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【レティシア12歳】
045.その頃のレティシア(2)
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資料集の生物の項に黒狼、樹蛇など追記しました。よろしくご確認下さい。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「わ、わたくし、森の中で炎を使ってしまいましたわ!」
唯一覚えていた攻撃魔術が[火球]で、動く的を狙うのに不慣れでつい何発も撃ってしまった。だから森に火が燃え移るのなんて自明の理なのだが、今まで可燃物のある場所で[火球]なんて使ったこともないレティシアはそのことに気付かなかったのだ。
そして周囲が火事になっていることに気付いて初めて、魔術教師から「街中や森の中など、可燃物の多い場所で使ってはなりません」と言われていたことを思い出したのだ。
「ど、ど、どうしましょう!?」
オロオロと慌てるがなす術がない。魔術を習い始めたばかりのレティシアにはまだ使える術式が多くないのだ。
しかも周囲に延焼が始まっていて、このままでは炎に巻かれて逃げられなくなってしまう。レティシアは慌てて燃えている場所から離れようと走り出した。
その彼女の鼻が、嗅ぎなれない不快な刺激臭を捉えた。何かしらこの臭い、と思考を巡らせるより早く、さっきまでレティシアのいた近辺の地面が爆発した。
ドォーーーーン!
「キャッ!?」
派手な爆発音と、その直後の爆風に吹き飛ばされてレティシアは転んでしまった。ものすごい轟音と炸裂音が響き渡り、反射的に頭を抱えて蹲ったが、石や土くれ、木片などは幸いにも飛んではこなかった。
「…………な、何が起こったの……?」
呟きながら顔を上げ、上半身を起こしたレティシアの目に飛び込んできたのは。
幹に大きな虚があったらしい、根本から吹き飛んで倒れた巨木と、大きく抉れた地面。それにいよいよ火の手の回り始めた森の木々。強くなった火勢は森の闇まで照らして見通しを広げていた。
そして、その奥に確かに見える、灰色の毛皮の大きな塊。
「あ………………」
それが何であるか認識した瞬間、レティシアの心が、トラウマの恐怖で真っ白に染まった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
森の奥から、灰熊がのそりと姿を現した。
「あ…………あ…………」
あの時、脚竜車の外から聞こえてきた逃げろという声と、馭者や護衛たちの断末魔の叫び声。窓越しに見た、引き裂かれる護衛の姿と飛び散る血の赤。何かにぶつかり横倒しになった脚竜車の振動と衝撃と、幼い自分を庇って大怪我を負い、目の前で動かなくなった大好きな侍女頭。
それらの記憶は強烈なショックとともに、今もレティシアの心から消え去ることはない。普段はもう思い出すことも減ってきてはいるが、決して消えて無くなったわけではないのだ。
そして今、あの時と同じ灰色の毛並みの獣を目の当たりにして、その記憶ををまざまざと蘇らせたレティシアは恐怖で身が竦んで動けなくなっていた。
逃げなければ。
頭では分かっている。
だが身体が動かない。
デボラのように全身を優しく包んで護ってくれる存在も、ここには無かった。
「い……いや…………いや…………」
無意識に、途切れ途切れに自分の喉から出る、掠れた声。
だがそんなささやか過ぎる願いを、灰色の獣が聞いてくれるはずも無かった。
「嫌ーーーーーっ!!」
恐怖が臨界に達し、レティシアは叫んだ。
その時、突如風が渦を巻いて炎を巻き込み、あっという間に火柱になった。恐怖で錯乱したレティシアの魔力が暴発し、無意識に空気に反応して風を起こしたのだが、レティシアは気付いていない。
