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第一章【出立まで】
1-10.ラグ神殿のドジっ子神徒(チラ見せ)
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その後数日は蒼薔薇騎士団も姿を見せることなく、アルベルトもようやくミック少年に薬草採取の仕事を教えることができた。
その間彼女たちが何をやっているのかアルベルトは知らなかったが、何かあれば互いに連絡を取り合うということで話がまとまっており、アルベルトにも“通信鏡”が渡されていた。
今のところ、その通信鏡が起動したことはまだ一度もない。
ただ問題があるとすれば、ミック少年がアルベルトまで勇者の関係者扱いをして萎縮してしまったことだった。それまでにもフリージアやザンディス、アヴリーたちと普通にやり取りをしていたのを見ていたはずなのに、ガチガチに畏まって「アルベルト様」などと言うものだから、その認識を改めさせるだけでも1日以上かかってしまった。
それからさらに4日経ち、ようやくミックも『アルベルトに慣れ』てきたところである。この日は薬草採取の依頼がなく、アルベルトはオフになる。神殿からの依頼はアルベルトの体調や疲労を考慮して、こうして定期的に依頼を出さない日を設けてくれているのだ。
なので、それを利用してアルベルトはミックを神殿へと連れ出した。目的は東方世界に旅立つためラグを留守にする事の報告と、薬草採取の依頼を本格的にミックへと交代するための依頼先変更の手続きである。
朝に〈黄金の杯〉亭で待ち合わせて、連れ立って店を出る。神殿は街の中央やや北側、北門への大通り沿いの一角で、〈黄金の杯〉亭からは比較的ほど近い場所にある。
ほどなく神殿にたどり着き、入口で守衛代わりの神徒に来意を告げて神殿長への面会を求めると、すぐに顔見知りの神徒がやって来た。
「アルベルトさんいらっしゃい」
「やあカタリナ。元気そうで何よりだね」
「えへへ。アルベルトさんもお元気そうです」
出てきたのは青派の侍徒の少女でカタリナという。今年16歳でステファンよりひとつ下だが、こちらは年齢相応の外見で少女らしい魅力に溢れている。青いセミロングの髪と同じ色の瞳が印象的で、鼻頭に残るそばかすだけが幼さを残していた。
今年から配属されたばかりの新人だが、もうすっかり青派の法衣姿にも着慣れてきて、他の信者たちからの評判も概ね好評だと聞く。
「神殿長さまは朝の説法のお時間なので、少しお待ち下さい。お会いになれるまでお部屋にご案内しますね」
彼女はそう言いながら踵を返す。
「それではこちらでゅわぁあ!」
と、一歩踏み出したところで彼女は法衣の裾を踏んづけて盛大にすっ転んだ。足首までしかない法衣の一体どこを踏んづけたのだろうか。
ていうか派手に転んだせいで、見えてはいけないものが見えた気がするのだが。
「ちょっと、大丈夫かいカタリナ?」
「いたたたた…またやっちゃいましたぁ」
また?
またって言った今?
ていうか涙目でぷるぷる震えてないか?
「カタリナ、大丈夫だから落ち着いて。冷静に、深呼吸して?」
アルベルトが努めて穏やかに声をかけ、彼に言われるままに深呼吸して、ようやくカタリナの震えも収まってきた。
「アルベルトさん、カタリナさんの扱い慣れてますね…」
「えへへ…。アルベルトさんはいつもお優しいから私もすごい安心しますぅ」
ミックが何やら感心している。
カタリナはカタリナで頬を染めてデレている。いや褒めてないからね?
