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カラダの関係は、しばらくおあずけ。
(※♡)魅惑の温泉デート
しおりを挟む──結局、葵の押しに負けてしまい、やって来た日帰りの貸し切り温泉。
小さな洗い場が2つと、ヒノキの露天風呂が1つというシンプルな造りだ。
先に浴場に入って髪と体を洗い、バスタオルをガッチリ体に巻いてから綾乃は脱衣室に声を掛ける。
「葵ー!もう入ってきてもいいよーっ!」
そして腰から下にタオルを巻いた葵が入ってくるや否や、逃げるように露天風呂に浸かる綾乃。
「今さらそこまで恥ずかしがるような関係かねぇ…」
「は、恥ずかしいもんは恥ずかしいのっ!!」
Hの時と、こういう場所で裸になるのとはまた違うのだ。
実際に何度も見られてきたものの、好きな人に裸を見られてしまうのは単純に恥ずかしい。
「たまにはいいよな、こういうのも」
そう言いながらイスに座ってシャンプーで髪を泡立てる葵の後ろ姿を見つめる綾乃。
そのバランスよく引き締まった背中から腰を見ていても、普段から意識して作り上げられている体だということがよくわかる。
「そ…そうだね、たまには……いいかも」
そのうわずった声だけでドキドキしているのがバレてしまいそうだ。
…いや、もうバレているのかもしれない。
「……やけにおとなしいじゃん、今日は俺んちの掃除で疲れた?(笑)」
泡立てたボディタオルで体を擦る葵にそんな質問をされて、綾乃はグッと口を紡いだ。
疲れたかったけど、まったく疲れていないから。
そして、そんな想いは顔が見えない今だからこそその口からこぼれ落ちるのだ。
「…ねぇ、葵」
「んー?」
「も、もしもだよ?もし、葵が誰かと結婚することがあったとしても…」
「メリットなんて、あるの?」
「……え?」
体を洗う手を止めた葵がこちらを横顔で振り向き、綾乃は慌てて目を逸らした。
「だ、だからねっ…」
「例えば葵が仕事に出かけてる間に奥さんが家で洗濯して、掃除して、買い物に行って美味しいご飯を作って待っていてくれる…とか…」
──そう、それはごく普通に男が女に求めるもの。
「…私にはわからないの」
「料理も人並み以上に出来て、仕事と家事の両立だって完璧に出来てて…」
「そんな葵が結婚することで何が変わるのか…とか、誰かの力を借りてサポートしてもらう必要があるのかどうか…とか」
それでも、部屋の中で見つけた預金通帳と婚約指輪のカタログの存在がいまだに頭から離れない綾乃は、洗い場にいる彼からの甘い言葉を信じて待ってしまう。
「でも、葵だって…その……いつかは結婚したいって…思ってるんだよね…?」
自分自身で言ってしまったその核心をついた言葉に少し戸惑う綾乃だったが…
「あー……もしかして、リビングに置きっぱなしにしてたカタログ見ちゃった?」
返ってきた返事は、質問返しだった。
なぜかギクッとしてしまう。
「あっ……う、うん」
明らかに女性への婚約指輪を取り扱ったあのカタログの中身を思い出すたび、その期待はドキドキと心臓の鼓動を速めてはまた次の言葉を待ってしまう。
ところが…
「あ、あれはさ…今度仕事で使うサンプルとして買ったんだよ」
「ブライダルジュエリーショップの公式ホームページの制作なんだけど…指輪に関してはまだ知識薄な部分もあるから、せめてもの参考に…なっ」
──全身の泡をシャワーで洗い流しながら、葵は言った…。
「そ、そう…だったの…」
どうしようもない落胆は、次第に一人で勝手に勘違いして期待していた自分への小っ恥ずかしさに変わり、お湯に浸かっているその体はもちろん、顔まで熱くなってきた。
「(なーんだ、私のためなんかじゃなかったんだ…)」
