新撰組の女武士

紅奈

文字の大きさ
上 下
6 / 8
第三話

伊東さんが来たことより、ビックリしたよ

しおりを挟む
~前回までのあらすじ~
池田屋事件が勃発した1864年6月5日、今まで歴史通りに動いていた新撰組だったが、桜の助言により、歴史が変わってしまった。果たしてそれは良いことだったのか。

~1864 10/27 新撰組屯所~

あの池田屋事件から約4ヶ月たった。この4ヶ月間はそれほど忙しくなかった。この池田屋事件によって歴史上、次は“明保野亭事件”が起きるはずだったが、私の言った言葉により、全員で池田屋に向かったため、一人も残党を出さなかった。
そして今日、あの伊東甲子太郎が新撰組に入隊した。

桜「伊東さん、ですね。初めまして、新撰組の雑務を担当している、桜と申します。こらからどうぞよろしくお願いします。」

なかなか挨拶も様になってきたでしょ!

伊東「桜さんですね。初めまして、伊東甲子太郎と申します。これからよろしく。でも、驚きましたよ。この新撰組にも女がいるなんて。」
桜「あはは~。」

伊東さんには...言わないでおこう。

近藤「おぉ!伊東さん。待ってましたよ。さぁどうぞ中に。」
伊東「はい。では。」トットットッ
桜「あ~緊張した~。」
藤堂「お疲れ桜!どうだった伊東さん。」
桜「あぁ、なんか穏やかな人だね~。私もっといかつい人が来ると思ってた。」
藤堂「ハハハッ、まぁそうだろうな~。ここにいるやつみんなそんな感じだもんな~。」
桜「まぁね~。だから、平助くんとか一見てると落ち着くんだよ~。」
藤堂「おいそれどういう意味だよ!」

平助くんめっちゃ面白い笑
こういうのがあるから、ここにいても楽しいんだよね~。

~11月3日~

近藤「どうだい、刀の方は。」
桜「は、はい!永倉さん達に教えてもらっているので、多少はマシになったかと...」
近藤「そうか、永倉くん達がね~。...どうだい、今俺と一手交えてみないかい?」
桜「近藤さんと!?でも、私そこまで強くないですし...」
近藤「大丈夫だ!それに、始めたばかりなのだから、強くなくて当然!」
桜「そ、そうですか?なら、一手だけ。」
近藤「よし!そうと決まれば、稽古場に行くぞ!」
桜「はい。」

私なんかが新撰組の局長とやれるなんて...
相手になるのかな、いやならないな。

近藤「あ、そうだ。もう一人いた方がいいな。おーい、トシ!ちょっと手伝ってくれないかー?」
土方「俺かよ!」

~稽古場~
桜「よ、よろしくお願いします!」
近藤「よろしくお願いします。」
土方「それでは、始め!」

よ、よし!練習の成果を出すぞー!

近藤「お、なかなかいい筋をしているじゃないか。今度はこっちからもいかせてもらおうじゃないか!」

わっ!やっぱり強いな、近藤さんは。
でも...
桜「えいっ!」
近藤「っと、危ない危ない。」
土方「近藤さん、あんた大丈夫かい?」
近藤「大丈夫だ。問題ない。」

そして、それは5分が過ぎた頃だった。

桜「ヤー!」バシッ
土方「ッ!?い、一本!」

...んえ?一本?誰が?私が?まさか。...いや、私だ!