見る人が見れば確実にある種の勘違いをされそうな光景だったが、今これを見ているのはこの光景を見慣れている人たちばかりで、その感想は『ああ、またか』で統一されていたから、少なくとも誤解の心配だけはない。
いやミックには誤解されかねないが。
ともあれ、アルベルトの手を借りて立ち上がったカタリナは、今度は裾を踏むことなく歩み出して無事に部屋まで案内を終えた。
まあ扉を開けようとしてドアノブを掴みそこねて額をしたたかにドアに打ち付け、それでまたぷるぷる震えていたのだが。
この娘、こんな調子で大丈夫なのだろうか。
「カタリナはああ見えても中央大神殿の神学校を卒業したエリートなんだそうだよ」
「え、そうなんですか!?」
「エリートのはず、なんだけどね…」
いまいち大丈夫と擁護しきれないアルベルトである。
エトルリアの代表都市フローレンティアには神教の最高神殿である〈中央大神殿〉がある。エトルリアの国家神殿、そしてフローレンティアの都市神殿も兼ねた壮麗で大規模なその神殿には、イェルゲイルの神々からの神託を唯一受けられる巫女のいる〈巫女神殿〉と、次代の神教法術師を育成する専門の大学である〈神学校〉も併設されている。
神学校に入学できるのは各地から選抜された候補生のうち、入学試験を突破したごく一部だけで、しかもそこから3年間にわたる様々な試験や授業を経て卒業できるのはその半分ほどだという。
つまり、神学校の卒業生というだけで将来を約束された超エリートなのだ。現にカタリナも、教団に入って最初に就くべき雑用係である「神僕」ではなく、神殿長および宗派長に就く「司徒」を補佐する「侍徒」の地位にいきなり就いている。
なのだが、どうにもそんな風に見えないのがカタリナの不安要素であった。
ただ、そのドジっ娘ぶりは一部の信者━神徒━たちからは高く評価されているという。
一体それが何故なのかアルベルトには分からないが、何となく分かってはダメな気がする。何というか、後戻りできなくなりそうというか、上手く説明できないのだが。
ちなみに、巫女神殿で神々に仕える巫女の地位に就いているのは、かつてのアルベルトの仲間で“輝ける五色の風”の法術師だったマリアである。アルベルトは久しく会っていないが、なかなか会えるような立場の人ではないため、これはやむを得ないことではあった。
この世界の教育制度は初等教育、中等教育、高等教育と分かれていて、初等教育は6歳から3年間、中等教育は9歳から3年間である。初等教育では基本的な読み書きや常識などを教え、中等教育ではそれに加えて大まかな歴史、基礎的な職業知識や各種スキルの基本などを学ぶ。
そして1年置いて13歳から3年間学ぶのが高等教育、いわゆる「大学」である。中等教育までは各国が国策として行うもので、国からの教育費補助金もあって低所得層でも子弟を通わせやすい。だが高等教育はさらなる専門知識を求める者が自ら望んで進むもので、当然全額自費になるし、基本的に全寮制である。だから進学するのはある程度の富裕層の子弟が主体で、一般庶民はたいてい中等教育までしか受けないのが普通だ。
大学は将来のために専門知識を学ぶ場であり、大学によって授業内容がまるで異なるため入学の時点で試験が課される。つまり入学試験である。中等教育から1年の猶予があるのはその試験勉強の期間を設けてあるわけだ。
ちなみに、この世界では年が明けるとともに加齢する。誕生日は個別に正確に記録されて当日はお祝いもするが、加齢はそれとは別に年明けに全員一律だ。だから初等教育を終えて卒業する花季になると9歳になっていて、中等教育を終えると12歳、高等教育を終える頃には成人して16歳になっている。
大学のうちもっとも格式が高いのは、西方十王国の一国であるアルヴァイオン大公国の首都ロンディネスにある〈賢者の学院〉で、レギーナやミカエラ、ユーリなどの母校である。西方世界全体での最高学府とされていて、ここには各国の王侯貴族子弟を中心に世界中からエリート中のエリートが集まってくる。当然、入学の倍率も非常に高い狭き門である。
次に高名なのがフローレンティアにある神教の〈神学校〉で、その他の一般の大学でもっとも格式高いのはエトルリアのフェルシナ市にある〈フェルシナ大学〉であろうか。
つまりレギーナやミカエラは最高クラスの超エリートであり、カタリナはそれにはやや劣るものの、一般社会から見ればそれでもとんでもないエリートである。そのはずなのだ。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
カタリナのエピソードは色々と作ってますが、出てくるのは作中でここだけです。残念!
