日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。

スライム小説家

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32話 インべリアーロ攻略作戦③

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「先ほどから続く音は何なんだ?」

「西の城壁から音がしたぞ!」

「いや、俺は北の正門の方からしたように感じたぞ!」

 インベリア―ロ城に滞在し、国王を守る近衛騎士団。彼らは、聞いたことのない爆音に混乱していた。

「きっと敵だ!」

「飛行騎士を飛ばせ!上空から状況を確認するんだ!」

「馬鹿言え!今は夜だぞ!こんな時に飛行騎士を出すのは危険すぎて無理だ!」

「じゃあどうするんだ!?」

 全員が何をすれば良いのかわからず、右往左往している。そんなとき、この状況に終止符を打つ一言が飛び出した。

「中庭に敵が現れたぞ!」

「何だって!すぐに行くぞ!」

「聞いたか!中庭だ!」

 ――――――――――――
 インベリア―ロ城 中庭


 パパパパパ!


 中庭の中心で固まって動く自衛隊の隊員らが、89式小銃を撃っていた。インベルド王国の兵士たちが一斉にかかるが、皆あっという間にやられてしまう。

「く、くそっ。何だ敵の魔法は?近寄る前に全員やられているぞ!?」

「物陰に隠れろ!このまま攻撃しても、ただ犠牲を増やすだけだ!」

「に、逃げろ!」

「逃げるな!おい!」

 先陣を切った隊長が真っ先に死亡したため、近衛騎士団は瓦解していた。
 一方の自衛隊の方もも困惑していた。

「お前ら!この二人がどうなってもいいのか!?こいつら偉いんじゃないのか!?」

「き、貴様ら儂を助けろ!」


「嘘をつくな偽物め!うおおおおおおおッ!」

「かかれえええっ!」

 早速インベルド王国の上層部を捕らえ、後は人質として使えば戦いは終わるかと考えていたのだが、そんなことは無かった。近衛騎士団の大半は国王ズックルやゴルミフ宰相は城の奥に居ると思っているし、そもそも二人の人望がほぼ無い為に本物だとしてもどうでもいいのだろう。

「こちら、石田。要人を確保した。敵軍の抵抗は弱まりつつある」

 敵兵を撃ちながら隊長の石田が無線へ報告する。

 あれから更に数機のチヌークが城内に自衛隊員を降下させた。その影響もあってか一方的に撃破を続けており、周囲には近衛騎士団の死体が積み重なっている。

『そうですか、予定通り制圧を続けてください』

「了解!」

 戦闘は、終わりを迎えようとしていた。
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