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42話 三者会談➁
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「じゃあ、会議を再開するね?………と、ところでハナさん。さっきのは本当なのかい?」
再開するや否や、葉名に疑問を投げかけるコーデリア。
「はい。本当ですよ?通信魔法とやらを使える他国の民間人にご協力いただいて意思疎通を行いましたから」
そんな疑問に冷静に答える葉名。
「い、いや………えええ………いや………うん………」
まったく取り乱していない葉名と逆に、コーデリアは未だに混乱しているのがうかがえる。
「そ、そんなことがあるはずが………ま、まあ良い。我々の本題は講和なのだ!それが本当にせよ嘘にせよ関係あるまい!」
ガバダが虚勢をはっているのか、張り裂けんばかりの大声でそう叫ぶ。
「はい。おっしゃる通りですね。ただ、我が国が講和条件として帝国に求める条件がいくつかあります。こちらの書類をご覧いただければ」
そんなガバダにも動揺せず、葉名は書類をガバダへと差し出す。
「条件だと!貴様、どちらが上か分かっていないようだな………」
あくまで帝国が上だという立場を崩さないガバダは、葉名に対して高圧的な態度を取り続ける。しかし、葉名はそれに対して強烈なカウンターを入れた。
「その言葉、そっくりそのままお返しいたします。帝国艦隊総勢640隻、全てが尖閣沖で沈没させられたのですよ?それにも関わらず何故自分たちの方が上だと信じていられるのかが分かりませんね」
「なっ………四大魔王ではなかったのか!?」
動揺し、思わず口を滑らしてしまうガバダ。
「な、何だって?それが本当なら………」
考え込み始めるコーデリア。
(不味い!連合に舐められかねんがゆえに隠さなければならなかったのに………)
ガバダがそう気づいたときにはもはや後の祭りである。
「今、貴方の口から艦隊全滅を肯定する言葉が出ましたよね?そして、我々が無関係なら我々はそれを知らないはず………」
「黙れ!あくまで連絡が取れぬだけだ!全滅したと決まったわけでは………」
反射的にそう言い返して、ハッとする。
「連絡が取れないのは、事実なんだね。成る程………」
コーデリアがそう言ったきり、なにやらまた考え出す。
「では、今日はこれで失礼させていただきます。帝国の皆様にもし条件を飲んでいただけるのなら、ナルカル連合を通じて我が国へお伝えください」
「ま、待て!」
「待ちませんよ。もう話は終わったのですから」
ガバダの制止を聞かず、葉名は扉へと歩き出す。他の日本側のメンバーもあっという間に出ていく。
「………わ、我々も帰るぞ!あんなもの、所詮はただのこけ脅しに違いない!」
ガバダも、どこか自分に言い聞かせるような態度でそう言い残し、逃げるように去っていった。帝国側のメンバーもそれに追随していくが、大半はどこか不安げな表情を浮かべている。
後に残されたのは、連合のコーデリア達だけ。
「………帝国が本当に負けたのか情報部に調査させる必要があるね。後、二ホンが帝国を破った後こちらに攻めてくるパターンもないとは言えない。帝国との国境の部隊も増やしておいてくれ。それと………エリー」
「はい!なんでしょうか大統領!」
「帝国内での黒人の扱いに関して、もう一度調べなおしてくれ」
「了解しましたが………既に前回の調査で帝国内では黒人への重大な差別が常態化している、という結論が出ていますが」
「分かってる。その結果が変わらないことも分かってるさ。でも、最後の一押しが欲しくてね………頼むよ」
エリーに対してそう命じるコーデリアの表情は、何かを決めかねた表情だった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(sideガバダ)
不味い不味い不味い不味い不味い。
皇帝陛下から命じられた講和に失敗したのもそうだが、それ以上に二ホンが想像以上の国だったかもしれない。
数百年間、この星の北側に姿を見せなかった四大魔王。はるか昔に百の国と数千万もの人々を殺戮して破壊しつくしたという連中だ。『言うことを聞いてくれた』などとあの女はのたまっていたが、そんな相手に話など通じるはずがない!
