84 / 326
第二章後半【いざ東方へ】
2-21.アプローズ号改装計画
しおりを挟む
チェックインを済ませて、晩食にはまだ間がある時間帯だったので一行は散歩がてら魔道具工房を訪ねることにした。女将に話を聞けば、この街でもっとも腕のいいのは〈ロブリッジ工房〉とのことだったので、そこまでの道順を教えてもらって連れ立って宿を出る。
雨はすっかり小降りになっており、雨具がなくとも大丈夫そうではあったが、距離が分からないので着く頃にずぶ濡れになっていても良くはない。そこでミカエラがステッキを持ってきてアルベルトに渡す。
「おいちゃんこれ持っとって」
「これ、なんだい?」
「仕込杖なんよ。ちょっと開いちゃり」
言われるままにアルベルトがステッキを引き抜いてみる。ミカエラの説明に従って操作すると、何やら細い金属の骨組みが展開する。
アルベルトに頭上に掲げさせ、それにミカエラが詠唱して[水膜]をかけると、骨組みを中心に水膜の花が頭上に開く。それは5人の頭上をすっぽり覆って、その下は全く雨がかからない。
「おお、これは便利だなあ」
「そやろ。これがある限りは雨には濡れんし、雨降っとる限りは持続時間が尽きることもないけん[固定]も要らんとって。雨が止みゃあ解除して杖に戻せばかさばりもせんし」
「でも確か、空間にも[付与]はできたよね?」
「空間に[付与]したらその場から動かんごとなるとよね。ウチらの動きに合わせて動いてもらわないかんけん、それで骨組みさい[付与]するごとしたと」
なるほど、考えたものである。
というかあらかじめ骨組みの仕込杖が作ってあったということは、おそらく以前から彼女はこういう風に[水膜]を利用しているのだろう。
そうして一行は景色を愛でつつ、道行く人から物珍しそうな視線を浴びつつ工房までたどり着き、商談を開始する。〈ロブリッジ工房〉の方では突然の勇者の来訪に大慌てとなり、ラグシウムの商工ギルドや魔道具ギルドまで呼んでの大騒ぎになった。
「それで、どういった結界器をご所望で?」
「御者台ば覆うげな[水膜]ば張りたいとよね。移動中ずっと張らしときたいとよ」
持ってきた図面を示しながらミカエラが説明するが、コントロールパネルの説明の段になってはたと困った顔になる。
「ああ、そうか。車両を見せた方が早いよね」
「そやったね。乗ってくりゃあ良かったばい」
「じゃあちょっと、俺が戻って取ってくるよ」
そう言ってアルベルトはひとり宿に戻る。大一ほどかけて歩いて戻ると、女将に断ってコテージ脇に駐車していた脚竜車とスズを動かし、そして再び〈ロブリッジ工房〉へと取って返した。
それから改めてミカエラとアルベルトが職人たちに説明して、そういうことなら2日もあれば作れるだろうという話になった。
「単なる雨避けが主目的ならば、[水膜]よりも[気膜]の方が宜しかろうて」
「確かに、それならば前方視界も悪化しませんし、防御効果も[水膜]と遜色ないですな」
「結界器の本体は…ああ、こちらに納めればよろしいのですな」
「なるほど、こちらのパネルで集中的にコントロールを…いやこれはよく考えられてある」
車内に案内された職人たちが庇や御者台、コントロールパネルを見回して、口々に改善案を述べながらどんどんと話が決まってゆく。その外ではアルベルトが別件で餌の保管庫の増設を相談している。
なお、ミカエラのキツいファガータ訛はその都度レギーナやアルベルトが通訳してやっていたりする。決してどこでも当たり前に通じるわけではなく、むしろ通じないことの方が多かったりするのだ。
「図面を拝見致す限りですと、重量バランスにやや問題があろうかと」
「確かに。では増設の保管庫はやはり左舷ですな」
「しかしそうなると、居室がその分狭くなりますが」
「そこは仕方ないわ。なんかいい具合に考えてちょうだい」
「畏まりました。では…」
餌の保管庫は左舷中央、ちょうど冷蔵器と調理台の反対側に、アルベルトの寝床の下と同じサイズのものを作ることになった。しかしそうなると、外装に施された薔薇の彫刻を少し損なうことになる。そのため外装板は切り取った上で蓋として再利用することとし、魔力発生器も専用のものを増設することにした。
保管庫の居室側はどうしても四角く出っ張りができてしまうが、これは内装をいじってソファにしてくれるそうだ。
そして、それならばいっそメイン乗降口を広げて雨具置き場を設けよう、という話も出てきて、新設する保管庫と乗降口の間にロッカー式の縦長の雨具収納スペースが作られることになった。これで雨の日に出入りする際にも乗降口で雨具を着脱できて、車内をあまり濡らさずに済むようになる。
なお、こちらの改装には4日ほど欲しいとのこと。
「すごいね、アイデアがどんどん出てくる」
「さすが、職人さんは違うばい」
「使い勝手が良くなる分には歓迎よ♪」
「我ら商工ギルドラグシウム支部の総力を挙げて、必ずやご満足頂けるものに仕上げますので、どうか安心してお任せ下さい」