だが急に強まった火勢に驚いたのか、灰熊がわずかに怯み、後ずさった。
「⸺そう、そうだわ。あの時のわたくしとは違うじゃない」
それを見て、唐突にレティシアは気付く。
そう、今はあの時のような無力な子供ではない。拙いながらも戦う手段を、今の彼女は持っているのだ。
だがすぐに冷静にもなる。レティシアが出せるのは、あんな小さな火の球だけだ。あの大きな獣に対して、そんなものが効くとも思えない。
だけど獣は、さっきの火柱にはたじろいだ。
だったら、何とかして大きな炎を生み出せれば。
そうして思考は、先ほどの大きな爆発へと辿り着く。
そうだ、あれなら効くかも知れない。
だが、あれがどうして起こったのかが分からない。
実はレティシアのいる辺りの土壌には、元々硫黄が多く含まれていた。その上に落ち葉が積み重なり腐葉土になっていて、その腐葉土の層の中では降った雨などを取り込んでメタンガスが発生していた。つまり刺激臭は硫黄の臭いで、爆発はメタンガスに引火したものである。
それがレティシアの放った[火球]によって起こった森林火災で急激に熱せられ爆発したのだが、今の彼女にそこまで理解できようはずもない。だから爆発を起こしたくともレティシアが意図的に起こすのは不可能である。
だがそうも言っていられない。灰熊は気を取り直して、再びレティシアの方に近付いてくる。
戦わなくては。
いえ、逃げる方が先よ。
戦ったって勝てるとは限らないわ。
逃げたって追いつかれるわよ。
どちらが正しいのか、どちらを選べば助かるのか、レティシアには分からない。だが目の前にまで迫られると、今度こそ足が竦み腰が抜けて逃げられなくなると確信した。そうなれば、待っているのは死だ。
少しの逡巡のあと、レティシアは逃亡を選択した。だがもちろん灰熊は追ってくる。どちらへ逃げたらいいのかも分からないまま、レティシアは駆ける。途中で姿を現した黒狼や樹蛇は[火球]を放てば怯んでくれたし、後ろの灰熊の気配で逃げ散っていくから、彼女はほとんど逃げることだけに神経を集中出来ていた。
と、その時である。
レティシアが肩から下げている小物入れの中から、通信鏡の着信音が鳴り響く。
「えっこんな時に!?誰なの!?」
逃げながらポシェットを押さえ、手鏡を取り出して接続ボタンを押した。
「なあにジョアンナ!ちょっとわたくし、今忙しいのだけれど!」
明滅していた接続ボタンはジョアンナが持っている手鏡に繋がるボタンだった。煩わしく思いつつも無視するわけにもいかず、だが少しだけ語気が強くなる。
『お嬢様。アンドレ様が今そちらに向かわれましたので、お早めにお戻り下さいませ』
「えっアンドレさまが!?わたくしを探してくださっているのね!?」
『浮かれている場合ではありませんよお嬢様。あとでたっぷりお説教ですからね?』
アンドレが自分を探してくれている。そう知らされて舞い上がった気持ちは瞬時に地表まで叩き落とされた。
ジョアンナからのお説教、それは確実にダメなやつだ。しかも確定でお父様に報告が行って、お父様からも怒られるやつ。
セーから連れ戻される、その最悪の事態が一気に現実味を帯びてきた。
「………………えっ、その」
何とかして言い訳しないと。
目まぐるしく思考を重ねようとするが、目の前に黒狼が見えて咄嗟に進路を変えて躱す。すると今度はその先の樹上に樹蛇の姿が。
「⸺ああもう、邪魔しないでくださるかしら!?」
半ば八つ当たり的に[火球]を放つと、刺激臭もなかったのにいきなり爆発した。
驚きのあまり声も出ず、だが爆炎と爆ぜる木の幹を避けて進路を変えるのは忘れない。
あっそうだ、ジョアンナ!
「ちょっ、ジョアンナ!?その件はあとでゆっくりお話しましょう!?」
『ええ、もちろんですわお嬢様。たっぷりとお話して差し上げますからね』
あっそれ絶対ダメなやつ!
でもとりあえず、今はそれどころではないの!
