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一章
4,契約させて
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「っていうわけなの。わかった?」
「うんまあ、ぼんやり」
「うそ、ぼんやりなのかよ……僕すげぇがんばったのに……」
長い説明を終えて、フォロンさんはだらんとソファに伸びていた。
わたしはわたしで、さっきまで聞いたことを頭の中で咀嚼しながら話す。
「大丈夫、難しいことはよくわかんないけど。つまり、わたしが生きるはずだった運命を、誰かが奪ったってことなんでしょ? だから、そいつをやっつければ、わたしは元通り生きられるってこと。そうだよね?」
「うん、まあ。ざっくり言うとそうかな。そこわかってりゃいいよ、もう……スーちゃん、紅茶のお替り頂戴」
疲れ切った顔で、何杯目かのお茶のお替りを要求するフォロンさん。
しばらくもせず、スーちゃんさんが、大きなポットをどんとフォロンさんの前に置いた。
ちょっとかわいそうだったので、お茶をカップに注いであげる。
「あら、ありがと。ところでさあ、フジマヒカリさん。君、どうする?」
「どうするって?」
「勝負、受けるの? ま、僕はやめといたほうがいいと思うけどね。「子」のほうが、勝率低いしさ。負けたら、問答無用で地獄行になっちゃうし。リスクしかないよ、やめときなよ」
もう砕け切った態度で、フォロンさんが言う。紅茶を啜り、あいまにぽんぽんと一口チョコを口に放り込んでいる。
これが、仕事中のまともな大人の態度か? わたしはむっとした。
「いやですよ! わたし、やります。だって、死にたくないですもん」
「そうね~~~~! みんな、最初はそう言うんだよ。でもね、ちゃんと死ぬ方がよっぽど大変なの。その上、こんなのやってさ、まかり間違って地獄行なんてなったら、ほんと惨めなもんだよ。その大変さを思えば、今死んどいたほうが絶対得よ、君」
「絶、対ヤダ! てか、今死んだら絶対、化けて出るからっ! 「心残り」ありありだもん!」
「いやいや。あのね、生前抱える「心残り」なんて、本当はそんな大したもんじゃないんだ。そんなもんのために、良い「死後」って奴を棒に振ったって、きっと後悔するよ。こういうの、長く死んでるとわかってくるんだけどさ」
フォロンさんは、なんとなく慈愛の籠った声音でわたしを諭す。
その調子から、この人はわたしより長く生きてる(死んでる?)人ってことが、伝わってきて狼狽える。わたし、年長の人に「年の功」的な話されるの、苦手。だって年上ってさ、言ってること、すごくめちゃくちゃだと思ってても、なんか反抗しきれない感じしない?
「で、でも。でも……!」
「今なら、制度中のキャンペーンがあるから、「心残り」の弱い者ってことですぐ転生できると思うし。ね、死んどこうよ。悪いこと言わないから」
なんとか、死にたくないって訴えようとするんだけど。
目の前でにこにこしてる人に、「契約しろよおらぁ!」って強く出れる気がしない。
スーちゃんさんも、黙って部屋の隅にいて、上司を叱ってくれそうな感じもなかった。
えっどうしよう、そう思ったときだった。
「兄さん、僕だ。入っても構わないか」
低い声のお伺いと同時に、部屋のドアがバーーンと勢いよく開いた。
全員が振り返ると、そこには、また珍妙なファッションの男性が立っていた。
その人の第一印象は、「黒」。
長いまっすぐな黒髪は、ポニーテールにしてるのに、膝の裏まで届いてる。チャイナなのか武士なのか、宇宙人なのかよくわからないコンセプトの、丈の長い漆黒の着物。そして、顔の下半分を、般若みたいな険しい口のついた面で覆っている。
その人の頭の天辺に、真黒くて艶々した角を二本みつけて、わたしは、ひえっと叫んだ。
鬼だ!
