日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。

スライム小説家

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26話 ソラーロ上陸作戦④

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 都市ソラーロ内

「どけ、俺は逃げるんだ!」

「兵士なんてやってられるか!女が好きなだけ抱けるって聞いたのに!」

「偉大なマジラ神よ、我々を助けたまえ………」

 城壁に囲まれた都市の内部では、大混乱が起きていた。どこから来るのか全く分からない謎の攻撃は、当たればまず死んでしまう。まだ都市まで謎の攻撃は来ていないが、海軍や飛行騎士はすでに壊滅したという噂が広まっている。

「くそ、お前たち、逃げるな!戦え!」

 都市守備隊の隊長であるヤードは、周りの兵をまとめようとしていた。

「隊長、ダメです!完全におびえてしまっています!」

「なぜだ、なぜここまで士気が低くなっている?」

 当然の話であった。ここ数年で、飛行騎士を使って周辺国家に連戦連勝だったインベルド王国だが、肝心の飛行騎士は無力化されている。兵の大半も勝ち戦しか知らないため、このように一方的にやられたことへの動揺は非常に大きかった。


 ドオオオオン!


 また、謎の攻撃の音が響く。

「うわああああああ!」

「きっとこれは天罰だ!俺たちはやりすぎたんだ!」

「死にたくないよおおおおおおおお」

 隊列はさらに崩壊し、軍としての機能をほぼ失っている。

「く、仕方ない。このままでは戦えん。撤退しろ!」

「しかし!」

「こんな状態で敵軍とやり合うなぞ御免だ。さあ、いくぞ!」

 そう言うや否や、ヤードも馬を持っている鞭で引っぱたいて走らせる。彼も逃げ出したのだ。

「逃げろおおおおおお」

「隊長も逃げ出した、俺たちも逃げるぞ!」

 リーダーを失った守備隊は、もはや戦うことすら不可能だった。



 ――――――
 ソラーロ城門前

「撃て――――っ!」

 AAV7に装備されたMk.19 自動擲弾銃が火を吹く。


 ババババババ!


 バキッ、という音と共に、城門の木製の扉が折れる。

『突入せよ!』

 AAV7を先頭に、自衛隊の隊員たちが続々と城壁の中へ入っていく。

『各自、予定通りに制圧せよ』

 無線で伝わってくる指令通りに、各々が動き出す。しかし………



 とある家の扉の前で、小声で四人の男が話していた。

「三、二、一で行くぞ。良いな」

「ああ」

「了解」

「分かってるさ」

「三、二、一、GO!」

 べきっ

 ドアを蹴破り、突入する。すると左手に人影が!慌てて銃をそちらに向けると。

「ひっ、助けてくれっ」

「なんだ、民間人か………我々は日本国の自衛隊の者です。リマ国内のインベルド王国を名乗るテロリストの制圧にきました」

「み、味方なのか?」

「ええ。この国を助けにきました」

「良かったあ~~」

 そんな会話を横に、班長が中隊長に連絡を取っていた。

「例の建物ですが、中にいたのは民間人だけでした」

『そちらもか………』

「そちら?」

『ああ、インベルド王国軍の兵士はほぼ居ないし、居たとしても大した抵抗は出来ていないようだ』

「どうやら、あっさり済みそうですね」

『ああ、だが気は抜くなよ?』

「はい」

 自衛隊は、都市ソラーロの奪還に成功した。自衛隊の犠牲者はゼロ名、怪我人は七名のみだった。
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