「やっその、ごめんなさい!謝るから許してちょうだいジョアンナ!」
『許すかどうかは、わたくしと旦那様とで決めさせて頂くことですわ』
「すっすぐ!すぐ戻るわ!すぐだから!」
すぐ戻れる確約もないままに、アンドレと合流できる確証もないのに、ついレティシアは叫んでしまった。それ以上ジョアンナの声を聞くことも怖くて、問答無用で通信を切ってしまった。
いろんな意味で、レティシアは追い詰められてゆく。彼女に今できることは、ひたすらに逃げることだけだった。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「わ、わたくし、森の中で炎を使ってしまいましたわ!」
唯一覚えていた攻撃魔術が[火球]で、動く的を狙うのに不慣れでつい何発も撃ってしまった。だから森に火が燃え移るのなんて自明の理なのだが、今まで可燃物のある場所で[火球]なんて使ったこともないレティシアはそのことに気付かなかったのだ。
そして周囲が火事になっていることに気付いて初めて、魔術教師から「街中や森の中など、可燃物の多い場所で使ってはなりません」と言われていたことを思い出したのだ。
「ど、ど、どうしましょう!?」
オロオロと慌てるがなす術がない。魔術を習い始めたばかりのレティシアにはまだ使える術式が多くないのだ。
しかも周囲に延焼が始まっていて、このままでは炎に巻かれて逃げられなくなってしまう。レティシアは慌てて燃えている場所から離れようと走り出した。
その彼女の鼻が、嗅ぎなれない不快な刺激臭を捉えた。何かしらこの臭い、と思考を巡らせるより早く、さっきまでレティシアのいた近辺の地面が爆発した。
ドォーーーーン!
「キャッ!?」
派手な爆発音と、その直後の爆風に吹き飛ばされてレティシアは転んでしまった。ものすごい轟音と炸裂音が響き渡り、反射的に頭を抱えて蹲ったが、石や土くれ、木片などは幸いにも飛んではこなかった。
「…………な、何が起こったの……?」
呟きながら顔を上げ、上半身を起こしたレティシアの目に飛び込んできたのは。
幹に大きな虚があったらしい、根本から吹き飛んで倒れた巨木と、大きく抉れた地面。それにいよいよ火の手の回り始めた森の木々。強くなった火勢は森の闇まで照らして見通しを広げていた。
そして、その奥に確かに見える、灰色の毛皮の大きな塊。
「あ………………」
それが何であるか認識した瞬間、レティシアの心が、トラウマの恐怖で真っ白に染まった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
森の奥から、灰熊がのそりと姿を現した。
「あ…………あ…………」
あの時、脚竜車の外から聞こえてきた逃げろという声と、馭者や護衛たちの断末魔の叫び声。窓越しに見た、引き裂かれる護衛の姿と飛び散る血の赤。何かにぶつかり横倒しになった脚竜車の振動と衝撃と、幼い自分を庇って大怪我を負い、目の前で動かなくなった大好きな侍女頭。
それらの記憶は強烈なショックとともに、今もレティシアの心から消え去ることはない。普段はもう思い出すことも減ってきてはいるが、決して消えて無くなったわけではないのだ。
そして今、あの時と同じ灰色の毛並みの獣を目の当たりにして、その記憶ををまざまざと蘇らせたレティシアは恐怖で身が竦んで動けなくなっていた。
逃げなければ。
頭では分かっている。
だが身体が動かない。
デボラのように全身を優しく包んで護ってくれる存在も、ここには無かった。
「い……いや…………いや…………」
無意識に、途切れ途切れに自分の喉から出る、掠れた声。
だがそんなささやか過ぎる願いを、灰色の獣が聞いてくれるはずも無かった。
「嫌ーーーーーっ!!」
恐怖が臨界に達し、レティシアは叫んだ。
その時、突如風が渦を巻いて炎を巻き込み、あっという間に火柱になった。恐怖で錯乱したレティシアの魔力が暴発し、無意識に空気に反応して風を起こしたのだが、レティシアは気付いていない。
だが急に強まった火勢に驚いたのか、灰熊がわずかに怯み、後ずさった。
「⸺そう、そうだわ。あの時のわたくしとは違うじゃない」
それを見て、唐突にレティシアは気付く。
そう、今はあの時のような無力な子供ではない。拙いながらも戦う手段を、今の彼女は持っているのだ。