ソファの上に両膝を抱えて、ばっと縮こまる。
けど、当の黒い男の人は、我関せずで部屋にずんずん歩み入り、フォロンさんの隣に立った。
「兄さん、喜んでくれ。僕もようやく上から許しを頂いた。今日付けで、職務に復帰してよいそうだ」
「ああ、そう……おめでとう。でもね、お兄ちゃん今取り込み中なのよ。あとでお祝いしてあげるから、ちょっと出てくんない?」
「そうだったか、僕としたことが。申し訳ない、お客人」
黒い男の人は、さっと踵を返し部屋から出ていきかけた。
けど、すぐにピタッと足を止める。
「しかし、この部屋に霊魂の客人。もしかして、兄さん。これは、例の職務だろうか」
独り言のように呟くと、くるりと振り返った。ふわりと長い黒髪がスカートみたいに翻る。
黒い男の人は、音もなくわたしに近寄ると、じいいっと熱視線を注いできた。その眼差しに、緊張でぎしっと肩に力が入る。
なんだかこの人の目、心までみられてるように落ち着かない。
フォロンさんはその間、何故か「はわわ……」とか言ってかわい子ぶっていた。
「――うむ、やはりか。兄さん、この霊魂は「報復の期間」に入るところなのだろう? なら、僕をこの者の監視に任命してくれ。きっと役に立ってみせよう」
黒い男の人は、勝手に納得したように頷くと、こう言った。
びっくりして顔を上げると、苦虫を嚙みつぶしたような顔のフォロンさんと、目があった。
フォロンさんは、百万発打ちそうな感じのビートで、舌打ちをする。
「あーあ。結局、めんどくさいことになるんじゃない」
「兄さん。この案件では、僕らは霊魂当人の意思に沿わねばならない」
「わかってるよぉ、もう!」
ぶつくさ言うのを咎める黒い人からそっぽを向いて、フォロンさんがスーちゃんさんを手招きした。スーちゃんさんは、どこからか赤い革の下敷き大の板をもって来て、フォロンさんに渡す。
フォロンさんは、ペンでさらさらと板に何か書きつけると、それを今度はわたしの前に置いた。
板の上には、白い紙が一枚貼られている。
長い文章の下に、フォロンさんの書いたと思しきサインがあった。
「それ、契約書。そこに、名前書いて、拇印押して。それで契約成立だよ。あーあ」
フォロンさんは、とことん投げやりに告げた。わたしは、その言葉にがばっと立ち上がる。
「えっ、契約してくれるんですか!? ありがとうございますぅ!」
「そぉぉだよっ、よかったねー! 礼なら、そこのお節介真面目馬鹿に言ってちょうだい! 僕は不本意なんだからさっ」
わたしは、大急ぎでサインして拇印を押すと、書類を返した。
ぶすっとした顔で受け取ったフォロンさんは、立ち上がる。そして、黒い男の人の胸をパンと平手で叩いた。
「僕の役目はここまで。今後のことは、君の担当になったこいつが色々引き継ぐから。わかんないことは、全部こいつに聞いてよね。じゃ、藤間光さん、せいぜい三日間頑張ってちょうだいな」
ふんっと、鼻息荒く背を向けて、部屋の奥に歩いて行った。その後に、スーちゃんさんも続く。
気づかなかったけど、観葉植物の奥に、もう一つ扉があったみたい。
わたしは、慌ててもういちど、その背中に向かって、お礼を言う。フォロンさんは振り返らず、一言低い声で言った。
「三日後までどうぞ、さようなら。どうせ、長い付き合いになるだろうからね」
ばたん、と音を立てて戸が閉まり、黒い人と二人取り残された。
あの人、静かなトーンだと、この人とそっくりの声だな、なんて場違いに思った。
ちら、と黒い人を見上げると、むこうからも見下ろされて、お礼も自己紹介もしてなかったと気付く。
「あのっ、ありがとうございました! わたしは――」
「フジマヒカリ殿だろう。礼も自己紹介も必要ない。僕は、すでに分かっている」
慌てて頭を下げようとすると、朴訥にさえぎられる。
なんでわかってんの、とか思わんこともなかったけど、どうせわけわかんない理由なんだろうし、とりあえず黙っておいた。
「さて、時間が惜しい。道すがら説明するから、ついて来て欲しい」
黒い男の人は、ふいと指先で元来たドアを示した。わたしは頷きかけて、はたと気付いた。
