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53話 シャベド攻防
しおりを挟む 護衛艦いせ CIC
「そろそろ、空爆の成果が送られてくるはずです」
「今回は、うちからだけでなく『ひゅうが』からもF35Bを出していますからね。それなりに効果はあるはずですが………」
反撃の第一歩である今回の作戦は、自衛隊としても全力でかかる必要があり、第二護衛隊群と第三護衛隊群の両方を投入していた。
F35Bからの報告へ期待が高まる中、ついにその報告が送られてくる。
「な………どういう………」
「て、敵の航空基地で大爆発が起きてるようですね………これは一体………」
その報告の内容に、喜び以上に驚きが大きい船員たち。しかし、群司令の竹沢だけは違った。
「普通に考えて、弾薬庫にでも誘爆したのだろう。………よし。まずは現在飛行中の敵航空戦力を排除せよ!その後は砲撃支援などをしつつ上陸作戦を開始するぞ!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
命令が下され、爆撃を終えたF35のうちの四機から二発ずつサイドワインダーが発射される。
みるみるうちに加速していったそれは、そのまま空の向こうへと消えていった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
シャベド防衛隊 作戦室
「な、何が起きてるんだ!?今の大爆発は!?」
「分かりません!ただ、対空陣地の部隊と航空基地は壊滅したかと………」
状況を把握しきれずに混乱する帝国軍の士官たち。
それを見ているアイリーンは、逆に落ち着いていた。
「制空権を取られた今、次に二ホン軍がやってくるのは大規模な都市への航空攻撃ね。それと、間違いなく上陸作戦を決行してくるはず。大規模な部隊を展開しても一方的に空からやられるだけよ!ここは部隊を小規模に分散させて、上陸してきた敵軍に奇襲を主軸とした戦いを行うしかない………わよね?」
最後はちょっと自信を無くしながらも、自分の考えを言い切ったアイリーン。
他の士官たちは、彼女のその考えに次々と賛同する。
「成る程。流石隊長!じゃあそうしましょう!」
「それが良いですね!」
「正直、良く分からないな………アイリーン様の案でいいんじゃない?」
とりあえずの方針が決まり、具体的な部隊の再配置に向けてそれぞれが慌ただしく動き出したころ………
「リネットだよ!入るね!?」
ガチャッ
焦ったような様子で部屋に入ってきたリネットに、アイリーンはあからさまに不機嫌な顔をしながら文句を言う。
「もう!貴方はこんなときにいったい何処へ………」
そんな文句を遮ってリネットは爆弾発言をする。
「それがね、アイリーンちゃ………隊長。本国から二ホン侵攻の準備に来てた部隊が、市場の方に展開しだしたの!」
「え、ええ!?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(sideノームル)
「良いか貴様ら!先ほどの攻撃を含めて二度、二ホンの航空戦力にわが軍は攻撃されたが、わが軍のアークドラゴンは一匹も撃墜されていない!これが何を意味するか分かるか?」
「わ、分かりません!」
「つまり!二ホンの航空戦力は対地攻撃は得意でも空中戦は苦手ということだ!先ほど見たように速度自体は極めて速いから、巡回中のアークドラゴンの警戒網をかいくぐってこれたということなのだよ!」
そうに決まっている。アークドラゴンは、とてつもない性能を誇る最強の竜だ。それを上回る航空戦力などあるわけがないし、ましてやこれまでの戦闘で直接空戦は行われていない。
二ホン軍がアークドラゴンとの直接対決を避けていると考えた時に二ホン軍の航空戦力は大したことがないという結論に落ち着く。
まあ、所詮は逃げ足が速いだけのポンコツだろう。
「だが、諸君!上空を見よ!」
俺の発言に反応して、兵士たちが上を見る。
「そう!今この空域に八匹のアークドラゴンが集っている!彼らが居る限り奴らも遠巻きにここを眺めることしか………」
ドスン!
