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46話 空からの脅威
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帝国の港湾都市シャベド。そこから北側に大きな平野が広がっている。
そこには、五万以上の帝国兵が集まっている。
それを小高い丘から若い二人の女性が見下ろしていた。
「ここまで大量の部隊が集うのは、初めて見たわね。でも、聞いたこともない島国相手にこれほどの部隊を投入するほど手こずるなんてね………この国も落ちぶれてきたのかもしれないわね」
帝国軍三等将官にして、シャベド防衛隊隊長のアイリーンは鼻で笑いながら眼下の光景をそう切り捨てた。
「隊長、そんなこと言って連中の耳に入ったらどうするんです!?もしバレたら降格は免れませんよ!?」
部下である四等将官のリネットが慌ててそう諫めるが、彼女はそれを気にもしない。
「事実じゃない。二ホンってのは弱いんでしょう?少なくとも軍本部からの通達では技術力はそれなりだけど軍事力は大したことはないって話だったのだけれど」
「きっと予想以上に二ホンが強かったんですよ。二ホン侵攻艦隊も押してはいるけど中々決めきれないらしいですし」
リネットがそう返すと、アイリーンは笑い出す。
「ふふ、ははは………あははははは!それもそれでダメじゃない。二ホンの実力を見誤って戦争を仕掛けて、苦戦しているのでしょう?それじゃあ情報収集出来ていなかったってことじゃない」
「そ、それはそうなんですが………というか隊長!早く作戦会議に戻ってください!」
「嫌よ。面倒なのだもの。どうせいつもみたいに下世話な話が大半でしょう?奴隷にした女をどうのこうのとか………吐き気がするのよ」
いつものように、そんな風に揉めていると何かが海側から聞こえてくる。
ゴオオオ………
「なんか、今変な音聞こえなかったかしら?海の方から………………へ?」
「隊長、そんなこと言ってごまかそうとしても無駄ですよ!全くアイリーンちゃ…隊長は………………アレ、何ですかね?」
音が気になり、した方向である海の方を見ると点がいくつも見えてくる。
「あれ.何なんですかね………アークドラゴンには見えないですけど………」
リネットがそう困惑していると、アイリーンが何かに気付いて焦り出す。
「………じゃあ他国の航空戦力じゃないの!?は、はやく下に居る奴らに伝えないと!敵襲よ!」
アイリーンが丘を駆け下りようとしたその瞬間。
ドオオオオン!!
「「!?」」
空を見上げると、複数の灰色のモノがとんでもない速さで通り過ぎていくと同時に、何かを落とす。
そして響く轟音。それも一つだけではない。いくつもだ。
「え、え、え、え!?」
大爆発であった。凄まじい炎と煙、音がこちらにまで伝わってくるほどの。
ドオオオオン!
ドオオオオン!
ドオオオオン!
少したって、大爆発が収まる。
恐る恐る、アイリーンは兵士たちの居た平野を見下ろす。
目に入ってきたのはテントが燃え、兵士たちが地面に転がっている地獄のような光景だった。さらに、肉が焼けたような匂いが漂ってくる。………それが何の肉かなど分かりきった話であろう。
「あ、ああああ………」
「こ、これは………隊長、次が来る前に逃げますよっ!」
反射的に、リネットはアイリーンの手を引いて走り出す。
帝国軍において、敵前逃亡は重大な軍規違反だ。だが、二人はそんなことは微塵も考えていなかった。
あったのは明確な死への恐怖と、助かりたい一心だけである。
そこには、五万以上の帝国兵が集まっている。
それを小高い丘から若い二人の女性が見下ろしていた。
「ここまで大量の部隊が集うのは、初めて見たわね。でも、聞いたこともない島国相手にこれほどの部隊を投入するほど手こずるなんてね………この国も落ちぶれてきたのかもしれないわね」
帝国軍三等将官にして、シャベド防衛隊隊長のアイリーンは鼻で笑いながら眼下の光景をそう切り捨てた。
「隊長、そんなこと言って連中の耳に入ったらどうするんです!?もしバレたら降格は免れませんよ!?」
部下である四等将官のリネットが慌ててそう諫めるが、彼女はそれを気にもしない。
「事実じゃない。二ホンってのは弱いんでしょう?少なくとも軍本部からの通達では技術力はそれなりだけど軍事力は大したことはないって話だったのだけれど」
「きっと予想以上に二ホンが強かったんですよ。二ホン侵攻艦隊も押してはいるけど中々決めきれないらしいですし」
リネットがそう返すと、アイリーンは笑い出す。
「ふふ、ははは………あははははは!それもそれでダメじゃない。二ホンの実力を見誤って戦争を仕掛けて、苦戦しているのでしょう?それじゃあ情報収集出来ていなかったってことじゃない」
「そ、それはそうなんですが………というか隊長!早く作戦会議に戻ってください!」
「嫌よ。面倒なのだもの。どうせいつもみたいに下世話な話が大半でしょう?奴隷にした女をどうのこうのとか………吐き気がするのよ」
いつものように、そんな風に揉めていると何かが海側から聞こえてくる。
ゴオオオ………
「なんか、今変な音聞こえなかったかしら?海の方から………………へ?」
「隊長、そんなこと言ってごまかそうとしても無駄ですよ!全くアイリーンちゃ…隊長は………………アレ、何ですかね?」
音が気になり、した方向である海の方を見ると点がいくつも見えてくる。
「あれ.何なんですかね………アークドラゴンには見えないですけど………」
リネットがそう困惑していると、アイリーンが何かに気付いて焦り出す。
「………じゃあ他国の航空戦力じゃないの!?は、はやく下に居る奴らに伝えないと!敵襲よ!」
アイリーンが丘を駆け下りようとしたその瞬間。
ドオオオオン!!
「「!?」」
空を見上げると、複数の灰色のモノがとんでもない速さで通り過ぎていくと同時に、何かを落とす。
そして響く轟音。それも一つだけではない。いくつもだ。
「え、え、え、え!?」
大爆発であった。凄まじい炎と煙、音がこちらにまで伝わってくるほどの。
ドオオオオン!
ドオオオオン!
ドオオオオン!
少したって、大爆発が収まる。
恐る恐る、アイリーンは兵士たちの居た平野を見下ろす。
目に入ってきたのはテントが燃え、兵士たちが地面に転がっている地獄のような光景だった。さらに、肉が焼けたような匂いが漂ってくる。………それが何の肉かなど分かりきった話であろう。
「あ、ああああ………」
「こ、これは………隊長、次が来る前に逃げますよっ!」
反射的に、リネットはアイリーンの手を引いて走り出す。
帝国軍において、敵前逃亡は重大な軍規違反だ。だが、二人はそんなことは微塵も考えていなかった。
あったのは明確な死への恐怖と、助かりたい一心だけである。
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