「あの、ちょっといいですか?」
「なんだろうか」
「あなたの名前、なんていうのか聞いてもいい?」
わたしの問いに、黒い男の人は、切れ長の目を丸く見開いた。それから、わたしにぬっと片手を差し出す。
「そうだった。名乗りもせず、不調法だった。僕は、ジンロン。付き合いは長くなるか、短くなるかわからないが、当面はよろしく頼む」
「わかった。よろしくね、ジンロンさん!」
わたしも、ぎゅっと手を握り返した。
「うんまあ、ぼんやり」
「うそ、ぼんやりなのかよ……僕すげぇがんばったのに……」
長い説明を終えて、フォロンさんはだらんとソファに伸びていた。
わたしはわたしで、さっきまで聞いたことを頭の中で咀嚼しながら話す。
「大丈夫、難しいことはよくわかんないけど。つまり、わたしが生きるはずだった運命を、誰かが奪ったってことなんでしょ? だから、そいつをやっつければ、わたしは元通り生きられるってこと。そうだよね?」
「うん、まあ。ざっくり言うとそうかな。そこわかってりゃいいよ、もう……スーちゃん、紅茶のお替り頂戴」
疲れ切った顔で、何杯目かのお茶のお替りを要求するフォロンさん。
しばらくもせず、スーちゃんさんが、大きなポットをどんとフォロンさんの前に置いた。
ちょっとかわいそうだったので、お茶をカップに注いであげる。
「あら、ありがと。ところでさあ、フジマヒカリさん。君、どうする?」
「どうするって?」
「勝負、受けるの? ま、僕はやめといたほうがいいと思うけどね。「子」のほうが、勝率低いしさ。負けたら、問答無用で地獄行になっちゃうし。リスクしかないよ、やめときなよ」
もう砕け切った態度で、フォロンさんが言う。紅茶を啜り、あいまにぽんぽんと一口チョコを口に放り込んでいる。
これが、仕事中のまともな大人の態度か? わたしはむっとした。
「いやですよ! わたし、やります。だって、死にたくないですもん」
「そうね~~~~! みんな、最初はそう言うんだよ。でもね、ちゃんと死ぬ方がよっぽど大変なの。その上、こんなのやってさ、まかり間違って地獄行なんてなったら、ほんと惨めなもんだよ。その大変さを思えば、今死んどいたほうが絶対得よ、君」
「絶、対ヤダ! てか、今死んだら絶対、化けて出るからっ! 「心残り」ありありだもん!」
「いやいや。あのね、生前抱える「心残り」なんて、本当はそんな大したもんじゃないんだ。そんなもんのために、良い「死後」って奴を棒に振ったって、きっと後悔するよ。こういうの、長く死んでるとわかってくるんだけどさ」
フォロンさんは、なんとなく慈愛の籠った声音でわたしを諭す。
その調子から、この人はわたしより長く生きてる(死んでる?)人ってことが、伝わってきて狼狽える。わたし、年長の人に「年の功」的な話されるの、苦手。だって年上ってさ、言ってること、すごくめちゃくちゃだと思ってても、なんか反抗しきれない感じしない?
「で、でも。でも……!」
「今なら、制度中のキャンペーンがあるから、「心残り」の弱い者ってことですぐ転生できると思うし。ね、死んどこうよ。悪いこと言わないから」
なんとか、死にたくないって訴えようとするんだけど。
目の前でにこにこしてる人に、「契約しろよおらぁ!」って強く出れる気がしない。
スーちゃんさんも、黙って部屋の隅にいて、上司を叱ってくれそうな感じもなかった。
えっどうしよう、そう思ったときだった。
「兄さん、僕だ。入っても構わないか」
低い声のお伺いと同時に、部屋のドアがバーーンと勢いよく開いた。
全員が振り返ると、そこには、また珍妙なファッションの男性が立っていた。
その人の第一印象は、「黒」。
長いまっすぐな黒髪は、ポニーテールにしてるのに、膝の裏まで届いてる。チャイナなのか武士なのか、宇宙人なのかよくわからないコンセプトの、丈の長い漆黒の着物。そして、顔の下半分を、般若みたいな険しい口のついた面で覆っている。
その人の頭の天辺に、真黒くて艶々した角を二本みつけて、わたしは、ひえっと叫んだ。
鬼だ!
