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間章2【マリア様は今日も呑気】
【番外・補足3】
しおりを挟む【転生者紹介】
[マリアンヌ・ブランシャール・綾]
1974年生まれ(享年17)。
国籍は日本で日本語しか喋れないが、本人はフランス人の父と日本人の母を両親に持つハーフ。日本から出たことがないので自己紹介の際は必ず「日本人です」と言うのが口癖だった。
四歳下に妹ローズ、七歳下に同じく妹のシルヴィがいる。なおシルヴィは拙作『引き取ってきた双子姉妹の俺への距離感がおかしい』のヒロインである綾姉妹の母親。つまりはマリアンヌも博多(『引き取ってきた~』で言うところの福博市)の出身だったりする。
1991年、高校二年生の時に自動車事故で他界。ほぼ同時にアリウステラで生まれ変わり、こちらではスラヴィア地方最大の都市シンギドゥンを治めるシンギドゥン辺境伯のひとり娘マリアとして生を得る。
アリウステラではフェル暦643年生まれ。
10歳の頃に熱病に冒されて生死の境を彷徨い、それがきっかけで前世の記憶を取り戻す。同時に神々の声を聞くことができると自覚する。ただし本人的には声だけ聞こえる誰かとお話ししているだけ。
12歳の時に霊力の高さを狙われてとある邪教の信者に拐われ、生贄にされそうになったところを“輝ける虹の風”に助け出される。当時の虹の風はユーリ、アルベルト、アナスタシア、探索者ナーン、空妖精の法術師リナの5人パーティだった。
その時に出会ったアルベルトに恋をして、法術の勉強に取り組むとともに約半年後、法術師リナの逝去に伴い彼女に代わってパーティに加入する。それとともに巫女セシリアに神託が降って次期巫女候補として正式に認められ、神教教団に所属することになる(勇者候補パーティのメンバーということで、特例でいきなり司徒待遇)。
蛇王の再封印により正式に司徒に任ぜられ、西方の魔王討伐により高司徒に昇進。ユーリの婚姻による“輝ける五色の風”の解散に伴い、巫女神殿に入って巫女セシリアに師事し、翌年にセシリアの逝去に伴い主祭司徒ファビオの承認のもと正式に巫女になった。
“輝ける五色の風”での活動中に両親(シンギドゥン辺境伯家)が相次いで他界し、シンギドゥン辺境伯の地位は無関係の他人に渡ってしまった。そのためそれ以降彼女は「姓なきただのマリア」と称して、平民として生きている。
[萬屋鱗次郎]
1973年生まれ(享年30)。
全国小売り大手のヨロズヤコーポレーションの創業者一族の出身。マリアンヌとは小中高と先輩後輩の仲だが、幼馴染ということもあり互いにタメ口で呼び合う仲だった。
女性として意識していた彼女の事故死の際には随分憔悴したが一度は立ち直り、結婚して子供も得た。だがある時飲みに出た繁華街で、酔っ払いの喧嘩に巻き込まれ刺されて死亡する。
アリウステラではマリアと同じくフェル暦643年生まれ。
なんの因果か、こちらでも主要国の大半で手広く小売業を営む「ヨロズヤ商会」の一族として生を得る。父ソウタローはエトルリア国内の各支店を束ねる“分会頭”を務め、兄ヨウイチローはその後継ぎとして地位を盤石のものにしている。
リンジローは次男なので兄のスペアではあるのだが、兄がすでに婚姻して子供もいるので立場は気楽。そのうちに暖簾分けでもしてもらって自分の商会でも立ち上げるか……などと考えている時にマリアと出会った。
前世の記憶は7歳の頃に水難事故に遭って生死の境を彷徨った際に思い出した。前世の知識とも併せて商売の腕には自信を持っている。
【ヨロズヤ商会】
フェル暦675年現在で西方世界の主要各国の大半に商業進出している多国籍企業。ヴァルガン王国、イリシャ連邦、王政マジャル、エトルリア連邦、マグナ・グラエキア、イヴェリアス王国、ルシタニア王国、ガリオン王国、アルヴァイオン大公国、リュクサンブール大公国、ブロイス帝国の各国で男爵位を持つ。
各国ではそれぞれ“分会頭”と呼ばれる最高幹部がその国の国内各支店を取りまとめていて、国ごとに得ている爵位はその分会頭(とその直系)に与えられている場合が多い。ただし分会頭たちは本家の“総会頭”の代理として爵位を受けているというスタンスを取っている。
創業者セイイチロー・ヨロズヤは東方世界からの行商人だったと伝わっている。四代目当主タイチに嫁いだ元公女アントニアの尽力と献身により、西方世界各国に販路を大きく広げての今の隆盛がある。
四代目当主タイチとその妻アントニアに関しては、拙作『公女さまが殿下に婚約破棄された』を参照のこと。
つまりリンジロー・ヨロズヤはエトルリアの貴族ヨロズヤ男爵家の次男、ということになる。
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