺はすべて庭で、薬草や野菜を作っているようだった。
温室もここから 二つ見える。
夫のグレコマがモナルダのために作ったといっていた。
今日の夕飯は紹介を兼ねたガーデンパーティー だそうだ。
みんな仕事を持っているので 一ヶ所。
モナルダのところに集まってよく夕食を食べるから、そんなに気にせず 気楽にと説明される。
モナルダの家族たちに会うのは、緊張するけど楽しみだな……
お土産のオレンジをまずは 五十個、渡しておいた。
たくさんありがとうとお礼をいわれ、少しジャムも作ろうかといっていた。
まだあるというと、少し考えて……
「パールが持っていたほうが良さそうだ。 欲しかったらまた、たのむよ」
あっ、時間が停止するマジックバックを持っているのがバレているのかな……
モナルダなら、まあいいか?
夕食はドワーフ族の人たちらしく、大らかで……
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