だがすぐに冷静にもなる。レティシアが出せるのは、あんな小さな火の球だけだ。あの大きな獣に対して、そんなものが効くとも思えない。
だけど獣は、さっきの火柱にはたじろいだ。
だったら、何とかして大きな炎を生み出せれば。
そうして思考は、先ほどの大きな爆発へと辿り着く。
そうだ、あれなら効くかも知れない。
だが、あれがどうして起こったのかが分からない。
実はレティシアのいる辺りの土壌には、元々硫黄が多く含まれていた。その上に落ち葉が積み重なり腐葉土になっていて、その腐葉土の層の中では降った雨などを取り込んでメタンガスが発生していた。つまり刺激臭は硫黄の臭いで、爆発はメタンガスに引火したものである。
それがレティシアの放った[火球]によって起こった森林火災で急激に熱せられ爆発したのだが、今の彼女にそこまで理解できようはずもない。だから爆発を起こしたくともレティシアが意図的に起こすのは不可能である。
だがそうも言っていられない。灰熊は気を取り直して、再びレティシアの方に近付いてくる。
戦わなくては。
いえ、逃げる方が先よ。
戦ったって勝てるとは限らないわ。
逃げたって追いつかれるわよ。
どちらが正しいのか、どちらを選べば助かるのか、レティシアには分からない。だが目の前にまで迫られると、今度こそ足が竦み腰が抜けて逃げられなくなると確信した。そうなれば、待っているのは死だ。
少しの逡巡のあと、レティシアは逃亡を選択した。だがもちろん灰熊は追ってくる。どちらへ逃げたらいいのかも分からないまま、レティシアは駆ける。途中で姿を現した黒狼や樹蛇は[火球]を放てば怯んでくれたし、後ろの灰熊の気配で逃げ散っていくから、彼女はほとんど逃げることだけに神経を集中出来ていた。
と、その時である。
レティシアが肩から下げている小物入れの中から、通信鏡の着信音が鳴り響く。
「えっこんな時に!?誰なの!?」
逃げながらポシェットを押さえ、手鏡を取り出して接続ボタンを押した。
「なあにジョアンナ!ちょっとわたくし、今忙しいのだけれど!」
明滅していた接続ボタンはジョアンナが持っている手鏡に繋がるボタンだった。煩わしく思いつつも無視するわけにもいかず、だが少しだけ語気が強くなる。
『お嬢様。アンドレ様が今そちらに向かわれましたので、お早めにお戻り下さいませ』
「えっアンドレさまが!?わたくしを探してくださっているのね!?」
『浮かれている場合ではありませんよお嬢様。あとでたっぷりお説教ですからね?』
アンドレが自分を探してくれている。そう知らされて舞い上がった気持ちは瞬時に地表まで叩き落とされた。
ジョアンナからのお説教、それは確実にダメなやつだ。しかも確定でお父様に報告が行って、お父様からも怒られるやつ。
セーから連れ戻される、その最悪の事態が一気に現実味を帯びてきた。
「………………えっ、その」
何とかして言い訳しないと。
目まぐるしく思考を重ねようとするが、目の前に黒狼が見えて咄嗟に進路を変えて躱す。すると今度はその先の樹上に樹蛇の姿が。
「⸺ああもう、邪魔しないでくださるかしら!?」
半ば八つ当たり的に[火球]を放つと、刺激臭もなかったのにいきなり爆発した。
驚きのあまり声も出ず、だが爆炎と爆ぜる木の幹を避けて進路を変えるのは忘れない。
あっそうだ、ジョアンナ!
「ちょっ、ジョアンナ!?その件はあとでゆっくりお話しましょう!?」
『ええ、もちろんですわお嬢様。たっぷりとお話して差し上げますからね』
あっそれ絶対ダメなやつ!
でもとりあえず、今はそれどころではないの!
「やっその、ごめんなさい!謝るから許してちょうだいジョアンナ!」
『許すかどうかは、わたくしと旦那様とで決めさせて頂くことですわ』
「すっすぐ!すぐ戻るわ!すぐだから!」
すぐ戻れる確約もないままに、アンドレと合流できる確証もないのに、ついレティシアは叫んでしまった。それ以上ジョアンナの声を聞くことも怖くて、問答無用で通信を切ってしまった。
いろんな意味で、レティシアは追い詰められてゆく。彼女に今できることは、ひたすらに逃げることだけだった。
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