迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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99. 長生きな お友だち

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 エルフさん ですか……

「それで、十三歳…… すごい サバの読み方ですね……でも、それぐらいに みえますけど…… あれっ 耳は?どうしているんですか?」

 エルフ族 特徴の耳じゃない? 
 どうしているいるのか、聞いてみた。

「耳は、幻影の魔道具ですよ。 歳はどの種族よりもだいたい 二百歳ぐらいまで、エルフはすごくゆっくりなんです……  だからボクは、まだ外にあまり出れないんですよ~  あと、三、四十年したら、おとなに みられると思うんですけど……  人族も入っているから、もう少しはやいのかな?  それまでの辛抱です」

「そうなんだ…… 幻影の魔道具」

「人族の父親に寿命がきて、それから仕事の時間を増やして母親は家に帰ってこないから、オレたちがケルスの面倒をみている。 アイツはもうダンナがいなくなって ラメール王国で、好きなことを好きなだけしているからな ……  気楽な もんさ」

「お母さんは、お元気にされているんですね?」

「はい、ピン ピンしてますよ! ボクが 百二十歳になったんで、お祖父さんたちのところで修行をしたいと母親に頼んで連れてきてもらったんです!」

「それまでは、ラメール王国で 母と気楽に暮らしていたんで自由だったんですけど…… こっちは、おとなになるまでは ちょっと窮屈ですね。 幻影の魔道具もラメール王国の モノ なんですよ!」

 ケルスさんのお母さんは、ラメール王国で、楽しく バリバリ 働いているそうだ。

 幻影の魔道具も、ラメール王国製なのか……
 いまから行くのが、楽しみになってきたな!
 さすが、魔道具がたくさんある国だ。

「ここの 王族は、もう なん代も ひどいからな! オレも この アストの森がなかったら、ここを離れるんだがなぁ~」

「また、そんなことを…… お祖母さんに叱られますよ! この森を守らないと ダメでしょ。 それに つぎの王太子は いい人そうですよ」

 そうなんだ、つぎの王太子は いい人 なんだ……
 でも……

「この森を、守るんですか?」

「そうだ。 バカなヤツらや王族が自然を壊しすぎないように、樹木を保護しながら見張っているんだよ」

「なんだか…… すごいですね……」

「だから、たまに 迷い人だと思う ヤツ が帰ってくるのをみかけるのさ…… パール、すぐにこの国をでろよ!」

 親方は、王太子の いい人も、いまの王様と前が悪すぎるからそう思うだけかもしれないという。

「ここ何回かは、王族に 迷い人は囲われているみたいだぞ! 帰ってくる ヤツ もホントに少ないがな……」

「子どもの 迷い人か。 しかも女性は、初めてだな。 王族にバレないうちに、隣のラメール王国に行ったほうがいい」

「やっぱり、そうなんだ……」

「パール、おまえ…… その服はよくみたら、なんの 革だ? 色が明るすぎる、せめてもう少し濃い革の色なら、目立たないんだが……」

「この色、目立つのかな? 前のよりも地味な色だと思ったのに……」

「アレも目立ってはいたが、珍しい色ではない。 これは 地味なようだが、キレイすぎるな……  向こうの モノ なら色が変えられないか?」

「どうだろう?  聞いたような…… ボタンがあるならここらへん?」

 親方にいわれて、ベストの裏側と首の部分を探してみた。

 おーーっ! 
 あった!!

 親方が 納得して、わたしもいいと思ったのは、やっぱり前の赤茶色だった。
 あと、ちょっと派手だけど黄色ぽい茶色も大丈夫だと、親方に教えてもらったので黒や茶色の他に、この色を覚えておく。

 ケルスさんは、わたしと親方の会話や、革の色が変わるのをみて、目を パチパチ していた。

「ボクは 迷い人をみたのは、初めてです」

「そうだな、これからパールとおまえ、ケルスは長い付き合いになるんだから、しっかりしろよ!」

「長い付き合いですか? パールさんは 人族ですよね?」

「そうだが、迷い人は 千年以上の長生きになるんだよ、パールは 知っていたか?」

「はい、向こうで 聞きました。 親方も、知っていたんですね……」

「あぁ、迷い人の 子ども 二代目と知り合いになってな……  三代目の娘も冒険者で、父親が娘に冒険の仕方を教えていて、それでたまに 迷い人 本人も戻って 三人で仲良く冒険していてな……  三人とも なんだ かんだと 会いに来てくれてたんで、知っていたんだが…… もう 五百年以上前の話 だたんだな……」

 「すごい…… それじゃあ、パールさんは きっと ボクよりも長生きですね。 よかった! 友だちができました! これからも よろしく お願いします!」

「はい、こちらこそ 長い付き合いになりそうですね! また、バンブの木を持って 遊びにきます」

「そうしてやってくれ、オレもそうしてもらって 迷い人 三代 たちと 会ってきたんだよ…… 」


 えへへっ 友だちが できた!


 長生きするって わかったら、同じように長生きする友だちが ひとり できた。

 お友だちは 大切だよね!

 これからも よろしく……

 ケルス さん? ケルス くん?

 やっぱり…… さん ですね……   ぷ、ふっ!










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