【完結】そして、誰もいなくなった
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
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うぉぉぉ、そうだったのか~!
感想ありがとうございます。
「そう」の部分が何を指すのかイマイチ分かりづらいですが、まあ「そう」だったのです(笑)。
感想ありがとうございます。
個人的にはそのつもりで書き進めましたけど、正直なところ父のセベリアノ次第な面がありますね。なので一応どちらとも取れるようぼかしています。
婚約破棄時点でイグナシオは17歳(この世界は年明けと同時に一律加齢、新年から約1ヶ月で学院卒業)で、刑期を終えても彼は20歳ですから、再教育の時間は充分あります。
ランキングから来ました。完結だったので一気に読み通しましたが、最後の最後に本当の黒幕に因果応報があって良かったです。もう一人の黒幕(こっちの方がより悪質?)もしばらく時間が経過してから受けるべき報いを受けることになるのだろうと想像はしていますが、もしその部分が番外編になれば是非読みたいです。
感想ありがとうございます。
もうひとりの末路に関しては、敢えて語らない事で本編終了と致しましたのでご想像にお任せしますね。というよりこの話は『終わりなきドロドロ政争劇』がテーマなので、おそらくやられたままでは終わらないのではないかと。
というわけで続きを書くと果てしなくなってしまうので、番外編などは書く予定がありません。ごめんなさいm(_ _)m
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