お湯の中に潜って隠れてしまいたかったその時、洗い終わった葵がお湯の中へと足から入ってきた。
「(き、来たっ…!)」
顔を上げた先には、絵に描いたような半裸で濡れ髪の眉目秀麗な男。
ただお風呂に入ろうとしているだけなのに、その美しい顔と体に目を奪われてしまう。
今目の前にいるのが、自分の恋人であることを疑いたくなるほどに…。
「(く、くそぅ…っ悔しい…)」
「(こういうのって普通、女の私が色気でドキドキさせてやんなきゃいけない場面なのに…っ)」
浴槽の中の段に腰掛けた葵と目が合う。
「結婚のメリットって…そんなに必要なもんなのかな?」
「……え?」
「メリットっていう言い方が正しいのかはわかんないけど…俺はこうして一緒に疲れを癒せるパートナーがいるってだけで“メリット”…だけどな」
「葵……そ、それって…」
「心配すんなって、綾乃」
「俺、お前が作るビーフシチューだって…嫌いじゃないからさ」
そう言って耳の裏を指で触る葵。
それは、照れ隠しのいつもの癖だ。
「ほ、ほんとに……あんなにクッソマズイのが…?!」
「…バカ、そーゆーのは味だけじゃないんだよっ」
「まぁ、毎日出されたらさすがに痩せそうだけどな(笑)」
「…ああ!やっぱりマズイと思ってるんじゃんっ!」
子供みたいに怒り出す綾乃を無視して葵がザバーッと一気に首まで浸かり、お湯が縁の外へと溢れ出した。
「うっへぇぇぇ気持ちいーっ!」
「極楽極楽~っ♡」
「このうえ冷酒なんてキュッといけたらもう完璧なのになー!」
「オヤジくさ…(笑)」
「う、うるさいなっ……大人のご褒美って奴なんだよっ」
今は心も体もリラックスしているけど、普段はWebデザイナーのチームをまとめ上げ、プロジェクトの統括管理者として責任ある仕事をしている葵。
当然疲れも溜まればストレスだって溜まっているはず。
そんな葵を見て、綾乃は思った。
「(…まいっか……結婚だのどうのって、今焦ってハッキリさせる必要なんてないんだし)」
「(私も…今はこうして、葵と一緒にいられる時間を大切にできればそれでいい…)」
喉の奥で引っかかっていたものが取れそうになった時、不意にお湯の中で腕を掴まれた。
「あ、葵っ?」
グッと引っ張られてお湯の中で引き寄せられ、そのまま後ろから抱きすくめられた。
「あ…!!」
咄嗟に胸元を締め付けるバスタオルのつなぎ目を確認してしまうが、葵の両手は胸ではなくてお腹の辺りで組まれていた。
「ずっとこうしてられたらいいのにな…」
すぐ後ろで呟くその言葉は、綾乃が今感じていることとまったく同じだ。
「うん…私も…同じこと思ってた……」
幸せに満ち足りた時間は、残酷なまでに早く過ぎ去っていく。
会社で顔を合わせることはあるものの、こうして二人っきりで抱き合える時間には限りがあるのだ。
───離れたくない。
この甘くて幸せな時間が過ぎ去ればまた一人で住む狭いアパートに帰って眠り、翌朝からお互いに仕事と別々の生活が始まって会えない日々が続く。
「(もし、一緒に住んでたら毎日一緒にいられるのにな…)」
そう願えば願うほどに、タオルに締め付けられた胸が痛む。
“言ってしまおうか…”
そう心に決め、綾乃は背後の葵を振り返った。
「…ねぇ葵、少し仕事が落ち着いたら一緒にっ───」
「すぴーー…」
そこにあるのは、完全に油断しきった寝顔だった。
「……って!寝てるしっ!!」
「ちょっと葵っ!こんなとこで寝ちゃったら危ないでしょっ?!溺れちゃったらどぉすんのっ!」
向かい合って肩を掴んで揺らしてみると、葵は目を閉じたままうわ言のようなものを呟いた。
「んん……寝てなんか…ないですってウエダさん…っ」
「……誰よ、ウエダさんって」
恋人と二人きりで露天風呂という最高のシチュエーションでこの有様。
