上 下
94 / 221

94. 便利な魔道具がいっぱい

しおりを挟む
 みんなに教えてもらった 詩を、思い出す。

「パール、なんだ それ?」

「わたしの国の王都に伝わっている、迷い人の 詞らしいの……」

「意味深い 詞だな …… 優しさに 未練たちきり 財をなす…… パールちゃん、帰った方がいいかもしれんな」

「はい、マプさんも 宝 をすべて交換したら、すぐに帰りなさいと忠告してくれました……  帰れなくなった 迷い人が、もっとはやくに帰るべきだったと話していたと聞いたことがあると、教えてくれたんです」

「そうか、マプが…… なら、そうかも知れん。 アイツは仕事がら王城にいくこともあるしな」

 やっぱり、泊まらずに迷いの森へ帰ることにした。
 
 もっと ケップラー王国を見学してみたいけど、なんとなく帰ったほうがいいような気がする。
 テトリも残念がっていたけど最後には、オレも帰ったほうがいいような気がするといっていた……
 竜人の 感だ そうだ……


「じゃあ もう少し、夜に安心な モノ を持ってくるから待ってなさい」

 タルボさんは、お店の奥に走っていく。

 アリオさんが、一足のブーツを持ってきてくれた。

「これはね、大きな岩場は無理だけど 普通の道なら 走らなくてもブーツが地面から 数センチだけ浮いて 滑るように進んでくれるんだよ。 実は、お年寄りのために作られた モノ だから、安全 第一 な作りをしている。 頑丈だしジャンプの補助や、キックのときのパワーアップもしっかり機能についている。 パールちゃん向きだと思うよ」

「そうだね、その手があったね! じゃあ『補助のリング』も 安全のためにつけたらいいね! ついでに 『お知らせ光』 もつけて 『遠見グラス昼夜兼用』で 完璧だね!」

 なんだか、また いろいろ でてきたけど……
 お年寄り用か……
 まだ、子ども用の方が なんだか いいけどな……

 テトリは、可哀想な子を見る目で、みていたが。

「パール。 おまえ いま、お年寄り用よりもまだ赤ちゃん用や子ども用の方が いい なんて、思ったんじゃないか? 竜人の赤ちゃんと子どもはパワフルで、止め方を知らないから、パワー を おさえる道具が多いんだぞ、そんなのパールは いらないだろう?」

 そうなんだ……
 竜人の赤ちゃんは パワフルで、止まらないんだ……

 はい。
 わたしは、お年寄り用が いいです。

 ウルグベお母さんが、補助リングや お知らせ光。
 それに遠見グラスと 腕輪や リングの魔道具をまとめて ひとつにできるリング。
 あとなにかの お薬? 
 サップリメント? を数種類、持 ってきてくれた。
  
 補助リングは、滑るブーツなどで転けそうになったときに空気のクッションを作って、からだを守って起こしてくれる モノ だそうだ。
 お知らせ光は、もし 迷子になったり、捕まったときなど 居場所を登録した者に 光 で知らせてくれる。
 特殊な光りを室内でも隙間があれば、空に向かってだす スグレモノ。
 子どもに持たせておくと便利だよ!っと 何個かセットで持たせてくれる。
 あと遠見グラスは、遠くもみれるし切り替えると、夜でも 昼間のようにみえる メガネだった。

 それから、高価な スペシャルな腕輪と 魔力を貯めておける ふたつのリングは無理だけど、あとの普通のリングは、十個 までなら ひとつにまとめておける リングをもらう。
 これを ひとつ指につけて重ねてつけたら、他のリングは吸収されて中に入るので、からだにつける モノ が 少なくて すむそうだ。
 これは うれしいかも。

「パールちゃんこれを、一粒 たべておきなさい。 これは、少しぐらい 寝なくても からだが疲れず元気になる サップリメントだよ。 寝ずに帰るなら、食べたほうがいい」

「そうだよ、パール! 食べておけ。 迷いの森で眠くなったら たいへんだぞ!」

 ウルグベお母さんにもテトリにも勧められて、一粒 食べておく。

 無味無臭…… 味が ない……
 やっぱり、お薬みたいな モノ だったのかな?

「ちょっと、お水が欲しくなる?」

 そう、食べた感想を言うと……

 ハッと した顔をして、ウルグベお母さんがお店の奥に走っていった。

 なんだか、ホント便利な モノ がいろいろあるな?

「もしかして、インクを付けなくてもいい ペン や  雨の日に外でもぬれないですむ モノ もあったりして?」

 なにもいわずにアリオさんが スッと だしてきて、おどろいた。

 ケップラー王国は、ホントに 進んだ国だ。

 店の奥から、タルボさんがフードつきのマントを持って戻ってきた。

「パールちゃん。 このマントをかぶって 帰ったら いいよ! これは変幻のマントなんだ。 いまいる場所で 一番 目立たない色を選んで変わるんだよ。 目立ちたくないときには 便利なんだ」

 すごい マントだ!

