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彼は今、上半身裸のまま土下座をしている。顔は見えないが、歪ませてえぐえぐ涙を流していることだろう。嗚咽がうるさい。
結論として、
自身が種族を偽っていたことは認める
吸血していたなんて知らなかった
だそうだ。
理由は、「ちょっと力が強いくらいだから蚊でも吸血鬼も大して変わらないだろうし。吸血鬼のほうが虫が嫌いなまさとが受け入れてくれるかなって思ったんだ」
「ほんとに小さな頃から血を吸ったことはないよ。まさとに会ってから貧血かも、って思うことが増えたのは確かかも…種族の本能ってヤツかもしれない。病気も何も心配ないよ、しっかり検査も受けてるし。家族も人間と番っているけど皆健康です…」だそうだ。
後半はもう既に大泣きだ。
1つ嘘をついていたことは後で殴ろうと思っているが、片方が無自覚であったのなら別れるつもりはない。だって好きなんだ。
しかし、俺が別れを切り出すと思っているのか、謝り倒し別れないで、と縋ってくる姿は嗜虐心を煽られる。
情けない姿だ、と普通の人は思うだろうが、惚れてしまっている以上可愛くて仕方がない。
ずっと見ていたいが、これ以上体を冷やしてしまうのも可哀想だし、貧血気味だと言うこともわかっている。
俺は冗談めかして尋ねた。
「吸血鬼らしく首から吸うか?」
笑っている俺を見て安心したのか、頭にかけていたタオルで涙やらをゴシゴシと拭った。
少し考えたあと、真剣な顔で
「自分の能力がそんなにえっちなんて知らなかった。ぜひまさとの乳首からお願いしたい」と言われた。
「お前…」
また俺が怒りを滲ませたのを気づいたのか、焦ったように話し始める。ついでに余計なことも口走る。
「ごめん!いやだって、まさとの乳首、俺とセックスするたびに大きくなってくし、いつのまにかイケるようになってたから俺が育ててるんだって嬉しかったんだけど、まさかの共同作業だったなんて…!1人でするのは淡白なまさとが、1人で乳首オナニーしてなんて可愛すぎる…なんか自分で言ってて興奮してきた…なおさら今日は乳首からでお願いします」
ついにキレた俺は1日お預けをくらわせた。
財布を持ち今日の夕飯の材料を買いに行くことにする。レバニラ炒めを作ろう。
ヤツは部屋の隅で拗ねているいるが、そのうち追いかけてくるだろう。よし荷物持ちがいる。
外に出ると、部屋の中からバタバタと音がした。多分、服を着て出かける準備をしているのだろう。
そんな様子を想像して笑ってしまう。
堪らなく愛しいっていうのはこういうことを言うのだ。
そういえば、モスの名前についても尋ねたがそれは本当だと言われた。
行為中に彼の別の名前を読んだら浮気を疑われたこともあるので、自身の名前すら把握してない可能性が高い。
蚊に刺される、吸われる?
違う、蚊に食われる、が正しい。
だってアイツはいつでも俺の身体を貪り食っているのだから。
結論として、
自身が種族を偽っていたことは認める
吸血していたなんて知らなかった
だそうだ。
理由は、「ちょっと力が強いくらいだから蚊でも吸血鬼も大して変わらないだろうし。吸血鬼のほうが虫が嫌いなまさとが受け入れてくれるかなって思ったんだ」
「ほんとに小さな頃から血を吸ったことはないよ。まさとに会ってから貧血かも、って思うことが増えたのは確かかも…種族の本能ってヤツかもしれない。病気も何も心配ないよ、しっかり検査も受けてるし。家族も人間と番っているけど皆健康です…」だそうだ。
後半はもう既に大泣きだ。
1つ嘘をついていたことは後で殴ろうと思っているが、片方が無自覚であったのなら別れるつもりはない。だって好きなんだ。
しかし、俺が別れを切り出すと思っているのか、謝り倒し別れないで、と縋ってくる姿は嗜虐心を煽られる。
情けない姿だ、と普通の人は思うだろうが、惚れてしまっている以上可愛くて仕方がない。
ずっと見ていたいが、これ以上体を冷やしてしまうのも可哀想だし、貧血気味だと言うこともわかっている。
俺は冗談めかして尋ねた。
「吸血鬼らしく首から吸うか?」
笑っている俺を見て安心したのか、頭にかけていたタオルで涙やらをゴシゴシと拭った。
少し考えたあと、真剣な顔で
「自分の能力がそんなにえっちなんて知らなかった。ぜひまさとの乳首からお願いしたい」と言われた。
「お前…」
また俺が怒りを滲ませたのを気づいたのか、焦ったように話し始める。ついでに余計なことも口走る。
「ごめん!いやだって、まさとの乳首、俺とセックスするたびに大きくなってくし、いつのまにかイケるようになってたから俺が育ててるんだって嬉しかったんだけど、まさかの共同作業だったなんて…!1人でするのは淡白なまさとが、1人で乳首オナニーしてなんて可愛すぎる…なんか自分で言ってて興奮してきた…なおさら今日は乳首からでお願いします」
ついにキレた俺は1日お預けをくらわせた。
財布を持ち今日の夕飯の材料を買いに行くことにする。レバニラ炒めを作ろう。
ヤツは部屋の隅で拗ねているいるが、そのうち追いかけてくるだろう。よし荷物持ちがいる。
外に出ると、部屋の中からバタバタと音がした。多分、服を着て出かける準備をしているのだろう。
そんな様子を想像して笑ってしまう。
堪らなく愛しいっていうのはこういうことを言うのだ。
そういえば、モスの名前についても尋ねたがそれは本当だと言われた。
行為中に彼の別の名前を読んだら浮気を疑われたこともあるので、自身の名前すら把握してない可能性が高い。
蚊に刺される、吸われる?
違う、蚊に食われる、が正しい。
だってアイツはいつでも俺の身体を貪り食っているのだから。
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