疲れているのはわかるけど、綾乃にとってはムードをぶち壊されたも同じ。
「な、なによっ…せっかくいい雰囲気だったのにっ…」
文句を垂れながらもその寝顔を見つめる。
きめ細やかで綺麗な肌も、フサフサで長いまつ毛も、美しい鼻筋も、そのすべてが羨ましいと同時にどうしようもなく魅了されてしまう。
そして、その形の整った柔らかそうな唇に目が止まる。
ドキン、ドキン、ドキン…
「(ちょ、ちょっとぐらい……いいよね?)」
「(恋人なんだから、コッソリキスしちゃっても…)」」
誰もいないはずのお風呂をキョロキョロ見渡してから、綾乃はタコのようにムッチュウ~ッと唇を突き出してゆっくり葵の寝顔に近づいた。
その瞬間、視線を感じて目を開き…
至近距離で葵と目が合う。
「………あ。」
ピタリと動きが止まった綾乃だったが、ビックリして離れる前に後頭部を引き寄せられて、葵の方から唇を塞がれた。
「んむっ?!」
パシャンッとお湯が波打ち、キスしながら動き出した葵によって浴槽の壁まで追い詰められていく。
「ちょ、ちょっと!待ってよ葵っ!」
「…なんだよ、先にキスしようとしたのはお前だろ?」
そう言ってニヤリと笑うと、葵は綾乃の胸元を締めるバスタオルのつなぎ目に指を引っ掛けた。
「──あっ!」
パラリと剥がれたバスタオルは、虚しく湯船の底へと沈んでいった…。
「ば、バカッ!ここ家じゃないんだからっ…!」
「キスしたらもう止まんねぇよ」
「今すぐここでお前が欲しい」
まっすぐ見つめられて動けない中、今度はより深いキスをされていよいよ受け入れざるを得なくなる。
──温泉の湯気が、絡み合う二人の周りを妖しく漂い続ける。
「んっ…ああ…あっ!」
ヒノキで出来た浴槽の縁に座った状態で、湯船から半身出た葵に胸を愛撫されている。
「こんなカラダ、なんで隠すんだよ…」
「だってここ明るいし……私、あんまりスタイルに自信ないから…っ」
「…なんで?俺……好きだよ」
「ちょうど手のひらにおさまる柔らかい胸も…」
「刺激したらすぐピンピンに勃っちゃう可愛い乳首も…」
お湯で濡れた乳首が舐められ、口に含んで吸われてプックリ立ち上がった。
「……ほらな♡」
言った通りにピンピンになってしまった乳首を舌でレロンレロン舐め回されて…
「んふ…っ!やだぁ……やらしい、葵…!」
「やらしいのはお前だよ」
「恥ずかしがってるわりにいつもこっちは…」
太ももの間を割って入ってきた指が、クチュクチュと音を立てる。
「……すぐこうだもんな」
体がビクビクするだけで、否定の言葉すら出てこない。
「脚、広げてよく見せてよ」
こんなシチュエーションで、それも明るい場所で一体何をさせるつもりなのか。
「や、やだっ…ここ、ライトアップしてるちょうど真下でしょっ?!」
「恥ずかしいに決まってるじゃない…!」
やっと出てきた拒絶の言葉だったが、葵は萎えるどころかむしろそれを楽しんでいるふうに見える。
羞恥心を煽ることで女を興奮させられることをわかっているのだ。
そして、それは男である自分自身も同じように…。
「…ダメ、俺がもう我慢できないから」
膝にキスをされて、やんわりとその指が膝を割ると同時に太ももの内側へといくつもキスをされるうちに、ついには両脚が自然と開いてしまった。
「あ、葵…!」
一番恥ずかしい所を見られているという光景を直視できない綾乃の耳に、回避できない声がさらに追い討ちをかけてくる。
「全部丸見えだよ?」
顔が熱く火照り、息が荒くなり始める。
「暗いとこで見るよりよっぽど綺麗で…」
「おいしそう♡」
「ばっ…バカ…!!」
思わず閉じてしまいそうになる脚をグッと掴まれて、恥ずかしくてたまらない所に舌が這わされた刺激で脚の力はそれ以上入らなくなってしまった。
「や、やだあ……あっ!」
