破棄から始まる下克上
〜これは“今”からおよそ300年前、アウストリー公国で王朝が代替わりした際の出来事である〜
「貴様との婚約なんぞ破棄だ破棄!」
そう喚き散らすのはこのアウストリー公国の公太子、辺境伯令嬢ヴィクトーリアの不肖の婚約者クラウスである。
そしてその傍らには、不安げにクラウスとヴィクトーリアを交互に見渡す子爵家令嬢タマラの姿が。
「貴様のような粗暴な女との結婚など冗談ではないわ!私は貴様との婚約を破棄し、この愛らしいタマラを新たに婚約者とする!先祖の決めた盟約など知ったことか!」
あろうことかクラウスは、国の次代を担う公太子の地位にありながら、先祖たちが取り決めた盟約、「二世代ごとに公王家と辺境伯家とで縁を繋ぎ、その縁で国を守る」という取り決めに従って結ばれているヴィクトーリアとの婚約を破棄すると宣言した。
それも、ヴィクトーリアが男勝りの女騎士で「ちっとも女らしくない」という、まことに身勝手な理由で。
さらに。
「そんな古臭い盟約になんの意味がある!なんなら貴様ら辺境伯家も攻め滅ぼしてくれるわ!」
クラウスのその言葉は、代々国境を守ってきた辺境伯家の令嬢としてのヴィクトーリアの矜持を大いに傷つけた。
彼女はだから、右手にはめていた白手袋を脱いで投げつけた。
「よかろう。では決闘だ」
「えっ、………あたし!?」
そう。ヴィクトーリアが手袋を投げた相手は剣など持ったこともない「普通の貴族令嬢」タマラであった。公太子の婚約者の座をかけて決闘を申し込んだのだ。
だがさすがに戦いもできないご令嬢をいたぶる趣味はヴィクトーリアにはない。ゆえに代理人を立てることを認めた。もともと法にも親族であれば代理人を立てられると明記してある。
だが決闘当日、クラウスとタマラが連れてきたのは、なんと公国最強の騎士ジークムントだった!
◆王族の婚約は政略であり、それを破棄すると極端な話こうなるよ、ってだけの話だったのに……………どうしてこうなった?解せぬ。
◆思いついたので書き始めた見切り発車作品。短めなので多分止まらずに書き上げられます。
ヘイトキャラとかざまあとか書くの苦手な作者が(多分)珍しくちゃんと書けたざまあ話。多分。基本的にはタイトルでネタバレしてます。
◆ようやく書き上がり。全25話、8/13完結です!
◆戦闘、流血、瀕死描写があるためR15で。
あと実験的に女主人公だけど「男性向け」で。運営に変えられたらごめんなさい。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうで公開しています。
◆7/30、おかげさまで男性向けHOTランキング入りしました。現在20位台をウロウロ。8/5、最高11位まで上昇♪
8/15、HOTランキングから落ちました。悲しい。
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そしてその傍らには、不安げにクラウスとヴィクトーリアを交互に見渡す子爵家令嬢タマラの姿が。
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あろうことかクラウスは、国の次代を担う公太子の地位にありながら、先祖たちが取り決めた盟約、「二世代ごとに公王家と辺境伯家とで縁を繋ぎ、その縁で国を守る」という取り決めに従って結ばれているヴィクトーリアとの婚約を破棄すると宣言した。
それも、ヴィクトーリアが男勝りの女騎士で「ちっとも女らしくない」という、まことに身勝手な理由で。
さらに。
「そんな古臭い盟約になんの意味がある!なんなら貴様ら辺境伯家も攻め滅ぼしてくれるわ!」
クラウスのその言葉は、代々国境を守ってきた辺境伯家の令嬢としてのヴィクトーリアの矜持を大いに傷つけた。
彼女はだから、右手にはめていた白手袋を脱いで投げつけた。
「よかろう。では決闘だ」
「えっ、………あたし!?」
そう。ヴィクトーリアが手袋を投げた相手は剣など持ったこともない「普通の貴族令嬢」タマラであった。公太子の婚約者の座をかけて決闘を申し込んだのだ。
だがさすがに戦いもできないご令嬢をいたぶる趣味はヴィクトーリアにはない。ゆえに代理人を立てることを認めた。もともと法にも親族であれば代理人を立てられると明記してある。
だが決闘当日、クラウスとタマラが連れてきたのは、なんと公国最強の騎士ジークムントだった!
◆王族の婚約は政略であり、それを破棄すると極端な話こうなるよ、ってだけの話だったのに……………どうしてこうなった?解せぬ。
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◆戦闘、流血、瀕死描写があるためR15で。
あと実験的に女主人公だけど「男性向け」で。運営に変えられたらごめんなさい。
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本編
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