迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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83. 竜人の嫁入り道具?!

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 夫婦で抱き合って泣いている姿を眺めて、仲がいいなやっぱりツガイだからかなっと思っていると、急にアロさんが立ち上がり、その場で足踏みをする。 

 次は上級ポーションを持って、娘のスピノちゃんに走って飲ませにいくと言いだし、また バタバタしだす。

 それを今度はお父さんのマプさんが止めて、まずは わたしをタルボさんまで繋げないといけないと諭しだした。

 えっ、わたし?!

 それなら、もういっぱいもらったし、これで 十分だと言うと、いままで娘のスピノちゃんのところに走っていくと言っていたアロさんが、まだこれではぜんぜん足りないと言いだした。

「父さんをこんなに元気にしてくれた。 妻のアクロの傷もキレイに治った。 ボクの足も、このとおり……  娘には上級ポーションまである……  もっとお礼をしないと、テトリにボクたちを紹介してくれたブロンに……   スペシャルのマジックバックまで、すべての財産を渡したアイツに、顔向けができないよ!!」

「あぁ、そうだな! アロの言うとおりだ!」

「そうよ、そのとおりだわ! パールちゃん あなたは、わたしの娘!  今日、嫁いでいく!  そう しましょう!」


「「「「「 娘ーー? 嫁ぐーー?? 」」」」


「そうよ! お義父さん、アロ 。 もうスピノが嫁ぐと思って、嫁入り道具を 一式ここで揃えて持たせましょう!」

「おうー! それは、いい考えだ!」

 そういうことか……
 驚いた。
 どこかに嫁がされるのかと、あせたよ。

 それから、三人話しあってアクロさんが中心に、いろいろ揃えてくれることになった。
 
 
 わたしの国に、オトイレがないこと。
 両親がいないことを知って、娘をもつアクロさんになにかスイッチが入ったのか?

 キラキラ した目をして ……

「まずは、下着から…… 」

 また、下着なのか? 
 防犯機能付きかな?

 旅行用のピンクのかわいい魔法袋に、アクロさんのマジックバックから取りだした娘のスピノちゃんのやっぱり防犯機能付きのパンツと胸パットを入れて、わたしに近づくと隠すように紫色の袋を見せる。

 それもピンクの袋に サッと 入れると、小声で話しだした。

「パールちゃん。 大切なことだから、よく聞いてね! いま入れた紫色の袋の中の下着は、再生 機能付きの 特別な モノ なの。 まず、はじめに使うときは、結婚した その日の夜よ! それまでは、しっかり しまっておくこと。 いいわね! 何枚か入れてあるから、あとは自分たちで考えて。 これは、とっておきなのよ。 この下着はね、ふふふ……  と.け.る.の……     だから、ぜったい 結婚してからよ! わかった?  しっ! 」

 なに? 
 いま、なんといった! 
 とっ…… とけるのか? なぜ?!
 そして それが、また 再生する??
 もっと 聞きたい…… 
  でも……  アクロさん、しっ! って……?

 防犯用のパンツと真逆の モノ まであるようだ……
 
 とっておきとは、アクロさんの なのか?
 どんなの だ……ろう?
 すぐにだして、中を見てみたいけど……  
 だしたらぜったい、おこられるな……
 それは、なんだか わかる……

 アクロさんとナイショ話? をしていると夫のアロさんがテントを持ってやってきた。

「パールちゃん、このテントは ひとりで冒険するときに使うんだよ。 小さいけどね、その分 頑丈なんだ。ドラゴンの ひとふみぐらいは大丈夫、耐えれるよ!  火にも強くて、破れにくいんだ。 登録制だから、変なヤツらも入ってこれないよ!」

 すごい!! とける パンツより すごい!

 これは、中を見せてもらおう。


 あれ、だいぶ…… 広くないかな?

 外からみたら、大人が ひとりで寝るスペースぐらいしかないと思ったのに……

「見た目より中が、だいぶ 広いだろ! だから登録制なんだよ。 ほら、きてごらん。 はじめに見えるところはダミー  なんだ。 だれかのぞいても違和感がない、そしてこの奥。 ここが、生活 空間だよ」

 おどろきだ! 
 中には小さいコンロセットとテーブル。
 奥にはソファ…… 
 まだ部屋がある、ベッドルームだ! 
 こっちは、お風呂とオトイレ!

「すごい! いま住んでいる宿屋より広くて、すごくいいよ! あっ、テトリ! 外からわたしが見えた?」

 やっぱり男の子、テントに興味があるみたい。
 テトリもやってきた。

「これは、すごいな! 見えないよ。 こんな広いと思わなかった! 」

「だろっ! これなら隠れて少し料理もできるし、いいんだよ 」

 んっ、料理を隠れてする?
 そうか、いつもはサップリメントだといってたな。
 だから、コンロがあるのか?

「コンロの火は、どうやってつけるんだ? 」

 テトリが、興味しんしんで聞いていた。

「そうだ、それを確認しないと! パールちゃんの国では火はどうやって、つけるのかな? 」

 逆にアロさんに、たずねられてしまう。

「えっと…… 普通に、薪だけど? あと、火の魔石もたまに使うようなんだけど、高いんだって言ってたかな?」

「「  まき ?」」
 
「もしかして、木を燃やすのかい? 」

「おまえ、それはダメだろう! すごいなぁ! 」

 聞いてみると、ケップラー王国では魔石が大量にあるから、わざわざ大切な木を燃やさないようだ。

 魔石で火をつける方法と、水を使うときの魔石の方法もキチンと聞いておく。

 テントからでると、今度はマプさんがなにか持っている。

 大量の魔石詰め合わせだった。
 すごいタイミングのよさ!
 ざっと見て火に水に風に氷、それから無属性の魔石なんかかな?
 まだいろいろこんなに…… ありがたいな……

 今度はアクロさんが、アラクネの生地を大量に持ってきてこれで、成人のドレスと結婚式のドレスを作ってもらうのよっと、渡してくれた。

 娘のスピノさんのために、いまからためているのだそうだ…… いいのかな?

 まだまだ先だから、大丈夫だという。
 なんだか……
 ポーションだけでは、申し訳ない気がしてくるな……    なにか……

 そうだ、軟膏の 大 があった!

 アクロさんは傷で苦しんでいたから、ちょうど いいような? 

 治癒力の高い竜人さんに、これは必要ないような?
 どうしよう……
 聞いてみようか……

「アクロさん。 手荒れや軽い擦り傷なら治る軟膏があるんだけど、そんなのは治癒力の高い竜人さんには、必要ないかな? 」


「「「 いる (わ) !!」」」




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