迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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75. ブロンさんと試着室

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 笑顔で 全部 脱いで って、 あたりまえのように いうんだ……

 聞いてはいたけど  ホント いきなりですか?!

 テトリが、ブロンさんに いってくれた。
 
「ブロンさん、いくらなんでも ちょっと 急すぎないか? 」

 ありがとう! テトリ!

 わたしも、代わりの服もないのに 脱げないというと。

「あら、わたしったら 焦っちゃったわ~  ちょっと 待っててね!」

 お店の壁にあった 一枚のドレスを持って やってくる。

「パールちゃんが、女の子で よかったわ~ 」

 女の子用は たまに売れるから 数枚 置いてあるという。
 でも、これで どこに いくのか?

「もっと、動きやすいのが いいかな? いま、これを着たら 目立って しまうよ…… 」

「ンーッ そうよね、ちょっと 待ってて!」

 やっぱり、ドレスぽい シンプルな服だけど さっきよりは まし?
 でも、サイズが 大きくないかな?

「いまは、これで 我慢してね、次は マプさんの ところでしょ? そこには ちょうど いい服が いっぱい あるから、ここでは、思いっきり オシャレを しましょうね」

 グイグイ くるなぁー
 もう、あきらめて 着替えることにする。
 ちゃんと 試着室も あったし よかったよ。
 肩かけカバンは、テトリに 持っていてもらう。
 その様子も じっと ブロンさんに 見られていた。
 いや、様子じゃなく カバンだな。

 なんだか、食べられて しまうんじゃないかと 思うほど、ブロンさんが 見つめてくる。
 わたしの からだ……  服 だけど。
 一緒に 試着室に 入ってくる みたいだ……

「ブロンさん、わたし ひとりで 着替えられるけど? それに、ブロンさん  一応 男の人ですよね?」

「まあ、パールちゃん! ひどいわ! わたし、心 は女の子なのよ! ひどい、ひどい…… 」

 トンっと テトリに 肩を叩かれて、首を 横に振られる。

「あきらめろ…… もう、怪獣の人形だとでも思って  一緒に 入ってこい……」

「まあ、なんてことを! テトリも ひどいわー!」

 大きな からだを クネクネ と パールちゃんも テトリも ひどいと ごてだした。
 あきらめよう…… もう、いっそ テトリの 言う通り 怪獣の人形だと 思ってしまおう……  ふーっ

 試着室に 入っるのに まず 靴 を脱ぐ。
 すぐに、ブロンさんが その靴を 手にして まじまじ見ている。
 ちょっと、顔が 近いんじゃぁー    ないかな?
 臭くないのかな?  やだなぁ~
 そんな、わたしのことを ほっておいて 靴を 握りしめて、また 震えだした。

「これは、動物の革!? 魔物じゃ ないのね!!」

「えっ、そうですけど。魔物の革って、持ってたかな? たぶん、全部 動物の革だと 思いますよ でも、 アッ! ひとつだけ、シャークの革が あったかぁ……  アレは なに かな? 魔物? ちょっと わからないな? 」

「あーーっ なんてこと、女神さまーー!! テトリさまーー!! ありがとう! ありがとうございます!! パールちゃん それは、どこ? どこなの? 」

 靴を 握りしめて、もう、興奮しまくった 怪獣みたいだよ!

「ブロンさん、大丈夫? いったん 出る? 」

 フゥ フゥ 息をしている ブロンさんが 心配で 聞いてみたが、大丈夫、大丈夫と いって 試着室からは出ていかない みたいだ。
 どうも、シャークの革のことを いっている ようなので、ベストを 脱いで 渡してあげる。

「あーーっ!! これは、なに?! 表も すごいのに、裏は もっと すごいわーー!! ダメッ!  倒れそう!」

 えっ、試着室のドアを 開けて  テトリを 呼ぶ。
 あわててきた テトリが、ベストと 靴を 抱えて 座り込んで、のぼせたようになっていた ブロンさんに 魔法の風をあてて 大丈夫か 聞いていた。