アルベルトたちがラグまで帰ってくれば、また出せるかも知れませんが。
その間彼女たちが何をやっているのかアルベルトは知らなかったが、何かあれば互いに連絡を取り合うということで話がまとまっており、アルベルトにも“通信鏡”が渡されていた。
今のところ、その通信鏡が起動したことはまだ一度もない。
ただ問題があるとすれば、ミック少年がアルベルトまで勇者の関係者扱いをして萎縮してしまったことだった。それまでにもフリージアやザンディス、アヴリーたちと普通にやり取りをしていたのを見ていたはずなのに、ガチガチに畏まって「アルベルト様」などと言うものだから、その認識を改めさせるだけでも1日以上かかってしまった。
それからさらに4日経ち、ようやくミックも『アルベルトに慣れ』てきたところである。この日は薬草採取の依頼がなく、アルベルトはオフになる。神殿からの依頼はアルベルトの体調や疲労を考慮して、こうして定期的に依頼を出さない日を設けてくれているのだ。
なので、それを利用してアルベルトはミックを神殿へと連れ出した。目的は東方世界に旅立つためラグを留守にする事の報告と、薬草採取の依頼を本格的にミックへと交代するための依頼先変更の手続きである。
朝に〈黄金の杯〉亭で待ち合わせて、連れ立って店を出る。神殿は街の中央やや北側、北門への大通り沿いの一角で、〈黄金の杯〉亭からは比較的ほど近い場所にある。
ほどなく神殿にたどり着き、入口で守衛代わりの神徒に来意を告げて神殿長への面会を求めると、すぐに顔見知りの神徒がやって来た。
「アルベルトさんいらっしゃい」
「やあカタリナ。元気そうで何よりだね」
「えへへ。アルベルトさんもお元気そうです」
出てきたのは青派の侍徒の少女でカタリナという。今年16歳でステファンよりひとつ下だが、こちらは年齢相応の外見で少女らしい魅力に溢れている。青いセミロングの髪と同じ色の瞳が印象的で、鼻頭に残るそばかすだけが幼さを残していた。
今年から配属されたばかりの新人だが、もうすっかり青派の法衣姿にも着慣れてきて、他の信者たちからの評判も概ね好評だと聞く。
「神殿長さまは朝の説法のお時間なので、少しお待ち下さい。お会いになれるまでお部屋にご案内しますね」
彼女はそう言いながら踵を返す。
「それではこちらでゅわぁあ!」
と、一歩踏み出したところで彼女は法衣の裾を踏んづけて盛大にすっ転んだ。足首までしかない法衣の一体どこを踏んづけたのだろうか。
ていうか派手に転んだせいで、見えてはいけないものが見えた気がするのだが。
「ちょっと、大丈夫かいカタリナ?」
「いたたたた…またやっちゃいましたぁ」
また?
またって言った今?
ていうか涙目でぷるぷる震えてないか?
「カタリナ、大丈夫だから落ち着いて。冷静に、深呼吸して?」
アルベルトが努めて穏やかに声をかけ、彼に言われるままに深呼吸して、ようやくカタリナの震えも収まってきた。
「アルベルトさん、カタリナさんの扱い慣れてますね…」
「えへへ…。アルベルトさんはいつもお優しいから私もすごい安心しますぅ」
ミックが何やら感心している。
カタリナはカタリナで頬を染めてデレている。いや褒めてないからね?