ソファの上に両膝を抱えて、ばっと縮こまる。
けど、当の黒い男の人は、我関せずで部屋にずんずん歩み入り、フォロンさんの隣に立った。
「兄さん、喜んでくれ。僕もようやく上から許しを頂いた。今日付けで、職務に復帰してよいそうだ」
「ああ、そう……おめでとう。でもね、お兄ちゃん今取り込み中なのよ。あとでお祝いしてあげるから、ちょっと出てくんない?」
「そうだったか、僕としたことが。申し訳ない、お客人」
黒い男の人は、さっと踵を返し部屋から出ていきかけた。
けど、すぐにピタッと足を止める。
「しかし、この部屋に霊魂の客人。もしかして、兄さん。これは、例の職務だろうか」
独り言のように呟くと、くるりと振り返った。ふわりと長い黒髪がスカートみたいに翻る。
黒い男の人は、音もなくわたしに近寄ると、じいいっと熱視線を注いできた。その眼差しに、緊張でぎしっと肩に力が入る。
なんだかこの人の目、心までみられてるように落ち着かない。
フォロンさんはその間、何故か「はわわ……」とか言ってかわい子ぶっていた。
「――うむ、やはりか。兄さん、この霊魂は「報復の期間」に入るところなのだろう? なら、僕をこの者の監視に任命してくれ。きっと役に立ってみせよう」
黒い男の人は、勝手に納得したように頷くと、こう言った。
びっくりして顔を上げると、苦虫を嚙みつぶしたような顔のフォロンさんと、目があった。
フォロンさんは、百万発打ちそうな感じのビートで、舌打ちをする。
「あーあ。結局、めんどくさいことになるんじゃない」
「兄さん。この案件では、僕らは霊魂当人の意思に沿わねばならない」
「わかってるよぉ、もう!」
ぶつくさ言うのを咎める黒い人からそっぽを向いて、フォロンさんがスーちゃんさんを手招きした。スーちゃんさんは、どこからか赤い革の下敷き大の板をもって来て、フォロンさんに渡す。
フォロンさんは、ペンでさらさらと板に何か書きつけると、それを今度はわたしの前に置いた。
板の上には、白い紙が一枚貼られている。
長い文章の下に、フォロンさんの書いたと思しきサインがあった。
「それ、契約書。そこに、名前書いて、拇印押して。それで契約成立だよ。あーあ」
フォロンさんは、とことん投げやりに告げた。わたしは、その言葉にがばっと立ち上がる。
「えっ、契約してくれるんですか!? ありがとうございますぅ!」
「そぉぉだよっ、よかったねー! 礼なら、そこのお節介真面目馬鹿に言ってちょうだい! 僕は不本意なんだからさっ」
わたしは、大急ぎでサインして拇印を押すと、書類を返した。
ぶすっとした顔で受け取ったフォロンさんは、立ち上がる。そして、黒い男の人の胸をパンと平手で叩いた。
「僕の役目はここまで。今後のことは、君の担当になったこいつが色々引き継ぐから。わかんないことは、全部こいつに聞いてよね。じゃ、藤間光さん、せいぜい三日間頑張ってちょうだいな」
ふんっと、鼻息荒く背を向けて、部屋の奥に歩いて行った。その後に、スーちゃんさんも続く。
気づかなかったけど、観葉植物の奥に、もう一つ扉があったみたい。
わたしは、慌ててもういちど、その背中に向かって、お礼を言う。フォロンさんは振り返らず、一言低い声で言った。
「三日後までどうぞ、さようなら。どうせ、長い付き合いになるだろうからね」
ばたん、と音を立てて戸が閉まり、黒い人と二人取り残された。
あの人、静かなトーンだと、この人とそっくりの声だな、なんて場違いに思った。
ちら、と黒い人を見上げると、むこうからも見下ろされて、お礼も自己紹介もしてなかったと気付く。
「あのっ、ありがとうございました! わたしは――」
「フジマヒカリ殿だろう。礼も自己紹介も必要ない。僕は、すでに分かっている」
慌てて頭を下げようとすると、朴訥にさえぎられる。
なんでわかってんの、とか思わんこともなかったけど、どうせわけわかんない理由なんだろうし、とりあえず黙っておいた。
「さて、時間が惜しい。道すがら説明するから、ついて来て欲しい」
黒い男の人は、ふいと指先で元来たドアを示した。わたしは頷きかけて、はたと気付いた。
「あの、ちょっといいですか?」
「なんだろうか」
「あなたの名前、なんていうのか聞いてもいい?」
わたしの問いに、黒い男の人は、切れ長の目を丸く見開いた。それから、わたしにぬっと片手を差し出す。
「そうだった。名乗りもせず、不調法だった。僕は、ジンロン。付き合いは長くなるか、短くなるかわからないが、当面はよろしく頼む」
「わかった。よろしくね、ジンロンさん!」
わたしも、ぎゅっと手を握り返した。
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