日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。

スライム小説家

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35話 嵐は去った………去った?

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(sideライリア)

「ほ、本当にやるんですか?」

「大丈夫、これに書いてある内容を君の通信魔法とやらで伝えてくれればそれで良いんだ。これが終わったらご褒美を上げよう。お金が良いかい?宝石の方が好きかな?それとも広いおうち?」

「………子供扱いはやめてくださいとは言いましたが、そういう生々しいのも嫌ですね………」

たった今、私は大仕事に取り掛かろうとしていました。

二ホンのメッセージを、何者かに通信魔法で伝えるという大仕事をです。………その何者かが普通の相手じゃないのは読めています。余程の魔力の多い相手出なければ使えない私の通信魔法がわざわざ意思疎通の手段として抜擢されるということは、相手がとんでもない魔力を持っているのはほぼ確定。
そして、普通こういう場合に使うような魔法通信機が使えない相手となると。

恐らく、かなりの実力を持った魔族でしょう。
下手に無礼を働けば、私が死ぬ。

そんな風に考えていると胃がキリキリと痛んでくるのですが、泣き言は言っていられません。

「それじゃあ、始めてもらっていいかな?」

「え、ええ。やりますとも、やります」

周囲に二ホンの人たちが集まり、緊張感の漂う中で、私は通信魔法を発動しました。


『名も知らぬそこの強きものよ!私の名はライリア・セールフアラ!二ホン国の貴方への意思表示のためにこうしてあなたへ呼びかけている!もし聞こえていれば何りゃかの返答をしていただきたい!』


『うむ、聞こえているぞ!ところでなんりゃか?とは何なのだ?』

即座に帰ってくる少女の声。












『聞こえているのなら宜しい!二ホン国はあなたと戦うつもりはないが、あなたが二ホンの戦闘機を撃墜したのではないかと考えており、イマイチあなたを信用しきれていない!また、今は色々と二ホン側の都合もあるので、現在はとりあえずあにゃたには帰っていただき………』

『それに関してはワタシは知らないが………うーむ………………あにゃた?』












『しゃ、しゃん………3か月後にまたこの近海でまた連絡をとりあおうということに』

『しゃんか月後………ふ、ふふっ。ああ、それでもワタシは別にいいぞ!これでも数億年は生きているのだ、その程度なら全く構わないぞ!……にしても…ふふっ…ふふふっ…』












『黙れクソガキいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!!!!!』

『わ、悪かった!悪かったから帰るのだ!』

そして突然、通信魔法の発動が停止しました。恐らく少女の魔族は去っていったのでしょう。

………今のめっちゃ失礼だったのでは?











「みーなさん♪無事、終わりました♪」

「そ、それは本当ですか!?では、そこの紙に記した内容も全て………」

「はい♪快諾してくれましたよ♪」

わ、私は悪くない。私は何もしていない。

ともかく、大仕事を終えた私の『正確』な報告を聞いて、周りの皆さんも喜んだり何かを話し出したりと様々な反応をしている。


「よし。とりあえず、これで帝国に専念できるな」

「ああ、だが、例の相手が何なのかについても対策を………」

「クラート王国側に連絡したのだが、やはり『魔族』の可能性が高いらしい。それを踏まえると~」

「しかし、ライリアさんの通信魔法は魔力とやらがそうとう高い相手にしか使えないのだろう?そうすると相手も魔力がたくさんあったということか………空飛ぶヒト、魔力………ファンタジーだな」

難しそうな話が多めで良く分かりませんが、とりあえず反応は悪くなさそうです。

………これで良い、これで良いんです。
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