迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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74. 異世界 ケップラー 王国

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 テトリが 百 十 歳 とは、おどろいた。
 竜人の寿命は 千 歳 が 普通だそうで、テトリは まだ百 十 歳 だから だいぶ 子どもだそうだ。
 わたしが、もうすぐ 十 歳 に なる というと すごく驚いて、赤ちゃん扱いしだしたので こっちが 驚いてしまった。

 ブロンさんに 渡す分までは、なんとか決まった。
 次は 旅行用品のお店のオーナーで マプさん。
 お孫さんのために ポーションが欲しい人だから、これは簡単!
 もう、ポーション 全部 あげたらいいでしょ!
 テトリもそれで 十分だと いっていた。

 その次が タルボさん。
 テトリが雇ってもらう、魔法袋を扱っている お店のオーナー 。
 高級なマジックバックじゃなくて、どちらかというと庶民が普段に持つ袋や 仕事で気軽に使う 袋タイプを扱っているそうだ。
 タルボじいさんは『もしも 話』のとき、売らないで お店に飾っておく モノ が 欲しいと 言っていたので、布よりも 革や剣などが いいという。
 腰巻きと 剣と採取用ナイフのベルトセットで どうかと テトリに聞く。
 それでいいというから 残りの息子さんは、背負うタイプの革のカバンと 腰に巻く 小さいカバン。
 あとは、毛布と 採取用の袋 大と 中 かな?
 テトリは、この魔道具屋さんでは、わたしが 国に帰ってから生活が 楽になる モノ を たくさん もらうために できるだけ、高価なモノを 残しておいて 渡したらいいと アドバイスしてくれる。
 他に なにがあったかな?
 お金? 軟膏? ホワイトベアーのキバ?

 テトリが ホワイトベアー の キバ は すごいと 驚いていたので 決定!

 なんとか 決まった。
 腰巻きも ベルトセットも 小さいカバンと 大きな背負うカバンも 全部しまったけど、肩かけのカバンまで魔法袋に入れると 手ぶらになってしまって 不自然で おかしいと テトリが忠告してくれた。
 見せてしまうと、とられる…… けど……
 まあ、いいか!
 ブロンさんの ところの モノ は 一流品だらけ だから、いっぱい もらおうと テトリが 言うし……
 薬草も カバンに 入れないといけない、もう あきらめた。

 テトリにもらった 魔法袋は、しばらく テトリに持っていて もらうことにする。
 わたしが カバンに入れて 持っていると、不自然だからね。
 テトリは そんな高価な モノ が 入っている袋は 持ちたくないと ごてていたけど 無視して 渡しておいた。
 あきらめて、さっき渡した 自分の採取用の小袋も しまったようだ。

 一件目の ブロンさんの お店まで 身体強化で 走っていくというと、十 歳 の 赤ちゃんでは 遅いと 抱っこされる。
 身長が変わらないので、断ったけど 力が 強くて ピクリともしないし 変な 抱っこの形?
 わたしをできるだけ 見られたくないから しゃがんで 小さく 丸まれ っと いわれ、丸まったわたしを 持ち上げて 自分の上着で 隠して 運ぶようだ。
 もういい、好きにして あきらめた……

 なっ、なんという はやさ!
 わたしの身体強化では、無理!!
 抱っこで、正解です……

 ブロンさんの お店まで 一瞬だったよ。
 
 キラッ キラッ と輝く キレイに整備された 黄金と あれは もしかして宝石?の道が 見えてきたときには、ちょっと 感動。

ポツン、ポツン と 間隔も広めで、一階建ての 大きめな お店が 金色にキラキラ輝いて 並んでいる。

 ここは、ホント 異世界 なんだ……

 ケップラー 王国の 王都 ハビタ なんだと テトリに 抱っこされながら 教えてもらい しみじみ思った。

「キレイ!!」

「そうか? ついたぞ!」

 あっさり している……
 ドアは、勝手に開いて !? 
 すぐ ブロンさんの お店の中に入れた。

「あら、いらっしゃっい! テトリじゃぁないの、んっ、なに もしかして もう ツガイを 見つけたのかしら?」

 ツガイ? そうか、竜人って ツガイなんだ……
 変なところで、いろいろ 驚いている 場合じゃないけど……

 ブロンさんは、大きなからだに 太めの手足で テトリがいうように 強そうだ。
 顔は小顔だけど 竜人だから ちょっと こわそう?
 でも、とても オシャレな 人だった。

「違うよ!  ブロンさん いま お店に ひとりでいたの?」

「そうよ、あなたたちが 今日 一番  はじめての お客様よ!」

「よかった! ブロンさん お店 閉めて! カギかけて! はやく! 」

「どうしたのよ? お店 閉めたら お客さんが 来れないじゃないの おふざけは ダメよ!」

 テトリの言い方じゃあ、ダメ だな。

「テトリ、おろして。わたしを見たら わかるから」

 テトリは、まだ お店にカギが かかって いないのに…… っと ブツブツ いいながら 優しく そっと おろしてくれた。

 ブロンさんは、わたしたちのやりとりを 子どもの お遊びのように 思って 見ていたようだけど……
 しゃがんでいた わたしが スクッ と 立つと、急に ブルブル 震えだして 目を ギュッと  一度 硬くすると すごい勢いで お店を 閉めてしまった。
  
「しっぽが…… ない。 テ、テトリ、あなた、あなた……  わたしに あっ、当たり人 の チャンスを くれたのねーっ! なんて、なんて、いい子!!」

 テトリは ブロンさんに 抱き上げられて 締め付けられている。
 よかった、気づいたようだ! 

 そう、わたしには しっぽが ない。
 竜人も、おとなになったら 消せるみたい だけど、子どものうちは 消せないようで、消せるようになって はじめて おとなの仲間入りと 認められるんだと テトリが 自分のしっぽを見せながら 話してくれた。
 だから、わたしのような 子どもの 迷い人 は わかりやすくて 危険だそうだ。

 しっぽがないのが、役に立った。

 しばらくすると、ブロンさんが復活して わたしのところに テトリを抱きしめて やってきた。

「は、はじめまして、わたしは ここのオーナー で ブロンよ! あなたは 迷い人 で 間違いない? 」

「はい、はじめまして。 わたしは、迷い人 になったパール と いいます」

 テトリもようやく、ブロンさんから 解放されて 話しだす。

「あーっ、苦しかった…… ブロンさん ひどいよ! 死ぬかと 思った! さっき、迷い人の パールを 見つけたんだ。 オレでは、なにも できないから ブロンさんのところに まずは 連れてきた。 前に 話していた とおりの順番で 紹介していくよ。 パールには もう伝えてある」

「そう、ありがとうね テトリ!  あなたにも お礼を させてもらうわね! でも、いまは こっち……  すごいわ!  全身 お宝ね!」
 
 わたしのまわりを ぐるぐる回って、ニコニコ しながら、やっと、とか、とうとうとか 聞こえてくる……

「パールちゃん、よろしくね! じゃーぁ、こっちで まずは 裸に なりましょうかー!!  さあー  全部 脱いでっ!!」


 っ!?    いきなり ですか!!

 
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