近藤「桜くん、君刀は握ったこともないと言っていたな。」
桜「は、はい。」
近藤「それなのに、この出来は素晴らしい!桜くん、新撰組の隊士にならんかね!?」
桜「え、えぇぇぇぇぇーーー!!!」



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

富嶽を駆けよ

有馬桓次郎
歴史・時代
★☆★ 第10回歴史・時代小説大賞〈あの時代の名脇役賞〉受賞作 ★☆★ https://www.alphapolis.co.jp/prize/result/853000200  天保三年。  尾張藩江戸屋敷の奥女中を勤めていた辰は、身長五尺七寸の大女。  嫁入りが決まって奉公も明けていたが、女人禁足の山・富士の山頂に立つという夢のため、養父と衝突しつつもなお深川で一人暮らしを続けている。  許婚の万次郎の口利きで富士講の大先達・小谷三志と面会した辰は、小谷翁の手引きで遂に富士山への登拝を決行する。  しかし人目を避けるために選ばれたその日程は、閉山から一ヶ月が経った長月二十六日。人跡の絶えた富士山は、五合目から上が完全に真冬となっていた。  逆巻く暴風、身を切る寒気、そして高山病……数多の試練を乗り越え、無事に富士山頂へ辿りつくことができた辰であったが──。  江戸後期、史上初の富士山女性登頂者「高山たつ」の挑戦を描く冒険記。

三賢人の日本史

高鉢 健太
歴史・時代
とある世界線の日本の歴史。 その日本は首都は京都、政庁は江戸。幕末を迎えた日本は幕府が勝利し、中央集権化に成功する。薩摩?長州?負け組ですね。 なぜそうなったのだろうか。 ※小説家になろうで掲載した作品です。

大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜

佐倉 蘭
歴史・時代
★第9回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★ 「近頃、吉原にて次々と遊女の美髪を根元より切りたる『髪切り』現れり。狐か……はたまた、物の怪〈もののけ〉或いは、妖〈あやかし〉の仕業か——」 江戸の人々が行き交う天下の往来で、声高らかに触れ回る讀賣(瓦版)を、平生は鳶の火消しでありながら岡っ引きだった亡き祖父に憧れて、奉行所の「手先」の修行もしている与太は、我慢ならぬ顔で見ていた。 「是っ非とも、おいらがそいつの正体暴いてよ——お縄にしてやるぜ」 ※「今宵は遣らずの雨」 「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」に関連したお話でネタバレを含みます。

転娘忍法帖

あきらつかさ
歴史・時代
時は江戸、四代将軍家綱の頃。 小国に仕える忍の息子・巽丸(たつみまる)はある時、侵入した曲者を追った先で、老忍者に謎の秘術を受ける。 どうにか生還したものの、目覚めた時には女の体になっていた。 国に渦巻く陰謀と、師となった忍に預けられた書を狙う者との戦いに翻弄される、ひとりの若忍者の運命は――――

裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する

克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。

狐侍こんこんちき

月芝
歴史・時代
母は出戻り幽霊。居候はしゃべる猫。 父は何の因果か輪廻の輪からはずされて、地獄の官吏についている。 そんな九坂家は由緒正しいおんぼろ道場を営んでいるが、 門弟なんぞはひとりもいやしない。 寄りつくのはもっぱら妙ちきりんな連中ばかり。 かような家を継いでしまった藤士郎は、狐面にていつも背を丸めている青瓢箪。 のんびりした性格にて、覇気に乏しく、およそ武士らしくない。 おかげでせっかくの剣の腕も宝の持ち腐れ。 もっぱら魚をさばいたり、薪を割るのに役立っているが、そんな暮らしも案外悪くない。 けれどもある日のこと。 自宅兼道場の前にて倒れている子どもを拾ったことから、奇妙な縁が動きだす。 脇差しの付喪神を助けたことから、世にも奇妙な仇討ち騒動に関わることになった藤士郎。 こんこんちきちき、こんちきちん。 家内安全、無病息災、心願成就にて妖縁奇縁が来来。 巻き起こる騒動の数々。 これを解決するために奔走する狐侍の奇々怪々なお江戸物語。

藤と涙の後宮 〜愛しの女御様〜

蒼キるり
歴史・時代
藤は帝からの覚えが悪い女御に仕えている。長い間外を眺めている自分の主人の女御に勇気を出して声をかけると、女御は自分が帝に好かれていないことを嘆き始めて──

処理中です...