ということで、アプローズ号はしばし商工ギルドに預けられることになった。そのまま概算で見積もりを出して、レギーナが了承してミカエラがサインして、詳細は契約書が整う後日ということにして。
だが、アルベルトがスズの手綱を引いて帰ろうとした、その時。
「そういえば、そちらの脚竜はよく調教してございますな」
商工ギルドのラグシウム支部長が声をかけてきたのだ。
スズはいつも通り、街に入る前に噛み付き防止用の口輪を嵌められてアルベルトに、レギーナに大人しく従っている。だから最初はその大きさと迫力に度肝を抜かれた工房や商工ギルド、魔道具ギルドの面々も今やすっかり慣れて安心していた。
「ああ、これはラグの隊商ギルドで生まれたばかりの幼竜の頃から飼われていたそうで、それで人によく懐いてるんです」
「そうですか。ティレクス種は人には馴れぬと思っておりましたが…これほど従順ならば、鞍を置いてもようございますな」
「鞍?」
支部長は、これだけ従順ならば脚竜車を牽かせるだけでなく騎竜としても使えるだろうというのだ。
「鞍ねえ」
「要るかいね?」
「まあ、あれば何かの際には役に立つ事もあるかも知れないわね」
「スズの、背中に…乗る?」
「そうだなあ、スズの背中に人が乗っていれば、道中で放して狩りをやらせても人に見られて騒がれることがなくなる、かな?」
「「「「あー、確かに」」」」
「もしよろしければ、そちらもお作り致しましょうか」
「そうね。じゃ、お願いしようかしら」
「ほんなら費用の相談はウチが」
支部長の提案にレギーナが了承し、ミカエラは早速値段交渉に入る。
こうして、スズの鞍も発注されることになった。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
【注記】
この世界にも「傘」はありますが、主な用途は貴婦人の日傘であって庶民の雨具ではありません。布に撥水加工を施すのは靴などで一部実用化されてはいますが、割高なので一般的にはまだあまり普及していません。
雨具と言えば油を染み込ませた織り目の細かい麻布のフード付きポンチョタイプが一般的で、それも長時間の使用に耐えうるわけではありません。
雨はすっかり小降りになっており、雨具がなくとも大丈夫そうではあったが、距離が分からないので着く頃にずぶ濡れになっていても良くはない。そこでミカエラがステッキを持ってきてアルベルトに渡す。
「おいちゃんこれ持っとって」
「これ、なんだい?」
「仕込杖なんよ。ちょっと開いちゃり」
言われるままにアルベルトがステッキを引き抜いてみる。ミカエラの説明に従って操作すると、何やら細い金属の骨組みが展開する。
アルベルトに頭上に掲げさせ、それにミカエラが詠唱して[水膜]をかけると、骨組みを中心に水膜の花が頭上に開く。それは5人の頭上をすっぽり覆って、その下は全く雨がかからない。
「おお、これは便利だなあ」
「そやろ。これがある限りは雨には濡れんし、雨降っとる限りは持続時間が尽きることもないけん[固定]も要らんとって。雨が止みゃあ解除して杖に戻せばかさばりもせんし」
「でも確か、空間にも[付与]はできたよね?」
「空間に[付与]したらその場から動かんごとなるとよね。ウチらの動きに合わせて動いてもらわないかんけん、それで骨組みさい[付与]するごとしたと」
なるほど、考えたものである。
というかあらかじめ骨組みの仕込杖が作ってあったということは、おそらく以前から彼女はこういう風に[水膜]を利用しているのだろう。
そうして一行は景色を愛でつつ、道行く人から物珍しそうな視線を浴びつつ工房までたどり着き、商談を開始する。〈ロブリッジ工房〉の方では突然の勇者の来訪に大慌てとなり、ラグシウムの商工ギルドや魔道具ギルドまで呼んでの大騒ぎになった。
「それで、どういった結界器をご所望で?」
「御者台ば覆うげな[水膜]ば張りたいとよね。移動中ずっと張らしときたいとよ」
持ってきた図面を示しながらミカエラが説明するが、コントロールパネルの説明の段になってはたと困った顔になる。
「ああ、そうか。車両を見せた方が早いよね」
「そやったね。乗ってくりゃあ良かったばい」
「じゃあちょっと、俺が戻って取ってくるよ」
そう言ってアルベルトはひとり宿に戻る。大一ほどかけて歩いて戻ると、女将に断ってコテージ脇に駐車していた脚竜車とスズを動かし、そして再び〈ロブリッジ工房〉へと取って返した。
それから改めてミカエラとアルベルトが職人たちに説明して、そういうことなら2日もあれば作れるだろうという話になった。
「単なる雨避けが主目的ならば、[水膜]よりも[気膜]の方が宜しかろうて」
「確かに、それならば前方視界も悪化しませんし、防御効果も[水膜]と遜色ないですな」
「結界器の本体は…ああ、こちらに納めればよろしいのですな」
「なるほど、こちらのパネルで集中的にコントロールを…いやこれはよく考えられてある」
車内に案内された職人たちが庇や御者台、コントロールパネルを見回して、口々に改善案を述べながらどんどんと話が決まってゆく。その外ではアルベルトが別件で餌の保管庫の増設を相談している。