ならばどうやって言うことを聞かせたかなど分かる話だろう。
そもそも、魔王に破壊しつくされていれば三者会談に代表を送るなど不可能なはずだ。ということは二ホンは四大魔王相手に善戦以上はしている………
そんな相手との講和に失敗したのだとしたら………この先二ホンとの戦争が続いて、負け続けたならその責任は………
「いや、だが………」
ハナから渡された講和の条件。これが軽ければ本国も飲むだろう。そうすればこの失態も上手く誤魔化せ………
「………騎兵用の一角馬は何処だったかな」
再開するや否や、葉名に疑問を投げかけるコーデリア。
「はい。本当ですよ?通信魔法とやらを使える他国の民間人にご協力いただいて意思疎通を行いましたから」
そんな疑問に冷静に答える葉名。
「い、いや………えええ………いや………うん………」
まったく取り乱していない葉名と逆に、コーデリアは未だに混乱しているのがうかがえる。
「そ、そんなことがあるはずが………ま、まあ良い。我々の本題は講和なのだ!それが本当にせよ嘘にせよ関係あるまい!」
ガバダが虚勢をはっているのか、張り裂けんばかりの大声でそう叫ぶ。
「はい。おっしゃる通りですね。ただ、我が国が講和条件として帝国に求める条件がいくつかあります。こちらの書類をご覧いただければ」
そんなガバダにも動揺せず、葉名は書類をガバダへと差し出す。
「条件だと!貴様、どちらが上か分かっていないようだな………」
あくまで帝国が上だという立場を崩さないガバダは、葉名に対して高圧的な態度を取り続ける。しかし、葉名はそれに対して強烈なカウンターを入れた。
「その言葉、そっくりそのままお返しいたします。帝国艦隊総勢640隻、全てが尖閣沖で沈没させられたのですよ?それにも関わらず何故自分たちの方が上だと信じていられるのかが分かりませんね」
「なっ………四大魔王ではなかったのか!?」
動揺し、思わず口を滑らしてしまうガバダ。
「な、何だって?それが本当なら………」
考え込み始めるコーデリア。
(不味い!連合に舐められかねんがゆえに隠さなければならなかったのに………)
ガバダがそう気づいたときにはもはや後の祭りである。
「今、貴方の口から艦隊全滅を肯定する言葉が出ましたよね?そして、我々が無関係なら我々はそれを知らないはず………」
「黙れ!あくまで連絡が取れぬだけだ!全滅したと決まったわけでは………」
反射的にそう言い返して、ハッとする。
「連絡が取れないのは、事実なんだね。成る程………」
コーデリアがそう言ったきり、なにやらまた考え出す。
「では、今日はこれで失礼させていただきます。帝国の皆様にもし条件を飲んでいただけるのなら、ナルカル連合を通じて我が国へお伝えください」
「ま、待て!」
「待ちませんよ。もう話は終わったのですから」
ガバダの制止を聞かず、葉名は扉へと歩き出す。他の日本側のメンバーもあっという間に出ていく。
「………わ、我々も帰るぞ!あんなもの、所詮はただのこけ脅しに違いない!」
ガバダも、どこか自分に言い聞かせるような態度でそう言い残し、逃げるように去っていった。帝国側のメンバーもそれに追随していくが、大半はどこか不安げな表情を浮かべている。
後に残されたのは、連合のコーデリア達だけ。
「………帝国が本当に負けたのか情報部に調査させる必要があるね。後、二ホンが帝国を破った後こちらに攻めてくるパターンもないとは言えない。帝国との国境の部隊も増やしておいてくれ。それと………エリー」
「はい!なんでしょうか大統領!」
「帝国内での黒人の扱いに関して、もう一度調べなおしてくれ」
「了解しましたが………既に前回の調査で帝国内では黒人への重大な差別が常態化している、という結論が出ていますが」
「分かってる。その結果が変わらないことも分かってるさ。でも、最後の一押しが欲しくてね………頼むよ」
エリーに対してそう命じるコーデリアの表情は、何かを決めかねた表情だった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(sideガバダ)
不味い不味い不味い不味い不味い。
皇帝陛下から命じられた講和に失敗したのもそうだが、それ以上に二ホンが想像以上の国だったかもしれない。
数百年間、この星の北側に姿を見せなかった四大魔王。はるか昔に百の国と数千万もの人々を殺戮して破壊しつくしたという連中だ。『言うことを聞いてくれた』などとあの女はのたまっていたが、そんな相手に話など通じるはずがない!
ならばどうやって言うことを聞かせたかなど分かる話だろう。
そもそも、魔王に破壊しつくされていれば三者会談に代表を送るなど不可能なはずだ。ということは二ホンは四大魔王相手に善戦以上はしている………
そんな相手との講和に失敗したのだとしたら………この先二ホンとの戦争が続いて、負け続けたならその責任は………
「いや、だが………」
ハナから渡された講和の条件。これが軽ければ本国も飲むだろう。そうすればこの失態も上手く誤魔化せ………
「………騎兵用の一角馬は何処だったかな」
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