太ももの内側で動く彼の薄茶色の髪がくすぐったい。
疲れを癒すはずの場所でこんなにも卑猥な行為をしている自分が、どうしようもなく淫らな女に思えてしまう。
「葵…っそれ以上したらもう…っ!」
──“我慢できなくなっちゃう”
そう唇に歯を立てた時、ヌプッ…という卑猥な水音とともに指が挿し込まれた。
「は、あ…!あぁあ…っ」
「…ダメ!それ動かしちゃ──」
ぐぷぐぷぐぷっ…
「あぁあん…!!」
2本の指を容易く呑み込んだ膣内は、激しい指の動きに合わせて奏でるその音で自らが感じていることを証明し始めた。
「こんな場所だからって興奮してるんだろ?」
「クリがすんごい勃起して大きくなってる」
「ひうっ…うう…っ」
もう一方の指で皮を剥き広げられたクリトリスは、舌先でこねくり回されてプルプルと弄ばれ続け…
膣奥までグチュグチュと攻められるのと相まって強烈な悦楽が脳を支配した。
「だめっ、ヤバ……イク、イクイクッ…!!」
我慢できずに太ももで葵の顔を挟んだままビクビクと小刻みに腰を浮かせた。
そして、ヌルリと引き抜かれた彼の2本の指。
「見て…これ」
そう言って目の前で見せつけられた2本の指の間で、愛液が糸を引いていた。
「や、やだっ……そんなの見せないでよ…!」
自分が感じることで絡み付いた体液のいやらしさを目の当たりにして赤面する綾乃を横目で見下ろして笑うと、葵は見せつけるようにその指にツーッと舌を這わせた。
「あ……!!」
恥ずかしいはずなのに、不思議とカラダはその光景に反応していた。
何もかも奥まで彼にしゃぶり尽くされたい…そんな疼きが体中を火照らせていく。
「葵……もう入れてっ…お願い…っ!」
「もう欲しくてたまらないの…!」
気づけばそんなことを口走っていた。
「恥ずかしがりなのか淫乱なのかわかんないよな、お前って(笑)」
「でも……どっちも可愛いからしてあげる」
とっくに膨張して硬く勃っていたものが、割れ目の中に押し入ってくる。
浴槽の縁に座って脚を開き、床について体を支える両手の力が抜けそうになる。
にゅぷぷっ…
「や、あ…っあぁあ…!!」
「まだ入れたばっかなのにもう気持ちいいの?」
「ヒクヒクしてるのが伝わってくる…」
「だ、だって…っ」
ずぷずぷずぷっ!
「あぁあっあ!!」
「どこがなんでそんなに気持ちいいのか教えて…?」
強弱をつけたピストンで焦らしながら耳元で囁かれてゾクゾクすると同時に、脳から卑猥な言葉が口を通じて飛び出してしまう。
「私の…オマンコ…葵のでいっぱいできもちいのっ…!」
「俺の……なにが?」
「……っ」
「葵の……すっごく硬くて大きい…お、おちん…ちん──」
そこまで言わされたところで、いきなり強く突かれ始める。
パチュパチュパチュパチュパチュ!
「あ、あ、あぁぁあ…んっ!!」
ズプズプと音を立てて出入りする結合部が、自分の目からも見えてしまい…
「あはぁ、あ…っやだぁ…!」
「また中濡れてきたよ、綾乃…っ」
「入ってるトコ見て興奮しちゃった?」
「でも俺の視点からだと…無防備な部分まで全部丸見えなんだよなぁ…」
親指で結合部の上についている一番敏感な突起物をクリクリと撫で回される。
「ひっ、あぁんっ!だめだめ、クリだめぇ…!」
「何がダメなの?気持ちよすぎて?」
そう言って乳首に吸い付かれた時に、限界が訪れた。
「…あはぁっ…出るっ、れちゃうぅ!」
パンパンと激しく打ちつけられる音は、脱力感とともに水気を含んだ音へと変わった。
「あっ…きもちい、綾乃っ…!」
「イクッ……んっ、イク…ッ!」
潮吹きの後すぐに射精された精液は、ドプドプと注がれては膣口から垂れ落ちていった…。
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