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34話 意見の食い違い
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ウィストラ大陸上にあるほぼ未舗装の荒野を、二十台もの軽装甲機動車が突き進んでいた。それらに乗っているのは先ほどインベルド王国との交渉を終えた葉名外務大臣、外務省職員にそれらを警護する自衛隊員である。
そのうち一台の軽装甲機動車の中で、葉名と外務省職員の羽田が話していた。
「外務大臣、先ほどのインベルドとの会談お疲れ様でした」
「ええ、ありがとうございます。それで、次はリマとの条約締結ですよね」
「はい。そういえば外務大臣、今回のリマとの条約はどういう条件で行く予定なんですか?」
「あれ?貴方には書類が渡されていなかったんですか!?これは私用のですが、一応見ておいてください」
何かの不手際なのか、リマとの条約についての書類が渡されていなかった羽田に葉名が彼女用の書類を渡す。
「これは………」
「先ほどの条約と賠償や政府や軍の管理に関して以外はあまり変わりませんからそこまで読まなくても大丈夫だと思いますよ」
「何故、ほぼ変わらないのです?敵対していたインベルド王国はともかく、彼らの被害者であるリマ国にもここまで厳しい条件を出すのはおかしいのではありませんか?」
羽田はやや怒りながら、そう指摘する。だが葉名はその指摘へ、笑いながらあっさり答える。
「リマに関しては、クラートと違って我々におんぶにだっこでしょう。強く出たって相手は反発できないはずです。この条件でも100%交渉は上手くいきますよ」
「そういうことではありません!」
その回答へ羽田ははっきりと怒りをあらわにするが、葉名ははっきりと言い返す。
「いいえ、それが全てです。この条件で日本リマ平和友好条約が成立すれば、我が国にとって大きな国益となる。そして、それは恐らく実現する。リマ国は可哀そうですが、これも外交でしょう」
二人の意見の食い違いはやがて、激しい言い争いへと発展していく。
「あくまで今回の件は国際平和を維持し、リマをテロリストから助けるための実力行使だったはずです!リマにこんな要求をするのは間違っている!」
「我々の仕事は我が国へ出来る限り有利になるように外交を行うことです。貴方は何か勘違いしていますね」
「ふ、二人とも落ち着いてください!そろそろ一旦車をとめて小休止をとります!言い争うのはそこでにしてください」
運転していた陸自の山田がそう言って、二人を宥める。
「羽田さんが言いだすからです。私は何も悪くありませんよ」
「な、何だと!」
「ちょ、二人とも落ち着いてくださいって!」
… … …三十分後
「ふう、やっと一息つける………」
一旦の小休止を予定していた場所に到着して、山田も一息をついていた。
「あーあ、ここの掃除もしなきゃな………うん?」
後部座席の掃除をしなければいけないことを思い出し、後ろの方を見てみる。すると、書類が二つ置いてある。
「置き忘れかよ、しっかりしてほしいぜ。………」
恐る恐る周りを見回す。だれもこちらを見ていない。皆整備や掃除で忙しいのだろう。
「ちょっとくらい、良いよな」
(羽田という職員があれだけ言うほどなんだ。よっぽどのものに違いない)
興味本位に見てみると、その内容は………
そのうち一台の軽装甲機動車の中で、葉名と外務省職員の羽田が話していた。
「外務大臣、先ほどのインベルドとの会談お疲れ様でした」
「ええ、ありがとうございます。それで、次はリマとの条約締結ですよね」
「はい。そういえば外務大臣、今回のリマとの条約はどういう条件で行く予定なんですか?」
「あれ?貴方には書類が渡されていなかったんですか!?これは私用のですが、一応見ておいてください」
何かの不手際なのか、リマとの条約についての書類が渡されていなかった羽田に葉名が彼女用の書類を渡す。
「これは………」
「先ほどの条約と賠償や政府や軍の管理に関して以外はあまり変わりませんからそこまで読まなくても大丈夫だと思いますよ」
「何故、ほぼ変わらないのです?敵対していたインベルド王国はともかく、彼らの被害者であるリマ国にもここまで厳しい条件を出すのはおかしいのではありませんか?」
羽田はやや怒りながら、そう指摘する。だが葉名はその指摘へ、笑いながらあっさり答える。
「リマに関しては、クラートと違って我々におんぶにだっこでしょう。強く出たって相手は反発できないはずです。この条件でも100%交渉は上手くいきますよ」
「そういうことではありません!」
その回答へ羽田ははっきりと怒りをあらわにするが、葉名ははっきりと言い返す。
「いいえ、それが全てです。この条件で日本リマ平和友好条約が成立すれば、我が国にとって大きな国益となる。そして、それは恐らく実現する。リマ国は可哀そうですが、これも外交でしょう」
二人の意見の食い違いはやがて、激しい言い争いへと発展していく。
「あくまで今回の件は国際平和を維持し、リマをテロリストから助けるための実力行使だったはずです!リマにこんな要求をするのは間違っている!」
「我々の仕事は我が国へ出来る限り有利になるように外交を行うことです。貴方は何か勘違いしていますね」
「ふ、二人とも落ち着いてください!そろそろ一旦車をとめて小休止をとります!言い争うのはそこでにしてください」
運転していた陸自の山田がそう言って、二人を宥める。
「羽田さんが言いだすからです。私は何も悪くありませんよ」
「な、何だと!」
「ちょ、二人とも落ち着いてくださいって!」
… … …三十分後
「ふう、やっと一息つける………」
一旦の小休止を予定していた場所に到着して、山田も一息をついていた。
「あーあ、ここの掃除もしなきゃな………うん?」
後部座席の掃除をしなければいけないことを思い出し、後ろの方を見てみる。すると、書類が二つ置いてある。
「置き忘れかよ、しっかりしてほしいぜ。………」
恐る恐る周りを見回す。だれもこちらを見ていない。皆整備や掃除で忙しいのだろう。
「ちょっとくらい、良いよな」
(羽田という職員があれだけ言うほどなんだ。よっぽどのものに違いない)
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