 少し落ち着いた ブロンさんは、もう これだけで 田舎で、ゆっくり 死ぬまで 暮らしていけるわ っと 涙目でいうと、スクっと 立ち上がり さぁ 続きを しましょう っと テトリを 試着室から 追い出した。

 まぁ、もう ここまできたら しょうがない……
 シーナが作ってくれた、シャツと ズボンを 脱いであとは、袖のない 被るシャツと 膝までのパンツ いわゆる 下着姿になる。
 ブロンさんは、シャツと ズボンも 握りしめて わたしを見て 聞いてきた。

「パールちゃんって、なん歳 なの? 」

「わたし? もうすぐ、十 歳 だけど ? 」

「 十 歳ーー!! まだ 赤ちゃん じゃない!! 」

 急に 世話焼き しだして、上のシャツまで 脱がそうとする。
 下着が なくなるから ヤダっと ごてると、あわてて代わりの 下着? を 持ってきた。

「これは、いまのパールちゃんに 必要な 胸パットよ! 若い子の育成タイプを兼ねていて、外から見たらペッタンコにみえる 防犯機能付きなの! 内側が、少し異空間みたいになっているから 胸が大きくなっても締めつけないし、揺れないのよ! わたしも 使っているわぁ。パールちゃんは これから 頑張って 大きくしましょうね 」

 袖なしの被る ピッタリのシャツで おへそがみえる 変な長さだけど、着け心地は 最高!
 アラクネ っという 高級な魔物の糸で、できている みたいだ。
 同じように パンツ も 出してきたけど、これはぜったいに 脱がないというと、しょうがないわねっと あきらめてくれて ホッと した。
 
「このパンツは、短いのと 長いのがあって そのときの服で 長さを変えるの。これにも 防犯機能がついているから 嫌がっているときには 絶対 脱げないのよ! それに お漏らしをしても 大丈夫なように これも 少しだけ 内側が異空間になっているから パールちゃんみたいな 赤ちゃんにも 女の子のときにも とっても最適で 最高よ!」

 それは、オムツと いうことなのか? 
 
 そのあとも 靴下を ぬがされて、汚いから あげないというと あわてて 洗濯魔法袋を持ってきて 靴下を ほり込み 一分で 取り出すと 新品のように キレイに 洗われた靴下が 出てきて ビックリする。
 じっとみていたら もらえることになった。
 ブロンさんの私物らしく、だいたい 一分から長くても 五分ぐらいで 洗えるそうで 洗い終わりも 少し袋の色が 変わるから すぐにわかるそうだ。
 よいものを もらった!

 シンプルなドレスのような服は、とても 着心地がいい。
 大きいと思っていたのに 着たら ピッタリ。
 魔法の補正機能がついているようで、ある程度の大きさなら すべて カバー するそうだ。

 すごく進んだ国 なんだと 感心する。

 試着室の前には、またブロンさんが 倒れないかと 待機してくれていたテトリがいて わたしのドレス姿をみて 似合うぞっと ほめてくれた。
 ちょっと うれしい!

 靴を 履こうとしたら ない……
 ブロンさんが あわてて 新しい靴を 持ってきてくれる。
 ブーツのショートたけで 黄色ぽい茶色だった。
 ドレスが黄色だから まだ合うけど ちょっと 派手?
 ブロンさんの趣味 みたいだ。

 かわいいけど、これじゃ 冒険しずらいと 伝える。
 すると つぎは 冒険もできそうなブーツ。
 ボタンのような モノ を 押せば 最高ズボンのように長く伸びる 安全機能付きの ブーツを 出してくれた。
 色は 黒。
 これは、すごいな!

「んーーっ どっちに しよう? やっぱり冒険用かなぁ~ 安全機能付きっていってたしなあー  どうしよう? 」

「あら、両方 あげるわよ! 他にも いろいろ…… そうだわ!! もう 店ごと あげちゃう!! 」
  

「「 はぁっ?? 」」


 
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