日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。

スライム小説家

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31話 大混乱②

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首相官邸 閣議室

「よし、これで全員集まりましたね。ではこれより、尖閣諸島付近に出現した飛行体への対応についての臨時閣議を開始しましょう」

 最初に岸川がそう言うと、新内閣初めての臨時閣議が始まった。

「さて、木市防衛大臣。今回の件について説明をお願いします。出来る限り手短に頼みますよ」

 続けて岸川は防衛大臣の木市に説明するように促す。

「は、はい。尖閣付近に所属不明の音速を超える飛行体が出現、それに対応しようと那覇から2機のF15Jがスクランブル発進するも、片方が行方不明。それとほぼ同時にもう片方も飛行体に背後を取られて追跡され始めます。
 この事態に現場の部隊がF15J四機を派遣、一時は融和的に出ようとしたものの、片方のスクランブル機が行方不明になった事を受けて飛行体へ攻撃開始」

 木市が一気にそう言うと、一息ついてその後を続ける。

「攻撃で複数の空対空ミサイルを命中させましたが効果なし。そしてその直後に飛行体から敵意は無い旨の発言が飛行体側から発信され、現在はF15JやE2C、現場の護衛艦などで監視中です………ふう、疲れた………」

 言い終わると、喉が渇いたのかコップの水をすぐに飲み出す。

「ご苦労。それで、とりあえずの方針なのだが、一旦帰って貰おうと思う」

 間髪入れずに岸川がそう話すと、木市がよっぽど驚いたのかむせながら反発する。

「なっ!ゴホッゴホッ、行方不明のスクランブル機はその飛行体にやられた可能性が極めてたか…ゴホッ、ゴフッ」

 ………大丈夫なのだろうか。

「私も反対です、総理。経緯から考えるに、敵意が無いというのはまずあり得ないように思えます。だいたい、無線が通じず遥か上空に居る相手にそれを伝える手段が無いでしょう?」

 葉名もそう反対するが、岸川はニヤニヤしながらこう返す。

「ふふふ、考えがあるのだよ。ふふふ…」

(気持ち悪い…)

 心の中では辛辣な葉名であった。
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