見る人が見れば確実にある種の勘違いをされそうな光景だったが、今これを見ているのはこの光景を見慣れている人たちばかりで、その感想は『ああ、またか』で統一されていたから、少なくとも誤解の心配だけはない。
いやミックには誤解されかねないが。
ともあれ、アルベルトの手を借りて立ち上がったカタリナは、今度は裾を踏むことなく歩み出して無事に部屋まで案内を終えた。
まあ扉を開けようとしてドアノブを掴みそこねて額をしたたかにドアに打ち付け、それでまたぷるぷる震えていたのだが。
この娘、こんな調子で大丈夫なのだろうか。
「カタリナはああ見えても中央大神殿の神学校を卒業したエリートなんだそうだよ」
「え、そうなんですか!?」
「エリートのはず、なんだけどね…」
いまいち大丈夫と擁護しきれないアルベルトである。
エトルリアの代表都市フローレンティアには神教の最高神殿である〈中央大神殿〉がある。エトルリアの国家神殿、そしてフローレンティアの都市神殿も兼ねた壮麗で大規模なその神殿には、イェルゲイルの神々からの神託を唯一受けられる巫女のいる〈巫女神殿〉と、次代の神教法術師を育成する専門の大学である〈神学校〉も併設されている。
神学校に入学できるのは各地から選抜された候補生のうち、入学試験を突破したごく一部だけで、しかもそこから3年間にわたる様々な試験や授業を経て卒業できるのはその半分ほどだという。
つまり、神学校の卒業生というだけで将来を約束された超エリートなのだ。現にカタリナも、教団に入って最初に就くべき雑用係である「神僕」ではなく、神殿長および宗派長に就く「司徒」を補佐する「侍徒」の地位にいきなり就いている。
なのだが、どうにもそんな風に見えないのがカタリナの不安要素であった。
ただ、そのドジっ娘ぶりは一部の信者━神徒━たちからは高く評価されているという。
一体それが何故なのかアルベルトには分からないが、何となく分かってはダメな気がする。何というか、後戻りできなくなりそうというか、上手く説明できないのだが。
ちなみに、巫女神殿で神々に仕える巫女の地位に就いているのは、かつてのアルベルトの仲間で“輝ける五色の風”の法術師だったマリアである。アルベルトは久しく会っていないが、なかなか会えるような立場の人ではないため、これはやむを得ないことではあった。
この世界の教育制度は初等教育、中等教育、高等教育と分かれていて、初等教育は6歳から3年間、中等教育は9歳から3年間である。初等教育では基本的な読み書きや常識などを教え、中等教育ではそれに加えて大まかな歴史、基礎的な職業知識や各種スキルの基本などを学ぶ。
そして1年置いて13歳から3年間学ぶのが高等教育、いわゆる「大学」である。中等教育までは各国が国策として行うもので、国からの教育費補助金もあって低所得層でも子弟を通わせやすい。だが高等教育はさらなる専門知識を求める者が自ら望んで進むもので、当然全額自費になるし、基本的に全寮制である。だから進学するのはある程度の富裕層の子弟が主体で、一般庶民はたいてい中等教育までしか受けないのが普通だ。
大学は将来のために専門知識を学ぶ場であり、大学によって授業内容がまるで異なるため入学の時点で試験が課される。つまり入学試験である。中等教育から1年の猶予があるのはその試験勉強の期間を設けてあるわけだ。
ちなみに、この世界では年が明けるとともに加齢する。誕生日は個別に正確に記録されて当日はお祝いもするが、加齢はそれとは別に年明けに全員一律だ。だから初等教育を終えて卒業する花季になると9歳になっていて、中等教育を終えると12歳、高等教育を終える頃には成人して16歳になっている。
大学のうちもっとも格式が高いのは、西方十王国の一国であるアルヴァイオン大公国の首都ロンディネスにある〈賢者の学院〉で、レギーナやミカエラ、ユーリなどの母校である。西方世界全体での最高学府とされていて、ここには各国の王侯貴族子弟を中心に世界中からエリート中のエリートが集まってくる。当然、入学の倍率も非常に高い狭き門である。
次に高名なのがフローレンティアにある神教の〈神学校〉で、その他の一般の大学でもっとも格式高いのはエトルリアのフェルシナ市にある〈フェルシナ大学〉であろうか。
つまりレギーナやミカエラは最高クラスの超エリートであり、カタリナはそれにはやや劣るものの、一般社会から見ればそれでもとんでもないエリートである。そのはずなのだ。
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カタリナのエピソードは色々と作ってますが、出てくるのは作中でここだけです。残念!
アルベルトたちがラグまで帰ってくれば、また出せるかも知れませんが。
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