 夜なら その周辺の色に、昼ならまわりの色に合わせた色に自然に変化する。
 これは、おとなになっても補正で使えるから 一生 使えるし、マントだから防御の機能も ひと通りついているといっていた。

 ホントに すごい……

 お店の奥から、戻ってきた ウルグベお母さんが、コップと水瓶それからなにか、手のひらサイズのケースをいくつか持ってきて、まずはわたしに、お水を入れてくれる。

「おいしーー!? このお水、すごく おいしい! いままで飲んできた 中 で  一番 おいしいよ! 自分で だす魔法水よりおいしい水なんて、はじめてだよ!」

「やっぱり、そうかい。 パールちゃんの話を聞いて なんとなくそんな感じがしたのさ! これはすごく長生きした水のドラゴンの魔石を入れた 水瓶とコップの魔道具だよ。 あと他の魔石も特別長生きした ドラゴンの 火と 風と 氷に 雷の魔石さ。ケースに入れて持ってきたから ここぞっと いうときに使いな」

 よく聞くと、長生きしたドラゴンは 浄化の作用もあって、ケップラー王国でも 貴重らしい。

 冒険をして疲れたときに飲む水は、自分の魔法水では パワー も弱まっていて、のどは潤せても疲れはとれないし、逆に疲れていく 一方だという。
 そういうときは、魔石のお水がいいのだと教えてくれた。

 なるほど……

 この魔石は、特別いい モノ だから自分と同等の 魔力を持つことになる、赤ちゃんの行水や飲み水にすると強い子になるよっと 教えてもらう。
 そのかわり、弱い魔力の人にはあまりよくないそうだ。
 強すぎて、魔力酔いするらしい。
 パールちゃん専用にしたら 一生 大丈夫だよっといわれる。
 同じように、他の魔石も最高の モノ だから、使い方には気をつけてといっていた。

「パールちゃん、これは竜人の赤ちゃんが初めて身につける リングだよ。  生まれたての肌を優しく保護して動きを少し補助してくれる モノ なんだ。 パールちゃんのからだのまわりをやわらかい薄いバリアがつくし、身体強化の補助にも役立つんじゃないかな?  登録して付けておいて。  あとは、これだ…… ボクたちにくれた剣の代わりといったら怒られるけど……」

「なっ!? なんだよ! それっ アリオさん  それは、赤ちゃんのおもちゃの剣セットだよね……?」


 赤ちゃんの おもちゃーー?!

 また、これは ある意味すごいな……
 
 どう なるのかな?

これだけ いろいろもらったら、冒険だって なんだって ぜったい すごく楽しいよ!

 うふっ 

 やっぱり 迷い人 は 最高 ーー!!



 



しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

きっと幸せな異世界生活

スノウ
ファンタジー
   神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。  そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。  時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。  異世界レメイアの女神メティスアメルの導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?  毎日12時頃に投稿します。   ─────────────────  いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。  とても励みになります。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

一人暮らしのおばさん薬師を黒髪の青年は崇めたてる

朝山みどり
ファンタジー
冤罪で辺境に追放された元聖女。のんびりまったり平和に暮らしていたが、過去が彼女の生活を壊そうとしてきた。 彼女を慕う青年はこっそり彼女を守り続ける。

毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。

克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。

愛しのお姉様(悪役令嬢)を守る為、ぽっちゃり双子は暗躍する

清澄 セイ
ファンタジー
エトワナ公爵家に生を受けたぽっちゃり双子のケイティベルとルシフォードは、八つ歳の離れた姉・リリアンナのことが大嫌い、というよりも怖くて仕方がなかった。悪役令嬢と言われ、両親からも周囲からも愛情をもらえず、彼女は常にひとりぼっち。溢れんばかりの愛情に包まれて育った双子とは、天と地の差があった。 たった十歳でその生を終えることとなった二人は、死の直前リリアンナが自分達を助けようと命を投げ出した瞬間を目にする。 神の気まぐれにより時を逆行した二人は、今度は姉を好きになり協力して三人で生き残ろうと決意する。 悪役令嬢で嫌われ者のリリアンナを人気者にすべく、愛らしいぽっちゃりボディを武器に、二人で力を合わせて暗躍するのだった。

美味しい料理で村を再建!アリシャ宿屋はじめます

今野綾
ファンタジー
住んでいた村が襲われ家族も住む場所も失ったアリシャ。助けてくれた村に住むことに決めた。 アリシャはいつの間にか宿っていた力に次第に気づいて…… 表紙 チルヲさん 出てくる料理は架空のものです 造語もあります11/9 参考にしている本 中世ヨーロッパの農村の生活 中世ヨーロッパを生きる 中世ヨーロッパの都市の生活 中世ヨーロッパの暮らし 中世ヨーロッパのレシピ wikipediaなど

処理中です...