後ろからとんでもない音がして、振り返る。
「は?」
そこにあったのは、アークドラゴンだった何かであった。
「そろそろ、空爆の成果が送られてくるはずです」
「今回は、うちからだけでなく『ひゅうが』からもF35Bを出していますからね。それなりに効果はあるはずですが………」
反撃の第一歩である今回の作戦は、自衛隊としても全力でかかる必要があり、第二護衛隊群と第三護衛隊群の両方を投入していた。
F35Bからの報告へ期待が高まる中、ついにその報告が送られてくる。
「な………どういう………」
「て、敵の航空基地で大爆発が起きてるようですね………これは一体………」
その報告の内容に、喜び以上に驚きが大きい船員たち。しかし、群司令の竹沢だけは違った。
「普通に考えて、弾薬庫にでも誘爆したのだろう。………よし。まずは現在飛行中の敵航空戦力を排除せよ!その後は砲撃支援などをしつつ上陸作戦を開始するぞ!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
命令が下され、爆撃を終えたF35のうちの四機から二発ずつサイドワインダーが発射される。
みるみるうちに加速していったそれは、そのまま空の向こうへと消えていった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
シャベド防衛隊 作戦室
「な、何が起きてるんだ!?今の大爆発は!?」
「分かりません!ただ、対空陣地の部隊と航空基地は壊滅したかと………」
状況を把握しきれずに混乱する帝国軍の士官たち。
それを見ているアイリーンは、逆に落ち着いていた。
「制空権を取られた今、次に二ホン軍がやってくるのは大規模な都市への航空攻撃ね。それと、間違いなく上陸作戦を決行してくるはず。大規模な部隊を展開しても一方的に空からやられるだけよ!ここは部隊を小規模に分散させて、上陸してきた敵軍に奇襲を主軸とした戦いを行うしかない………わよね?」
最後はちょっと自信を無くしながらも、自分の考えを言い切ったアイリーン。
他の士官たちは、彼女のその考えに次々と賛同する。
「成る程。流石隊長!じゃあそうしましょう!」
「それが良いですね!」
「正直、良く分からないな………アイリーン様の案でいいんじゃない?」
とりあえずの方針が決まり、具体的な部隊の再配置に向けてそれぞれが慌ただしく動き出したころ………
「リネットだよ!入るね!?」
ガチャッ
焦ったような様子で部屋に入ってきたリネットに、アイリーンはあからさまに不機嫌な顔をしながら文句を言う。
「もう!貴方はこんなときにいったい何処へ………」
そんな文句を遮ってリネットは爆弾発言をする。
「それがね、アイリーンちゃ………隊長。本国から二ホン侵攻の準備に来てた部隊が、市場の方に展開しだしたの!」
「え、ええ!?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(sideノームル)
「良いか貴様ら!先ほどの攻撃を含めて二度、二ホンの航空戦力にわが軍は攻撃されたが、わが軍のアークドラゴンは一匹も撃墜されていない!これが何を意味するか分かるか?」
「わ、分かりません!」
「つまり!二ホンの航空戦力は対地攻撃は得意でも空中戦は苦手ということだ!先ほど見たように速度自体は極めて速いから、巡回中のアークドラゴンの警戒網をかいくぐってこれたということなのだよ!」
そうに決まっている。アークドラゴンは、とてつもない性能を誇る最強の竜だ。それを上回る航空戦力などあるわけがないし、ましてやこれまでの戦闘で直接空戦は行われていない。
二ホン軍がアークドラゴンとの直接対決を避けていると考えた時に二ホン軍の航空戦力は大したことがないという結論に落ち着く。
まあ、所詮は逃げ足が速いだけのポンコツだろう。
「だが、諸君!上空を見よ!」
俺の発言に反応して、兵士たちが上を見る。
「そう!今この空域に八匹のアークドラゴンが集っている!彼らが居る限り奴らも遠巻きにここを眺めることしか………」
ドスン!
後ろからとんでもない音がして、振り返る。
「は?」
そこにあったのは、アークドラゴンだった何かであった。
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