なお、ミカエラのキツいファガータ訛はその都度レギーナやアルベルトが通訳してやっていたりする。決してどこでも当たり前に通じるわけではなく、むしろ通じないことの方が多かったりするのだ。
「図面を拝見致す限りですと、重量バランスにやや問題があろうかと」
「確かに。では増設の保管庫はやはり左舷ですな」
「しかしそうなると、居室がその分狭くなりますが」
「そこは仕方ないわ。なんかいい具合に考えてちょうだい」
「畏まりました。では…」
餌の保管庫は左舷中央、ちょうど冷蔵器と調理台の反対側に、アルベルトの寝床の下と同じサイズのものを作ることになった。しかしそうなると、外装に施された薔薇の彫刻を少し損なうことになる。そのため外装板は切り取った上で蓋として再利用することとし、魔力発生器も専用のものを増設することにした。
保管庫の居室側はどうしても四角く出っ張りができてしまうが、これは内装をいじってソファにしてくれるそうだ。
そして、それならばいっそメイン乗降口を広げて雨具置き場を設けよう、という話も出てきて、新設する保管庫と乗降口の間にロッカー式の縦長の雨具収納スペースが作られることになった。これで雨の日に出入りする際にも乗降口で雨具を着脱できて、車内をあまり濡らさずに済むようになる。
なお、こちらの改装には4日ほど欲しいとのこと。
「すごいね、アイデアがどんどん出てくる」
「さすが、職人さんは違うばい」
「使い勝手が良くなる分には歓迎よ♪」
「我ら商工ギルドラグシウム支部の総力を挙げて、必ずやご満足頂けるものに仕上げますので、どうか安心してお任せ下さい」
ということで、アプローズ号はしばし商工ギルドに預けられることになった。そのまま概算で見積もりを出して、レギーナが了承してミカエラがサインして、詳細は契約書が整う後日ということにして。
だが、アルベルトがスズの手綱を引いて帰ろうとした、その時。
「そういえば、そちらの脚竜はよく調教してございますな」
商工ギルドのラグシウム支部長が声をかけてきたのだ。
スズはいつも通り、街に入る前に噛み付き防止用の口輪を嵌められてアルベルトに、レギーナに大人しく従っている。だから最初はその大きさと迫力に度肝を抜かれた工房や商工ギルド、魔道具ギルドの面々も今やすっかり慣れて安心していた。
「ああ、これはラグの隊商ギルドで生まれたばかりの幼竜の頃から飼われていたそうで、それで人によく懐いてるんです」
「そうですか。ティレクス種は人には馴れぬと思っておりましたが…これほど従順ならば、鞍を置いてもようございますな」
「鞍?」
支部長は、これだけ従順ならば脚竜車を牽かせるだけでなく騎竜としても使えるだろうというのだ。
「鞍ねえ」
「要るかいね?」
「まあ、あれば何かの際には役に立つ事もあるかも知れないわね」
「スズの、背中に…乗る?」
「そうだなあ、スズの背中に人が乗っていれば、道中で放して狩りをやらせても人に見られて騒がれることがなくなる、かな?」
「「「「あー、確かに」」」」
「もしよろしければ、そちらもお作り致しましょうか」
「そうね。じゃ、お願いしようかしら」
「ほんなら費用の相談はウチが」
支部長の提案にレギーナが了承し、ミカエラは早速値段交渉に入る。
こうして、スズの鞍も発注されることになった。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
【注記】
この世界にも「傘」はありますが、主な用途は貴婦人の日傘であって庶民の雨具ではありません。布に撥水加工を施すのは靴などで一部実用化されてはいますが、割高なので一般的にはまだあまり普及していません。
雨具と言えば油を染み込ませた織り目の細かい麻布のフード付きポンチョタイプが一般的で、それも長時間の使用に耐えうるわけではありません。
0
お気に入りに追加
172
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
ドラゴン王の妃~異世界に王妃として召喚されてしまいました~
夢呼
ファンタジー
異世界へ「王妃」として召喚されてしまった一般OLのさくら。
自分の過去はすべて奪われ、この異世界で王妃として生きることを余儀なくされてしまったが、肝心な国王陛下はまさかの長期不在?!
「私の旦那様って一体どんな人なの??いつ会えるの??」
いつまで経っても帰ってくることのない陛下を待ちながらも、何もすることがなく、一人宮殿内をフラフラして過ごす日々。
ある日、敷地内にひっそりと住んでいるドラゴンと出会う・・・。
怖がりで泣き虫なくせに妙に気の強いヒロインの物語です。
この作品は他サイトにも掲載したものをアルファポリス用に修正を加えたものです。
ご都合主義のゆるい世界観です。そこは何卒×2、大目に見てやってくださいませ。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる